ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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ギャスパーの神器

「『停止世界の邪眼』(フォービトゥン・バロールビュー)?」

 

「いや…何も言ってないんだけど正解よ…」

 

あれから元に戻った俺達はギャスパーの神器について話し合っていた。まぁダンボールに入ったままだけど、

ちなみにゼノは朱乃さんの手作りパフェをガツガツと食っている…

 

「というかギャスパーの能力ってなんですか?」

 

「『停止世界の邪眼』…文字通り視界に入ったもの全てを一定の間 停止させることができるの」

 

「時間を停める!?そんな反則な…………というか…ゼノ普通に食らっても止まってませんでしたけど…」

 

「俺は普通に平気なんだよ。さっき食らったけど何も感じなかった。多分 停められる相手に上限があるだろ」

 

「えぇ。確かに停められる対象には上限が存在するわ。それでも時間を停めることが出来るから十分に強力な神器よ。でも、そんな彼を眷属にすることができたのは『変異の駒』(ミューテーションピース)を使ったからなの」

 

「何ですか?それ?」

 

俺が気になって聞くと部長は説明した。

 

「通常 駒が複数必要な転生体が一つで済む特殊な駒なの。だいたい上級悪魔の10人に一人は持っているわ」

 

 

へぇ…駒一つで……ん?それだともしかしてゼノも眷属にできるんじゃ…?

 

「おい、今俺にこの駒使えば悪魔にできるとか考えてなかったか?」

 

ーーーーー心読まれてた!?

 

「いやいや!してないしてない!!ただどうなるのかな〜?って考えてただけだから!」

や…やべぇ!!普通に不機嫌だ!

 

「フンッ…どうせ俺じゃ無理だろ」

「えぇ…ゼノの場合10個や100個使っても100%無理だと思うわ…(というか出来たとしても私が全力で断るけど…)」

 

 

そう言うと部長はギャスパーの入っているダンボールへと目を向けた。

 

「話を戻すけど、ギャスパーはその駒の所有者なの。だけど問題はその才能よ。類稀な才能を持ったギャスパーは無意識のうちに神器の力が高まっていくみたいなの。近い将来には禁手化も至る可能性が出てきているわ」

 

「マジですか!?ただでさえ危険なのに制御不能よ奴が至ったら…!」

 

「そう。危うい存在なの」

 

「今ならギャスパー君を制御出来ると判断されたそうです。部長がイッセー君と裕斗君を至らせたと上の方達は評価したのでしょう」

 

ーーそ…そうか…俺はともかく木場は至ったんだ…俺も未完成だけどライザーをぶっ飛ばした時のも評価されたのかな…

 

「うぅぅぅ僕の話なんてしてほしくないのにぃぃ〜……」

バンッ!

「ひぃぃぃ…!」

ガンッ!

「きゃぁ!!!!」

 

ギャスパーがそう言うと少しうるさいと思ったのか小猫ちゃんが段ボールを叩いた。どさくさに紛れてゼノも段ボールを蹴ったけど見なかったことにしよ………

 

すると部長と朱乃さんは立ち上がった。

「とりあえず私と朱乃は会談の打ち合わせがあるから 少しの間ギャスパーをお願いね」

 

そう言うと部長達は木場も連れて出て行った。なんでも魔王様たちが木場の禁手化を知りたいんだとか…

 

ーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーー

 

ーーー

 

 

 

「ほら走れ。デイウォーカーなら日中でも動けるはずだろ?」

「ヒィィィィィィィ!!!聖剣の使い手なんて嫌ですぅぅぅぅぅ!!!滅っされる〜!!!!」

 

「ギャーくん…ニンニクは体にいい…」

「ニンニクはラメェェー!!!!!!!!!」

 

 

あの後皆はグラウンドでギャスパーを鍛えることにしたのだ。そして今は体力作りとしてゼノヴィアと小猫に追いかけ回されていた。

 

「な…なんかすげぇ楽しそうだな…あの二人…」

 

「私は目も合わせてもらえませんでした…」

 

すると

「お!やってるなオカ研!」

入り口から生徒会の兵士である匙が作業着姿で出てきた。

 

「よ〜兵藤、どうだい?調子は?」

 

「見ての通りだ…」

イッセーはゼノヴィアに追いかけ回されているギャスパーを指差した。

「お!金髪美少女じゃねぇか〜!」

 

「残念…あれは女装野郎さ」

真実を聞かされた途端に、匙は希望も何もかも失ったかのような表情を浮かべた。

「詐欺だな…」

 

「だな…」

 

すると

 

ピョンッ!

今までアーシアの横で寝ていたゼノは突然跳ね起きた。その動作に横にいたアーシアは驚きのあまりその場からコロコロと転がった。

 

「うぉ!?びっくりした!何だよいきなり!?」

「いや、ようやく姿を現したと思ってな」

その発言に皆は理解できなかった。

ゼノは近くの草むらへと目を向けた。

 

「おい出てこい。出てこないならその草むらごと吹き飛ばすぞ」

 

その脅しに反応するかのように草むらが動き出すと気配の正体はアッサリと姿を現した。

 

 

 

「分かった分かった!…ったく聞いてた通りバケモンだな〜。気配消したっつぅのにすぐに気づきやがって…」

 

見るとその草むらから身体中に包帯を巻いた和服を着た男性が現れた。

 

「アザゼル!!」

 

「よう赤龍帝、あの夜以来だな」

その男を見た直後にイッセーは神器を展開し戦闘態勢へと入った。ゼノヴィアや匙も同じく態勢を取っていた。

 

「まぁ待て、構えを解きな。下級悪魔君をいじめにきた訳じゃねぇよ。ちょいと聖魔剣使いと神の弟子を見にきただけだ」

 

「木場ならいねぇ!たとえいたとしてもお前になんか…!!」

 

「ったくよ〜コカビエルなんかに敵わねぇお前らが俺と勝負になる訳ねぇだろ」

 

 

「く…」

「……」

 

「それに見ろ。お前のお仲間は分かりが良いのか警戒を解いてくれたぞ?」

皆が見るとゼノは態勢を解き、悠々とドーナツを食べていた。

すると皆も少し落ち着いたのかその場で神器を下ろした。

 

「お前…木場に何しようってんだよ」

 

「だから何もしねぇって言ってんだろ〜。なんだ聖魔剣使いは留守か」

木場が留守なのを確認したアザゼルはゼノを見た。

するとゼノはドーナツを食べ終えるとアザゼルへとゆっくりと近づいた。

 

「やっぱり、お前がアザゼルか?」

 

「いかにも、俺は堕天使総督『アザゼル』だ。アンタが冥界で話題の破壊神ビルス 様の弟子か。…成る程。たしかにバケモンだ。警戒を解いてるとはいえ、変な動きを見せたらすぐ殺しに来そうだな」

 

アザゼルは小柄ながらも全身から長年の戦闘によって極限まで磨き上げられたゼノの闘気を恐れながらも感じる。

 

「で?何しに来たんだ?もしかしてこの場で俺とドンパチしに来てくれたのか?」

 

するとアザゼルは『やれやれ』と首を振ると

 

「だから違ぇって言ってんだろ?それにアンタなんかとドンパチしたら堕天使とお前とで戦争起きるだろ。俺はコカビエルの馬鹿みたいに戦争は好まねぇ。今回はアンタとそこのハーフ吸血鬼の様子見だ。」

 

「あっそ。まぁ好きにしな。俺はもう行くから」

 

するとゼノは鞄を持つとそのまま校門へと向かった。

 

「おいゼノ!もう帰るのか!?」

「あぁ、ちょいとばかり用があるからな『地獄』に」

 

「な…!?」

 

その直後にゼノはその場から去った。

 

「じ…地獄って…まじかよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、請求書 渡し忘れちまった……はぁ〜…」

 

 

 

 


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