ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

60 / 90
親子の時間そして天国の強戦士

あれから数分後、俺は朱乃の母親に何度も頭を下げられた。別に俺はどうでもいいが。

その後 俺は来たついでに天国を視察しようと思い、朱乃に二日の滞在を許可し親と居させる事にした。

 

「じゃあ2日後に迎えに来る。それまでは親子の時間を楽しめよ」

俺がそう言うと朱乃は頷いた。そして俺はその場所から飛び立ち神社を後にした。

 

ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー

 

ゼノ君が空に飛び去り見えなくなると母様は私を神社の中へ入れてくれた。

広間らしき場所に着くと私は夜風のあたる場所に座った。外から吹く風が凄く心地いい。

 

「いい風……」

 

「朱乃 お茶が入ったわよ」

「ありがとうございます母様」

目の前に置かれた湯のみをそっと手に取りゆっくりと口に運んだ。

 

「おいしい………」

その味は子どもの頃の記憶を鮮明に思い出させてくれた。それと同時に私の目から一筋の涙が流れ頬をつたり静かに落ちた。

何度やっても生み出すことができなかった母様の味 それをもう一度味わえる事が出来たのが凄く嬉しかった。

 

「朱乃?どうして泣いてるの?何かあったの?」

「いえ……これは……嬉し涙に……ございます…」

 

ーーーーーーーー

ーーーーー

ーー

 

一方その頃 ゼノは天国の雲を突き抜けた場所に立つ巨大な宮殿へと来ていた。

 

「久しぶりですな。大界王殿」

「んん…お久しぶりですね銀河神様」

ゼノの前には長い髭とサングラス そしてコオロギのような触覚の生えた帽子が特徴な老人が座っていた。

 

「して…なぜ此方へ?」

「ちょっとした野暮用さ。なぁに2日間だけ滞在するだけさ」

そう言うとゼノは席を立つと「ちょいとばかりこの辺りを回ってくる」とだけ言い残しその場を去った。

 

「ふぅ…ついこの間までは敬語を使ってた子が一瞬であんな風になるとは…子供の成長は早いものね…」

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

宮殿を去ったゼノは とある場所へと来ていた。その場所とは天国の武道場である。その広さは本番の武道場よりも一段と広く 大きさは街一つと同等である。

 

「ハッ!!」

「せいッ!!」

「どりゃぁッ!!」

 

ゼノが着いた時には既に何千もの戦士達が組手やらストレッチやら瞑想等をしていた。この者らは殆どが生きていた頃に歴史に名を刻んだ強者ばかりであり、普通の戦士よりも一線を凌駕する実力を持っているのだ。

 

すると、ゼノは修行する戦士の中 見覚えのある後ろ姿を見つけた。その人物は背中に『悟』という文字のつけられた山吹色の道着を身に着けていた。ゼノはその戦士に近づくと声をかけた。

 

「よう。久しぶりだな孫悟飯」

ゼノの声を聞くとその人物はゆっくりと此方へ振り返った。

「え!?お…! お久しぶりです銀河神様!」

「なに!?銀河神様!?」

孫悟飯と呼ばれた人物はおどおどしながら敬語でゼノへ挨拶をした。すると辺りの皆も驚き一斉にゼノへ頭を下げた。

「全員 頭を上げろ。俺はちょいと視察に来ただけだ。修行を続けてくれ」

そう言うと周りの皆は離れ修行を再回した。するとゼノは悟飯へ目を向けた。

「相変わらず堅苦しいな。呼び捨てでいいって言ったろ?」

「あははは…やっぱ神様なのでそこら辺は…」

この『孫悟飯』という青年の実力は天国では最上位に位置しており、 一度ゼノと一度 拳を交えた事があった。潜在能力を引き出したゼノに勝利している。

 

「で、なぜこんな所に?」

「だから視察だっての。それよりなんだ?この人数は。 『あの世一武道会』はもう何年か先だろ?」

そう言いゼノは辺りを見回す。

『あの世一武道会』とは、いわばあの世での武道大会である。天国の武道家達が集まり その中からのナンバーワンを決める大会である。因みに悟飯はあまり優勝経験はない。なぜかというと『ある男』が連続で一位を獲得しているからである。

 

「あれですよ。地獄から大量の脱走者が出たんですから 多分皆 燃えてるんですよ」

「あぁそうだったのか」

悟飯の言う通り あの日 地獄から脱走者が出たと同時に 天国の武道家全員に出動命令が出るまで各自 鍛錬し備えよと命令が出されたのだ。

すると、ゼノは上着を脱ぎすて上半身 だけタイツとなった。

 

「さぁて、感動の再会のついでに1試合どうだ?」

「えぇ!?ゼノさんと!?ま…まぁいいですよ!僕だってあれから結構強くなりましたからね!」

そう言うと孫悟飯も戦闘態勢を取った。

 

「お!?悟飯がやるらしいぞ!?」

「しかも相手はあの銀河神様だぜ!?」

「マジかよ!?こりゃ見物だ!」

 

すると、周りの皆はテンションが高まり全員その場を離れ始め 武道場の外へ出ると野次を投げ始めた。

ヤジが飛び交う中 悟飯は 深く深呼吸をした。

 

「ふぅ………ッ!」

 

その瞬間 悟飯の身体から茶色のオーラが溢れ出た。それと同時に悟飯の風貌が変わった。黒い瞳が金色へと変貌した。そして、何よりも一番特徴的なのは先程まで短かった髪が背中を覆いつくす程まで伸びていた。

すると悟飯は戦闘態勢を取り鋭い眼光でゼノを見据えた。

 

「初めから全力でいきますよッ…!!」

 

孫悟飯スーパーサイヤ人3(潜在能力解放)

 

 

「へぇ…それがスーパーサイヤ人3か。だったら俺も見せてやる。新しい力を…ッ!」

 

その瞬間 ゼノから膨大な水色のオーラが溢れ出しゼノを包みこんだ。。その瞬間 天国の雲が晴れ 周りに突風を巻き起こし 練習場の床板が次々に剥がれ飛ばされていった。

 

「ゔぉおおおおおおおおッ!!!!」

ゼノのとてつもなく巨大な咆哮と共に地面が揺れ出しマグニチュード並みの振動が発生した。

 

すると ゼノを覆っていたオーラがガラスのように割れ始めた。

そして完全に剥がれゼノの姿が露わになった。その姿を見た瞬間 孫悟飯は大量の冷や汗を流した。

 

「ゼ…ゼノさん…?まさかその姿って…」

「行くぞッ!!!!!」

「まってぇぇぇぇぇ!!??」

ゼノが悟飯とぶつかり合った瞬間 闘技場一帯が光に包まれた。

 




あと1話程で終わります。因みにゼノが変身しましたがスーパーサイヤ人じゃありませんよ!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。