ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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魔王セラフォルーレヴィアタン

「「つ…疲れた……」」

 

授業が終わり、オカ研の皆は学園の庭のベンチに座っており、中でもリアスとゼノは疲れ切った表情をしていた。

 

「どうしたのですか?お二人とも?」

 

「ふふふ…ゼノ君はお姉様がいて集中できず、リアスはサーゼクス様にとことん撮影されたらしいですわ」

 

「それで…ですか…」

アーシアや一誠はなんとなく察した。

 

「というかゼノ先輩…お姉さんいたんですね?」

 

「いたよ…あいつには結構世話になってるし、料理もしてくれるしありがたいんだけど……めちゃブラコンなんだよ…はぁ…」

 

だがその言葉にイッセーは泣きながら反論した。

 

「でもいいじゃねぇかよ!お前あんなムチムチなお姉さんがいてよ!俺なんか一人っ子だぞ!?姉も妹もいないんだぞ!?」

 

「知るかぁ!!!」

「ぐぼべらぁ!?」

イッセーをぶっ飛ばしたゼノは気分転換する為に自販機へと千鳥足で向かっていった。

 

「むぅ〜……ムチムチって…私…胸…」

 

「大丈夫だよ…小猫ちゃん」

 

「先輩…」

 

「ぺったんこでもいいことあるって!」

 

ブチ

墓穴を掘った。

 

「ぐぼべらぁ!?」

 

その場に小猫のアッパーが見事に決まった。

 

ーーーーーーーーー

 

「あぁ…帰りたい…ウイスさんのところに帰りたい…」

 

あれからゼノは缶ジュースを買ったが異様に気分は晴れなかった。トボトボと廊下を進んでいると学園を回っていたサリと会った。

 

「あ、ゼノ」

 

「なんだよ…まだ帰ってなかったのかよ」

 

「うん。ティアは先に帰らせたけど、ここ面白そうだから色々見てきたの♪さっきそこでサーゼクスとかいう人と話してきたの♪どうする?一緒に帰る?」

 

「うぅ…そうさせてもらう…」

 

「オッケー!…あ!そうだ!ゼノの部員の人たちも悪魔なんでしょ!?会ってみたいわ!」

「あぁ…(確かに今紹介しとかないとめんどうだからな〜……)いいよ…」

「やった!」

 

すると

 

 

「おい!あっちで魔女っ娘の撮影会やってるらしいぞ!?」

 

「まじかよ!早くカメラカメラ!」

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

 

大勢の生徒たちが階段へと走っていった。

 

「魔女っ娘!?面白そう!いこいこ!!」

 

「は!?」

 

サリはゼノの襟首を掴むと生徒たちについていった。

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

カシャカシャカシャカシャカシャ

 

カシャ カシャカシャ

 

見るとその場には数十人もの生徒が集まっており、見ると階段には昔ながらの魔法少女の格好をした少女がポーズを決めていた。

 

「なんだ結構集まってんな」

 

「すっご〜い!写メ写メっと!へぇー!最近は授業参観にはコスプレイヤーも参加できるんだ!」

いや、絶対違う。そんなのないない。そんな授業参観あってたまるか。

 

見るとリアス達も来ていたのだ。

 

すると

 

「オラオラオラオラ!天下の往来で撮影た〜いいご身分だな!」

生徒会の書記である『匙 元史郎」が現れた。

 

「さぁさぁ解散解散!今日は公開授業だからこんなところで騒ぎを起こすな!」

 

そう言われた生徒たちは口々に文句を言いながらその場から立ち去った。

 

「というかあんたもその格好はやめてくれ…参観の人だったらもっとその場にあった服を着て来てくださいよ…」

 

「え〜?これが私の正装だもん☆」

するとその少女は横ピースにしながら答えた。

 

すると

 

「あら、ゼノ、じゃない?」

 

「あ〜グレモリーか…」

ゼノに気付いたのかリアス達がこちらに歩いてきた。

 

「あら、この子達がゼノの友達?」

 

「先輩…誰ですか?」

すると知らないのか小猫が聞いてきた。

「あー…一応紹介する…俺の姉の…」

 

「黒崎サリです♪よろしく!」

そういうとリアスに手を差し出した。

 

「よ…よろしくお願いします…リアス・グレモリーです」

 

「姫島 朱乃です」

 

「塔城 小猫です…」

 

「木場 祐斗です」

リアスに続くようにオカ研メンバーは挨拶をした。

 

「よろしく♪いつも弟がお世話になってるわね。これ、細やかながらの手土産です」

 

するとサリは抱える程の大きな箱をリアスに渡した。

 

「ありがとううごz…重!何ですか?これ?」

 

「惑星サーガのりんごです♪」

 

「あぁ、ありがとうございます…………て……いまなんて…?」

 

「だから惑星サーガのりんごですって」

 

 

「「「「「「ええええええええ!!??」」」」」」

 

皆は驚きながらその箱の中身を見るとそこには不自然な形をした巨大なりんごがあった。

 

「な……何ですか!?これ!?普通のりんごじゃないですよね!?」

 

「そうだよ。地球産じゃないもの。別の星で作られたりんご」

一誠の質問にサリは普通に答えた。それもそうだ。今の日本では月や火星までしか技術が進んでないのだから。それに宇宙に行ったこともない悪魔達が見たら流石に驚くだろう。

 

「姉貴…またあの星行ったのか〜?」

 

「うん♪意外と木の実とか美味しかったからウイスさんに頼んじゃった」

 

「はぁ……」

 

すると

 

「匙!何事です!」

 

すぐ近くの廊下から生徒会長であるソーナが飛び出してきた。

 

「あら、ソーナじゃない」

 

「リアス、ここにいたのですね。…………そちらの方は?」

 

「あぁ、ゼノのお姉さんの『黒崎サリ』さんよ」

 

するとサリは気付いたのかソーナに軽く挨拶をした。

 

「黒崎サリです。よろしく♪」

 

「ぁ…どうも…『支取 蒼那』です。よろしくお願いします!」

突然の握手にソーナも焦った。

 

「でもどうしたの?こんなところで?」

 

「実はいまサーゼクス様とおじ様をご案内していたもので…」

 

すると後ろにはスーツを着こなしたリアスと同じ紅髪をした男性二人組が立っていた。

 

「お父様、お兄様…」

 

するとゼノやサリ以外のオカ研メンバーは魔王であるサーゼクスにお辞儀をした。

 

一方匙は何故かソーナに説教を食らっていた。

 

「ところで匙!問題は早急にそして簡潔に解決しなさいといつm…「ソーナちゃんみーつけた!!!」」

 

バッ!

 

 

「な!?」

 

すると今まで匙に注意されていた女性がソーナを見つけた瞬間に抱きついた。

 

その少女は長い髪をツインテールにして近くでみると完全な魔法少女に見える少女であった。

 

「誰だろ?あの蒼那って子の知り合いかな?」

 

「さぁな…」

ゼノとサリはもちろんイッセーや匙も分からなかった。

 

「やぁセラフォルー、君も来ていたのかい」

どうやら女性の名前は『セラフォルー』というようだ。だがイッセーはその名前にぴたりときた。

 

「セラフォルー……ってまさかあの人…」

 

「現四代魔王の一人、『セラフォルー・レヴィアタン』様…ソーナのお姉様よ」

 

「えぇぇぇぇ!?あの人が!?」

 

 

「あ!リアスちゃんおひさ〜☆元気にしてた!?」

「はい。お陰様で、今日はソーナの授業に?」

するとその少女 はこちらに気がつくとまたもや横ピースで挨拶した。するとリアスも軽い挨拶をした。当のソーナは恥ずかしいのか顔をすごく赤面させていた。

 

「うん☆ソーナちゃんったら酷いんだよ!今日のこと黙っててさ!お姉ちゃんショックで攻め込むところだったんだから!」

「冗談なのか本気なのかよくわかんねぇな……」

 

 

するとセラフォルーという少女はイッセーやゼノに気付いた。

「イッセー、ご挨拶なさい。一応ゼノも挨拶はしなさい」

「うぃ〜っす」

 

 

 

「は…はじめまして!リアス・グレモリー様の『兵士』兵藤一誠と申します!よろしくお願いします!」

「俺は黒崎ゼノだ」

ゼノは兎も角、イッセーは相手が魔王なので緊張しながらも自己紹介をした。

 

「初めまして!私はセラフォルー・レヴィアタン!『レヴィアたん』って呼んでね☆」

 

「は…はぁ…」

「(コイツ何歳だよ…)」

まんま魔法少女の自己紹介+ポーズを決められイッセーは焦り、ゼノはそのなりきりっぷりに内心引いていた。

 

「ねぇねぇ?サーゼクスちゃん、この二人が噂のドライグ君とビルス様の?」

 

「あぁ。彼が赤龍帝を宿す『兵藤一誠』くん。もう一人がビルス様の弟子『黒崎ゼノ』君、後ろにいるのがゼノ君のお姉さん『黒崎サリ』さんだ」

 

そう言われたセラフォルーはサリと挨拶を交わした。

「セラフォルー・レヴィアタンです☆『レヴィアたん』って呼んでね☆サリさん!」

「じゃあ!よろしく!レヴィアたん!」

 

何故かサリとセラフォルーは気が合うようだ……

するとイッセーは何らかの複雑な疑問を抱いていた。

 

「部長…ゼノは兎も角、初対面のサリさんに悪魔であること話してもいいんですか…!?」

 

「大丈夫よ、ゼノのお姉さんだから信用出来るわ。それに、ゼノから聞いたんだけどお姉さん…お兄様達よりも強いらしいからね…」

 

「えぇぇぇぇ!?」

それにイッセーはすごく驚いた。

 

「いやいやいやいやいやいやいやいや!だって俺あの人から全然魔力感じ取れないし!そんなk…「それは本当だよ、イッセー君」」

 

すると今まで黙っていたサーゼクス達が話しに入ってきた。

 

「え?…」

 

「先程まで私と父上は彼女と話していたんだ。その時つい口が滑って「妹の方が可愛い」と強く言った瞬間に凄い目で睨まれてね…信じ難いがそれだけで威圧されてしまったんだよ」

 

「ま………マジですか……」

 

「あぁ。そしてその直後に「と言うか貴方達、人間じゃないですよね…?誰ですか?」と凄いドスが効いた声で詰め寄られて…あっさりと『悪魔』だと吐いてしまったよ…」

 

「こ…こぇ〜…!!!!(ていつか口ゆるッ!それでいいのか!?)」

意外な一面を知ってしまった一誠は身震いした。一方話の本題であるサリはケロッとした表情で喋った。

 

「いいですって♪それにあんなことでちょっとキレた私が悪いんですから。よろしくお願いしますね」

「うん…」

 

そう言うと二人は手を交わした。

 

一方ソーナとセラフォルーの姉妹はソーナの方が限界らしくその場から逃げたがそれをセラフォルーが追いかけるいういわば姉妹同士の追いかけっこが始まった。

 

「待ってよ〜!お姉ちゃんを置いていかないで〜!!ソ〜た〜ん!!!」

 

「たん付けはいい加減やめてください!!!」

 

 

その後二人は何処かへと走って行ってしまった。

 

「シトリー家はいつも平和だね。『リーアたん』」

 

「お兄様…私をたん付けで呼ばないでください」

 

「そんな…リーアたん…昔はお兄たんお兄たんといつも私の後ろをついてきたのに…反抗期か…」

 

「お兄様!どうして私の幼少期の事を話すのですか!?」

 

カシャカシャ

 

「よくぞここまで育った…リーアたん…」

「お父様まで!?」

 

イッセーはリアスを揶揄う魔王を見て少し驚いていた。ゼノもそうだ。

 

「意外と魔王って軽いんだな」

 

「えぇ。魔王様方は皆面白い方ばかりなのです。それに対してそのご兄弟方は例外なく真面目な方ばかり、きっとフリーダムなご兄弟が魔王になったので真面目にならざるを得なかったのでしょうね。うふふ」

 

「なるほどね」

 

朱乃の話で納得するとゼノは時計を見た。

 

「じゃ、俺はそろそろ帰るよ」

「では、私も」

 

そう言うと二人はそこから出口へと歩いて行った。

その後ろ姿からはどう見ても親子としか見られない様子だった。

 

「仲のいい姉弟ですわ」

 

「そうですね…」

 

 

その姿を見る皆の中で、小猫は何かを思い出すかのように見つめていた。

「……姉弟…………………姉様…」

 

ゼノとサリの歩く姿を見て小猫が昔のことを思い出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄様…ゼノのお姉さんからもらったこのリンゴ…地球産じゃないみたいです…」

 

「ほう…別の星の果物か…これは興味深い…むぐ………美味い!」

「えぇ!?」

 

 

その後、そのリンゴは冥界の研究会に引き取られたそうな

 

 

結果は地球産より成分が5倍も高いだけという地味な結果だそうな…

 

 


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