吸血鬼に恋愛なんて出来るわけがない!   作:緋月霊斗

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人外デート~序章~

「あふ……眠いな……」

朝の9時。

なんでこんな時間に起きてしまったんだ……。

原因は……。

「あいつ……早速夢の中に入ってきやがって……」

そうだ。天音に夢の中で犯されかけた。

「前までは夢だと割りきれたけど……昨日の今日じゃなぁ……」

天音がサキュバスだと知ったのが昨日。

あのまま午後は買い物に付き合わされた。

そしてゆっくり眠ろうとした矢先に襲われた。

「ふぁ……仕方ねぇ、飯でも食うか」

よし、そうと決まればキッチンに行こう。

「ん?誰か料理してる?」

キッチンを覗いてみよう。

「ん、霊斗か。おはよう」

「母さんか。おはよう」

「今日は早起きなのだな」

「朝から夢の中で天音に襲われたんだよ……」

「そのまま童〇も捨てれば良かったではないか」

「朝から何言っちゃってんの!?しないから!まだしないから!」

「ふむ、つまりいずれヤるつもりでいると」

「今は考えてないって意味だよ!」

「お主の父親は私と簡単にヤったがなぁ……」

「聞きたくなかった!あのケダモノ親父!」

父さん……しっかりした人だと思ってたのに。

「ケダモノ……確かにな。たまに猫姿で襲ってきたぞ」

「まさかの猫プレイ!?」

と言うか、それを許容できる母さんって……すげぇ。

「ところで霊斗、今日は夢魔の娘とデートではなかったか?」

「そういえばそうだね。母さん、朝御飯できたら呼んでくれる?支度してくるから」

「うむ。今日は晴れているからな。日光対策はしっかりな」

「わかってるよ。ありがと」

なんだかんだ、良い人なんだよなぁ……人?吸血鬼か。

さて、金はまぁそれなりにあるし……服だな。

「まぁズボンは……ベルト着けてこ……あ、これでいいか」

長ズボンか……熱そうだな。

「上は……長袖でいっか」

やべぇよ。熱中症で死ぬやろ。

「……まぁ大丈夫だろ」

まぁこんなもんか。

『霊斗ー、出来たぞー』

「今行くよ」

ちょうどだな。

にしても、母さんの作るご飯は初めてなんだよな。

「おぉ……旨そう」

「和食は久しぶりに作ったからな。味の保証は出来ぬ」

「まぁ大丈夫だよ。じゃ、頂きまーす」

卵焼きか。よし。

「ぁむ……旨い!」

「そうか。それは良かった」

「こっちは……焼鮭だ。久しぶりだなぁ……」

「昨日魚屋の大将がオマケしてくれたのだ」

おっちゃんか……美人に弱いからな。

うん、これも旨い。

「味噌汁は玉葱だ。自信作だ」

「おお……旨い!」

うちの母さんはハイスペックです。

「ふぅ……ごちそうさまでした」

「どうだ?外国に住んでいたとは言え、和食も得意なのだ」

「うん。すごく美味しかった。父さんが羨ましいな」

「そうか。では私は霊哉を起こしてくる」

「わかった。片付けはやっとくよ」

うん?やけに嬉しそうに父さんの部屋に向かったな。

あ、朝からヤったりしないよな……?

まぁ、気にせず片付けだ。

「はぁ……確か今日は遊園地だったよな……」

本当に遊園地は嫌だなぁ。

ジェットコースターとかまじで無理。

憂鬱だ。

「あ、寝癖直してねぇや」

直さないとマヌケみたいだからなぁ……。

「ん、なんだこの寝癖……直らないな……」

猫耳みたいな寝癖だな……猫耳?

「って、猫耳がついてる?」

試しに顔の横に手をやってみる。

耳がない。

つまり。

「微妙に猫又化してる……?」

嘘だろ!?こんなんで天音に会ったら……犯される。

「あいつ絶対『猫耳霊君かわいいー!』とか言って襲いに来るだろ!」

どうする、俺!

「とりあえず寝癖直し使って……(ピョイ)駄目だぁぁ!」

くっ……どうすれば良いんだ!

「はっ!帽子を被れば!」

そうと決まれば、さっさと帽子を!

「って……不自然に浮くなぁ……」

むぅ……どうする。

「他に何か(ピンポーン)ファッ!?」

まずい!そうだ!フードを被れば!

「(ガチャ)おはよう天音、行こうか」

「なんでフード被ってるの?(バサッ)あ……」

なんで取るんだよぉぉぉぉぉぉ!

「……」

「……(スッ)」

「……」

「……(ナデナデ)」

「……」

「……(ツン)」

「(ビクッ)……」

「霊君」

「はい」

「猫耳?」

「うん」

「本物?」

「本物」

「……(ツン)」

「……(ピクッ)」

「霊君」

「はい」

「抱き締めていい?」

「駄目」

「駄目って言われても抱き締めるもーん!ぎゅー!」

「離せェェェェ!」

離れねぇ!なんだこいつ!

「離せ!離せよぉぉぉ!」

「やだ!もっと猫耳霊君をモフモフするの!」

「ひいいい!誰かっ!誰かぁぁぁぁ!」

「ふふふ……遊園地は中止して家においでよぉ……」

駄目だこいつ!目が正気じゃねぇ!

「モフモフモフモフ……」

「ひいいい!」

「モフモフモフモフモフモフモフ……」

「回数が増えてる!?」

「モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ……」

「ちょ、熱っ、摩擦がっ!」

天音がおかしいよぉぉぉ!

「あー、霊斗、お前も大変だな」

「父さん!助けて!」

「無理だな。お前は今無意識に吸血鬼の魅了を使ってるからな。さらに中途半端な猫又化……手に負えない」

「そんなぁぁぁぁ……」

「あと、朝からひどい目にあったからお前も苦しめ」

「最悪だあんた!」

つか、何があった。

「どうにか助けて!あっ!母さんを呼んで!」

「エリスなら俺の部屋のベッドで失神してる」

「何があった!?」

「いや、朝から(自主規制)しようとしてきたから、お望み通り(放送事故)してやったら失神した」

「「なにやってんの!?いや、ヤってんの!?」」

おお、天音が正気に戻った。

「霊君のお父さんとお母さんは朝からヤったりしてるの!?」

「俺も初耳だ」

「だろうな。嘘だし」

「嘘かよ!」

「びっくりしたぁ……」

じゃあ、なんでそんな嘘を……。

「適当なこと言っただけ」

「「内容が最低すぎる!」」

あと心を読むな。

「それより霊斗。遊園地に早く行かなくていいのか?」

「そうだ!天音!急ぐぞ!」

「うん!霊君お願い!」

「うし、行くぞ!」

天音を抱えて全力疾走することになるとは……案外悪くないな。

楽しい。

自分の力で速く走れるのは。

まぁ、これならなんとか遊園地の開園前には着くかな。

 




下ネタが多かった気がするが、後悔はしていない。
反省はしてます。

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