バンドリ!〜輝く星と白い球〜   作:VOSE

75 / 88
どうも、VVVFです。
今回、やっと出せるということになりました…
なんと今回、テラケンさんの小説、『白球に込める思い』とのコラボ回が完成いたしました!
なかなか構想とか考えたりするのがきつくて…気づいたら10日間くらい空いてしまいましたが、テラケンさんのお許しをもらい、書かせてもらいました!
今回協力してくださったテラケンさんには、ここで改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございます!
今回は前編・中編・後編の3部に分かれており、前編と後編は僕の作風で、中編はテラケンさんに敬意を表して、テラケンさんの作品風に仕上げております。
連投かつ駄文ではございますが、どうぞごゆっくりお楽しみください!
では、本編どうぞ!


特別編〜テラケン氏作『白球に込める思い』とのコラボ〜
特別編〜激突!江戸川橋高校VS羽丘学園・前編〜


…ある日のこと…

 

流星「…羽丘学園と試合?」

尚之「そうそう」

 

部室で着替えている時、尚之から練習試合をやるということを言われた。

 

流星「羽丘学園って…確か、友希那さん達がいる高校だよな?でも、女子校じゃなかったっけ?」

尚之「つい最近男女共学になったんだよ。まぁ、時代の流れって感じだけど…」

流星「へぇ…」

 

とそこへ、

 

雄介「おいっす!遅れちまった!」

 

雄介が遅れて部室に入ってきた。

 

流星「お前、何してたんだよ…」

雄介「悪りぃ悪りぃ…ちょっくら寝てたもんだから…」

尚之「寝てたって…授業まともに受けてねぇだろ…」

雄介「まぁまぁ…それで、さっき聞こえてたけど、試合すんの?」

流星「らしい。相手は羽丘学園だって」

雄介「羽丘学園!?マジかよ!?」

 

雄介は羽丘学園と聞いただけで、かなり驚いていた。

 

尚之「どうした?」

流星「羽丘学園がどうしたんだ?」

雄介「羽丘学園の野球部って…春の甲子園大会優勝の実力校じゃねぇか!?」

流星「え!?マジ!?」

雄介「中でも実力があるのは友希那さんと同い年の選手で、闘志のエース、寺原健太さん、ポーカーフェイスのキャッチャー、中村俊哉さん、ムードメーカーの守備職人、坂本大河さん…といったところかな?」

流星「お前は友希那さんと交流あるからわかるだろうけど…俺らにはさっぱり…」

雄介「いや、マジすげぇんだって!特に、寺原選手は東東京No.1とまで評されている実力派だぜ!?」

尚之「お、おう…」

 

意外と物知りな雄介に、俺と尚之は思わず戸惑ったのだった…

 

流星「こいつは、かなり用心しないとな」

尚之「こっちは一応、去年の東東京大会で準決勝まで行ったけど…不安だな」

雄介「まぁ…とりあえず、あとで真波ちゃんに偵察お願いしようぜ」

 

ということで、俺らは真波ちゃんにお願いして、羽丘学園の偵察をしてもらったのだった…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そんなこんなで、迎えた練習試合の日…

場所は江戸川橋高校のグラウンド…

 

上島「わざわざ練習試合をしてくださって…その上、わがまままで聞いてくださって…」

城ヶ原「いえいえ、こちらとしても、急成長を見せている高校と戦えるのですから、いい腕試しになりますよ」

 

上島監督と、羽丘学園の監督、城ヶ原監督がホームベース上で固い握手を交わしながら会話をしていた。

 

流星「…今日はこんなオーダーか…」

 

今日言い渡されたオーダーはこんな感じだ。

1番、キャッチャー俺、秋山流星。

2番、ショート、河内柳哉先輩。

3番、サード、日下蓮二。

4番、センター、川端尚之。

5番、セカンド、須藤先輩。

6番、ファースト、阿山亮一。

7番、ライト、東先輩。

8番、レフト、島川先輩。

9番、ピッチャー、坂口雄介。

初っ端から俺が登場する形になったが、まぁ、主砲が秋山のみとなった以上、繋ぐバッティングをしなくてはいけないしね…

 

と、そこへ…

 

???「…君かい?秋山流星くんってのは」

 

1人の青年がやってきた。

ユニフォームからして、羽丘学園の選手だろう。

 

流星「はい、そうですが…」

???「やっぱり。僕は寺原健太だ。よろしく」

流星「あ、はじめまして…改めまして、秋山流星です!よろしくお願いします!」

 

突然現れた、今日の相手チームの先発選手と握手をした俺は、思わず緊張してしまった。

 

健太「さてと…まぁ、君のことは、よくあこから聞いているから、どんな人なのかなって思ってたけど…」

流星「あこ?あこって…宇田川あこちゃんですか?」

健太「あぁ。俺とあこの家が隣同士で、互いの家によく出入りしている仲なんだ」

流星「なるほど…」

 

俺はふと、最近のあこちゃんの悩みを思い出した。

実は、あこちゃんからよく恋に関する悩みを聞かされており、俺自身そんなに恋愛経験が少ないので、クラスの奴らからよく質問を聞いていたりしていた。

多分、あこちゃんが好意を寄せているのが、健太さんだろう…

 

流星「こっちは、勝手ながら偵察で拝見させてもらいました。ストレートに高速スライダー…あとは落ちる変化球が厄介であると分析させてもらいました」

健太「それはそれは…いつのまに…」

流星「はい…ここまでやらせてもらったので、やるからには勝たせてもらいます」

健太「こっちも、負けるために来たわけじゃないからね」

 

俺と健太さんは互いにそう話し合って、別れた。

もうそろそろ、試合開始の時間になる…

楽しみになってきた…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

先攻は羽丘学園から…

先頭バッターは1番、ショートの坂本大河さん。

記憶の限りじゃ、バットコントロールよし、パワーよし、走力よし、守備よし…走攻守の3拍子揃った、1番で出したくない選手だ。

 

流星(…1回様子を見ておくか…)

 

俺は雄介に、低めのストレートを要求した。

雄介はきっちりと投げ、坂本さんは1回見逃した。

 

球審「ストラーイク!」

流星(オッケー…まずは1つ目だ。次も…ストレートで行こう)

 

今度は、インコースにミットを構えた。

雄介はストレートを投げてきたが、若干真ん中よりに入ってしまったため…

カキーン!

と快音をならしてしまった。

重い球が武器の雄介の球であるため、打球は案外伸びず、また、予測していた東先輩が右寄りにいたため、フェンスに当たったがシングルヒットになった。

 

流星(さすが…だな…)

 

次の2番バッターは、いわばバント職人。

左打席に入って早々、バントの構えはもちろんながらとっている。

 

流星(…高めのストレート…こいつでどうだ?)

 

俺はストレート続きでミットを構え、雄介はしっかりとそこへ投げた。

そして、バッターはバントの構えのまま引いていく…と思った時だ。

なんと、バッターはバントで空けていた手の間隔を閉じたのだ。

 

流星(バスター!?ランナーは!?)

 

俺はランナーの坂本さんを見ると…スタートを切っていた。

 

流星(バスターエンドラン!?)

 

俺がそう言うことを考えていた時、バッターはきれいに流し打ちにされた。

レフトは強肩の島川先輩だが、取ったときにはすでに坂本さんはセカンドベースを抜け、二三塁の半分のところを走っていた。

結局、島川先輩はホームに強めの球を返してきた。

 

流星(どうしたものか…この状況だと、犠牲フライ…もしくは内野ゴロの間の得点…得点できる可能性がたくさんありすぎる…マジでいろいろとヤバいな…)

 

俺はそう思いながら、大声で…

 

流星「まず一つ!確実に取っていくぞ!」

 

と、叫んだ。

ここで、3番バッターが右打席に入ってきた。

 

流星(ここからクリーンナップ…怖いところだけど…まだ大丈夫かな)

 

俺がそう思ったのは、まだ決め球のフォークを見せていないからだ。

相手も研究しているとはいえ、雄介のフォークはキレがあるし、予想以上に落ちるため、実際の打席で見ていない限り、手こずるのは間違いない。

 

流星(ここは…スロースライダーで行ってみよう)

 

俺はインコース低めにミットを構えた。

守備は前進守備…一応これでゴロになったときに三塁ランナーは動けなくなるはず…

雄介は俺の指示通り、スロースライダーをインコース低めに投げた。

ここでも予想外なことが…

3番バッターが…バントをしてきたのだ。

 

流星(ウソ!?マジかよ!?)

 

しかし、雄介の球は微妙に外れていったので、相手はそれを見極めてバットを引っ込めた。

ふと、俺は三塁の方を見てみると、坂本さんはそそくさと塁に戻っていった。

 

流星(スクイズを狙ったか…今のが外れててよかったものの…この段階で決めようとするとは…練習試合だから、いろんな作戦を試そうってことかな?)

 

俺はそう思うと、無性に闘争心を掻き立てられた。

次に俺は、インコース全体に的を広げた。

 

流星(格下に見られているのかどうかわからねぇけど…負けられねぇ!)

 

俺はそう思って、雄介に強気で指示をした。

雄介は俺の様子に少し驚いたものの、フッと笑ってポーズを取った。

そして…雄介はインコースにストレートを投げた。

バッターは見るだけにとどまった。

 

球審「ストラーイク!」

 

球審の高らかな声が聞こえた。

 

流星(1ボール1ストライク…今度は外に来い)

 

俺はアウトコースにミットを構えた。

雄介はスロースライダーをきっちりと外角に投げ込み、ストライクを取った。

この時もバッターは動かずにじっと見た。

 

流星(…こいつはフォーク待ちなのかな?ここで少しハッパかけておくか…)

 

俺はそう思った後、バッターに声をかけた。

 

流星「…今何待ちっすか?」

バッター「ん?」

流星「先に言っておきますけど…次、フォーク投げますんで。言ったからには本気ですから」

バッター「!?」

 

俺はそう言って、雄介に指示を出して、ミットを構えた。

雄介は俺の指示を見て投げる体制に入る前に、すぐに1塁に牽制を入れた。

1塁ランナーはすぐに戻ったため、セーフになった。

 

流星(さてと…ここでフォーク行きますか)

 

俺は低めにミットを構えた。

雄介は俺のサインにうなずき、ボールを投げた。

バッターはバットを振ったが…低めにキレのいいフォークが見事に決まり、三振にさせた。

 

バッター「くそっ!」

流星「言ったでしょう?本気だって…次の打席、待ってますよ」

 

バッターの去り際、俺はそのバッターにそう言って、揺さぶりをかけた。

 

流星「ワンナウト!次も締まっていくぞ!」

尚之「ワンナウト!」

茂重「ワンナウト!」

 

確認を込めてのコールを叫んだあと、俺はポジションに入った。

 

流星(とはいえ…まだピンチには変わりない…島川先輩でも、多分犠牲フライにされる可能性があるからな…どうにかここはゲッツーか三振にしないと…)

 

しかし、やはり甲子園優勝校…次の4番、羽丘学園の大黒柱の川添陸さんに初球をたたかれ、犠牲フライで1点を入れられたのだ。

その後の5番バッターはファーストフライで抑え、最初は1-0で先制されることになったのだった…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

戻ること昨日…

花咲川女子学園にて…

 

香澄「ん~!有咲の弁当おいし~!」

有咲「いつもそう言っているだろ、香澄…」

香澄「だって、本当においしいんだもん!」

 

…と、ポピパのみんなで、いつものように昼ご飯を食べていたが…

 

有咲「…てか、なんで他の奴らまでいるんだ!?」

イヴ「お邪魔してます、アリサさん」

こころ「みんなで一緒に食べるとおいしいわね!」

はぐみ「うん!」

沙綾「みんな、これ食べてみて。今日作ったパン」

りみ「ありがと~沙綾ちゃん」

美咲「ありがとうございます、山吹さん」

 

…と、花女1年生組が、まるで宴会みたいに集まっていたのだ。

もちろん、このメンバーで昼ご飯を食べようといったのは…いや、言うまででもない。

 

たえ「さぁ、今日はみんなで歌って食べよ」

有咲「いや、これ宴会じゃねぇから!ただの昼ご飯だから!」

こころ「いいわね!このメンバーで一緒に歌いましょう!」

香澄「いいね、いいね!何歌う?」

はぐみ「かーくんたちの曲で歌おうよ!」

美咲「いや、これ宴会じゃないから…それに、戸山さんたちが迷惑ですし…」

沙綾「私はさすがに…」

りみ「休み時間少ないから…」

イヴ「私も、今日は遠慮しておきます…今日はこの後大事な仕事がありますので…」

香澄「えぇ~!?みんなで歌おうよ~。有咲も歌うよね?」

有咲「歌わないっつうの!」

 

と、わいわい楽しく話していると…

 

イヴ「…そう言えば、最近リュウセイさんと会ってませんね…一体何しているんでしょうか?」

 

と、イヴちゃんがポピパのみんなに質問するように言った。

 

沙綾「流星君は、今野球部の練習にいそしんでいるよ」

はぐみ「そう言えば、夏の甲子園の予選で流星君の高校、準決勝まで行ったんでしょ!?」

りみ「そうだよ~。私たちも応援に駆け付けたんだ~」

はぐみ「いいなぁ~。はぐみも行きたかったよ~」

香澄「でも、流星君、寂しそうだった…」

沙綾「そりゃね…あと一つで甲子園行けなかったんだから…」

 

と、ポピパのみんなは、俺たちが甲子園の予選の準決勝で負けた瞬間を思い出していた。

その様子を見たイヴちゃんは、こう提案した。

 

イヴ「あの…明日、リュウセイさんたちの練習見に行きませんか?それでいつものような感じでしたら、カスミさんたちも安心するでしょうから」

香澄「でも、見に行けるかな?」

沙綾「ちょっと、流星君に聞いてみるね」

 

その沙綾が、俺が明日試合をするという情報を聞いて、ポピパやこころ達に伝えて、みんなで試合を見に行くことになったのだった…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして今日…

 

香澄「あぁ~…1点取られちゃった…」

 

香澄たちが1回表が終わったところを見て、少し落ち込んでいた。

この日、香澄たちは最初から試合を見ていて、楽しみにしていた。

もちろん、今日来たのはポピパやイヴちゃん、こころ達だけでなく…

 

彩「でもまだまだこれからだよ!」

千聖「まだ表ですし、1点だけだから、逆転はあるわよ」

 

…と、花女で俺が知っているメンバーがやってきていたのだ。

それだけでなく…

 

美咲「というか…相手がまさかの羽丘学園だったとは…」

友希那「えぇ。私たちもまさか今日の試合、流星君たちの高校と試合するとは思ってもみなかったわ」

 

…今回は羽丘学園の応援に来た友希那さんたちと、蘭さんたちがいたのだ。

 

蘭「今回はつぐみがいきたいって言ったから来てみたけど…こんな偶然あるなんて…」

つぐみ「ほんと、偶然だね…」

 

なお、日菜さんに連れられてきた紗夜さんや麻弥さん、江戸川橋高校の女子を虜にさせるために来た薫さん(何しに来てんねん)もいたため、まさかの『CiRCLE』で出会ったメンバーがここで集結していたのだ。

 

あこ「…あ!けんたくん!」

 

あこちゃんがそう言った先には、マウンドに上がっている寺原さんが…

 

香澄「あ!流星君だ!」

 

香澄が言った先には、打席に入ろうとしている俺がいた。

 

友希那「もう、早速対決するわね…」

あこ「あこはけんたくんを応援する!」

香澄「私は流星君を応援する!」

 

…とまぁ、香澄や友希那さんたちの中でも、対立するとは思ってもみなかったけどな…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

流星(…全く…香澄たちの声聞こえるっつうの…)

 

俺は思わずため息つきそうになった。

かくいう寺原さんも、あこちゃんのこえが聞こえて少し変な汗をかいている様子だった。

 

流星(さてと…香澄の声援は今はいいとして…寺原さんの球種は高速スライダーにスプリット…タイミングずらす球としてチェンジアップ…高速スライダーはストレートとほぼ同じ速さ…)

 

俺は右打席に入りながら球種のおさらいをしていた。

 

流星(初球はストレートかスプリット…入るとしたら外側か…)

 

俺はいつもの"読み"を頭の中で繰り返していた。

寺原さんが投げてきたのは、ストレート。

俺の予想通り、外角に決めてきた。

 

流星(やはりストレート…となると、次はスライダーかな?)

 

と、俺が読んだ2球目は、予想通りの高速スライダー。

インコースに入ってきたが、ギリギリストライクになった。

 

流星(やっぱり…てことは…釣り球かな?)

 

3球目…インコース高めのストレートでボール。

 

流星(オッケーオッケー…それじゃ、叩くとするか!)

 

俺がそう意気込んだ次の4球目…アウトコース低めのチェンジアップ。

俺はそれを流し打ちした。

ボールはライト線ギリギリのフェアゾーンに入った。

守備が深めに入っていたので、俺は1塁に留まることになった。

 

流星(ふうっ…フェアになってよかった…)

 

ふと、俺は寺原さんを見ると、先程より目つきがガラリと変わっていた。

 

流星(やべ…ギア入ったな…寺原さん…こいつは早めに仕掛けておかないと…)

 

俺は1塁ベースからかなりリードを取って、盗塁の準備をした。

寺原さんは俺の方をちらりと見た後、河内先輩にアウトコース高めのストレートを入れた。

まぁ、いわゆるウエストボールだったから、俺は盗塁できなかったけどね。

河内先輩に対する2球目は、インコースの高速スライダー。

これも俺は反応しなかった。

3球目に入ろうとしたときには、牽制を入れられ、若干どきりとしたけど…

その3球目のストレートで、俺はスチールを敢行した。

 

大河「スチール!」

 

坂本さんの声が聞こえ、それに反応して中村さんが2塁にボールを投げた。

ボールが坂本さんのグラブに収まり、俺とのクロスプレーとなったが…

 

審判「セーフ!」

 

…ギリギリセーフになった。

 

流星(あぶねー…今のはきわどすぎ…よく審判セーフ取ったな…)

 

俺はふと、今度は坂本先輩の方を見ると、あきらめている様子を見せていた。

多分、今のはどっちとも取れないようなプレーだったから、抗議もできないと判断したのだろう…

どちらにせよ、今のプレーでチャンスが増えた。

逆に寺原さんからすればピンチが増えたため、もっとギアが入ったのだろう…

だって、セカンドからでもオーラが出ているのが見えるし…

結局河内先輩は、チェンジアップにタイミングが合わず、セカンドゴロになった。

続く蓮二は、初球のストレートを打ち、ライトフライに倒れた。

その間に、俺は3塁に進塁し、これでツーアウト3塁になった。

ここで、俺は奇策を考えた。

ここで打席に入るのは、尚之…

尚之が打席に入るとき、ちらっと俺の方を見て、俺はそれを見てにやりと笑い、サインで俺がやろうとしていることを伝えた。

尚之はサインを見た後、特に驚きはせず、そのサインをベンチに伝えた。

 

流星(尚之…ここは行かせてもらうからな!)

 

そして、寺原さんが尚之に対して、初球を投げ、中村さんがボールを返した時だ…

俺は…三塁を飛び出した。

 

三塁手「スチール!」

 

中村さんも俺のスチールに気が付き、ボールを返すように手を仰いだ。

寺原さんはすぐにボールを中村さんに投げ、中村さんはそれを取って、タッチしようとした。

俺はその様子を見て、一瞬で判断して、体をひねらせて、ホームをタッチした。

その後に中村さんは俺にタッチした。

 

審判「セーフ!」

 

…本盗完了。これで同点になったのだった…

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
後書きは後編の方で書かせていただきますので、では中編、どうぞ見ていってください!

追記
話の内容を少し変えました。(7/25)

『デートチケット』編、見たい?

  • 見たい!
  • 別にいい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。