野球に関係している小説なのに、全く野球の場面が書かれていないことに気が付いたので、とりあえず、19話の話の裏話的な感じで書きました。
ひとまずこれが限界なので、よろしくお願いします。
野球編第1話〜ライブがあったその日~
…俺はこの日、ブルペンで雄介のボールを受けていた。
流星「…うん、この前の試合よりスライダーの変化量が上がっている」
雄介「そうか?なら良かった…」
俺はそう言って、雄介の元へと向かった。
流星「…このままの状態を維持すれば、イニング数が増えるだろうし、エースにもなれるだろうね」
雄介「それはないって…康介先輩のスローカーブがある限り、俺はまだエースにはなれねぇよ」
雄介はちょっと冗談交じりにそう言った。
流星「でも、康介先輩はスタミナがないから…この前の試合だって全くそうじゃねぇか」
俺がそう言ったのは、この前やった夏の大会の試合のことだ。
その日は『SPACE』最後のライブだったのだが、試合のダブルブッキングで繰り上げスタートをする羽目になってしまったという日なのだった…
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…数日前…
俺はポピパのメンバーの心配をしながら、試合を迎えていた。
康介「みんな、気合い入れて行くぞ!」
全員「おぉー!」
俺らは円陣を組んでグラウンドに出た。
この日のオーダーを、紹介しながら説明しよう。
1番、俊足のリードオフマン、センターで3年生の荻窪裕也先輩。
2番、バント職人、ショートで2年生の河内
3番、巧打のポイントゲッター、サードで3年生の八木淳先輩。
4番、キャッチャーで3年生の山本先輩。
5番、セカンドで2年生の須磨先輩。
6番、チームのムードメーカー、ライトで2年生の島川
7番、知られざるパワーヒッター、ファーストで3年生の桐生大樹先輩。
8番、強肩の守備職人、レフトで2年生の東俊彦先輩。
9番、ピッチャーで2年生の辻上先輩。
以上が今日のオーダーだ。
1年生がまるで入っていないように見えるが、ベンチでは俺と雄介、練習試合で活躍した尚之の3人が入っている。
江戸川橋高校は中堅校ながら、毎年3回戦で敗退する実力の弱さがある。
とはいえ、去年はOBのピッチャーと山本先輩による活躍で、夏の甲子園大会の予選の準決勝までは駒を進めた。
確実に伸びている証拠でもある。
そうこう説明しているうちに、試合が始まった。
今回は江戸川橋高校の先攻でやることになった。
1回表は荻窪先輩が安定のバッティングで出塁し、盗塁を決めるも、続く2番の河内先輩がレフトフライ、3番の八木先輩がファーストフライ、4番の山本先輩がセカンドフライという、フライの連続で得点にはこぎつけなかった。
その裏は辻上先輩のスローカーブが見事に冴え渡り、三者連続三振に打ち取った。
その後は4回表まで特に動きはなかった。
動きがあったのは4回裏だ。
ここまでなんと9人連続三振を決めている辻上先輩だったが…ここに来て、制球が定まらなくなった。
コーナーに投げようと思えば大きく外れ、ストライクを取りに行こうと思えばど真ん中になってしまう状態になった。
流星「辻上先輩!ファイト!」
尚之「ここ耐えてください!」
雄介はブルペンで肩を作っていた。
辻上先輩はどうにかバッターをサードゴロに打ち取り、4回を凌いだ。
流星「辻上先輩!大丈夫ですか!?」
辻上「はぁ…はぁ…なんとか…」
と言っている辻上先輩の顔がかなり引きつっていた。
上島「辻上、今日はここまでだ。よく頑張った」
監督はそう言って辻上先輩を称えた。
上島「…山本、次の回は坂口で行く。球種とか再度確認しておけ」
山本「了解です」
山本先輩は年上の人に対してはかなり丁寧になる。まぁ、当たり前だけどね…
5回表も、下位打線の3人の先輩が凡退で3アウトになった。
そして5回裏…
アナウンス『江戸川橋高校、選手の交代をお知らせします。ピッチャーの辻上康介くんに変わりまして、ピッチャー坂口雄介くん、ピッチャー坂口雄介くん』
雄介は若干緊張した様子でマウンドに出た。
流星「雄介!落ち着いて投げてこい!」
俺はそう言ってエールを送った。
雄介はストレートを中心に、決め球にフォークを使って三者凡退にさせた。
おかげでまたしばらく暇になってしまった。
主な動きはなく、8回まで何もなかったのだった…
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…俺が出塁した後、代打は出さずに須磨先輩が打席に入った。
流星(…須磨先輩…仕掛けるので、空振りでもいいので振ってください)
俺は須磨先輩にサインを出し、須磨先輩はそれにうんとうなづいた。
相手ピッチャーが初球を投げた瞬間…俺は走った。
須磨先輩は俺のサイン通りにバットを回してくれた。
おかげでキャッチャーのスローイングが多少遅れた。
俺はボールが二塁に到達する前にセカンドベースに足を付けた。
審判「セーフ!」
俺はその声が聞こえたので気が楽になった。
その後の須磨先輩はきわどいボールに泣かされて、見逃し三振になった。
続く6番には…
アナウンス『江戸川橋高校、選手の交代をお知らせします。6番ライト、島川君に代わりまして、代打川端尚之君、代打川端尚之君」
と、尚之が代打で登場したのだ。
流星(尚之…ここは打ってくれよ…)
俺がそう祈った瞬間…
カキーン!といい音が鳴った。
俺は思わずその打球を追っていくと…
尚之が放った球は、放物線を描いてスタンドに入ってしまったのだ。
流星(マジかよ…あいつ、あんな球打てたっけ…)
俺がホームベースに戻った後、尚之もホームベースに帰ってきた。
これで初めて得点が入った形になった。
流星「おい、尚之」
俺はベンチに戻る途中、尚之に声をかけた。
流星「今の打球…いつからあんなに飛ぶようになったんだ?」
尚之「中学校の時、北海道で所属していたシニアチームに凄腕の指導者がいてね…その人に鍛え上げられたんだ」
流星「鍛え上げられたって…どうすりゃあんな打球飛ぶんだよ…」
尚之「さぁ?俺でも不思議なくらいだ」
その後、桐生先輩、東先輩が凡退で倒れ、3アウトとなった。
9回裏…
俺は山本先輩に代わってキャッチャーのポジションに入った。
ライトには尚之が入った。
打順は4番からのクリーンナップからで、こっちのピッチャーは中継ぎ5イニング登板の雄介だ。
流星(さぁ…ここをしのいで一回戦突破するぞ)
俺は目で雄介にそう言った。
流星(さてと…ここで4番からの好打順だが…この4番は右打者で広角だからな…若干厄介なんだよな…)
俺はそう思い、雄介にインコースを要求した。
雄介はストレートのインコースを要求通りに放り込んだ。
バッターはその球を見逃し、審判はボールを取った。
流星(つくづく思っていたんだが…この審判、インコースに厳しいんだよな…)
俺はそう思いつつ、今度もインコースに構えた。
雄介はスロースライダーをインコースに投げた。
バッターは反応して打ってきたが、球は後ろにそれてファウルになった。
流星(まぁ、反応するわな…ここでフォーク見せるか…)
俺は雄介に低めを要求した。
雄介はフォークを投げたが、少し高めに浮いてしまった。
それをバッターは見逃さず、レフト方向へ打った。
ただ、東先輩がすでに待っていたのでレフトフライに打ち取った。
流星(あぶねー…今のは高いわ…)
と言いつつ、6イニング目に入っている雄介は、若干疲れが見えているのがわかる。
流星「雄介!落ち着いて投げてこい!」
俺は雄介にそう言ってボールを投げた。
続く5番は、初球をたたかれたものの、セカンドゴロに打ち取った。
俺は6番打者を迎える場面で雄介のもとに寄った。
流星「大丈夫か?雄介」
雄介「まぁ…結構つらいかな?」
流星「そうか…あと一人、投げられるか?」
雄介「頑張るよ…」
流星「お前の球、全部取ってやるから、ガンガン投げてこい。疲れている状況でそんなこと言ってられないだろうけど、お前ならいける」
雄介「ありがとう」
俺は雄介にエールを送って、キャッチャーのポジションに入った。
流星(とはいえ…ここまで投げてきてるんだ…どうにか楽に投げてもらわんとな…)
俺はそう思って、雄介に真ん中を要求した。
雄介はかなり驚いたが、すぐにうなずき、1球投げた。
ストレート…バッターはやはり反応し、打った…
ボールは高く打ちあがり…そのボールを俺がとった。
審判「アウト!」
ここで試合が終わった。
江戸川橋高校、全国甲子園大会東東京大会、初戦突破となった…
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…試合終了後、俺と尚之は監督に直訴して、球場から直接『SPACE』へと向かった。
流星「…しかし、こっから『SPACE』なんて行ってもさ…どうしようもなくね?」
尚之「どうしてさ」
流星「まず行って何すんの?」
尚之「ライブすんだよ」
流星「は?」
と、その時だ。
良太「…おーい!こっちだ!」
…幼馴染の声がした。
俺はそれを聞いて、思わず笑ってしまったのだった…
いかがでしたでしょうか?
また中途半端と言われそうで怖いですが…僕は好きで書いていますので、そこのところはよろしくお願いします。
あと、また新しい小説を書こうかと思っていますので、よろしくお願いしますw
では次回、お会いしましょう!