ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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待たせて申し訳ありません……


ハーフ吸血鬼

「よ〜っし到着っと」

 

飛んで早々と学校に着いたゼノはそのまま校門をくぐった。だが、辺りの生徒からは何かとジロジロと見られていたのだ。

(何だ?周りの奴ら?俺をジロジロ見やがって…少し離れた地点で降りたから飛んだ所は見られてねぇはず……)

 

そんなことを考えながらもゼノは校舎へと入って行った。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

ーーーーー

 

ーー

 

 

「それは恐らく……貴方一人だけ私服を着ているからでは…?」

 

「え?」

生徒会室でソーナにそう言われた途端にゼノは驚いた。あの後、相談の為、生徒会室に訪れ偶然いたソーナに話を聞いてもらったのだ。

 

「確か高校って中学と違って私服でいいんだよな?そう聞いたけど」

 

「確かに私服制が多いですが、一部の私立や公立はだいたい制服です。今の世代……私服制の高校の多くが制服制と変わってきていますが………この高校は創立時代々から制服と決まっておりますので」

 

「はぁ…通りで皆同じ服だと思ったら」

 

「はぁ…取り敢えず今後は制服を着て来てください」

 

頭に手をやり『やれやれ』という顔をしながら言うも

 

「あ、制服買ってないや」

 

「えぇ!?………分かりました。では制服を注文しておきます…サイズは塔城さんと同じでよろしいですね?」

 

「あぁ〜…ちょっと大きめで頼む。じゃ、よろしく」

 

バタンッ

そう言うとそのまま生徒会室をあとにした。

 

「はぁ…少し疲れました…」

 

ゼノが出て行くとソーナは頭に手をやりながらイスに座り込んだ。

 

「大丈夫ですか?会長」

すると横に控えていた副会長『神羅 椿姫』という少女が心配したのか声をかけた。

するとソーナは体を後ろに預けながら応えた。

 

「はい……魔王様達の場合はお姉様で慣れているのですが……ビルス様というと…星々を破壊する最強の神…しかもその弟子…その上同じ学年となるとどう対応したらいいか分かりません…」

 

「そうですね…兵藤君やリアスさん達は毎日ビルス様の弟子と一緒にいてよくブレないですよね…」

 

「長く一緒にいたので恐らく慣れたのでしょ…私だったら耐えきれず外で『なんでやねぇぇぇぇぇぇぇんっ!!!???』って叫んでしまいますよ……」

 

「私も恐らくそうなります……」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

生徒会室から出て行ったゼノは旧校舎へと向かっていた。

 

すると

 

〜♪

 

突然スマホが鳴り出した。見ると自分のよく知るあの人の名前だ。

 

「なんだ?閻魔大王からか?珍しいな…」

 

そう言いながらスマホを開いた。

 

「もしもし〜?珍しいな。そっちから掛けてくるなんて」

 

『えぇ…お久しぶりですゼノ様、実は…』

 

「?何だ?切羽詰まって、早く言え」

 

すると、閻魔大王はとんでも無い事態を伝えた。

 

『地獄で収監していたスラッグやセル達が姿を消していたんです!!」

 

「………は?…………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

ゼノはあまりにもの予想外の事態にその場で叫んでしまう。

 

『何故か私が前に久し振りに地獄を視察しにきたら地獄で働いてた多くの鬼達が縛り上げられていて…それで見ると近くにバラバラにされたDrミューやゲロがいたんです…』

 

「……」

 

『ナッパやラディッツなど一部の奴らはなんとか捕らえました。ですが、それ以外のものは恐らく地獄から脱走し現世に戻ったのかと……』

 

「それで脱走したのは?」

 

『はい、セル、スラッグ、クウラ、サウザー、ネイズ、ドーレ、そして、『トワ』と『ミラ』他にも多数の脱走者が出ております!」

 

「何だ。一部の雑魚もか……というかフリーザはどうした?」

 

「フリーザは今回大人しくしていました…本人曰く「また下らない騒ぎを起こして殺されるよりはマシですからね」だそうです』

 

「ならいい……アイツも出てくると流石に厄介だからな…。うん。学校が終わったらすぐ行く。そっちは地獄に鬼を全員集めて警備を強化しろ」

 

『はい!』

 

 

ピッ

電話を切るとゼノは口を噛み締めた。先ほど聞いた名前、『トワ』と『ミラ』この二人の名前には聞き覚えがある。『トワ』とは宇宙の裏側『暗黒魔界』の科学者であり、古の時代、歴史を狂わせ宇宙中を大混乱に陥れた人物であり、『ミラ』は彼女試作の人造人間である。

 

だが、孫悟空達に破られ彼女達は地獄送りにされ、歴史混乱も治った。だが、彼女達が脱走したとなると歴史改変は起きないがそれ相応の騒ぎが起こりうる可能性がある。

 

「………取り敢えず、師匠や全王様に報告しないとな……『アイツ』らにも手伝ってもらうか…」

 

 

そう言いながらゼノは通話をかけた。着信先は『第11宇宙』 『第6宇宙』

 

 

「もしもし?あぁ俺だ。あぁ。……」

 

 

 

 

ーーーーーー

 

ーー

 

 

 

 

それから数時間後

 

ゼノは部室に入るとその直後に、周りから『開かずの間』と呼ばれるところに連れられた。

 

「ここが昨日言ってた…」

 

「私と同じもう一人の僧侶の…?」

 

「えぇ。そうよ」

イッセーとアーシアの質問にリアスは淡々と答えた。

 

「けどよ〜、札とかはってあるけど何でだ?」

 

「その僧侶の能力が私じゃまだ扱えきれないだろうということで封印されてるの。先のコカビエルとの戦いで私たちはそれなりに評価されて封印を解くことが許されたのよ。まぁ…殆どゼノの手柄だけど……」

 

「上の方々が勝手にリアス達の功績だと受け取ってしまったのですわ…」

 

「何度もゼノの功績だとお兄様に言ったのだけれど…どうしても上層部の方々が信じなかったそうなの。ごめんなさいね…」

リアスの謝罪に対して、ゼノは起こりもせずに責めもしなかった。それどころかまったく気にしていない様子だ。

 

「俺は別に功績なんてどうでもいいよ。自己満足でやってるから。だからあまり気にするな」

その言葉にリアスは感謝しかなかった。そのゼノの言葉を受け取ったリアスは頷いて御礼を言う。

すると、背後にいた朱乃が笑顔でゼノを抱き上げた。

 

「うぉ!?」

「うふふ…ゼノ君のそういう優しいところは大好きですわ♪」

 

「ムゥ…………」

もちろん小猫は嫉妬したのか頬を膨らませた。

 

するとリアスは話を再開した。

 

「話を戻すけど、この封印は深夜に必ず解けるようになっているの。けれど当の本人がとんでもない程の引きこもりなの」

 

「引きこもりなんすか…」

深夜に自由になれるというのに出たがらないという意外な理由にイッセーは驚いた。すると朱乃が補足をした。

 

「ですが、その子は時に眷属の中でも1番の稼ぎ頭だったりするのですよ」

 

「マジですか!?」

 

「はい。パソコンを介して特殊な契約を執り行っているんです。悪魔と直接会いたくない人間も中にはいるのでそのような契約に関してはかなりの成績です」

 

「そんな契約もあるんですね…」

 

 

「取り敢えず開けましょ」

 

そういうとリアスは扉に手を当てた。すると魔法陣が浮き上がり、張り巡らされていたテープや札が破けた。

 

その瞬間

 

「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

 

 

その扉から凄まじい悲鳴が聞こえてきた。

 

「な…なんだ!?」

 

ガチャ

 

「ご…ごきげんよう。元気そうね」

 

リアスと朱乃が様子を確かめるために中へ入った。

 

「な…何なんですか〜!!!???」

中からはアーシアと同じくらいトーンの高い声が響いてきた。

 

『封印が解けたのですよ?もう外に出られます。私たちと一緒に外に出ましょう?』

 

子供をあやすかの様に優しく朱乃が話しかけるも

 

『いやですぅぅぅぅぅ!!!ここがいいですぅぅぅぅぅ!!!外に行きたくない!!人に会いたくないぃぃぃぃぃぃ!!!!』

 

その声は普通に拒否をした。

 

「こ…これは引きこもりというより重症なんじゃ………」

「はい…」

 

 

そう言うも、恐る恐るイッセー達が中へ入るとそこには、金髪のオカッパの少女がいた。

 

「おお〜!!!!金髪美少女〜!!しかも外国の〜!!」

 

あまりの可憐さにイッセーはいやらしい笑みを浮かべ興奮した。

 

「やったぜ〜!!しかも僧侶!!アーシアとそろって二大美少女だ!」

 

するとリアスはとんでもない事実を打ち明けた。

 

「イッセー、確かに美少女に見えるけど、この子はまぎれもない

 

 

 

 

"男の子よ"

 

 

「え…?いやいやだってこんなに可愛いんですよ?そんなこt「女装趣味があるんですよ」」

 

 

 

「え………えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!?????」

 

 

「ひィィィィごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」

 

 

するとイッセーは喚きだした。

「わぁぁぁぁぁ!!!!理不尽だ!!!無慈悲だ!!!こんな残酷すぎるものはあってもいいものかぁぁぁ!!!!!こんな美少女の姿で股間に余分な物をぶら下げているだなんてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

 

「下品です」

小猫に引かれるも御構い無しに喚いた。

 

「ていうか!なんのために女装なんてしてんだよ!?」

 

「だ…だって女の子の服が可愛いから…」

 

「可愛いとか言うなぁぁぁぁぁ!俺はお前とアーシアのダブル金髪美少女を夢見てたのに…!ちくしょぉぉぉぉ!!!俺の夢をか…」

「うるせぇ!!!」

 

ゴシャンッ

イッセーの喚きに腹が立ったのかゼノはイッセーを壁に叩き込んだ。すると減り込んだ壁はひび割れを起こしイッセーからは煙が浮き上がっていた。

 

「ヒィィィィィィィイ!!!!壁に減り込んだ〜!!!!!!」

 

そんなカオスな状況下の中でもリアスは説明した。

 

「この子の名前は『ギャスパー・ヴラティ』一応この学園の一年であり、転生前は人間と吸血鬼のハーフなのよ」

 

「ふぅ〜ん。まぁ簡単な話、こいつを外に出すってことなんだろ?」

 

「まぁそうだけど…」

リアスがそう返すとゼノは立ち上がってゆっくりとギャスパーに近づいていった。

 

「な…!なんですか!?」

 

「俺は黒崎 ゼノ、初めましてギャスパー君」

 

「ヒィィィィィィィイ!!!眼が…!眼が冷たくて怖いですぅぅぅぅぅ!!!」

 

ギャスパーは泣きながらゼノから離れた。

 

「あ?何離れてんだ?外に出るっつってんだろ?」

 

「ヒィィィィィィィイ!」

ゼノがキレ気味に投げかけるとギャスパーはさらに怯えた。

 

「お?」

 

その時、ゼノはギャスパーの眼から何かを感じ取った。

周りを見ると朱乃やリアス達が動きを止めていた。

 

「何だ?これがお前の神器とか言うやつか?」

「ヒッ!?な…何で動けるんですかぁぁぁぁ!?」

 

「要するに……視界に入ったものを止める能力か……確かに強力だが俺を止められなかったってことは止められる対象に上限があるのか?」

 

そう言うとゼノはギャスパーを見据えた。

「ヒィィィィィィ!怒らないでくたさぁぁい…!ぶたないでくださぁぁあい…!」

 

するとゼノはめんどくさくなってきたのかどこからともなくアイマスクを取り出しギャスパーに無理矢理につけると持ち上げた。

 

「いやぁぁぁあ!!!目の前が真っ暗に〜!!!何をするんですか!!??」

 

「こんなんじゃ同じこと繰り返すだけか。取り敢えず出るぞ。次騒いだら渋谷のスクランブル交差点のど真ん中にほっぽり出すからな」

 

「やめてくださぁぁぁぁい!!!!!」

 

 

それから数十秒後にリアス達は元に戻った。

 

 

 

 





今回は第6と11宇宙が少し出ましたが、ジレンやヒット達はまだ先です。

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