東方 幻想忍闘伝   作:Mr.Sprite

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スキマ妖怪がストーカーっぽい事を?気のせいだ。


第二話・初めての戦闘

宇月翔は森を駆けていた。時には地を走り時には木から木へと飛び移り

足音と気配を消して人里へと進んでいった

少年移動中.........

 

「むっ!?」

突然、何やら気配を感じた翔はその場に留まり周りを見るが・・・やはり何も無かった

(・・・・・・気のせいか?)

少々考え事をして腕を組み首を傾げたが、止めていた足を里に向けて進む始めた

「先を急がねばならぬな・・・」

何やら妙な寒気を感じたが、拙者は再び人里へと進んでいった

 

 

四光に言ってみたが、案の定ダメだと言われた、どうせ殺す訳じゃ無いのに。

あれ以上居れば間違い無く四光が煩くなるので、さっさとスキマで退散させて貰った

私とアイツが契約してから約五年にもなるのか・・・

私の式の中では限りなく最弱で、また式達を上回る程に強い式と言う変わった存在だ

その理由は彼の能力であり、未だに彼を倒した者は誰一人として居ない

私も彼に挑んだが、結果は妖力と時間を無駄にして私が負けた

まぁ、その時の細かい話はいずれまた話そうかと思う。

ある時を境に彼の計画を知ってから、私は彼に好きにしろと言い泳がせていたが

あの少年を見た時に気が変わった、彼の計画など知った事か

私は何が何でも、宇月翔を手に入れ傍に置く事に決めた、だって可愛いんですもの。

文句のある奴は前に出なさい、スキマで家が見えない程空高く飛ばして

パラシュート無しのスカイダイビングを体験させてあげるわ

それにあの子は磨けば、上級妖怪と互角にやり合えるぐらい強くなる

ついでとは言っては何だが、私好みに育て上げようかしら?

さて、私個人の楽しい想像は置いといて、宇月翔君は今どこにいるのかな?

スキマ妖怪移動中.........

 

あ、いたいた翔君見~つけた・・・って、あら?

どうしたのかしら、急に立ち止まったりして・・・もしかして、もう迷っちゃったのかしら?

なんて事は無いわよね、僅かでも私の気配を感じたのかしら?

だとしたら、相当鋭いわね・・・益々欲しくなってきたわ

あの子を手に入れたら、沢山可愛がりながら育てて、大人になったら夜の営みを・・・ウフフ。

ああ、更に楽しみが増えてきたわね・・・まぁ、それは彼を手に入れてからの話だけど

そんな事を考えていたら翔君がまた進み始めた

おっといけない、このまま想像に耽け込んで翔君を見逃したなんて事になれば洒落にならない

おい、誰だ今妄想だなんて言った奴。前に出なさい、スキマで妖怪の山に放り込んでやるわ

 

 

 

あれからどれぐらい進んだだろうか?

話によると、里へはもうじきの筈で御座るが・・・

「ウワアアアアアアアァァァァァァ!!!!!」

う~む、何やら叫び声と邪気が――――――って、叫び声!?

イカン!誰だか分からぬが助けに参らねば!!

もし里の者ならば助けたついでに、人の暮らす里まで案内して貰わねばならぬ

いざ!この宇月翔、人の暮らす里へ辿り着く為に助けに向かうで御座るよ!!

少年疾走中......

 

 

「ヒィィヤッハァァァ!!久々の人間だぜぇ~、しかも子供と来たもんだ!」

何か、某世紀末アニメに出てきそうなモヒカンヘアーっぽい妖怪が現れた

ちなみに、肩のあの刺々しい防具らしき物は着けておりません

妖怪はジリジリと子供を追い詰めていた

「く、くるなぁっ!!」

尻餅をついた子供は後退る様に妖怪から逃げる

「誰か、誰か助けてええぇぇっ!!!!!」

目の前の妖怪に恐れ、子供は助けを求め泣き叫んでいた

「ヒャ~ッハッハッハ!!幾ら助けを呼んでも、来る訳ねーだろうがよぉ?」

一歩また一歩と子供を追い詰める妖怪、小物役としては十分すぎないか?

「ッ!?」

後退るも背後に木があり、逃げ場がなくなる

「そ~ら、鬼ごっこは御終いだぁ・・・いっただきま~す!!」

逃げ場を無くした子供に、襲いかかる妖怪

「ヒイィ!?」

もうダメだと諦め目を瞑り、手を前に出し腕を交差させガードをする

子供が妖怪に食われようとしたその瞬間

「待たれよ!!!」

突然、翔が空から大きな声を出し降って来た

「「っ!?」」

子供と妖怪は声のする方へ同時に振り向いた

「無力な子供を襲う悪しき妖怪よ、拙者自らが成敗してくれる、覚悟せよ!!」

「ア゛ァ゛ッ!?んだテメェは?ぶっ殺されてぇのか!!」

食事の邪魔をした翔にキレる小物妖怪、お疲れ様でした。

「貴様如きに話す舌など持たぬで御座る!!」

「んだとこの雑魚がぁ!舐めてんじゃねーぞ、ゴラァッ!!」

妖怪が翔へ襲いかかる!

「オラオラオラァッ!!」

鋭い突きや蹴りが二撃三撃と迫ってくる

流石妖怪と言うべきか、速度は速く、力も強い

・・・が、所詮小物は小物でその程度。翔にとって大した敵ではない。

(動きに多少無駄がある・・・やはりただの力任せで御座るか)

どうやら、避けるのは容易い様だ

少年戦闘中.........

 

 

(クッソ、何でだ!何で攻撃が当たらねぇ!?)

次々と攻めるがどれも当たらず避けられてばかりで妖怪は焦っていた

(さて、そろそろ反撃に移るで御座るか)

翔は空高く飛び、一度間合いを取り再び構え直す

「どうした、もしかしてビビったのかぁ?」

冷や汗を掻くが、それでも余裕な態度を取る

しかし翔はと言うと、目を瞑り一度深呼吸をする

そして目を見開き、縮地の術を使い一瞬で間合いを詰めた

「ッ!?」

妖怪は驚いた、たかが人間如きにあんな速度を出すとは思っていなかったからだ。

「は!せいっ!ぬぅんっ!!」

翔は妖怪の懐に潜り込み、心臓の辺りに肘打ち、顎に掌打、腹に両掌底を叩き込んだ

一瞬だけ軽く宙に浮くが、すぐに踏み止まった

「っと、あぶねぇあぶねぇ・・・人間の癖にやるじゃねーか」

妖怪はすぐに体勢を立て直し、翔に向かって走り出す

翔は一度大きく息を吐き目の前の妖怪との戦いに集中する

「そらよぉっ!!」

拳を構え、殴り掛かる

「甘い!」

拳を手で払い、反撃に掌打を叩き込もうとした瞬間

「がら空きだぜ!!」

「ぐおっ!?」

脇腹に膝蹴りが入る。幾ら鍛えているとは言え、妖怪の一撃は重かった

普通の人間が喰らえば動くのがやっとぐらいのものだろう

「ぐぅっ・・・・・・」

再び間合いを取り、脇腹を抑えながら片膝を地面に着ける

「ハッハァ!さっきまでの勢いはどうしたよ!?」

口の端を吊り上げ、ニヤニヤと笑う妖怪

(ぬぅ、知らぬ内に慢心してしまったか、まだまだ拙者も未熟で御座るな・・・)

翔はゆっくりと立ち上がり、全身から気を放つ

「もはや加減は無用!本気で行かせてもらうで御座る!!」

再び縮地の術を使い、妖怪の背後に回り込んでからの後頭部目掛けて飛び蹴り

「がぁっ!」

見事入ると、次は正面に回り込んで鳩尾に膝蹴りをする

「ぐぅっ!?」

次に側面に回り込み、脇腹に肘打ち、首に手刀を叩き込む

「げふっ!」

そして今度は正面に回り込んで止めに入る

右足で素早く、中段・上段・上段(逆回し蹴り)

足・上段・上段(逆回し蹴り)の順で六発叩き込み

最後に少し宙に浮き、妖怪の脳天に踵落としを叩き込んだ!!

その森には、凄い大きな音が響き震動する。

鳥達が大きな音に驚いて逃げ出したのは言うまでも無い。

「ふぅ・・・少々やり過ぎたで御座ろうか?」

完全に伸びてる妖怪を見て一息つく、妖怪は完全に白目を向いて気絶している。

「さて・・・大丈夫で御座る――――――」

翔は子供の方へ振り向くが・・・既に子供の姿は居ない

「ぬっ、逃げられたで御座るか・・・」

辺りをキョロキョロと見回してみるが、やはり子供の姿はない

「助かったのは何より・・・しかし、里まで案内して欲しかったで御座るよ。トホホ」

翔は酷く落胆した、子供を助けて人里まで案内してもらおうと思った計画が

一気に苦労が水の泡となって消えたからだ

「人の住む里の道はまだまだ遠いで御座るな・・・」

トボトボと森の中を歩いて行った、その場に倒した妖怪を置き去りにして・・・

 

 

 

子供を助ける為に飛び込むなんて、中々見所があるじゃない。更に気に入ったわ

それにしても、あの妖怪のセンスは頂けない、小物臭が半端ではない。

まるで外の世界のアニメや漫画とそう言った類の物に出てきそうだ

特に、世紀末やら何とか神拳やらとか言った類の物に出てきそうだ

何故二度言ったかって?そんなの私の勝手じゃない。

さてと、そろそろ戦いが始まったみたいだし、私は高みの見物とでも洒落こもうかしら。

まずはあの子供を人里へスキマ送りにしましょう、被害を受けずに帰してあげた方が良いわよね

頑張ってね翔君、その程度の妖怪にやられちゃったら四光が泣くわよ、泣かないけど。

もしかしたら、私が泣くかも・・・楽しみを壊されて

その時はそこの妖怪に罪を償わせるだけだ、その身を持ってしてね・・・フフフ。

弾幕じゃなく、肉弾戦って本当になってないわねあの妖怪・・・

これだから小物妖怪は嫌なのよ、あれじゃあそこら辺にいる妖精すら劣るわ。

とは言っても、翔君は右も左も分からない状況だもの・・・弾幕なんて撃てないわよね

そう言えば、ここの戦い方は教わって無かったわね。四光め、何故教えなかった・・・

そうだ、弾幕を放てる様に私自ら手解きしてあげようかしら?

授業料は体で払ってもらうとしてね、勿論それは夜のお楽しみに・・・我ながら良い名案だわ

あら?翔君ったら低級だけど攻撃を避けてるわ、凄い凄い。

普通避けるのが精一杯だけど、軽々と避けてるわ・・・これは育て甲斐があるわね。

いつか彼と手合わせをして見ようかしら?良い運動になるかも知れないわ

偶然事故が起きて私が翔君になんて事が・・・最高ね、肌と肌がこう、くっついて・・・

って、ダメよ私!落ち着きなさい・・・今はダメ、彼が熟すまではお預けよ!

危ない危ない・・・本能で彼を襲ったとなっては彼に嫌われるかも知れない

それだけは何としても避けねば・・・私の夢が崩れる。

うん?気がつけば空気が変わったわね、翔君そろそろ反撃に移るのかしら?

・・・・・・凄い、まさかあんなに速く一瞬で懐に潜り込むなんて

何かの忍術かしら?アレは流石の私も真似出来ないわね・・・

夜のお楽しみは諦めて、報酬は忍術と言う事で手を打とうかしら?

夜のお楽しみなら、彼が大きくなったらいつでも出来るだろうし・・・そうね、それが良いわ。

本当に遺憾だけど、夜のお楽しみはお預けにしましょう・・・私が我慢できるかしら?

今更だけど私、人肌に飢えていたのね・・・でも相手が翔君じゃなきゃ嫌よ絶対に。

想像に耽け込んでいたら妖怪の反撃が・・・あ、翔君にダメージが!

どうしてくれるのかしら?出来れば傷付けずに手に入れたかったのに

でも、手を出せば彼の為にならないし、何より四光や藍が煩いだろうし

・・・凄く複雑な気持ちだわ、守りたいのにただ見ているだけなんて。

何とか翔君が立ち上がった・・・良かった、出来れば余計な心配は掛けないで欲しい物である

今度はさっきよりも素早く体術を叩き込んでいる

あの速さは天狗並みの速さでは無いだろうか?私には到底出来ない

そして止めに蹴りを七連発、しかも全部右足だけと言うのが凄い

不覚にも、あの子本当に人間?なんて思ってしまった

人間にしては、随分と人間離れしている。

小物妖怪は無様に伸びている。やったわね翔君、初勝利よ!

私は心の中で小さくガッツポーズを取った、今日は凄く気分が良いわ

良い物を見せてくれたお礼に野宿している間は守ってあげようかしら?

私はスキマに入り、彼に見つからないようにした

 

 

一方その頃、翔はと言うと・・・

「ぬぅ・・・迷った、人里へはどう行けば辿り着くので御座ろうか?」

道に迷っていた。果たして、翔は人里へ辿り着けるのだろうか!?

頑張れ翔、くじけるな翔、人里へは辿り着くさ・・・いつか、きっとね(遠い目)




ども、第二話が終わってちょい一息
そして早速愚痴ります。昼間が暑くて夜寒いとか・・・体壊すわボケェッ!!
と言う事で、如何だったでしょうか?東方 幻想忍闘伝
え~、常にお前のような○○がいるか!!と言うツッコミや感想のコメントを待っています
どうぞ、お気軽にコメントを下さい。
後、何かスキマ妖怪がかなり変な方向に走ってる気がするけど気にするな(笑)
以上、Mr.Spriteからでした・・・

P.S.上段(逆回し蹴り)って書いてるけど、踵で頭部を蹴ってるってイメージでお願いします。

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