ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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破壊神 との会談

ビルスが到着したことにより、会場内は異様な空気が漂っていた。

サーゼクスやアザゼル達は冷や汗を浮かべており、リアス&ソーナ眷属の全員は身動きができず固まっていた。アーシアはゼノの話を思い出したのかイッセーの後ろに隠れた。

 

「ん〜?なにボ〜ッと突っ立ってんの?」

「!こ…これは失礼しました!」

ビルスのその一言でサーゼクスやアザゼル達は直ぐに正気に戻り席を立ちビルスの前に膝をついた。

 

「ようこそおいで下さいましたビルス様…私は悪魔で魔王を務めております『サーゼクス・ルシファー』と申します」

「同じく魔王の『セラフォルー・レヴィアタン』です」

「私は、天使の長 『ミカエル』と申します」

「私は堕ちた天使 堕天使の総督『アザゼル』と申します」

それぞれの勢力の代表者は聞いたこともないような丁寧口調でビルスに膝をつき挨拶した。

 

「へぇ〜。悪魔だけだと思ったけど…天使と堕天使もいるんだ。まぁよろしく。それと、そろそろ座らせてくれないかい?ず〜と立ちっぱなしだと疲れちゃうからさ〜」

サーゼクスは頷くとすぐさまビルスを席へと案内し、座らせた。直に感じる威圧感。その大きさは一つの惑星に等しい程だった。

 

 

 

「ほほほ。なにもそんな緊張なさらず、暴れないよう私が付いておりますので♪」

「ありがとうございます…………え!?」

ビルスの他にもう一人誰かがいたことに皆は気づいた。

 

「ビルス様…そちらの方は…?」

「申し遅れました。私はビルス様の付き人『ウイス』と申します。まぁ話は大体 私がお話し致しますので」

「そ…そうですか…」

そう言われたサーゼクスは気を持ち直すと席に戻った。

 

「んで?何で今回の会談に僕を呼んだの?」

「その理由はこれからお話しします。その前に……グレイフィア」

「はい」

サーゼクスはグレイフィアを呼ぶとグレイフィアは頷き、氷に包まれた箱を取り出し、そこからカップにフルーツがたっぷり添えられたパフェを取り出し、ビルスの前に置いた。

 

「どうぞ」

「ん…!?何だいこれは?見たこともない果実が乗ってるねぇ〜…?」

ビルスは突然置かれたパフェに一瞬驚くとグレイフィアに聞いた。すると代わりにサーゼクスが答えた。

 

「ゼノ君から貴方の好物がスイーツであると教えてもらい、今回の会談へのお越しの感謝を込めて 冥界での希少なフルーツ…『ドラゴンアップル』を添えたパフェをご用意させていただきました」

 

「ほぅ…?これはこれは見事なものだ」

サーゼクスの説明を聞くとビルスは目を輝かせながら舌を出すとスプーンでひとすくいし口に運んだ。

 

「う〜ん……中々な物だねこのフルーツ…口に入れた瞬間にスッととろけて美味しいよ」

「喜んでいただけて何よりです」

ビルスは笑顔でパフェを口に運び続けた。

 

「もう一度聞くけどさぁ〜。何で今回の会談に僕を呼んだの?」

ビルスはパフェを頬張りながら先程聞いた事をもう一度聞いた。

そう言われたサーゼクスは顔の表情を解かずに答えた。

 

「今回貴方を呼んだのは二つの理由がございます。一つ目は我々 悪魔と天使 そして堕天使の歴史を知って頂きたいのです」

「ふぅ〜ん。なんで?」

「それは地球には人間や動物だけではなく我ら悪魔や天使といった空想のような種族も存在していることを知って頂きたいからです」

「ふぅ〜ん(ウイスとは別の天使がいたのか。まぁ、大した事はないけどね)」

「ではまず私達悪魔側から……

 

 

 

それからサーゼクス達の長い説明が始まった。その説明にビルスは全く驚く表情をせず、ただパフェを頬張りながら聞くだけであった。

サーゼクスの話が終わると次はミカエル、最後はアザゼルといった感じで進んでいった。

 

全ての話が終わる頃にはビルスは欠伸をしながら頬杖を付くという楽な姿勢をとっていた。

 

 

_______と、以上が私達 の歴史です」

 

「成る程。要するに君たちは三すくみ……で前に起こった戦争を二度と起こさない為に同盟を結んだと」

「はい」

「ふぅ〜ん。聞くからに悪魔は純血が不足で堕天使や天使も同じと…それに君らは前の戦争で自分らを取り纏める神を失ってバラバラになったと。一つ思うんだけど…」

ある程度理解したビルスはサーゼクス達を睨んだ。

 

「今の話から察するに……君たちは自分達が崇める聖書の神が死んだ事を公表してないんでしょ?特に天使側のミカエル君は…」

「はい…」

ビルスの鋭い目線がミカエルを捉える。いつもは冷静なミカエルでも申し訳なく汗を流していた。

 

「それに管理下である教会の聖剣計画も野放しにしていたって聞くじゃないか…。そこんとこはどうだろうなと思うよ。まぁ 君もシステムとやらの管理で忙しいと思うけどさ」

そう言いパフェのトッピングのドラゴンアップルを爪で刺して口に運ぶ。

 

「でもさ。管理下においたんならちゃんと管理しなよ。それこそ代表取締役の務めでしょ?」

「はい…全くその通りでございます…」

「そこんとこは気をつけてよ」

ミカエルへと話すと次は悪魔勢力の代表者 サーゼクスとセラフォルーへ目を向けた。

 

「君らもだけど…はぐれ悪魔っていう化け物が生まれる原因は殆ど その主人が原因なんじゃないの?勝手に決めつけてホイホイ殺すより 主人を教育した方がいいと僕は思うがね」

「はい。ですので現在は、定期的に眷属のデータを確認するようにしております」

「ふ〜ん。キチンと対策はしてあるんだね。なら良いよ。そして最後は君だ」

「は…はい」

ビルスは三大勢力の中でも一番 全く信用度が薄いアザゼルへと目を向けた。

 

「君は確か神器っていうヤツを研究してるんだよね?」

「はい」

「思ったんだけど…無駄な神器狩りをさせるより…簡単に引き抜く実験をした方がいいんじゃないのかな?」

その圧を掛けた言葉にアザゼルは虚を突かれたかのように驚く。確かにそうだ。命がつかないように引き抜く方法を見つければ神器狩りなどする必要はない。

なのでレイナーレのような人の神器に魅せられ 神器狩りという形で手に入れようとする輩が現れるのだ。

 

「全くもってその通りでございます…」

何も反論はできなかった。アザゼルも内心 自分に負い目を感じていた。平和を目指していたにしても、自分の行いで 一人の巫女の娘を 神を誰よりも崇拝していた少女も殺してしまった。

 

「まぁ取り敢えずこれから改善して 豊かな平和を築いてくれる事を僕は願うよ。まぁ、あくまで見てるだけの僕の意見だけど」

ビルスの不思議な発言に皆は疑問に思う。皆を代表してサーゼクスが質問する。

 

「ど…どういう事でしょうか…?」

「僕は見てるだけさ。君達がどうなろうと知ったこっちゃないただの達観者。君ら冥界や他の神話勢をどうするかは そこの馬鹿弟子が決める事だよ」

そう言いビルスは後ろで脚を組みながら聞いているゼノへ目を向けた。

 

「アイツにはここら一体の銀河を任せてるんだ。その中にこの地球も含まれている。つまり 世界の主導権はアイツが握っているって事さ。だからアイツの命令は絶対という事を肝に命じておいてほしいね」

 

「わかりました…我らも改善のため…今よりも尽力していきます…」

「よろしい。あとさ、何かあったよね?僕に聞きたいことが」

「はい。二つ目は…貴方 方 宇宙の神話系統を教えていただきたいのです。我々がどういう立ち位置なのか…差しつかえ無ければ…お願いします」

その質問にビルスは首を傾げた。

 

「何だい?ゼノから聞いてないのかい?」

「ゼノ君が妹に話したことをある程度、お聞きしております。ですがそれはまだ一部だという事なので」

「成る程ね。ウイス」

「はい」

ビルスは説明をウイスに任せるとウイスは杖を取り出した。

 

「では私が説明しましょう」

 

トン トン

 

ウイスが杖を2回 叩くと辺りの景色が変わった。

 

 

「こ…これは…!?」

サーゼクスやミカエルは落ち着いているがリアスやソーナ達の皆は混乱していた。

「な…何だ!?宇宙!?」

「え…!?え!?」

いきなり景色が変わったことによりイッセーとアーシアはパニックになった。

 

「私達…宇宙に来たってことでしょうか…?」

「いや……これってまさか……『立体映像』…?」

リアスがそう言うとウイスは「その通り」と答えた。

「紅髪のお嬢さんの言う通り宇宙空間を映像として周りに投写しているのです。ただの映像なので酸素のご心配はなさらず」

そう言うとウイスは話し始めた。

 

「まずは銀河から、これが貴方達の住む地球です」

そう言いウイスが杖を前に動かすと地球が周りながら近づいて来た。その他にも辺りには金星やら木星やら無数の光り輝く星々が見えていた。

 

「この星には各国に多くの神々が存在します。それらを取り纏める神が皆さんご存知 地獄の『閻魔大王』です」

そう言うとウイスは杖で辺りの景色を銀河に変えた。

 

「そしてその上に立つのが『界王』です。界王はそれぞれ東西南北の銀河に一人存在し、それぞれの銀河を管理しております。因みに貴方達の星は北の銀河に属しています。その四人を取り纏めるのが『大界王』と呼ばれる方です」

 

そう言うとウイスは杖を更に杖を叩き範囲を広め、ついには銀河一つでさえ小さく見える程の広大な宇宙空間を映し出した。

 

「す…すげぇ……な…」

「あぁ…テレビでは見たことあるけどここまで広大な景色は見たことねぇぞ…」

あまりにも壮大な景色を見てイッセーはもちろん匙も圧倒されていた。アーシアは目を回らせクラクラしていた。

 

「先程話した『大界王』の上に立つのが神の上位となる『界王神」です。界王神は主に星を生成し、そこに新たなる生命を生み出す役割をしています」

「星や生命をですか…!?」

アザゼルはもちろんミカエルも目を大きく開かせて驚いた。

 

「はい。その界王神も界王と同じように東西南北に一人ずついます。そしてその四人を纏める者が『大界王神』です。大界王神の役割も星と生命の創造です。それと対になるのがビルス 様のような『破壊神』です。界王神が生み出しすぎた星や『人間レベル』を下げる恐れのある星を破壊し、宇宙のバランスを保つ事が破壊神の役目なのです」

 

「(へぇ…破壊神が破壊するのは宇宙のバランスを保つためだったのか…)」

あの時疑問に思った事をイッセーは理解した。破壊は宇宙のバランスを保つ為に必要な行為なのだと

 

トントン

 

ウイスは杖を叩くとまた景色は広がり、今度は12個の玉が現れ円を描くように並んでいる景色が映った。よく見るとその玉の中には広大な宇宙の景色が広がっていた。

 

「今映し出したこの12個の玉は全て宇宙です。すなわち宇宙は全部で12 個も存在しているんです」

リアス眷属やサーゼクス以外の皆は驚いた。アザゼルやミカエルは少し落ち着いていたがシトリー眷属の匙や他の皆は口を大きく開け唖然としていた。白龍皇のヴァーリも目を大きく見開き驚いていた。

 

「……という事はその他の宇宙にもそれぞれ破壊神がいるという事ですかな…?」

アザゼルがそう聞くとウイスは「はい」と答えた。

「破壊神の他にも界王神も全ての宇宙にいます。そしてそれらを取り纏めるのが『大神官』という方です」

「大神官……様ですか…?」

「はい。大神官様はあるお方の付き人を務め様々な業務を行っています」

ウイスが言った“あるお方”という言葉に皆は引き寄せられた。

「あるお方…とは?」

ミカエルはウイスに聞いた。

「そのお方こそ……この12の宇宙全ての頂点に立つ御方 『全王』様です」

「ッ!」

「……」

全王の名を聞いた瞬間にミカエルやアザゼル、ソーナ達は目を大きく見開き驚いた。ヴァーリに至っては声に出してはいないが凄く興奮していた。

 

 

トントン

ウイスは杖を叩くと映像を消した。

 

「とまぁ…以上が宇宙の神話系統です。他にも何か聞きたい事があれば話して下さい」

ウイスがそう言うとイッセーが手を挙げた。

 

「はい。そこの貴方」

「はい。えぇ…と……前から気になっていたんですけど………ゼノって何者なんですか…?」

「なぜその質問を?」

ウイスはイッセーに聞くと

「前に『地獄に行ってくる』って行ってたし…それに銀河もまとめてるとなると気になったんです。本当にゼノって何者何ですか…?」

「ふむ……ゼノさん、皆さんに話してないのですか?」

ウイスは答える前にゼノに聞いた。するとゼノは「話していない」と言う表情をうかべていた。

「はぁ…」

ウイスはやれやれと首を振るともう一度イッセーの方を向いた。

「ゼノさんはですね……………ん?」

 

ウイスが喋り始めようとした時

 

 

 

 

 

 

 

 

時間が止まった

 

 

 

 

 

それはイッセー達が一度体験したギャスパーの力そのものだった。

 

 

 




いよいよ次回はカテレア達の襲撃です!そこでゼノが少しばかりですが力を解放します!!

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