「ビ……ビルス様…を?」
去り際に、サーゼクスからのとんでもない要求にリアスや他の部員達は目をパチクリさせ言葉も出せない状態だった。
いくら何でも流石に無理だろうと思っていると、背後から欠伸が聞こえた。
「な〜るほど〜」
今まで寝ていたゼノがゆっくりと起きた。どうやら寝ながら会話を聞いていたようだ。
「話は聞かせてもらった。できるぞ。本人も会いたいって言っていたからな」
「え…本当!?」
「あぁ」
まさかのアッサリと許諾したその神の弟子にリアスは目を丸くする。
「ま……マジかよ…」
「破壊神が直接……」
あまりにもの規模の大きさ、ましてや、この宇宙を統治する神に会えることに興奮どころか、イッセーや木場は圧倒されていた。
するとゼノは皆にビルス の心情を話す。
「師匠達は地球を結構気に入ってるんだ。それはもうこれ以外はありえないくらいだって程な。それは何故か分かるか?」
突然の説明と質問で皆は何が何だか理解出来なかった。
「何でって…分かんねぇよ」
当然の如くイッセーは応えた。すると、ゼノは真剣な顔つきに変わり、ゆっくりと答える。
「【食べ物】だ」
「え?」
イッセーはキョトンとする。まさか〜と思い納得していなかった様子だった。
「だから食べ物。師匠達は何故か地球の食べ物が大好物でな。特にカップラーメンが大好物だ」
「意外と庶民派ね…私も好きだけど…」
「部長!?」
「相当気に入ってんだよ。地球からちょいちょい食べ物送ってやってるんだけど殆ど要望がカップラーメンもしくはスイーツだ」
「そ……そうなの…」
破壊神ともあろうものが意外と庶民派の物を口にすると知って皆は少し驚いた。テッキリもっと高価なものを食すると皆々そう思っていただろう。
「師匠を呼ぶんだったら取り敢えずカップ麺か甘いもの出しとけ。そしたら話聞くと思うで。サーゼクスにもそう言っとけ」
「わ…分かったわ…。パフェなんてどうかしら?」
「それで十分だ。あと、イッセー」
「?」
ゼノはイッセーに視線を向けると不安である点を注意をする。
「師匠にどんなこと言われようとキレんなよ?お前は少し短気だからな」
「え!?俺の何処が短気なんだよ!?」
「そこだ。万が一キレたら、そこで悪魔、堕天使、天使、それに他の神話共々 終わりだと思えよ?」
その指摘にイッセーは身震いする。
ゼノは話を終えると大きく欠伸をすると、窓を開け脚を掛ける。
「それじゃあ師匠に伝えてくる。サヨナラ」
ドンッ!!!
その場から飛び去った。辺りはまた本や道具などで撒き散らされた。
「まったくいつもいつも…」
「あらあら」
また部員は大掃除に明け暮れたのであった。