ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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時の界王神

初日の修行から次の日

 

 

 

 

 

「……とこれが私達悪魔の歴史ね」

 

 

 

朝のの大広間にて、リアスは部員の皆に悪魔の歴史を説明していた。そしてその説明が終わるとゼノの方を向いた。

 

 

 

 

「さて、次は貴方の番よ」

 

 

皆が一斉にゼノに視線を向けた。

 

 

「貴方の師匠の話を聞かしてちょうだい」

 

 

「……あぁ」

 

 

それだけ言うとゼノは席を立ち皆の前へと移動した。

 

 

 

「そんじゃあ、教えてやる。俺の師匠のことを。俺の師匠は、『ゼノさーん!!!!!』

 

「「「「!!!????」」」」

 

突然その場に誰かの声が空から響き渡りゼノの話を断ち切った。皆は目を丸くさせ『どこからだ?』と思い辺りを見回した。

 

「ッチ…なんだよ界王神様!」

 

 

ゼノは返すように空に向かって返事をした。

しばらくして

 

「リアス、急用が出来た。すまんがゲーム当日まで留守にする。」

 

「え!?ちょっと!今のな…」

 

ドンッ!!

 

リアスが呼び止めようとするもゼノは別荘の窓から外へ飛んで行った。

あとに残ったのは沈黙に包まれたオカ研だけであった。

 

「何だったんでしょう…今のは……」

 

 

「分からないわ……」

 

 

「とりあえず…修行を再開しましょう…」(界王神って言ってたけど……まさかね…)

リアスはそう思いながらも皆をまとめ 修行を再開した。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

界王神から呼び出されたゼノは別荘から遠く離れた平地へと来ていた。

 

「着いたぞー!」

そう言った瞬間 ゼノの目の前にモヒカンで異形な服を着用した青年が現れた。この青年はここ第七宇宙の最上位に君臨する神 『界王神』である。ゼノがビルスの弟子になってから始めて会った神でもあるのだ。

 

「んで何だよ、いきなり呼び出してよ」

「それが〜…なんか刻蔵庫の整理が大変らしくて手伝って欲しいとのことです」

「そう言う訳でまたトキトキ都に来て欲しいと?」

「はい…」

ゼノは表情を歪ませた。今から会いに行く人はゼノが過去で会った者の中で1番 苦手とする者であった。

 

「やだぁ……」

「まぁまぁそう仰らず。では、行きますよ」

ヒュン!!!

 

 

 

そういうとゼノと界王神はその場から姿を消した。

 

 

「ん〜…何か久しぶりに来たな〜」

ゼノが界王神に連れてこられた場所は緑、そして川が流れており、その真ん中には神社程の宮殿があった。

この場所こそ先ほど界王神の言っていた『トキトキ都』であり、その真ん中にはある宮殿が『刻蔵庫』である。

 

「では、帰る時は呼んでください。」

「分かったよ」

「では、カイカイ!」

 

ヒュンッ!!

 

 

 

そう言うと界王神はもといた星へと戻り、ゼノだけとなった。

 

すると

 

「や〜や〜久しぶりね〜!」

ゼノの背後から活発な声が聞こえた。

ゼノはゆっくりと振り向いた。そこには背がゼノよりも少し高く紫色の肌を持った幼い少女が立っていた。

「ヤッホ〜」

「久しぶりだな…時の界王神…」

この少女こそ、この第七宇宙の全ての時間の流れを司る神、【時の界王神】なのだ。因みにこれは神格であって本名は『クロノア』と言う。

 

 

「そんな堅い呼び方じゃなくて普通に『クロノア』って呼んでよ!」

「呼べるか…」

「でも何ヶ月ぶりかしら!!会えて嬉しいわ!!ゼノくん!」

そう言うと時の界王神はゼノの背中をバシバシ叩いた。

だが、ゼノは時の界王神が苦手なのだ。何故かと言うと、過去のある件で時の界王神はゼノに惚れてしまい、以来何ヶ月かおきに呼び出しその度に彼女におもちゃにされているからなのだ。

 

「いや〜!でも本当に久しぶりね!何ヶ月ぶりかしら?」背も伸びたんじゃない?」

「母親か!これでもまだあんたより下だよ…と言うかここ数年間身長が伸びてねぇよ。ほら、とっとと整理終わらすぞ。要件はそれだけだろ?」

「え?もう一つあるよ?」

「は!?」

界王神からは聞いていない『もう一つのお願い』それを聞いたゼノは口をガッと開けた。

 

「もう一つは…」

その瞬間、時の界王神の目が輝き出し、ゼノへと視線を向けゆっくりと近づくと

 

「久しぶりに抱きしめさせて〜!!!!!」

「グヘ!?」

 

時の界王神はゼノに向かっていきなり抱き着いた。

 

 

「ちょ////や…ややややめろ//!!!」

 

 

「いいじゃん♪別に!会える機会は少ないんだから!」

そう言うと時の界王神はさらに抱きしめる力を強くした。

 

「グギギが……く……苦しい…締まる締まる!!」

 

「あ、ゴメンゴメン」

 

 

それに気づいたのか時の界王神はすぐに離れた。

 

 

「ゲホッゲホッ……んな下らねぇ事やってないで早く終わらすぞ!」

「はいはい〜♪……私にとっては下らなくないのに…」

時の界王神は内心ボソッと呟くと刻蔵庫に向かうゼノの後について行った。

 

 

 

 

しばらくして

 

 

「ふぅ…終わった…」

あれから数時間程かかり、ようやく歴史の書物の整理が終わったのだ。

「ありがと。お陰で助かったわ♪」

時の界王神は座り込むゼノの頭を子犬のように撫でた。

「やめろ……ったく……この量をあんたは毎日やってんのかよ……ここまで来ると恐ろしいぞ…」

「界王神だもん♪」

「あっそ…」

そして、ゼノは立ち上がると先ほどの界王神を呼んだ。

 

「そろそろ行く。ちょっと修行しなきゃいけないからな」

「え?ビルス様のところで?」

「いや、界王のところ」

「そう。ありがとね!手伝ってくれて。お礼に」

時の界王神は顔をゼノに近づけた。

すると、暖かい何かがゼノの頬に触れた。

つまりキスである。

 

「!?!?/////////////」

唐突な出来事にゼノは理解できず赤面した。

「すいません。遅くなりました。あれ?どうしてゼノさん、顔を赤くしてるんですか?」

 

タイミングが良かったのかその直後に来た界王神は何がなんだがわからないでいた。

 

「な……!!なんでもない!!早くいくぞ!!」

 

「え?あ、はい。では、カイカイ」

 

そしてゼノはトキトキ都を後にした。

 

 

「〜♪さて!仕事再開っと!!」

 

その後 時の界王神はテンションが上がったのか仕事へと取り掛かった。

 

 

 

 

 

地球

 

 

 

 

 

ヒュンッ

 

 

 

 

「着きました。」

 

 

 

「あぁ……界王は今どこにいる?」

 

 

「界王様なら大界王星にいらっしゃいますが…」

 

 

「なら悪いが連れてってくれ」

 

 

「はい。分かりました。」

 

 

 

 

ヒュンッ

 

 

 

 

そしてゼノは大界王星へと移動したのだった。

 

 

 


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