一誠side
あの夜の件の後、俺と匙とはたっぷりと部長と会長にたっぷりしばかれその翌日の夕方、俺達は家で待機していると
ガチャン
「お邪魔しまーす」
突然誰かが家に入ってきた。しかも凄く聞き慣れた声だ。
ドタドタッ!
その瞬間朱乃さんと小猫ちゃんはすぐさま玄関口へと走って行った。
俺達もあとに続き行ってみるとそこには、
「よう」
ゼノがいた。
「「ゼノ(くん(先輩)!!」」
ゼノを見た瞬間に朱乃さんと小猫ちゃんはすぐさまゼノに抱きついた!くぅぅぅ……羨ましい…………!!!!!!!
「ゼノ先輩……大丈夫でしたか?」
「大丈夫だ…………苦しいから離れて………」
「ですが……その所々服が………」
見るといつもゼノが着ている長ランの所々が破けて泥まみれであった。
「心配すんな………服はただ破けただけで肉体にはダメージはねーから…………だから早く離れて…………」
「そうですか……無事で……良かったです…」
「それより、こいつを頼む」
ゼノは担いでいたイリナを降ろし部長に預けた。
「ゼノ、何があったの?」
「それは後から話す。この件は悪魔側じゃあ処理出来るようなもんじゃねーぞ」
「「「「!!」」」」
「取り敢えず、上がらしてもらうぞ」
「あぁ、なら俺の部屋に」
sideout
〜
「さて、話す前に一つ言っておくが、あの剣についてだ」
「あの剣ってまさか、ゼノヴィアが言ってた…」
「あぁ。グレモリー、そして、その他にも言っておく、あいつが持っている剣は『Zソード』という物だ」
「Zソード?え?何それ?」
ゼノの言葉にリアスは首を傾げた。
「Zソードっていうのは界王神という神が住む界王神界にある剣だ」
「え?界王神……って…」
「もうようするに神様だ。神様」
何故かゼノはめんどくさくなっていた。
「んでその神様が住んでる場所にある剣だ。」
「それを何でフリードが………」
「実はそのことで俺も疑問に思ってたんだ」
するとゼノは喋り出した。
「本来Zソードは界王神が住む界王神界にあり、その界王神界は神である物でしか行くことはできない。しかもゼットソード自体重さも何十tもある。なのにその剣をあの白髪は軽々と振り回していた。ここがどうも気になる。」
「気になるって?」
「どうやってあいつらはその剣を手に入れあんな風に軽く使いこなせれるのかだ。そしてある考えにたどり着いた」
「そ………それは………なに?」
リアスが恐る恐る聞くと
「裏で何者かが暗躍している」
「「「「「!!」」」」」
「取り敢えず、あの堕天使に聞きたいことはそれだ」
すると、ゼノは立ち上がり部屋を出て行こうとした。
「おい!!どこ行くんだよ!」
「奴の居場所はもうおさえてある。今回の件は俺1人で片付けさせてもらう。それに、窓を見てみろ」
ゼノに言われリアス達は窓を見ると空が妖しく変化していた。そして、その上空に何かがいた。
「コカビエル!!!」
「お?見つかってしまったか。なかなか勘のいい奴らだな」
見るとそこには飛びながらこちらを見下ろしているコカビエルがいたのだ。
「まずは、初めましてかな?魔王の妹リアス・グレモリー」
「御機嫌よう堕ちた天使の幹部さん、私たちとの接触はなんの目的かしら?」
「お前の根城である駒王学園を中心に暴れてやろうと思ってな。そうすれば嫌でもサーゼクスは出てこざるを得ないと思ってな」
「そんなことをすればまた神と堕天使と悪魔との戦争が勃発してしまうわ!!」
「ハッハッハッハッ!!!鼻からそんなことは知れている。だからエクスカリバーを盗んだのさ。そうすればミカエルも動くかもしれないかとおもったのでな!だが寄越してきたのはエクソシストと聖剣使いたった二匹、実につまらんかったよ!!しかも昨夜俺の前に現れた人間も最後はそいつらを庇って光に飲まれちまって本当に呆気なかったよ」
(ある人間とは俺の事を指しているのか)
そう考えたゼノはコカビエルの前まで瞬間移動した。
「おい」
「ん?っ!貴様は昨日の!!生きていたのか!!」
「あー、あの光の矢確かにヤバかったけども、普通に避けれたし」
「バカな…!!あの距離で全て躱すなど………!!」
「お前の言い分などどうでもいい。それより 賭けをしないか?お前と戦って」
ゼノからの突然の提案にコカビエルは口を三日月のようにあけ大笑いした。
「ふっ………フハッハッハッハッ!!!!!!ただの人間がこの俺に闘いを!?ハッハッハッハッ!!!笑いがとまらんわ!!!さすが!無能な奴が考えることは傑作だな!!ハッハッハッハッ!!!」
その笑い方は明らかにゼノを侮辱しているようだった。するとコカビエルは笑いを止めるとゼノを見た。
「で?その内容は?」
「お前が勝ったら俺を殺すなりなんなりとしてくれりゃいい」
「ちょ!?ゼノ!あなt「ただし、俺が勝ったら俺の質問に答えてもらう」」
「ふむ。いいだろう!!結果はもう見えてるがな!お前との勝負を楽しみにしているぞ!!!ハハハハハハハハハハ!!!!!!!」
そう言うとコカビエルは駒王学園へと飛び去っていった。
「ちょっとゼノ!!どういうこと!!」
リアスは激怒し外に出てゼノに詰め寄った。
「奴に聞くいい機会だ。こんぐらいしなきゃ聞き出せねーからな」
「だからって命を賭けるなんてやりすぎよ!!」
「別に楽しい闘いができりゃあ命なんてどうでもいい」
「でも!!!」
「話はここまで、俺は腹ごしらえしてから行く。じゃあな」
リアスの言葉に耳も貸さずゼノはそれだけ言い残すと空高く飛び上がっていった。
「……全く勝手なんだから」
◇◇◇◇◇◇◇◇
リアス達と別れたゼノはよく通うラーメン店にて特大のラーメンを食していた。
「ハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグ!!!!!!!!!!!」
ゼノの上半身程の大きさのある器に盛り付けられた大量のもやしや焼豚、卵にメンマが次々と口の中に吸い込まれていった。その食いっぷりは辺りの人達の注目を集める。
「な……なんて食欲だ……」
「あんな小さい体のどこに入ってくんだよ………」
周りの客達が引いているが御構い無しに次々とラーメンを口の中へと放り込んでいった。
そして
「ズズズ…」
最後のスープを飲み干すとゼノは目を変えて席を立つ。
会計を済ませたゼノは店を出ると空を見上げながら感覚を研ぎ澄ませた。辺りから感じるのはイッセー達の悪魔の気と堕天使の気。それが1箇所に集まっていた。
「あいつらはもう行ったのか。早いな。まぁいいか」
ゼノはそのまま足を踏み締め駒王学園へと向けて跳躍した。
◇◇◇◇◇◇
「………よっと、着いた」
ゼノはその一っ飛びで駒王学園の校門前へと着地する。着いた時には学園全体が巨大な結界で覆われており、見れば辺りには生徒会の面々が結界を作成していた。
だが、ゼノにとってそれは障害物でしかならない。
「一発で…!」
そう言うとゼノは腕を振り上げ結界を壊そうとした時
「ちょっとストォォォォォォップ!!!!!!!!!」
空から匙が制止の叫びを上げながら滑り込んできた。
「なんだよいきなり」
「この結界は堕天使を外へ出さないようにしているのです」
すると、匙に続き生徒会長であるソーナも現れる。
「なら、俺も入れろ」
「……分かりました」
ゼノの要求にソーナはライザーとの一件を思い出しながら了承し結界に小さな穴を開ける。
「リアス達をお願いします」
「あぁ」
それだけ頷くとゼノは髪を解き直し後ろでまとめ上げてポニーテールをつくる。
「さて。堕天使の幹部の実力はどんなものかな」