ハイスクールD×D 破壊を司る神の弟子   作:狂骨

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拾われし者

 

 

太陽系第三惑星。緑や水が広がる美しい星『地球』のなかにあるとある荒野にて___。 人の気配がないこの地に二人の異形の服を着用しているものが降り立っていた。

 

「少し見ないうちに地球も随分と汚くなったもんだね」

 

「はい。ここらの地は戦争で大量の汚染ガスに侵されており草木の殆どが枯れております」

 

荒野を歩く2人の影のうち、一人は顔が猫の様な亜人。もう一人は人間にしてはとても身長が高く、杖を持っている男。明らかに地球の者ではないようだ。

 

それもそうだ。猫の様な亜人の名は『破壊神ビルス』この宇宙にて破壊を司る恐ろしい神であり、もう1人はその付き人である。

 

周囲の光景を見渡しながら歩いていると、突如として遠方にある何かを発見した。

 

「あれ?誰か倒れてない?」

 

「ほんとですね。行ってみましょう」

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

発見した何かがある地点へと辿り着いた2人。そこには、1人の赤い髪を持つ少年が倒れていた。

「何でこんなとこに子供が…」

 

倒れていた少年の安否を確認する為にビルスは慎重に触れた。

 

 

「…!!!」

 

その時 巨大な何かがビルスの身体を駆け巡った。

 

「どうしたんですか?ビルス様」

 

ウイスが尋ねる中、ビルスはゆっくりと笑みを浮かべながら少年を担ぐ。

「おいウイス…こいつ中々な潜在能力を秘めてるぞ…鍛えればもしかしたら僕を凄く楽しませてくれるかもしれない!!よし!!!決めた!!!こいつ連れて帰るぞ!!!」

 

 

「はぁ〜…分かりました」

 

ビルスの判断にウイスは不思議に思いながらも彼の意思を尊重して、その場を後にするのだった。

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

___待ってお父さん!!捨てないで!置いてかないでよ!!

 

 

「!!!」

 

「おや目が覚めましたか?」

 

突然と目に光が差し込むと共に目を開けると目の前には自身の顔を覗き込む青年の顔があった。

 

「えっと……ここは……」

 

自身が今いる場所について尋ねると、その男はホホホと笑いながら答えた。

 

「ここはビルス様の城です」

 

「ビ……ビルス…?」

 

聞いた事もない名前を出されてしまい、つい聞き返してしまう。するとその男は再び笑うと説明した。

 

「破壊神…と言っても分かりませんでしょうね。まぁいいでしょう。貴方のお名前は?」

 

名前を尋ねられると、自身の名を名乗る。

 

「『黒崎ゼノ』といいます」

 

「ゼノさんですね。私はウイスと申します。ではゼノさん…「おーう目が覚めたかい」

 

ウイスと名乗った男が話をしようとすると、突然と顔が猫の様な獣人が入ってきた。

 

「ビルス様、まだお話の途中ですよ?」

 

「あぁそうかい。ま、僕もご一緒するよ」

 

ビルスと呼ばれた獣人が近くの椅子に座るとウイスは続けた。

 

「ではゼノさん 単刀直入ですが…貴方には次のいずれかを選択してもらいます」

 

「…え?」

 

「私達が貴方をここに連れてきたのは貴方がとてつもない潜在能力を内に秘めているからです。私なら貴方のその潜在能力を引き出すことができ貴方に力を与えることが出来ます。逆にそれを引き出さなければその力は貴方の内に眠ったままです」

 

「はぁ…」

 

「ここで貴方に選択肢です。ここに留まり修行を積み貴方の内なる力を目覚めさせる。それとも地球に戻りひっそりと暮らす。貴方はどちらを選びますか?」

 

「!!」

 

その言葉を聞き、思わず後者を選ぼうとするが、それを反射的に身体が許さないかの様に言葉が詰まった。

 

「無理に強要はしませんどちらかを選ぶのは貴方の自由です」

 

 

単刀直入すぎるが、己の眠っている力というものがどういうものかに興味が湧いてしまい、どうしても試してみたくなってしまう。

 

 

「ふむ……子供には酷な選択でしたね。ビルス様私は … 」

 

ウイスが地球に戻すべく立ちあがろうとした時、その裾を掴み、彼を呼び止めると答えた。

 

「力が欲しいです……元の場所に戻るならここに留まり力を手に入れたいです!!!」

 

「あら…成る程。(中々いい目です。酷く懐かしく感じますね)」

 

 

「よく言った」

ウイスがゼノの言葉に感心していると、今まで座っていたビルスが手を叩きながら立ち上がる。

 

「黒崎ゼノ君、 君の判断は正しいと言っていい。このまま地球に戻ってもその潜在能力を引き出せないままひっそりと暮らす…そんな勿体無いことはないよ。その選択に免じて……たまに僕も修行を手伝おうじゃないか」

 

「おや珍しいですねビルス様自らとは」

 

「いや〜潜在能力を限界まで引き出したゼノ君と戦うのが楽しみだからね。」

 

2人から向けられた期待と、自身の思いを胸に秘めると、2人に向けて頭を下げる。

 

「よろしくお願いします!」

 

 

 


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