バンドリ!〜輝く星と白い球〜   作:VOSE

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どうも、VVVFです。
今回はツイッターにてリクエストで来てくれた回でございます。
元はガルパ内のイベント『6人目のAfterglow』です。
というわけで、投稿する…んですけど、ただ一つ注意を…
この話の主人公的存在になるのは、流星じゃないことをご了承ください…
前々から構想に入れていた一環の一つをここで出した形ですので、何卒よろしくお願いします…
では、本編どうぞ!


Afterglow編
Afterglow編〜学校の七不思議!?第1話〜


…夏休みが入る直前の日…

 

流星「…はぁ、疲れたぁ…」

亮一「だよなぁ…ノックキツイって…」

 

今日は珍しく俺は亮一と帰宅することにした。

というのも、尚之はこの後家族との久々の再会で外食に行き、雄介は学校に残ってやることがあるということで、1人で帰ろうとしたところに亮一がやってきたのだ。

もう一方の『りょういち』である良一も久々の家族との外食だということで、亮一も暇だったらしい。

 

亮一「…んでもって、まだこの先も練習があるわけだ」

流星「この暑さでやるのはきついよなぁ…唯一の救いが明日の休みなわけだし…」

 

と、俺と亮一でトボトボと駅前で歩いていると…

 

蘭「…あれ?流星じゃん」

流星「ん?…あ、蘭、こんにちは」

 

たまたま駅前で歩いていた『Afterglow』さんと合流した。

 

巴「ん?流星…隣にいるのは?」

流星「あ、あぁ…こいつは阿山亮一。うちの野球部での同級生」

亮一「阿山亮一っす!よろしくっす!」

ひまり「お、元気がいいね!」

亮一「ありがとうございます!」

蘭「うーん…亮一くんだっけ?ちょっと苦手かも…」

つぐみ「まぁ、蘭とは大分違うタイプだからね…」

モカ「どっちかと言えば、ひまりに似てるかもねー」

 

一方のAfterglowもそれぞれ亮一と挨拶をした。

亮一はすぐにAfterglowのメンバーと仲良くなった。

 

流星「それより、蘭達はなんでここに?」

蘭「学校の登校日が終わって、今帰っているところなんだけど…」

つぐみ「今、ひまりちゃんが宿題終わってないっていう話で流星くん達が来て…」

ひまり「どーしよー!全く終わってないのー!」

 

ひまり先輩は頭を抱えながら絶叫した。

それを見て俺は思わずため息を吐いてしまった。

 

巴「流星は?野球部に入ってるんだし、あまり終わらせてなさそうな気がするんだけど…」

流星「俺は終わらせたよ。と言っても、昨日ちょうど終わらせた感じなんだけどね…」

蘭「そうなんだ…」

亮一「いや、甘すぎね?俺なんか初日で全部終わらせたぜ?」

流星「てめぇはいいだろ!」

モカ「え?亮一くん、頭いいの?」

流星「こいつ、こんな身なりだけど…学校では必ず3位以内には入ってるんすよ…」

つぐみ「え…」

亮一「そんな驚くことっすか?」

蘭「結構意外…だって…チャラそうだもん…」

亮一「いや、見た目で判断しないで!?」

ひまり「ちょうだーい!その頭、あたしに少しでもいいからぁ!」

亮一「ちょ…ひまりちゃん!?」

 

そんなコントのような会話をしばらくした挙句…

 

ひまり「お願い!この後宿題手伝ってー!」

 

と、せがんできたのだ。

俺は流石に亮一は宿題は手伝えないだろう…と思っていたら…

 

亮一「あ、いいっすよ?俺暇なんで」

 

と、なぜか快諾したのだ。

 

蘭「え!?」

つぐみ「いいの!?亮一くん!」

亮一「全然問題ないっす。今高3の範囲勉強中ですけど…」

流星「はぁ!?」

蘭「高3って…」

ひまり「ありがとぉー!ほんと、亮一くん神様だよぉ〜!」

 

そんな会話を見ている傍らで、俺は思わず蘭さんに質問した。

 

流星「…蘭、ひまりって、宿題貯める方なのか?」

蘭「ううん。ひまりはちゃんとやる方なんだけど…数学で詰まっちゃったらしくて…」

流星「なるほど…」

 

俺は思わず納得した。

そんなわけで、俺はここで別れることにして、亮一は蘭さん達とつぐみさんの実家の喫茶店『羽沢珈琲店』に行くことになった。

ただ、この後まさかの展開が起きるとは思ってもみなかったのだった…

 

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…羽沢珈琲店にて…

 

亮一「…あー、ここっすね。ここはたまにこうやって引っかかって間違える人いるんすけど、実はそうじゃなくてここをこうやって変形させて計算するんすよ」

ひまり「あ!ホントだ!すごい…亮一くんの解説すごくわかりやすい!」

亮一「俺にとっちゃこんなの序の口っすよ。これをもっと難しい計算にして出題することもあるんで」

ひまり「え?例えば?」

亮一「例えば、この計算式にさせるためにここをこういじると…」

 

…と、意外とわかりやすい亮一の数学解説に、ひまりはもちろん、蘭達も驚かされていた。

 

蘭「すごい…」

モカ「これはモカちゃんでもわからなかったなぁ…たしかにそうすれば一発で出てくるもんねー」

つぐみ「本当にすごい…」

巴「文武両道とは、この事だな…」

 

そして、しばらくやっていると…

 

ひまり「すごーい!亮一くん様様だよ〜!」

亮一「こんなもんすよ」

 

ひまりの宿題の悩みを一発で解決したのだ。

 

亮一「まぁ、こういうのは自分で参考書とか見ておいた方がいいっすよ。参考書にはちゃんとそういうの書いてるんで」

ひまり「うん!わかった!見てみる…って、あれ?」

亮一「どうしたんすか?」

ひまり「…ない…参考書が…見つからない…」

モカ「今日授業で持ってきたはずだよー?」

ひまり「もしかして…参考書…教室に…置いてきちゃった…」

 

そんなひまりの言葉に、蘭達も反応した。

 

巴「おい…今、めちゃくちゃ不穏な言葉が聞こえてきたんだけど…」

蘭「明日取りに行く?頭のいい亮一がいるのに?」

亮一「こういうのは自分の頭で理解しないといけないっすよ。俺がつきっきりで付き合うのにも限度あるんすから」

蘭「それもそうか…」

つぐみ「でも、最終登校日から始業式までは完全閉鎖されるって聞いたような…」

巴「今日がラストチャンスってことか…」

亮一「そうなると無理っすね…」

モカ「そーそー。ひーちゃん、あきらめなよー」

 

ひまりさん以外のその場にいた者が、ひまりさんの参考書を取ることに消極的だった。

 

ひまり「そんなぁ〜!あの参考書なかったら、宿題進まないよー!」

亮一「あきらめた方がいいっすね…」

蘭「多分、今学校行っても真っ暗だよ?」

 

と、亮一と蘭が諦めムードで話していると…

 

ひまり「…あのさ…みんな一緒に、取りに戻ってほしいって言ったら…怒る?」

 

と、衝撃発言をしたのだ。

 

蘭「言うと思った…」

 

と、蘭はさすが幼馴染と言わんばかりの一言を言った。

 

巴「まぁ…私も何となく予想していた…」

ひまり「お願い〜!ね!今度何か奢るからぁー!」

亮一「…はぁ…流石にきつくないっすか?」

巴「でも、暗い中ひまりを1人で行かせるのも心配だしな…」

つぐみ「たしかに、何かあってからじゃ遅いもんね…ひまりちゃん、私、一緒に行くよ!」

亮一「…まぁ、しゃあないっすわ。俺も行かせてもらうぜ」

ひまり「ありがとぉー!2人とも〜!」

 

その後、蘭達全員行くことになって、『Afterglow』と亮一は蘭さん達の高校、羽丘学園へと向かったのだった…

 

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…亮一達が学校に着いた時、辺りは真っ暗だった。

 

ひまり「うわぁ…真っ暗…」

巴「つぐの言う通り、今日以降は閉鎖されそうな雰囲気だな」

亮一「まだ鍵開いてるっぽいんで、さっさと取って済ませちゃいましょう」

 

そんなこんなで、亮一と蘭達は校舎内に入り、ひまりの参考書を取りに向かった。

 

モカ「ひーちゃん、参考書どこにしまったか覚えてるー?」

ひまり「多分、机の中にしまっちゃったんだよね…ちょっと見てくる!」

 

と、モカとひまりの会話をよそに、蘭はどこか落ち着きがなかった。

それを亮一がすぐに反応した。

 

亮一「…蘭ちゃん?」

蘭「うわぁ!?」

 

亮一が声をかけると、蘭はどこから出てきたのかわからないほどの大きな声で驚いたのだ。

 

巴「うわっ!?ど、どうした!?」

亮一「ら、蘭ちゃん!?」

蘭「ちょ…後ろから声かけるのをやめてよ!」

亮一「いや、驚かそうと思ったわけじゃ…」

巴「それでも、流石に驚くだろ…」

亮一「す、すまんっす…」

蘭「…あんたはあっち行って…顔見せないで…」

 

蘭はそう言って、亮一を離れた場所に行かせて距離を置いた。

 

つぐみ「ごめんね、亮一くん…蘭ちゃん、暗いところ苦手だから…」

亮一「そうなんすか…本当に申し訳ないっす…」

つぐみ「謝らなくてもいいよ。仕方ないもん」

 

と、その時だ。

 

ひまり「あった!あったよー!」

 

ひまりが参考書を片手に戻ってきたのだ。

 

亮一「ふうっ…」

つぐみ「よかったね!ひまりちゃん!」

ひまり「みんな、ありがとう〜!これで宿題が進められるよ〜!」

 

そうやって喜びを分かち合おうとした時…

 

蘭「早くここから出よう!」

 

蘭はそう言って走って玄関へと向かった。

 

亮一「…」

 

亮一はそれを見てただ申し訳ない気持ちで一杯になりながら、蘭達の後を追ったのだった…

 

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…亮一は遅れて玄関に着くと、蘭達が慌てて色んなドアに手をかけていた。

 

亮一「…あれ?」

巴「あ!亮一!ちょっと手伝ってくれ!どこのドアも鍵が開いてないんだ!」

亮一「え!?」

 

亮一は慌てて目の前のドアを開けようとしたが…開かない。

 

亮一「…どういうことだ?」

 

亮一も蘭達同様に色んなドアを開けようとドアに手をかけたが、どこも開いてなかった。

 

亮一「…外からドア閉められてるなぁ…ということは…」

巴「と、閉じ込められた!?」

ひまり「ど、どうしよう!?私達、このまま始業式までここで過ごすことになるの!?」

亮一「それはないと思うっすよ…朝警備員が必ず来るはずなんで、それまでは辛抱…といったところっすね」

 

そうやって話している亮一は、ふと蘭の方を見ると震えているのが見えた。

 

モカ「でも、面白くなってきましたな〜」

亮一「これのどこが面白えんだよ…」

蘭「そ、そうだよ!お、お、面白いわけないじゃん!」

つぐみ「お、おお、落ち着こう!」

亮一「つぐみちゃんが落ち着けよ…」

 

亮一はそう言ってあたりを見回した後、あるものを見つけてそれに向かって走った。

 

ひまり「りょ、亮一くん?」

 

亮一が見つけたのは、校舎の構内図。

 

亮一「…巴さん、部活帰りで遅くなってここがしまった時、どこか開いてるとこあります?」

巴「あ、あぁ…体育館の非常口なら…開いてるぜ?」

亮一「そこに行きましょう。俺が先頭で行くんで、みんなは付いてきてくれ」

 

亮一は珍しく真面目な雰囲気で蘭達に話した。

 

ひまり「ほ、本当に歩くの?ここから体育館まで結構な距離あるよ?」

亮一「それじゃ、ここにずっと朝が来るまでいるのか?」

つぐみ「亮一くん?」

亮一「手がそれしかないのなら、たとえ遠回りでも行くしかないじゃないすか。それに、俺はこういうの平気なので」

 

亮一はそう言ってにかっと笑ってみせた。

 

蘭「…」

 

蘭さんはそれを見て少し心が落ち着いたのか、震えが多少無くなっていた。

 

亮一「それじゃ、行くぞ。みんな固まって俺に付いてきてくれ」

 

亮一はそう言うと、先頭を切って歩いていった。

 

つぐみ「…亮一くん、意外とこういう時は真面目なんだね」

ひまり「うん…なんか惚れちゃうなぁ…」

巴「そんなこと言ってる場合じゃないだろ…早く行くぞ」

モカ「りょうかーい」

蘭「うん…」

 

『Afterglow』のみんなも、意を決して亮一の後をついて行くことにしたのだった…

 

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ひまり「…うう…夜の学校って、思ってた以上に怖い…」

 

体育館につながる廊下を歩いていた時、ひまりが思わずそう呟いた。

 

亮一「まぁ、仕方ないわ。こういうのはお化け屋敷と一緒で、静かな上にどこに何か現れるのかわからないっていうのもあるから。まぁ、今回はそういう驚く仕掛けとかはないから大丈夫だと思うけど」

巴「にしても…怖すぎるでしょ…」

亮一「まぁ、懐中電灯があっただけマシだ。今回は非常事態だし、流星が幅利かせてくれるからなんとかなるとおもうぜ?」

 

亮一はそう言ってはいるものの、一向に振り返ることはしていなかった。

 

蘭「…なんで…こっち見ないの?」

亮一「え?いやだって…蘭、言ってましたよね?顔見せないでって」

蘭「そ、それは…ごめん…」

亮一「別に大丈夫っすよ。それに、そんな余裕があるわけではないんで」

ひまり「そうだね…」

 

と、ひまりが窓の方をふっと見たその時だ。

 

ひまり「うひゃぁっ!?」

 

ひまりが大声で叫びだしたのだ。

 

それには亮一も思わず振り返った。

 

巴「うわぁぁっ!?な、なんだ!?」

ひまり「今、窓に顔が映らなかった!?」

モカ「ひーちゃん、よく見てよー。映ってるの、つぐだよー?」

ひまり「えっ!?…あ、ほ、ホントだ…」

亮一「全く…驚かさないでくれよ…」

 

亮一は思わずため息混じりにそう呟いた。

 

巴「ひまり、ちょっと落ち着けって…大丈夫、幽霊なんていないよ」

蘭「そういう巴だって、さっきおっきい声出してたじゃん」

亮一「しかも、声が震えてるし…」

 

と話していると、モカが思い出したかのようにおもむろに話し始めた。

 

モカ「音と言えばさ〜…ウチの音楽室って、夜な夜なピアノの音が聴こえてくるらしーよ?」

ひまり「え…なにそれ…」

亮一「学校の七不思議ってやつ?定番中の定番だけど…」

モカ「そーそー、羽丘学園にもそういうのあってねー」

つぐみ「その話…聞いたことあるかも…人体模型が動き出すとか、鏡に知らない人が映るとか、確かそんなやつだよね?」

亮一「いや、どこ学校にもある定番の七不思議じゃね?」

モカ「他にはー、階段が1段増えてるとかー、体育館からドリブルの音がするとか!」

亮一「最後だけなんかある意味コミカルだな、おい…」

ひまり「で、でも…体育館…にも…あるの?」

巴「は、はは…まさか、そんなのウワサだろ?」

亮一「あくまでウワサだからね…実際に見たというのなら別ですけど、ホラだったら意味ないから」

モカ「でも、今日ここにいるんだから〜、真相が明らかになっちゃうかもー?」

亮一「…馬鹿らしい…」

 

亮一は思わず頭を抱えて、ため息をつきながらそう呟いた。

 

つぐみ「あと、グラウンドには井戸があるって…その井戸を覗き込むと…」

蘭「こむと…?」

モカ「中から手が伸びてきて、井戸に引きずり込まれるんだって〜」

蘭「うわぁぁっ!!」

亮一「…驚くほどか?」

巴「りょ、亮一にはわからないだろうけどな!」

ひまり「もぉー!そういうのやめてよ!モカ!」

亮一「こういう時はやめようか。そういうのは学校じゃなくて家で集まった時にしてくれ」

モカ「冗談だって〜。モカちゃんジョークだよ〜…ってあれ?7つ目のウワサってなんだっけ?」

亮一「それ、今気にする話?」

巴「そ、そうだよ!私たちはそういうのを解明しに来たわけじゃないんだから!」

亮一「とりあえず、今は体育館から出ることにしよう」

 

そう言って、亮一は再びその足を動かした。

蘭達も少しホッとした感じで亮一の後を追いかけていったのだった…

 

 




いかがでしたでしょうか?
ひとまず、これの次はもう出来ているので、しばらくしたら出します(・ω・`)
ちょっと疲れました…w
てなわけで、今後ともよろしくお願いします。
では次回、お会いしましょう!

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