ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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宇宙の神話系統 そしてイリナとの別れ

「さて、話す前に、お前らは宇宙がいくつあると思う?」

 

急にゼノは俺に妙な質問をして来た。そんなのは簡単だ。

 

 

「一つしかないんじゃない?」

 

「私も同じ意見です」

 

「俺も……というか何でだ?宇宙は一つしかないだろ?」

 

「いや。この宇宙は複数あるのさ」

 

 

「「「「!?」」」」

その言葉に俺たちは驚いた…!宇宙が複数あるだなんて初めて聞いたぞ!そんなこと!

 

「まずこの宇宙は第七宇宙、俺の師匠であるビルスはこの第七宇宙を担当している破壊神だ。一つの宇宙につき、界王神、破壊神、それと付き人が1人ずついて界王神が星や生命を創造し破壊神がそれを破壊する。いわば創造と破壊、対になる存在だ」

 

 

俺には今一よく分からなかったが部長達は納得してるようだった……すげぇ…なんだよ第七宇宙って…て言うか何で神様が破壊を!?

 

 

「ってちょっといいか!?」

「?」

 

「何で破壊神は星や生き物を破壊するんだ!?星や生命が増えるのは良いことじゃねーか!」

 

「簡単に言うが…逆に生き物や星が増えすぎると宇宙のバランスが崩れもっと厄介なことになる。例えば街で悪さをする奴らを放置すればどうなると思う?どんどん酷くなっていくだろう?時が経つにつれて比例していくことは星も同じなんだ。だから、容赦なくその星を破壊する。

ちなみに今度、地球に来るらしいぞ」

 

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

またもやゼノの爆弾発言に俺たちは再び驚いた!!!破壊神がここに来る!?いやいやいや!!!宇宙の神様がここに来るってえぇ!?

 

「ま、その時は無礼な働きはやめろよ。さもなきゃこの星はお前ら悪魔や冥界もろとも吹っ飛ぶからな」

 

「き……肝に銘じとくわ……」

 

部長も少し恐れてる……ヤベェ……地球破壊されたら………俺のハーレム王の夢が…………

 

「しかし驚いたぞ。我々の間で伝説となっている界王神様と破壊神様が対となっているとわ…」

 

「今の話によると…別の宇宙にもそれぞれ破壊神と界王神様がいるのですか?」

 

「いる。宇宙は全部で12個ある。だが、もともと宇宙は18個あったんだが、ある神によってその6つは消滅させられた」

 

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

またもや驚かされた!!

 

え!?宇宙を消滅!?いくらなんでもそんな!

 

「まぁ理解出来ないのも無理はないな。ここからは神格で話す。まずはこの地球からだ。この地球の各国には様々な神話が伝わっている。例えばギリシャ神話『オリュンポス』のゼウス。インド神話『三柱神』のシヴァ、北欧神話『主神』オーディン、などなど、多くの神が伝わっている。その地球の神々を取りまとめているのがあの世の王である『閻魔大王』だ。」

 

 

「な!?神様を閻魔大王がまとめてた!?」

 

「そうだ。地球の神は各国だが閻魔大王はあの世、つまり宇宙中の魂があつまる別の世界を統治している結構位の高い神だ」

 

 

マジかよ…閻魔様ってそんなに偉かったんだ……

 

 

「んで、その上に立つのが界王だ。界王は全部で4人いてそれぞれ北の銀河、南の銀河、東の銀河、西の銀河を担当している」

 

「な!?銀河を!?」

 

「そうだ。そしてその界王をまとめるのが大界王、界王の中の界王だ」

 

「ヤバい…全然分かんない……」

 

「ま、この地球があるのは北の銀河、だからこの星の神達の上が閻魔大王でその上が北の界王って訳だ」

 

な…なるほど…

 

 

「そしてここからは規模がでかくなる。まずその大界王の上にたつのがさっき話した界王神、その界王神達は5人いる。まずは東西南北それぞれ4人の界王神、そしてその4人を取りまとめるのが大界王神だ。界王神は神の最上位と言われている」

 

「神の最上位………」

 

す…すげぇ………神の最上位って……しかもその人たちが星を創るって悪魔以上にヤベェじゃねーか……

 

 

「話を戻す。そしてその大界王神達と対になる存在が破壊神、そして、破壊神には必ず1人の付き人がいる。これらの神々は12の宇宙全てに1人ずつおり、それらをまとめるのが『大神官』というお方だ」

 

 

「大神官?聞いた事がないな………」

 

「まぁ、そうだな。お前ら教会では師匠と界王神様が限界ってところか、ま、その大神官という神は12の宇宙の神々を取りまとめていて神格でも二番目に偉いとされている。それに強さも半端じゃない。いくら破壊神といえども足元にも及ばんらしい。いわば最上位の上をいく神だな」

 

おいおい!!星を簡単に壊せる神様が足元にも及ばんってどんだけ強いんだよ!?

 

 

「そして、その大神官の上に存在するのが『全王』だ」

 

「ぜ……全王………」

 

なんか名前からしてヤバそうな奴じゃねぇか……て言うかまだ上がいたのかよ!?

 

 

「なんかとてつもない存在感のある名前ね……」

 

部長も名前を聞いた瞬間に体を震わせた。

俺も同じだ…名前を聞いただけでこんなになるとは………

 

 

 

 

「全王様は12の宇宙の頂点にたつ超最上位の神様だ」

 

ちょ………超最上位………………

 

 

「全王様より上位の神は存在しないと言われている。そしてさっき言った6つの宇宙を消したのはこの全王様だ」

 

え…?宇宙を消した………?

 

 

「そ。その宇宙が全王様の機嫌を損ねたから消されたらしい」

 

 

何か心読まれてる………けど機嫌損ねて宇宙消すってどんだけ気まぐれなんだよ!!??

 

「ゼノはその全王様っていう神を見た事あるの?」

 

部長が恐る恐る聞いた。確かにこんだけ詳しけりゃあ会ってるかもしれねぇな…

 

 

「あぁ。普通に半年に一回は会ってるぞ」

 

 

「「「ええええええええええ!!!!!??????」」」 「あらあら…」「…」

 

 

 

 

「お前 半年に一回って!?そんな友達みたいな!」

 

「友達だぞ」

「「「そうなの!?」」」

 

何だよ!それ!?最上位の神様とそんな軽い関係になるって!?

 

 

「まぁ。一度連れてってもらったしな。向こうから会いたいって言われて」

 

「そ……それで……?」

 

「行ったら『君みたいに僕とお話し出来るのと会いたかったのね!!僕とお友達になろ!!!』って言われて友達になった」

 

ええええ!?そんな軽く!?しかも『〜のね』って子供じゃん!

 

 

あれ?待てよ………俺達って最上位の神様の友達を呼び捨てにしてる上にタメ口…………これって………

 

「別にいい」

 

いいの!?て言うか完全に心読んでんじゃねーか!?

 

「読んでない」

 

読んでんじゃねーか!!!!!!!

 

 

 

 

「全王様か………一度会ってみたいな………」

 

「それは無理だな。人間や悪魔でさえ話す事が無礼とされている御方だ。神でなきゃ会う事さえできん」

 

「ム…残念だ…」

 

「これで宇宙の神話系統については以上だ。そうだ青髪、あの栗毛の奴は?」

 

「ゼノヴィアだ……。イリナなら聖剣を返還しに本部に帰ったぞ。」

 

「何だ。あいつには知らせてないのか?」

 

「あぁ。彼女は私以上に主を信じていたからね。今は帰りの迎え待ちかと思うよ」

 

「なら、見送ってきてやるか。界王神界に行くついでに」

 

 

「え!?今何… 」 ピュン!

 

 

ゼノヴィアが驚き聞こうとするもゼノは瞬間移動してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

駒王学園から少し離れた道にイリナはいた。

 

 

(はぁ〜……ゼノヴィア何で悪魔に………それに…黒崎君に助けてもらったお礼言えなかったな………)

 

 

イリナは目を覚ましたあと、闘いは終わっており、自身のコンビであるゼノヴィアが悪魔になったことを知って酷く落ち込んでしまったのだ。

 

 

(それに何で私、黒崎君のことばっかり……………しかも考えるたび何だかドキドキしてきた………こここれってまさか!!!??いやいやいや!!違う違う違う!!!あの子は主を侮辱した最低な人!!!………でもあの時助けてもらった時はなんか……かっこよかった……………だからちがぅぅぅ!!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると

 

 

 

 

 

 

「さっきから何やってんだよ」

 

 

「!」

 

イリナが見上げると塀の上から腰を下ろしながらこちらを見ているゼノがいたのだ。

 

 

 

「黒崎くん!?」

 

「よっと」

 

 

スタッ!

イリナが驚く中、ゼノはその場所から目の前に着地する。

 

 

「どどどどうしてここに!?」

 

 

「あぁ。青髪から聞いてさ。出かけ物のついでに見送りに来た」

 

「ついでって………」

 

「それより、まだ迎えこねーのか?」

 

「うん。もうすぐなんだけど……………………その前に……ちょっといい…?」

 

「ん?」

 

するとイリナは頬を染めモジモジしながらゼノの方へ向いた。

 

「あ………あの…………この前…のことなんだけど………(うぅ〜…………目の前にいるとなると凄くドキドキしてくる………頑張れ私!!言うのよ!私!!感謝ができなきゃ主を祈る資格なし!!!)」

 

 

 

「あ………あの時は助けてくれてありがと…(よ…よし!言えた!!!よくやった私!)」

 

 

「別にいいよ。それより、何でそんな赤いんだ?」

 

「え!?そそそ…それは!!(やややヤバイ!!なんとか誤魔化さないと!)」

 

「?」

 

「え〜と………これは…………」

 

 

 

すると後ろから光の魔方陣が現れた。

 

 

「お?ようやく来たのか。じゃ」

 

そう言うとゼノはイリナへ背を向けると去ろうとした。

 

 

(! 行っちゃう………うう………!)

 

 

イリナはゼノに向かって走り出した。

 

 

 

「ゼノ君!!」

 

「ん? むぐ!?」

 

ゼノは後ろを振り向いた途端にイリナに抱きつかれた。身長に差があるためゼノの顔はイリナの胸に埋まってしまった。

 

「む……むむ……………!?」

 

 

そんなことは知らずにイリナは力一杯抱きつくと

 

 

「ありがと…」

 

 

それだけ言うと離れた。

 

「じゃあね!」

 

そしてイリナは魔方陣の場所へと走っていき、やがて姿は見えなくなった。

 

「……なんだったんだ…?今の……!それより早く界王神界に行かねーと!」

 

 

ピュンッ!

 

 

 

そう言うとゼノもその場から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(きゃぁぁぁぁー!!!!!!!!なにやってんの私!!!!別れ際に抱きつくなんて!!!!!!)

 

 

「彼女どうしたんでしょ?」

 

「さぁ〜?脳みそが鼻くそで侵食されたんじゃね?」

 

 

迎えの二人組にイリナは白い目で見られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブチッ

 

「どうしたんですか?朱乃先輩?」

 

「いえ。一瞬何かイラっときまして」

 

「奇遇ですね。私もです…」

 

 

 

 

 

 


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