「成る程ね。それは面白そうだ」
「じゃ、来るんだな?」
「あぁ。暇つぶしには丁度いいよ。日時はいつだい?」
「知らされ次第連絡する。じゃあ伝えとくで」
ピッ
あの後ゼノはアパートに帰るとビルス達に連絡を取り会談への出席を頼んだのだ。ビルスは易々と受け入れ楽しみな様子であった。
「じゃ、グレモリーに伝えるか」
〜♪
『もしもし?』
「あー言われた通りお願いしてやったぞ。向こうは向こうでOKだそうだ」
『ありがとう。何を用意したらいいかしら?』
「ん…ならお菓子類とかを用意しておいた方がいい。師匠は大の甘党だからな。パフェだったら結構喜ぶと思うぞ」
『成る程…パフェ…と。わざわざありがとね。お兄様に伝えておくわ。あとそれと、授業参観、私たちの教科は数学だから』
「ほ〜い。ほんじゃよろしゅう」
ピッ
「さて、これで完了か…」
ひと段落にゼノはホッとすると。
〜♪
違う人から着信が来たのだ。
「なんだ?」ピッ
『もしもし…先輩ですか?』
相手は小猫であった。何やらお願い事があるようであった。
「何だ小猫か?どうした?」
『明日…私たちだけのプール開きがあるんです…その時、泳ぎを教えてもらえませんか?』
「あ〜?イッセーに頼めばいいじゃねぇか?」
『イッセー先輩だと…なんか………』
「あ…………察した……分かったよ。いいぞ」
『ありがとうございます』
ピッ
通話を終えるとゼノはソファーに寝転がった。
「ふわぁ〜!!終わった〜!さてと…寝ようかn…「ゼ〜ノ〜」何だよ」
するとソファーの外側からゼノの姉サリが顔を出した。
「これは何かな〜?」
ピラピラピラ
「!?それって…」
サリは白い紙をゼノの前で見せた。恐る恐るゼノが見るとそれは………
『授業参観についてのお知らせ』
「い……いやぁ……それは……」
「フッフッフ〜♪カメラカメラっと〜♪あー!ティア〜!スーツ買いに行こ!」
スタスタスタスタ……………
…………………………………しまった…………
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日
「さぁ!今日は私達だけのプール開きよ!!」
眩しい日差しが指す中リアスは猛烈に張り切っていた。朱乃も笑みを浮かべており、イッセーはいつも通りのどスケベ顔であった。
「水泳なんて何年振りかな〜!砂の惑星いらいだな〜!ワクワク!」
ゼノも嬉しいのか普段よりもテンションが高く、子供のようにはしゃいでいた。するとその様子を見ていた朱乃は後ろから近づき肩を叩いた。
「ゼノ君」
「え?」
「私の水着…どうですか?」
「!?」
ゼノは一瞬振り向くと朱乃から目を逸らした。それもそうだ。朱乃はリアスよりもスタイルがよく、おまけに水着でその大きな胸が強調されているからだ。
「い……いや…に…似合うん……じゃ…ないか……?」
ゼノは顔面真っ赤にして曖昧な感想を言った。その反応に朱乃は気持ちを抑えきれず後ろから手を回すと
「そんな一瞬だけとも言わず……じっくりと…隅々まで私を見てください♪」
ムニュ
「ヒャゥッ!?」
抱きつかれ後頭部に朱乃の胸が当たりゼノは更に赤く染まった。
「うふふ♪顔をこんなに真っ赤にさせて…可愛いですわね♪」
そう言うと朱乃は自分の体を更に密着させた?
「ひゃ………!?」
ゼノも顔がそろそろ限界まで赤く染まった。すると
グイッ
小猫がゼノを引っ張り朱乃から無理やり引き離すと抱きついた。
「今日は私がゼノ先輩に泳ぎを教えてもらうんです…!」
「あらあら、独り占めはさせませんわ」
すると朱乃も負けじとゼノに抱きついた。
「うぅ……あ……朱乃!今日は小猫の泳ぎ見ないといけないんだ!悪いけど…」
「そうですか…残念ですわ」
すると朱乃は残念そうに抱きつくのをやめた。
「けど……後で泳ぐからその時頼むよ」
「!はい!うふふ♪任せてください!」
するとさっきまでの残念顔が嘘のように消え去り朱乃はパッと顔を輝かせた。その変わりようはイッセーはもちろん、リアスをも驚かせた。
「朱乃さんのあんな喜んだ顔初めて見ました…」
「えぇ。私も長く朱乃と生活してきたけどあんなに喜んだ顔は見たことないわ。驚いた?」
「あ…えぇとなんと言うか……お姉さんキャラとしか見たことないんですごいな〜……って」
「フフ…朱乃のこともいいけど私も見て?」
「え!?ぶちょ…!?」
無理矢理リアスに手を引かれ首に手を回され抱きつかれている様な状態にされた。その状況下でイッセーは顔を真っ赤にそめた。
「ぶ…部長…!これは…ちょっと…刺激的な…!」
「ふふ…イッセーはこういうのお嫌い?」
「大好物です!!」
「素直でよろしい」
そう言うとリアスはイッセーに自分の体を密着させた。
「ふふ…そんな立ち止まってないでほら…」
「あ…!ぶ…部長…!(やっやべ〜!部長の生おっぱいが!)」
リアスの予想外の行動にイッセーは極度の興奮状態になった。
すると
「部長さんだけずるいです!久々に喋れるんですから私もイッセーさんと(ピー)したいです!!!!」
「アーシア!何かメタいよ!?それにどこで覚えたのそんな言葉!?」
リアスはイッセーを離すとアーシアと対峙し、目線同士の火花を散らした。
「あいつら…何やってんだ」
その様子をゼノは呆れながら遠目で見ていた。
そして、ゼノは隣でスクール水着を着た小猫の方を向くとレクチャーを開始した。
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「ぷは!ぷは!ぷは!ぷは!」
現在ゼノは小猫の手を引きながらバタ足を教えていた。
「ぼぶぼぶびびぼ。ぼぶぶぼびぼびゅーぼぼびぶばべべぼぼびべびぼ(よしよし、いいぞ。もう少し呼吸を落ち着かせて泳いでみな)」
「ぷは!はい!」
ゼノはゼノなりに教えているが身長の為、口から下が水中に入ってしまい、全く聞き取れなかったが小猫は普通に聞き取れていた。
だが教え方は明らかにプロ並みであり、意外な才能にリアスや他の皆は驚きをかくせなかった。
「凄いわね……ゼノに指導の心得があるだなんて…しかも教え方がオリンピックの選手のコーチ並みだわ…」
「いやあの言葉を聞き取れる部長や小猫ちゃんの方が凄いですよ!?」
リアスの言葉にイッセーが突っ込んでいると二人は25mのプールを泳ぎ切ろうとしていた。
「ばび、ぼぶびゃぶ(はい到着)」
ザバッ!
いきなりのブレーキで小猫は前のめりになり、前にいたゼノに捕まった。すると見るからに小猫がゼノに抱きつく形となった。
「す…すみません…」
「い…いいよ/////…それに気持ちよかっただろ?」
「はい…自然な感じで…」
「なら良い……後は自分で頑張れよ」
そう言うとゼノはその場から上がりスポーツドリンクを取り出すとビーチパラソルの下で寝転んだ。
「何だ?お前は泳がないのか?」
ゼノは近くにずっと座っている木場に向かって声をかけた。
「え?あはは…何か平和だなと…」
「ふわぁ〜……泳いでくればいいんじゃないか?こういった事は滅多にないからな」
「はい」
そう言うと木場はゴーグルを掛けると軽快な足取りでプールへと走っていった。
(聖剣の件で荷が下りたのか?ならいい。一休みっと………)
そう言うとゼノは目を閉じた。
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ーーーーーーーーー
ーーーーー
ドーンっ!!!!
バーン!!!
ビリビリビリっ!!!
ドカァーン!!!!
「!?」
壮絶な効果音にゼノは目を覚ました。見ると自分の周りがコンクリートの破片で散らばっており、周りのパラソルも粉々であった。
「何だ!?」
すると突然、魔力の流れ弾がゼノに向かってきた。
「あぶな」
バヒュゥゥ!
普通に弾くとその流れ弾の向かってきた方向を向いた。見るとそこには滅びの魔力を全身から溢れさせているリアスと雷の魔力を纏った朱乃が立っていた。
「朱乃!今の言葉取り消しなさい!可愛いのは私のイッセーよ!!」
「あらあら!可愛いのは私のゼノ君ですわ!」
「なによ貴方ショタコンなの!?それだからいつもゼノに見向きもされないんじゃないの!?」
「ゼノ君はいつも私を見てくれてますわ。それに貴方の方では無くて?イッセー君を未だに抱けない紅髪の処女姫さん?」
「カッチーン!!! もう一度言ってみなさい!!雷のショタコン痴女さん!!!!!!!!!」
「何度でも言ってやりますわよ!紅髪の処女姫さん!!!!!!!!!」
ドカァァォァォァァン!!!!! ビリビリビリビリビリビリっ!!!!!!!!
二人のぶつかり合いは更に酷くなり、プールもろとも吹き飛ばそうとしていた。
流石のゼノも少し頭にきたのかその場から消えると二人の位置に移動した。
「やめろ」
ガシッ!
「「!」」
ゼノは二人の間に立つと腕を掴み争いを止めた。
「ゼノ!?」 「ゼノ君!?」
「流石にやり過ぎだ。これ以上公共物を壊すとめんどい事になるぞ?」
そう言われた二人はようやく我に返り辺りを見回すと魔力で修復した。
その時
ピンッ
ゼノは何者かの気を感じ取った。ただそれは一度感じたことのある気であった。
「またあいつか?しかも学園の近くにいる…行くか」
そう言うとゼノは着替え皆よりも先にプールを後にした。
皆さん!四期の放送が決まりましたね!僕も楽しみで仕方ありません!この小説も頑張って更新したいと思います!