ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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暗黒のドラゴンボール

駒王学園を跡にしたゼノは、学園から少し離れた林の中に来ていた。

 

ゼノは気づいていたのだ。何者かに付けられていることを

「さて、そこに隠れてる奴、でてこいよ?」

「…そう警戒しないでくれ」

その声がした途端、近くの暗闇が歪みだし、そこから制服の上に漢服を羽織った謎の青年が姿を現した。

 

「誰だ?お前」

「あぁ、申し遅れた。俺の名は『曹操』 三国の時代 魏の王 曹操の子孫だ」

「曹操の子孫?あぁ、通りで漢服を着てるわけか」

ゼノは曹操と名乗る青年の言葉に納得した。

「で?その曹操の子孫が俺に何の用?」

「別に、ただ君の戦いを見させてもらってね。興味が湧いたんだよ。突然だが俺たち英雄派に加わる気はないかい?」

「は…?なぜ俺が?」

「君は人間でありながら何千もの魔法使いとカテレアをたった一人で倒すというより蹂躙といったところか?まぁその力を見込んでだよ」

「へぇ〜」

「君が加われば俺たちカオスブリゲード英雄派の目的は更なる段階に到達できるだろう。もちろんタダでとは言わないさ。君の望むものは何でも用意しよう」

「そうか」

ゼノはにっこり笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざけんな」

「!?」

突然、曹操は背後から聞こえた声に驚き即座に振り向いた。

 

「な…!い……いつの間に……」

そこには先程まで目の前にいたゼノが立っていたのだ。曹操は動こうとするも体が震えて動けなかった。何故なら体の心臓に位置する場所にゼノの人差し指が突きつけられているからだ。

 

「黙って聞いてればムカつくな。〝神〟に対して『興味が湧いた』『その力を見込んでだよ』はぁ?結構上からだな。その上 物で釣る?相当死にたいらしいな」

「…!」

その威圧に曹操は身体が震えた。それと共にゼノの殺気が手先から心臓内部に行き渡る。だが幸いなことに微量な殺気だったため曹操は臆する事なく続ける。

「戦うつもりかい?神さえも屠る最強の神滅具『黄昏の聖槍』を持つこの俺と」

「別に戦ってもいい。けど、俺の身内に手を出そうとしてるならこの場でそのおもちゃごと木っ端微塵にしてやる…!!!」

「ッ!」

その瞬間 先程よりも濃い殺気が心臓へと渡った。流石の曹操もヤバイと判断したのかすぐさま槍を手から離す。

「ほら、謝罪はないのか?」

「……す……すいません ……でした……」

「フン」

ゼノは手を下げると背を向けた。

「さっきの勧誘だけど断る。お前らと違って俺は忙しいんだ。今日はもう許してやるからとっとと家に帰りな」

そう言いゼノはその場所から消えた。

 

ドサッ

ゼノが去った途端、曹操はその場に倒れた。

 

「曹操、あまりにも遅いので迎えにきてやっt……曹操!?何があったのだ!」

突然現れた仲間と思わしき人物は曹操が倒れていることに驚くと、曹操はゆっくりと口を動かした。

 

「ゲオルグ………俺は……生きているのか?」

「は…?何を言っている!?生きているに決まってるではないか!?」

「そうか……ならよかった……」(ヴァーリ…話が違うじゃねぇか……)

それだけ言い残すと曹操は意識を手放した。

 

 

一方で急に呼び出されたゼノは移動中 うっすら笑みを浮かべていた。

(あの曹操とか言う奴…俺の威圧と心臓部に伝えた殺気をあそこまで耐えるとは……意外と楽しめるかもな)

そう思いながら先ほどの曹操という青年の事を思い浮かべていた。そう考えていると目的地へと着いた。

 

〜時の巣〜

 

「来たわねゼノ君」

「よう時の界王神」

時の巣に来るとそこには時の界王神がお出迎えしていた。

 

「連絡した通りだけど、その悪魔から取った球を見せてくれる?」

「ん」

そう言いゼノはカテレアから毟り取った球を時の界王神に差し出した。

受け取った時の界王神は一目見ると目を丸くした。

 

「え!?これって『暗黒ドラゴンボール』じゃない!?」

「暗黒ドラゴンボール?なんだそれ?ドラゴンボールの亜種か?」

聞き覚えのない単語にゼノは首を傾げると時の界王神は説明した。

 

「これは昔…アイツらがドラゴンボールを作った地球の神を洗脳して作らせたドラゴンボールよ…通常の神龍よりも叶えられる願いが3つのうえ強大かつ凶悪な願いが叶えられると言われている呪いの球……ってあれ?ちょっとまって?これがあるってことは!?」

 

「…!すぐ神殿に行くぞ!!」

ゼノはそう言うと時の界王神に触れ瞬間移動し神殿へと向かった。

 

ーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーーーー

 

ヒュンッ

 

神殿に着いた二人はすぐに内部に向かいデンデを探した。すると、近くの木の根元に誰かが倒れていた。

 

「ポポ!」

ゼノはすぐさま駆け寄りポポという黒い肌の男性を起こした。

 

「おい!しっかりしろ!おい!」

ゼノがそう揺さぶるとポポはゆっくりと目を開けた。

 

「う……ゼノ……様…時の界王神様…?」

「そうだ俺だ!何があったんだ!?この荒れ様!それにデンデはどうした!」

「デンデは……あそこに……」

ポポが指差す方向にはボロボロで倒れ伏したデンデがいた。

 

「デンデ!」

ゼノはすぐさまデンデを起こすと胸に手を当て気を送り込んだ。

すると、デンデはゆっくりと目を開いた。

 

「ゼノ……様……?」

「そうだ俺だ!お前ら、俺が来ない間 何があったんだ!」

「それが……記憶がないのです……気付いた時はゼノ様が目の前にいました…」

「そうか…」

 

「そのことなら少し、ポポ、知ってます」

「ッ!」

そう言い、時の界王神に介抱されていたポポが立ち上がると説明した。

「ポポと神様がいつも通り下界を見下ろしていた時でした」

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「今日も地球は平和ですね」

「うん。平和。ポポ嬉しい」

ポポ達、いつもと変わらぬ平和な地球を眺めていた。

 

「そろそろお茶にでもしますか」

「じゃ、ポポ、お茶とお菓子持ってくる。神様、ここで、待ってて」

「はい」

ポポは茶と菓子を取りに宮殿に戻った。事件はその直後でした。

 

 

「神様、お茶とお菓子持って来ましたぞ〜ってあれ?」

ポポがお茶を持って来た時、空が暗黒に包まれていたのです。

 

「な…なんだぁ …?」

見るとデンデが二人の怪しい奴と話していたのです。ポポはすぐ停めようと駆けつけましたが…

 

「邪魔よあなた」

「…!」

1人の怪しい奴がそう言うともう1人の怪しい奴がポポの鳩尾に一発いれてきたのです。そこでポポは気絶してそれ以降のことは覚えてません。

 

ーーーーー

ーーー

 

ポポが話を終えた途端、デンデはすぐさま二人に向かって土下座をした。

 

「申し訳ありません!地球の神である私がこのような不覚を!」

「ポポも…本当に申し訳ない…」

二人の謝罪にゼノは「謝るな」とだけ言うとすぐさまその場にいる全員に触れ瞬間移動した。

 

ヒュンッ

 

「こ…ここは!」

向かった先は界王神界であった。

いきなり現れた事により界王神達も驚いていた。

 

「ゼゼゼゼゼゼ ゼノさん!?」

「どうしてここに!?」

「取り敢えず説明する」

そう言うとゼノは今までの事を説明した。最初は驚くも最後は納得し頷いた。

 

「成る程…分かりました。私たちにお任せください」

「スマンな」

そう言うとゼノは時の界王神に触れた。

 

「奴らを片付けるまではここで面倒を見てもらえ。ここなら安全地帯だからな」

「おじいちゃん達、この子達をよろしく頼むわよ」

 

「はぁ…まったく…暗黒魔界の奴らにはホント困ったモンじゃわい」

「アンタらはココでこいつらを守ってろ。この件は俺が片付けてやるからな」

「分かったわい」

 

そう言うと二人は瞬間移動で時の巣へと戻った。

 

ーーーーー

ーーー

 

ヒュン

時の巣に戻ったゼノは今後のトワ達 暗黒軍の対策について話し合っていた。

「これでデンデ達はしばらく大丈夫だが…後は暗黒魔界の奴らだ」

「これを作ったとなると奴らの目的も前と同じ暗黒魔界の復活……そしてその首領『メチカブラ』の復活だわ…」

「…?メチカブラ?」

「暗黒魔界の王よ。今は老人だけど 若い全盛期の頃はすごく凶悪で神とほぼ同等かそれ以上の戦闘力を持っていたの」

「ふぅ〜ん。神と同等ね…。まぁいいわ。取り敢えず姿を現わすまでボチボチ待つか」

そう言うとゼノは暗黒ドラゴンボールを時の界王神からヒョイっと奪った。

「え!?」

「取り敢えずこれは師匠や俺が管理する。お前が持ってて何かあると困るからな」

「え…?そ…それって……つまり私を…心配してくれてるってこと///」

「断じて違う」

 

それからゼノは時の巣を後にして、地球に戻った。

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

「「「「「「申し訳ありませんでした!!!!」」」」」」

 

「は…?」

あれからゼノは地球に戻ると既に空が真っ赤っかに染まっていて夕方だったのだ。それで直で部室に向かったのだ。そして扉を開くと、自分を見たリアス達が一斉に土下座して………今に至る。

 

「どしたの?」

ゼノは土下座の理由を聞くとリアスは説明した。

 

「貴方が神とは知らずこれまで多くの無礼を働きました…!ほ…本当に申し訳ありません!」

「本当にすいませんでしたぁぁぁぁぁ!!!」

リアスは今まで自分がおこなってきた無礼に対しての謝罪をした。他の者も同じだ。特にイッセーはビルスから警告を受けていたので皆よりもさらに激しかった。

ゼノは頭を掻きながら溜息をつくと「とりあえず頭をあげろ」とだけ言った。

 

「確かに俺は神だ。けどそんな崇められるのは好きじゃないんだよ。だからタメ口でいい」

「で…ですが!」

「だからいいって言ってんだろリアス」

「で…でも……え?今…名前で…?」

突然、ゼノの方から自分の名前を呼ばれた事でリアスは驚いた。今までグレモリーとしか呼ばれなかった自分を名前で呼んだのだ。

 

「認めてやったんだよ。あの時 ヴァーリがイッセーの両親を殺すと言った時、お前は無理と分かっていても恐れず前に出た。一見 小さいとは思うが俺にとっては大したモノだと思ってる。タメ口を使わないとなるとグレモリーのままがいいか?」

 

「い…いえいえいえいえ!滅相もございません!!使わせていただきます!これからもよろしくお願いします!!!!!!」

「よろしい」

そう言うと次にイッセーの方を向いた。

 

「ただしイッセー、テメェは敬語だ。よくよく考えれば俺 先輩だし」

「はいぃぃ!今まですいませんでしたぁぁ!!!!」

 

ゼノはまた「よろしい」と言うと最後に朱乃の方を向いた。

「朱乃、いくぞ」

「…?」

「忘れたのか?」

ゼノがそう言うと朱乃は表情を一変させ、すぐさまゼノに付いていった。

 

「?どこへ行くの?」

リアスがそう尋ねるとゼノは「ただの散歩だ」とだけ言い、朱乃と共に部室を後にした。

 

 





次回が本当の姫島親子の回です!!

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