ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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聖剣の訪問

次の日

リアスside

 

私のクラスでは先生が朝のHRを行なっていた。そこには何故かゼノの姿が無かったのだ。

不思議に思い私は先生に聞いてみた。

「えっと先生…黒崎君は……」

「ん?黒崎君なら今朝に欠席連絡が来てね。何でも熱とか」

 

「え……」

 

(珍しい…………いつもテンションが高いあのゼノが………絶対裏がある………うん……そうに違いない………)

 

そう思いながらも私は一時限目の用意をした。

 

 

 

sideout

 

 

 

一方その頃 ゼノはというと……

 

 

「ぐぉ〜………ガァーグギギが………ガァー!!!ぐぎがぎがぐか!!!!」

 

 

寝ていた………

 

 

 

 

放課後

 

ガチャッ

 

「ヤッホ〜♪」

「………あらゼノ、熱は大丈夫なの?」

「あ〜………うん………」

 

 

 

. . . . . .

 

 

 

((((絶対ズル休みだ…………))))

 

皆がそう思う中ゼノはソファーへ座ると一風変わった木場の表情に気がついた。

 

「ん〜?どうしたの?裕斗は?」

「…実は………」

 

リアスはゼノに昨日の出来事と木場の過去を話した。

 

「成る程、つまり裕斗はその聖剣とかいうのを恨んでるってことね。それであんな目を」

「そう…そしてその聖剣使いが今日ここへ来るの。貴方は神クラス以上の力を持つ者……相手はおそらく…貴方を戦力に引き入れようとするわ。万が一勧誘されても乗らないよう気をつけて頂戴…」

「ん」

 

そう言うとリアスは机からソファーへと移った。さすがのリアスも同じ部員であり同級生でもある彼を勧誘されるのは気に食わない様だ。

 

「聖剣使いがねぇ〜……用件はなんだか はむっ…はむはむはむっ……

そう言いながらもゼノはその場でロールケーキを頬張り出した。

「先輩…私も欲しいです…」

「いいよ〜ほれ」

「頂きます… はむっ… 〜♪」

 

 

「全く……この2人ったら……」

「あらあらいいじゃないですか。ゼノ君、私にも頂けますか?」

「いいよ〜 はい」

 

「朱乃まで!?はぁ〜……これから会談なのに…」

 

 

それから何分か3人のお茶会は続いた。

 

 

そして、数十分後、刻は来た。

 

ガチャ

「失礼する。ここがリアス・グレモリーのいる場所で間違ってないだろうか」

「えぇ。座って頂戴」

「失礼しま〜す」「お邪魔する」

 

入って来たのは白いローブを着用した青髪に緑のメッシュを入れた少女と栗毛のツインテールの少女であった。

 

 

「今回は会談を引き受けてくれて感謝する。私の名はゼノヴィア・クァルタ」

「私は紫藤イリナよろしく♪」

 

「改めまして、リアス・グレモリーよ。教会の者が私達に何の用なのかしら?」

互いの自己紹介を終えるとメッシュの少女が話しを始めた。

「先日カトリック、プロテスタント、正教会側で管理されていた聖剣エクスカリバーが奪われた」

「え!?エクスカリバーって複数あんの!?」

イッセーは訳が分からず話しについていけなかった。

 

「ゴメンなさい……エクスカリバーの説明込みで話してもらえないかしら」

リアスの申し出にイリナという少女は頷きイッセーの方を向き説明した。

「イッセー君、エクスカリバーは大昔の戦争で折れてしまったの」

 

「今ではこの様な姿さ」

するとゼノヴィアという少女が傍にあるものを解いた。

それは、一本の剣であった。一見は普通の剣だが、見る者には分かる。凄まじいエネルギーを放っていた。

すると、ゼノ以外のオカ研部員は冷汗を流した。

 

「それが聖剣か。見る限りかなりの代物のようだな。しかもこの布、この聖剣を目立たなくするための術も施されてる」

 

「…勘がいいな君は」

「そりゃあどうも」

ゼノは布の巻かれた聖剣を指でつつく。

「大昔の戦争で折れた聖剣の破片を錬金術によって新たな姿としたのさ。これがその一つ、私の持っているエクスカリバーは破壊の聖剣(エクスカリバーデストラクション)」

 

もう1人は懐から一本の紐を取り出した。するとその紐は意志を持ったようにうねり出し一本の日本刀へと姿を変えのだ。

「私のは擬態の聖剣(エクスカリバーミミック)この通りエクスカリバーはそれぞれ特殊な能力を有してるの」

 

「イリナ…わざわざ悪魔にエクスカリバーの能力を見せる必要はないだろ」

 

「あらゼノヴィア、いくら悪魔だからと言って信頼関係を築かなくちゃいけないわ。それに、聖剣の能力を知られたからってこの場にいる悪魔さん達には遅れをとることはないわ」

 

イリナという少女は自慢気に話すと聖剣を懐にしまった。

 

「奪った連中はこの地に持ち込んだらしい。奪った犯人はグリゴリの幹部、コカビエルだ。」

 

その名を聞いた瞬間、リアスは表情を歪ませた。

「コカビエル……古の戦いを生き残る堕天使の幹部……聖書にも記された者の名前を出されるとはね…」

 

「そうだ。我々の依頼は今回の件に一切関わらないでいただきたい」

 

「随分な言い方ね」

あまりにも傲慢な態度や言い様にさすがのリアスも頭にきているようだ。

 

「悪魔が堕天使と組む恐れがあるかもしれないと本部側が疑っているからね」

 

「私は堕天使とは絶対に手は組まないわ。グレモリー家の者として魔王の顔に泥を塗る様な真似はしない!」

 

「フッ……それだけが知れて充分だ」

 

「まさか、貴方達2人で戦うつもり?」

「そうだ正教会は保留としてだがね」

「死ぬつもり?」

「そうよ」

リアスの質問にゼノヴィア、イリナは続けて応えた。

 

「私もイリナと同意見だ。だが死にたくはないな」

 

 

「はぁ〜……全く…貴方達の信仰心は理解できないわ」

我が身さえも捧げるその異常な信仰心にリアスは額に手を当てて呆れてしまう。

その一方で、彼女らも自身の信仰心の異常さに自覚はあるようだ。

 

「私達の信仰心は異常なのよ。ね?ゼノヴィア」

 

「ハハッ!そうだな。」

そう言うとゼノヴィアは立ち上がった。

 

「では、そろそろ失礼させてもらう」

そして2人は部屋を出て行こうとした。だがドアに手を掛ける直前に立ち止まると、イッセーの横にいるアーシアへ鋭い視線を向けた。

 

「まさかとは思ったが…貴様…『魔女』アーシア・アルジェントだな?」

 

「あ〜貴方が噂の悪魔になった元聖女さん?」

 

「え………」

ゼノヴィアの口から発せられた『魔女』という言葉にアーシアは動揺する。隣にいたイッセーも魔女という言葉に対し少し驚いていた。

 

「しかし元聖女も堕ちたところまで堕ちたな。まだ我らの主を信じているのか?」

「ゼノヴィア〜悪魔になった聖女さんが主を信じてるわけないでしょ?」

「いや、その子から信仰の匂いが微かにする。やはりまだ信じている様だな」

 

ゼノヴィアからの問い詰めにアーシアは口元を震わせながら答えた。

 

「……捨てきれないだけです…ずっと信じてきたので…」

 

「そうか」

アーシアがそう答えた瞬間、ゼノヴィアは聖剣をアーシアに向かって突き付けた。

 

「ならば今すぐ斬られるといい。今なら我らの神も救いの手を差し伸べてくれるはずだ。」

 

「触れるな!」

 

その時、アーシアを庇うようにイッセーが2人の間に入った。

 

「アーシアを魔女と言ったな!」

 

「そうだ。今では魔女と呼ぶべき者だ」

イッセーはゼノヴィアの言葉に怒り、奥歯を噛み締めた。

「ふざけるな!アーシアの優しさも理解できずにすぐに斬るとか言いやがって!そんなの間違ってる!」

 

「聖女に友人が必要だと思うのか?友人を求めた時点でアーシア・アルジェントには聖女の資格はなかっただろう」

ゼノヴィアは表情を変えず当然の様に言った。

 

「それに、さっきから聞いていれば、君はアーシアの何だ?」

 

「家族だ!友達だ!仲間だ!だからアーシアを助ける!お前ら全員を敵に回してでも俺は戦うぞ!!」

その瞬間、ゼノヴィアは目を細め、イッセーを睨んだ。

「それは我々に対する宣戦布告か?よかろう。ならばアーシア・アルジェント纏めて貴様も私の手で断罪してやろう」

そう言うとゼノヴィアはイッセーに向けて聖剣を突き付けた。

 

「イッセー、おやめなさい」

それを見たリアスは止めるべく立ち上がる。今ここで争いを起こしてしまえば悪魔と教会の間での関係が更に悪化してしまうだろう。そうなれば最悪の場合、戦争だ。

最悪のケースを危惧したリアスはイッセーを抑制しようとする。

 

 

その時だった。

 

「ぷ……プハハハッ!!!」

 

今まで脚を組みながら座っていたゼノの高笑う声が響き渡った。その笑い声にゼノヴィアは反応すると、アーシアに向けていた鋭い視線をゼノへと向けた。

 

「貴様…何がおかしい」

 

「悪い。お前らが信じてる主は随分と位の低くて下らねぇ神様だなって思ってな。代弁してるつもりなのか分からないけど、信者1人救えない神ならもう神じゃないだろ」

 

その言葉にゼノヴィアは額に青筋を浮かべる。

 

「貴様…その言葉は我らの主を侮辱しているのか…?」

 

「捉え方は人それぞれだが…。うん。そう捉えていいな」

 

「…ッ!!」

ゼノヴィアはアーシアに向けていた聖剣をゼノへと向けた。後ろに立っているイリナも同じくご立腹の様子である。

 

「例え一般人とて許さん…貴様も断罪してやる!」

 

「いいよ。受けてやる」

 

ゼノは笑って答えていたが次の瞬間ゼノの目が怪しく光りゼノヴィアを睨んだ。

 

「ちょうどこっちも…いきなりズカズカ入って来た輩に好き勝手やられてちょっとイラっと来てるからな」

 

 

ゼノは笑っているのでなく

 

 

 

若干“怒っていた”

 

 

「丁度いい。僕も相手となろう」

ずっと黙っていた木場がいきなり言い出した。

 

「誰だ君は」

 

「君たちの先輩だよ…!」

 

 

 

 


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