ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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神への出世

その夜

 

ゼノは突然全王に呼び出され、界王神のシンと共に宮殿の前に来ていた。

 

「…と言われたものの……何で急に…」

 

呼び出された理由が不明なためにゼノは首を傾げていた。

 

すると宮殿の扉が開き、中から小柄な男性が姿を現した。その男性を見たゼノと界王神のシン、そしてウイスとビルスは胸に手を置き頭を深く下げた。

 

「お久しぶりです。大神官様」

 

すると、その小柄な男性はこちらに近づいてくるとゆっくりと頭を下げた。

 

「こちらこそ。よく来てくださいました。ではどうぞ」

 

この少年らしき男性は大神官という神でウイスや他の宇宙の天使達の父親であり全王の付き人でもある神である。

大神官に連れられゼノとビルス達は中へと入っていった。

 

 

◇◇◇◇◇

 

ゼノ達は周りは暗く足元は美しい青のラインが光る道を歩いていた。歩く中、ゼノは来る前にお土産として購入した京都の八ツ橋の入った袋を大神官へと差し出した。

 

「これお土産のお菓子です。また皆さんと食べてください」

 

「これはこれは、いつもありがとうございます」

 

大神官は優しい笑みを浮かべながら袋を受け取る。大神官も全王と同じ、第七宇宙のスイーツを気に入っているらしい。

 

それから数分間。回廊を歩いていくとやがて目の前の景色が明るくなり、そこに2人の長身の男と玉座に座る小さな子供がいた。

 

「あ!ゼ〜ノ〜!」

 

その子供はゼノを見つけるとゼノに向かって抱きついた。

 

「全王様。お久しぶりです。お元気でしたか?」

 

「うん!元気元気!」

 

その子供はまるで幼稚園児のような仕草であった。だが、この子供こそが全王であり、破壊神や天使達からも恐れられている全宇宙を統べる神なのだ。

 

「そういえば何故今日俺を呼んだのですか?」

 

「うん!それはね!そろそろ君に『神格』を与えようと思ったの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「え…?」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その言葉に大神官以外のその場の全員は凍りついた。

 

 

「ぜ……全王様…もう一度よろしいですか…?ゼノに何を…?」

 

恐る恐るビルスが尋ねると全王はペースを崩す事なく答えた。

 

「神格を与えようと思うの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「え…

 

 

 

 

 

「「「「ええええええええええええええええええ!!!!!!?????」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

「以前から全王様はゼノさんに神格を与える事をお考えになっていたそうです。なんでもゼノさんが実力をつけ始めた時から人間レベルが上がったとか」

 

「………」

大神官の言葉にビルスは心当たりがあるのか、大きな耳が下がる。

 

「へぇ…ようやく俺も神になるのですねぇ…」

 

「そ!だから君には『銀河神』として、『界王神』と『破壊神』の両方の役職として動いてもらいたいの!第七宇宙の3人の界王神がいないでしょ?」

 

「確かに…。魔人ブウに殺されてしまいましたからね」

 

そうだ。今いる東の界王神の他 北、南、西の界王神達は大昔に魔人ブウに殺されてしまったのだ。他の宇宙では界王神は4人いるがこの宇宙だけ1人だけなのだ。

 

「だからね。今いる界王神と一緒に他の銀河を管理してもらいたいの!」

 

とてつもなくどデカイ内容だった。だがいろんな宇宙を見て回ったゼノにとっては銀河一つなど大きな庭に等しい。

 

「どう?」

 

全王の問いにゼノは迷いなく応えた。

 

「喜んで!」

 

「分かったのね!じゃ、これからは神として頑張るのね」

 

「はい!では、また」

「うん!」

全王とゼノは軽く握手する。そして、大神官に連れられて、部屋を後にした。

 

◇◇◇◇◇

 

帰り道の回廊にてゼノが神格を授かった事にウイスは驚きながらも祝っていた。

 

「ホホホ凄いじゃないですかゼノさん。まさか神格を貰うなんて」

 

「いやぁ〜まさか師匠達と同格とはね〜」

 

「私も嬉しいです。東西南北全ての宇宙の管理は流石に骨が折れますからね」

 

「まぁこれで師匠達にタメ口が使えるな」

 

「もう使ってるじゃないか…?」

 

「「アハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

〜しばらくして、ビルス城へと帰還するとゼノはビルス達に現在の地球の状況について話していた。

 

「地球はとても面白いよ。けど悪魔や堕天使達はあんまりだな。強い奴が全然いない」

 

「なら破壊しちゃう?」

 

「いや、それは駄目だな」

 

突然の提案にゼノは普通に断った。

 

「地球破壊したら美味しい食べ物やスイーツがなくなっちゃうし。それに、師匠だって気に入ってるだろ?」

 

「フフ まぁね」

 

「だから破壊はしないよ。じゃ、俺は帰る。あ、そう言えば」

 

「ん?」

 

「地球の悪魔達が師匠達に会いたがってたよ。どうする?」

 

「へぇ〜………面白そうだね…日時が決まったら教えてくれる?」

 

「了解だ。じゃあな」

 

ゼノが瞬間移動で消えるとウイスはビルスに尋ねた。

 

「よろしいんですか?」

 

「あ?何が?」

 

「破壊神ともあろう者が悪魔のお願いで行くなんて」

 

「心配ないよ。観光も兼ねてだから」

 

「はぁ〜」

 

 


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