ゼノside
俺はイッセー達と別れた後、瞬間移動で閻魔御殿へと向かった。
「よう。大王」
「ゼノ様!お久しぶりです。よくおいでくださいました!」
出迎えたのは体長が10メートル程もありでっぷりとした体型の大男だった。コイツが閻魔大王だ。
「早速だが地獄に入れさせてもらうぞ?」
「はい!今ゲートを開きます!」
そう言うと大王は地獄へのゲートを開いた。
「ここからは俺一人で行く。何かあったらすぐゲートを閉じろ。いいな?」
「お気をつけて!」
俺はゲートをくぐり地獄へと向かった。
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コツ …コツ…コツ…コツ…
俺は今地獄の入り口であるゲートを越え、階段を登っていた。
階段を登りきるとそこには20メートルもある巨大な門が盾構えていた。俺は大王から借りた鍵を使い扉を開けた。
ガチャン
ギギギギ…………
そこには、あたり一面に炎が渦巻いていて、多くの獄卒達が亡者を苦しめていた。
金棒で罪人を撲殺しているものもいればぐちゃぐちゃに引き裂かれ練り上げられてるものもいる。
(ここが普通の地獄か……最下層とは大違いだな。フリーザとかだと獄卒じゃ手に余るからな…)
俺は拷問の中を通り過ぎながら歩いた。
「よう。仕事中ちょっといいか?」
俺は一人の鬼に声をかけた。するとその鬼は振り返ると俺に向かって敬礼をした。
「ゼノ様!お勤めご苦労様です!」
「あぁ。『ピッコロ』はどこにいる?」
「ピッコロさんなら今 阿鼻地獄にいらっしゃいます!」
「そうか。助かった。ひき続き…「た…助けてくれ…!」」
俺が話しているとそいつが痛めつけていた亡者が俺の足を掴んで助けを求めてきた。
「こんなのはもう嫌だ!!頼む!確かに俺は罪を犯したがそんなに重い罪では…!
「コイツの罪は?」
「現世にて麻薬密売人!それと多数によるイジメで5人の自殺者を出したグループの首謀者です!」
「嘘をついた。阿鼻地獄に連れてけ」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
そう言うと獄卒は亡者の頭を掴むと阿鼻地獄へと連れていった。
俺は足を進め業務員用の階段を使い阿鼻地獄へと向かった。
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「阿鼻地獄は……今日も異常なし…と」
ここは阿鼻地獄で地獄の最下層の一歩手前である。そこには緑色の肌をし、ターバンとマントを羽織った長身の男がペンを持ち、何やら物事を書き込んでいた。
「よう。ピッコロ」
その男にゼノは声を掛けた。
「?銀河神様!?何故ここに!?」
ピッコロはゼノを見ると驚いた。ゼノは来た理由を話した。
「な…成る程…セルやミラ達が脱走したと…」
「そうだ。だから最下層に行くための鍵を借りに来たんだ」
「そんなことをしなくても…瞬間移動で行けるのでは…」
「あぁ。その手があったか」
ピュンッ!!
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ゼノがついた場所は何もない。ただ暗く、空が夕焼け色に染まっている場所だった。
「さて、行くか」
そう言うと暗闇の道を進んだ。
その時
ヒュンッ!
一発の光の槍がゼノに向かってきた。
「よっ」
バキィンッ!
ゼノはそれを掴むと握り潰し周りを見渡した。
「あら、惜しかったわね」
声の主はすぐそばにある10メートルほどの岩石の上にいた。
「やっぱりテメェかクソ堕天使」
そこには、かつてイッセーとアーシアを殺害した堕天使「レイナーレ」がいた。
「また会えて嬉しいわよ。人間」
こちらを見て怪しく微笑むレイナーレ。ゼノは「何の用だ?」と聞くと
「退屈してたから誰か来ないかな〜と思って待ってたら偶然貴方を見かけたの。まさか貴方までもが地獄に落ちるなんてね」
ゼノは「は?」という表情を浮かべるとレイナーレを睨んだ。
「勘違いすんなよ。俺は視察で来たんだ。お前みたいなヘドロと一緒にすんな」
「はぁ?」
『ヘドロ』という単語にレイナーレは反応し、額に青筋を浮かべた。
「調子にのってんじゃないわよ!人間が!」
レイナーレはゼノに向かって槍を放つが
「お前がな」
すでに投げた場所から消え、背後にいた。
ドォオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!!!!!!!!
ゼノはレイナーレに水平に蹴りを入れた。その蹴りはレイナーレの脇腹に鋭く入り込みその身体は光の速度で吹っ飛んだ。そして近くにあった岩盤へと直撃し全身がぐちゃぐちゃになった。
「ぐぅぅ…おのれ人間めぇ…!」
復活したレイナーレはゼノを睨んだ。だが、次の瞬間 レイナーレの身体が床へ叩きつけられた。
「うがぁ!?」
「お前のような雑魚と遊んでる暇はないんだよ。次 邪魔したら…存在ごと消してやるからな…?」
そう吐き捨てるとゼノはレイナーレを上に投げ飛ばすと気団を放つ。
「ギャァァァ!!!」
その気弾が直撃した瞬間、大爆発を起こし、レイナーレの身体は断末魔と共に木っ端微塵になった。
「さて、行くか」
そしてゼノはまた地獄の奥へ奥へと進んでいった。
ピッコロ…GTの後ずっと地獄にいたが閻魔から出された『条件』を呑んで再び天国行きとなった。天国では悟飯達の修行を手伝っている。