バンドリ!〜輝く星と白い球〜   作:VOSE

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どうも、VVVFです。
最近出せてないと思い、生存確認がてら投稿しました。
突貫工事であるため、中身がかなり薄い内容ではございますが、よろしくおねがいします。
では、本編どうぞ!


野球編第4話〜変えたい自分〜

…ある日のこと…

 

上島「ショート!」

 

…この日は上島監督によるノックが行われていた。

上島監督は正直、ノックなんて出来るの?なんて思ってたけど、実は甲子園優勝選手の1人で、プロにも入っていたというほどの実力者なのだ。

怪我の影響で早い段階で戦力外通告を受けてしまい、その後はもう一つの夢だった教師になるためにひたすら頑張って、免許を取って晴れて教師になっただとか。

そんな上島監督の動きを見ていると、なんかブランクを感じさせない機敏な動きと体を使った的確な指示やアドバイスで、まだやれそうじゃん…なんて思ったりしてる。

話を戻して…

今ショートの位置にいるのは良一。

正直、気の弱そうなやつだから、守備とか大丈夫なのか?なんて思っているけれど…

 

良一「はい!」

 

良一はそう言って監督が打ったゴロを華麗にさばいた。

 

上島「杉浦!体の動きは良かったぞ!ただ、まだ固い!ちゃんと体動かして!」

良一「は、はい!」

 

良一はそう言われた後に、顔をうつむかせてすぐに列の後ろに付いた。

その時の表情は、まるで何かに必死だった。

 

流星(…あいつ…大丈夫か?)

 

俺は思わず心の中で呟いた。

その後、休憩に入り、リラックスしていたその時だ…

 

???「…おーい、兄貴〜!」

 

と、声がし、良一はビクッと体を震わせた。

 

流星「ん?…っ!?」

 

ちょうどドリンクを飲んでいた俺は、口に入れていたものを思わず吹き出しそうになった。

なぜって?それは…

 

雄介「おーい、杉浦〜、先生がおよ…って、2人いる!?」

 

…雄介が驚くのも無理はない…

だって…良一が2人いるんだもん…

 

良一「ちょ…信介…ここに来るなって…」

信介「別にいいじゃん!減るもんじゃないし」

 

信介という、良一にそっくりの子は、実は双子の弟。

なんでも『赤堂高校』のチームに入っており、1年からスタメン獲得している逸材だとか。

赤堂高校は、甲子園大会優勝経験を持つこの辺りの野球好きにとって知らない人はいない名門校だ。

良一から聞かされた時は、俺らも思わず唸ってしまった。

 

良一「それで…なんで来たの?」

信介「遊びに来ただけだよ!ね?遊ぼうよ!」

良一「遊びに来なくてもいいのに…」

信介「だって、ここ最近遊んでくれないじゃん!」

 

…そんな会話に俺は思わず…

 

流星(…紗夜さんと日菜さんに似てる…)

 

と、また心の中で呟いた。

ただ気がかりだったのが、良一の顔がいつにも増して浮いていない事だった。

 

流星(…良一…もしかして…)

 

この後、信介君は上島先生に連れられ、説教を食らわされたのはまた別の話…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…数日後、俺は偵察で赤堂高校に来ていた。

なぜ俺が偵察に来ていたのかと言うと…

 

真波「ごめんね…今日は私がビデオ忘れて…」

 

…真波ちゃんが偵察用のビデオを忘れていってしまったからだ。

 

流星「いいって。俺もちょっと気になってる高校だし」

 

俺はそう言って、赤堂高校と同地区で僕らよりやや上の高校、『立川大付属高校』との練習試合を見た。

赤堂高校のスタメンには、良一の弟、信介も名を連ねていた。

 

流星「…良一の弟の信介君は…今日は1番セカンド…どんなもんか楽しみだな」

 

俺はそう呟いて試合を見た。

結果は…5-0と赤堂高校の勝利であった。

信介君はこの日4打数4安打と大活躍。

出塁した後、盗塁を1つ決めているが、この盗塁はキャッチャーが変なとこに投げたお陰で偶然にも決められたもので、俺からしたら盗塁は苦手に見える。

その試合のあと…

 

信介「…あ、流星くん!」

流星「よぉ」

 

俺は信介の元を訪れていた。

 

信介「今日は偵察なんですか?」

流星「そんなとこだ。まぁ、こんなことしてるから偵察は元より失敗してるけどな」

信介「そうですか」

 

信介君はそう言った後、笑顔とは打って変わって、真面目な顔を見せてきた。

 

信介「…流星さん、お兄さんを…もう一度、立ち上がらせてください」

流星「…え?」

 

俺は信介の言葉に、少し驚いた。

 

信介「…お兄さんは…昔は輝いていました…でも、僕が…野球をやり始めたせいで…輝かなくなって…」

流星「良一が?」

信介「はい…お願いします」

 

信介はそう言って、その場を後にした。

 

流星「…良一が…輝かなくなった…か…」

 

俺はその言葉に少し引っかかっていたのだった…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

その日の夜…

俺は自主練で河川敷を走っていると…

 

流星「…ん?」

 

ブンブンとバットが空を切る音がし、俺はその音に反応してその方向へ向かった。

そこにいたのは…良一だった。

 

流星「…よぉ!杉浦!」

良一「うわっ!?…なんだ、流星くんか…」

 

いきなり現れた俺に、良一はビクリと体を震わせていた。

 

流星「自主練か?俺も付き合うよ」

良一「ありがとう…ちょっと見てほしいところがあるんだ」

 

そう言って良一は、バッティングフォームの修正点などを俺に教えてほしいと言った。

俺は自主練後は暇だったので、快く受けた。

まぁ、今日のことが気になるしね…

 

良一「…こんな感じでどうかな?」

流星「うーん…さっきの方が良かったかな…ヘッドが下がってる」

良一「そうなんだ…それじゃ、これは?」

流星「なんだかぎこちないぜ?自然なフォームでやるんだったら…こうとか?」

 

俺と良一でマンツーマンで教え、良一のどことなく一生懸命さが俺に伝わっていた。

しばらく練習に付き合ったあと、俺と良一はベンチに座って、俺はふと良一に数日前の事を聞いてみた。

 

流星「…そういや杉浦…この前弟来てただろ?」

良一「っ!…うん」

 

良一は途端に顔色を暗くさせた。

 

流星「…その時さ…お前がなんか浮かない顔をしてたからさ…なんかあったのかって」

良一「…なんでもないよ?僕は平気だよ?」

流星「そうか?俺には、弟となんか距離を置いておきたいとしか見えねぇんだけど」

良一「…」

流星「話してごらんって…俺はお前のチームメイトだ。悩みがあるなら聞く権利はあるだろ?」

良一「…やっぱり、流星くんは見透かしているんだね…すごいや」

流星「どこがだよ…」

 

俺は笑ってそう言うと、良一も思わず笑ってしまった。

そして、良一は静かに重い口を開けた。

 

良一「…最初に野球をやり始めたのは僕なんだ…家族の中で…信介は最初、野球なんて興味を示さないでいたんだ…」

流星「へぇ…ちょっと意外だな…」

良一「そんな時、父さんと信介で僕の野球の試合を観に来たんだ。そしたら、信介がやってみたいと言い出して…実際やらせてみたら、僕より上手くなって…信介はセンスがいいんだ。なんでもやってのける…いつしか、僕より信介が注目されて…僕より信介だって周りから言われて…」

流星「…」

良一「…高校では…野球以外のところに行こうと思ったけど…野球以外に取り柄もないから、結局野球部に来たんだ。信介とも距離を置きたいから、高校も別にして…」

流星「なるほどな…端的に言えば、天才の弟とそうじゃない兄といったところか…」

良一「そんなものだよ…ここでやってわかったんだ…僕は信介に勝てないって…」

流星「うーん…そうかもな…」

良一「え?」

 

俺がつい呟いた発言に、良一は少し驚きながらも、どこかわかっていた様子を見せていた。

それを見た俺は、はぁとため息を吐いて、おもむろに立ち上がって話した。

 

流星「…実は今日、赤堂高校の試合見に行ったのよ…」

良一「え?」

流星「確かに、信介はすごかった。4打数4安打の大活躍だ」

良一「…だよね…僕なんかより…」

流星「でも…俺はお前の方がいいと思ってる」

良一「…」

流星「まだ不器用だからこそ…伸びると思ってる。だから…俺と一緒に戦って、伸びようぜ」

良一「…流星くん…ありがとう」

 

俺はそう言って、良一との特訓に付き合った。

が、その特訓は思わぬ客で止められた…

 

こころ「…ヤッホー!」

はぐみ「流星くん、こんばんは!」

流星「うげっ!」

 

…まさかのこころとはぐみの登場に、俺は思わず声を上げてしまった。

 

良一「え、ええっと…この人たちは?流星くん…」

流星「あー…弦巻こころと北沢はぐみって言ってな…一応知り合い」

良一「弦巻…?弦巻って…あの!?」

 

良一も弦巻家の話は知っているようだった。

 

こころ「流星くん、後ろの子は?」

流星「あー…杉浦良一っていうやつで…」

良一「ちょっ!流星くん!やめてよ!」

はぐみ「へぇ!よろしくね!良一くん!」

良一「あ、う、うん…」

 

そして、こころは良一が笑っていないことに気がつき…

 

こころ「あれ?笑顔になってないわね?何かあったの?」

 

と、声をかけた。

 

良一「え!?」

はぐみ「ホントだ!ねぇねぇ!今練習してるでしょ?はぐみ、ソフトボールのチームに入っているから、一緒にやろうよ!」

こころ「いいわね!私もやるわ!」

良一「え…えぇ〜!?流星くん!助けて!」

流星「…良一…ご愁傷様…」

 

俺はその様子をただ見るしかなかった…

まぁ、そのあとこころとはぐみと共に練習をしていた良一はいつのまにか笑顔になって練習していたから良かったけどね。

なお、こころとはぐみがなぜ河川敷に来ていたのかと言うと…2人で何か面白いことをやろうと飛び出してきたらしい…

 

 




いかがでしたでしょうか?
最後の最後でハロハピの2人出てきましたけど…これは強引に引っ張ってきた感じですw
僕の中では、ハロハピはハロハピで良一との出会いを別で書こうと思ったのですが、ネタとなるガルパのイベストーリーにいいものがないため、ここに突っ込みました…
なぜこの2人出てきた!?なんて思ってたら申し訳ございません…m(_ _)m
今回は超突貫工事でやりましたので、中身が伴わないかもしれませんが、よろしくおねがいします。(多分、今後もそんな感じであろうと…)
では、次回お会いしましょう!

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