ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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大変長らくお待たせしました。姫島親子の再会です。

更新停止中 心配してくださった方々 ご心配をおかけして申し訳ございませんでした。


ではどうぞ!


母と娘の再会

部室を後にしたゼノは朱乃の支度をさせるため、一度神社へと瞬間移動した。

ゼノが朱乃を待つこと数分

「お待たせしました」

 

声がする方へと首を傾けた瞬間、ゼノはその姿に目を奪われた。

そこには、いつもと同じ巫女服を着用している朱乃が立っていた。時折見るその姿は誰もが目を奪われる程 美しいものだった。

 

だが、ゼノが奪われた場所はそこではなかった。

 

それは……朱乃が背負っている2メートル後半はありそうな程の巨大なリュックである。完全に モン○ンのネ○婆である。

「でっけぇな……何が入ったんだよ」

「うふふ♪秘密です」

「まぁいいか。いくぞ」

ゼノは朱乃の巨大なバックに触れるとその場から瞬間移動をした。

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ーーーーーー

ーーーー

瞬間移動をしたゼノと朱乃は、閻魔庁へ趣き、生身の人間である朱乃の死者の国への立ち入りの許可を申し出た。大王はアッサリと許可をし、手下である鬼達にゲートを開かせた。

 

ギィィ……

 

そのゲートを開けたと同時に、隙間から光が差し込んだ。

朱乃は突然の光に目を瞑った。

そして、その光が消えると朱乃はゆっくりと目を開いた。

 

「…!」

 

 

 

 

 

目の前にあったものは “別の世界” であった。

 

 

 

 

 

上には満点の星空、そして下には、海の底が見える程 鮮やかに透き通った海、さらにその先には日本と同じ程の大陸があり、上に浮かぶ青く美しい巨大な満月がその大陸を照らしていた。

 

「すごい……」

初めて見る景色、ましてや秘境のような風景に朱乃は目を奪われていた。

 

「あそこに家とかが見えるだろ?あそこにいくぞ」

そう言いゼノは広い海の上に浮かぶ大陸へ指を指した。

「で…ですがどうやって…」

「飛んでだよ」

「え?」

そう言うとゼノは朱乃の手を取り、そこから下にゆっくりと体を落とし落下した。

 

「きゃぁぁぁー!!!!!!!!」

 

高度1万kmある地点からの落下に、朱乃は絶叫した。絶叫する朱乃の隣でゼノは一人爽快な気分を味わっていた。

 

「きゃあぁぁぁぁー!!!!!!!」

 

地面まで残り数メートルになった瞬間

 

シュンッッッッッ!!!!!!!

直前で、ゼノは舞空術を使った。その衝撃で辺りには大量の水飛沫が舞い上がり、朱乃やゼノの頬や背中に付着すると静かに破裂した。

 

「しっかり掴まっとけよ!」

「は…はい!」

そう言われた朱乃はしっかりとゼノの肩にしがみついた。ゼノはニヤリと笑うと一気に速度を上げた。

 

ヒュゥゥゥゥーンッ!!!

 

「イヤッホォォォォォォォー!!!!!!!!!!」

「きゃぁぁぁぁぁー!!!!!!!」

 

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それからしばらくして、ゼノと朱乃は大陸へと降り立った。

「到着っと」

「し…死ぬかと思いました…」

ゼノのあまりにも複雑な飛行+1万kmメートルからの急降下で朱乃の顔は少しやつれていた。

そんな事は御構い無しにゼノは「いくぞ」といい足を進め朱乃はそれを追いかけた。

 

二人がしばらく歩くとある神社へ着いた。その神社周りには多くの灯籠が置かれており、その中にある炎が静かに揺れていた。それに加え、その神社に繋ぐ長い道の周りには多くの木があり、風に合わせて静かにゆれていた。さらに周りには無数の蛍、そして青く輝く蝶達が舞っており、まさに幻想と呼ぶに相応しい風景だった。

 

二人は入り口である鳥居をくぐるとその神社へと近づいた。

 

「ここに……母様が…」

「そうだ。大王からだとお前の母親はここの神社の巫女であるらしい。すげぇな。死んでも職を持つ奴なんてあんまいねぇぞ。というかあの世に神社なんてあんのか?」

作者「知らん」

その時

 

「誰かいるのですか?」

神社の玄関の戸が開かれ、誰かが出てきた。

その音と共に朱乃とゼノはその人物の方へ首を向けた。

 

「あら?どちら様でしょうか?」

その人物は二人に気がつくと声を掛けてきた。暗闇で姿はよく分からないが声の質からして女性である事がわかる。

だが、悪魔である朱乃は暗闇の中でもその姿ははっきりと目に映っていた。朱乃はゆっくりと返した。

「あ……私のこと……覚えていますか?」

「はい?」

その言葉に対し、その人物は首を傾げた。

 

その時

 

風が吹き、それと同時に月を覆っていた雲が一気に晴れた。

それと同時にその場が月明かりに照らされ、暗い景色を鮮明にさせていった。

その瞬間、相手の人物は目を見開いた。

 

「もしかして………朱乃……?」

その女性がそう言った瞬間 朱乃の目に涙が浮かんだ。

「はい…!貴方の娘 姫島 朱乃です!」

そう叫ぶと朱乃はその女性に駆け寄り抱き付いた。

「母様……ずっと会いたかったです…!」

「…!」

涙で顔がぐしゃぐしゃになる朱乃をその女性は強く抱きしめた。

「私も…私もよ…!朱乃!」

月明かりに照らされながら抱き合う二人の周りにはまるで祝福するかのように沢山の蛍や蝶達が飛び交っていた。

 

「大きく…なったわね」

「……はい…!!」

 

 

涙を流しながら抱き合う母と娘をゼノは離れた場所で見守っていた。

(親子……か)

 

その時、ゼノの頭にある映像が浮かんできた。それはビルスと出会う前の己の過去の記憶である。

 

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とある荒野のど真ん中で1人の少年が涙を流しながら手を出していた。

 

『待ってよ父さん!僕を置いてかないで!』

手を向けるその先には父親らしき男性が背を向けながら先へと進んでいった。

『待ってよ!』

『黙れ』

その一言で少年は泣き叫ぶのをやめた。その男性は振り返ると冷酷な目で少年を見つめた。

 

『力もない。知恵も人並み程度。そんな出来損ないに父親呼ばわりされるなど屈辱に他ならん』

『え……』

『勝手に生きて勝手に野垂れ死ぬがいい。お前は私の研究の廃棄物だ」

そう言い捨てるとその男性は歩き始めた。少年を置き去りにして

 

『ま…待ってよ!待ってよ父さぁぁぁぁぁぁんッ!!!!』

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ーーーーー

ーーーーーー

 

「……」

思い出した過去にゼノは怒りが混じった表情をしていた。幼き頃に言われた言葉が思い返すと同時に胸の辺りが少し苦しくなった。

 

「クソ親父が…」

ゼノは歯を少し噛み締めると再び抱き合う2人の方を向いた。

 

(俺はお前が羨ましいよ。朱乃)

 

 




次の投稿は恐らく6月の下旬頃になると思います。

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