翌朝
「……………ん………ぅぁ………朝……?」
カーテンの隙間から差し込む光を受けゼノは目を覚ました。
「ふわぁあ〜あ!………………動けん……………」
目を覚まし体を動かそうとしたもののサリにガッチリ拘束されていて思うように動かなかった。
「おい。起きろ。いつまでも抱きついてんじゃねーよ…」
「ん〜………あと一時間……」
「長い。はよ起きろ」
「は〜い……」
〜
「「いただきました」」
そう言い終わるとサリはビジネススーツへと着替えた。彼女は日本の一流企業の社員であり毎朝忙しいのだ。
「じゃ、行ってくるね」
「あぁ、気をつけてな」
そう言うとその場から仕事場へと飛んで行った。いつのまにかウイスから空の飛び方を教えてもらったようだ。
「さて、俺も行きますか」
そう言うとゼノもいつもの長ランへと着替えた。
〜
「と言っても、…………………どうすればいいだか……」
どうしたらよいのか俺は途方に暮れていた……すると俺のスマホに電話がかかってきた。番号を見るとイッセーからだ。
「なんだ?」
『お!ゼノか!ちょっと話したいことがあるんだけどさ!今どこにいる!?』
「?場所を言え、こっちからいくから」
『えっと………ガストだけど……』
パタッ
「ガストならすぐ近くだな。とりあえずそこでおやつも」
そして俺はこの場から消えガストまで瞬間移動した。
〜
イッセーside
俺は小猫ちゃんと匙と一緒に木場を取り戻すため聖剣使いの2人を探してようやく見つけ今ガストに来てる……………けど……
「ハグハグハグハグハグ!おお!!!!美味いぞ!!!!!」
「本当!!!これこそ故郷の味だわ!!!!!」
(どんだけ食うんだよ…!!!俺の財布もそろそろ限界だっていうのによ!!しかもファミレスを故郷の味とか完全に舌腐ってんじゃねぇか!?)
「しかし、悪魔に救われるとは世も末だな」
(ごちそうしてやったのになんつう口だよ!あぁ神様!今すぐこの娘達に天誅を!)
「って痛ぇ!?」
「悪魔が祈ればダメージが渡る事くらい把握してけよ…」
イッセーが心からイリナ達へ天罰を願った事で頭痛が襲う。そのそばでは小猫に襟首を掴まれ無理矢理座らされている匙の姿もあった。
「あぁ主よ……この優しき悪魔たちに祝福を……」
「「「「…!いっててて!!!!」」」」
するとイリナは首飾りである十字架を握りしめた。俺たちは悪魔だから当然のことにとてつもない程の頭痛が襲った。
イッセーの横では匙がとんでもなく落胆していた。
「(と言うか………何で俺まで………)」
「(しょうがないだろ………木場は無理だし、部長や朱乃さんなんかは絶対許可してくれねぇからよ…!)」
「(だったら黒崎先輩呼べば良かったろ!!!あの人1人いりゃあすぐ済むじゃねーか!!!)」
「(あ、そうか)」
「(お前は無能かぁ!!兵藤ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!)」
そうか!ゼノに頼めば!!
イッセーはそう思いゼノへ電話を掛けた
〜
「よし」
「連絡しているところすまないが、私達に接触した理由は?」
ゼノへの電話が済むとゼノヴィアが俺たちに理由を求めてきた。俺は2人にその理由を明かしある提案を持ちかけた。
「エクスカリバーの破壊に協力したい」
「うむ……………一本くらいなら任してもいい」
「ちょ!ゼノヴィア!?」
「仕方ない。私達2人だけでは厳しいのでな。それで、手を貸してくれるのはそちらの三人だけか?」
「木場はともかくいまゼノに連絡しといた」
「イッセー先輩グッジョブ!」
ゼノに連絡した事を知らせると小猫は親指を上げてサムズアップする。
するとゼノヴィアとイリナが突然黙り込んだ。
「そのゼノとやらの事を少s…「俺の事を何?」 っ!」
聞き慣れた声。その声のした方向を見ると、
「よぅ」
数秒前まで何もなかった場所にゼノが立っていた。
sideout
「ん〜?俺抜きで何やらと物騒な話してるな」
するとゼノは軽やかな物言いで小猫の隣へ座った。
「あ、すいません、チョコレートパフェ一つ。で、イッセー、俺を呼んだ理由を聞こうか?」
ゼノはパフェをせっせと頬張りながらイッセーに質問した。
「あぁ、実はな…」
「成る程。木場を取り戻すために聖剣を破壊すんのか」
「いやまだ何も言ってないんだけど!?」
「だいたい理解できた。ちょいとそのコカビエルっていう奴と戦ってみたくなってきたな」
そう言いゼノはグラスの底に溶けて溜まったアイスをズズズっと飲む。
するとゼノヴィアは驚きの表情を浮かべすぐに制止させる。
「まさか君1人でコカビエルに挑むつもりか?それならやめておいた方がいい。一介の人間が堕天使ましてや幹部クラスなぞに敵うわけが…「黙れよ」 っ!」
するとゼノの表情は一変しゼノヴィアを睨んだ。
「昨日俺にあっさりやられた奴らが上から目線でゴチャゴチャと言ってんじゃねぇ。俺が無理ならお前らでも100パーセント無理っていう話になるぞ?」
「私は君の身を案じて忠告したのだぞ!」
「そうよ!」
「んな心配はいらん。まぁ、どの道俺もこの計画にのらしてもらう。少々思い当たる点があるんでな」
するとイッセーはゼノに疑問を抱き質問した。
「それってどういう事だ?」
「俺の知り合いの所からも剣が盗まれてな、もしかしたら其奴らが持ってるかもしれねーと思ったからだ」
『剣』という言葉にゼノヴィアは反応した
「その剣は聖剣か?」
ゼノヴィアは自分達の所属する教会だけではなく、別の教会からも盗まれたのかと思い質問をする。だが、ゼノはそれを否定した。
「そんな生易しい物じゃねーよ。その剣は扱えれば岩だろうと石だろうと、ましてや小さな隕石だろうと切り刻むことができる超業物だ」
「っ!聖剣の他にもまさかそのような剣が存在していたとわね……。……分かった君にも協力を頼むよ。かような剣、私達だけでは手に負えぬかもしれないからな」
「だろうな」
話し合いの結果、ゼノもこの計画に参加する事となった。
「よし!早速木場に連絡してくる!」
そう言うとイッセーは席を外し木場を呼んだ。
こうしてイッセー達の聖剣破壊計画が行われる事となった。
「今回私全然セリフなかったです……」