バンドリ!〜輝く星と白い球〜   作:VOSE

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どうも、VVVFです。
お久しぶりです、2期第3話目です!
ようやく話がまとまることができたので、出すことにしました…
ようやく形になってよかったです…
これを機に復活させていけばいいなと思っておりますので、是非ともよろしくお願いいたします!
では、本編どうぞ!


2期3話〜どうする?主催ライブ〜

…Roseliaのライブの後…

 

六花「はわぁ…すごかったぁ…」

 

ライブに来てくれていた六花ちゃん、明日香ちゃん、匠くんはライブハウスの前で香澄たちの帰りを待っていた。

 

匠「本当にすごかったな!俺は流星先輩の演奏に驚かされてしまったよ!」

明日香「流星さんの演奏、前に何回か聞いたことあるんだけど、何度聞いてもすごいなぁって思うんだよね」

六花「『Roselia』さんや、香澄さんたちのあこがれになったというのがよくわかります…楽しそうでしたし!」

 

と六花ちゃんたちが話していると…

 

香澄「あ!あっちゃん!六花ちゃんも!」

 

ライブを終えた香澄たちが通用口から出てきた。

香澄は明日香ちゃんを見るなり、すぐに抱きついた。

 

流星「まったく…香澄はやっぱり抱きつくんだな…」

有咲「その抱き癖、どうにかできねぇかな…」

 

俺らがこうやって、最初は楽しく話していると…

 

六花「今度の、ポピパさんのライブにも絶対行きます!」

 

六花ちゃんが目をキラキラさせながらそう言ったのだ。

その一言に、香澄たちは一瞬にして黙ってしまった。

 

六花「あれ?どうしたのですか?」

有咲「あ、うん…ちょっとね…」

流星「さっき友希那さんにね…」

 

その後、俺らは一旦打ち上げをやろうということで、蔵に集合して簡単なお菓子パーティをして解散したのだった…

 

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次の日…

この日は本入部した新一年生の実力を見るため、簡単な試合形式での練習を行われようとしていた。

1年生はこの前の仮入部の時とほぼ同じ人数の人が入ってきてくれた。

基本的には、1年生vs2、3年生という、どこぞの野球漫画で見たような光景である。

この日の1年生バッテリーは匠と悠誠。

練習で1度しか見たことがない熱血漢の匠のピッチングと、ブルペンでの配球術が頭脳的な悠誠とのコンビがどれほど発揮できるか気になるところ。

ここで今回の1年生メンバーのスタメンと紹介をしよう。

1番はセンターの大島朗。先に行った体力テストではスピードスターの河内先輩に負けず劣らずの勝負を繰り広げた。元陸上部というのもうなづけるが、守備も良かったりするので、河内先輩の後釜として有望である。

2番はセカンドの田嶋浩樹。シニア時代は1番を打っていたリードマン。アベレージヒッターでチャンスメーカーでもあるので、大島との1、2番で確実に1点が取れる形を取っている。

3番はピッチャーの木下匠。言わずもがなの熱血漢だが、ピッチングはもちろん、バッティングもピカイチ。長打も期待できる二刀流である。

4番はファーストの大竹道紀。シニアから名を馳せているスラッガー。長打力はもちろん、当てる技術も上手いので回った時は注意したい所。

5番はサードの大竹幸長。4番道紀の双子の弟で、兄とは正反対のアベレージヒッターだが、チャンスには滅法強いので、こちらも当たりたくない。

6番はレフトに入っている大島耕太。1番の朗との血縁関係はない。本職はキャッチャーだが、外野も守れるというので今回はレフトに入れている。

7番はキャッチャーの中村悠誠。頭脳派キャッチャーだが、ピッチャーを奮い立たせる力を持っている。俺としては采配対決で勝ちたいところ…

8番はショートの三嶋連斗。打撃は非力ながら、守備が光る選手。たまにボールを落とすことがあるが、現戦力のなかではまだ戦える方である。

9番はライトの佐々木本信(もとのぶ)。強肩の外野手で、捕殺がかなり多いと聞いているくらいで、打撃や走力、守備力については普通である。

以上が1年生メンバーのスタメンである。

他にもいたりするが、代打とかで出てきた時に説明しよう…

 

尚之「…しかし、今年はやはり多いなぁ…」

流星「ほぼ俺のせいみたいなもんだけど…」

 

一方、今回の俺らのオーダーはこうなった。

1番・キャッチャー・秋山流星

2番・ショート・河内柳哉

3番・サード・日下蓮二

4番・センター・川端尚之

5番・セカンド・須藤麻里弥

6番・ファースト・阿山亮一

7番・ライト・東俊彦

8番・レフト・島川茂重

9番・ピッチャー・山内一彦

まぁ…いつも通りだ。

唯一違う所があるとするならば…雄介が苦手である抑えを志望したという所だ。

あいつもあいつで変えなきゃ行けないと感じた部分があるのだろう…

今回は3イニング制で実力を図ることにした。

 

「プレイボール!」

 

審判の声が高らかと聞こえた。

先攻は1年生チーム。

1番の大島朗からだ。

朗君は左打席に入った。

 

流星(…とりあえず、直球、頼む)

 

俺はサインを送り、一彦が1球目を投げた。

カキン!

鋭い音が聞こえた。ボールを引っ張ってわずかに線から外れてファウル。

 

流星(初球スイングかよ…しかも筋がいい…こいつはなかなかの強敵だぞ)

 

俺は少しニヤリと笑いながら、一彦にサインを出した。

 

流星(…インコース低めのスプリット…ボールになってもいいからギリギリで)

 

俺のサインを見た一彦は2球目スプリットを要求通りインコース低めに投げた。

朗君はこれも引っ張り、結局ファーストゴロに倒れた。

 

流星「ナイストライ、朗君」

朗「あ、ありがとうございます!」

 

俺は今の打席を評価して朗君に言葉を送り、朗君も笑顔でベンチに戻っていた。

その後も、2番の田島君はセンター前に落とされてヒットにされながらも、3番の匠君の打席でスチールを阻止し、匠君をセカンドゴロに打ち取ってこの回は終わらせた。

 

流星「…ふぅ…今回はなかなか楽しい戦いになりそうだ」

尚之「流星の目が輝いてるわ…」

真波「そうね…今回のバッターは積極的に打ってきてるから、なかなか頼もしいわ」

麻里弥「しかも、ただバカに打ってるだけじゃなくて、考えて打ってるから…あの子たち、伸びるわよ」

流星「ひとまず、今から俺行ってくるわ」

 

俺はそう言って、右のバッターボックスに入った。

匠君のボールをバッターで見るのは多分これが最初で最後かもしれないからだ。

 

流星(多分、初球は…『()()()()()』かな?)

 

俺が先読みして構えていると、匠君はヒュッとボールを投げた。

ボールがすうっと来て、俺がバットを振り始めたその瞬間、ヒューっと俺から逃げるように曲がっていった。

側から見ると、まるで切れ味の良い刃物の軌道を描いてるため、『スライサー』と呼ばれている、高速スライダーだ。

俺はそれをカツンとなんとかバットの先に当ててファウルにした。

 

流星(やっぱスライサーかよ…こいつの場合、全てのボールが魔球レベルなんだよなぁ…それよりも…)

 

俺はふと、キャッチャーのマスクを被っている悠誠君の方を見た。

悠誠君はふぅと息を吐いていたところを見ると、やはりボールを受けることに少し緊張していたらしい…

 

流星(…やっぱ、こいつと組むのはヤバイよな…てことは…極力負担をかけたくないから…ストレートか、さっき投げたスライサー…スプリットは要求はしないだろう…)

 

そう思って俺は打席に立ち、匠君は2球目を投げた。

投じたのは…スプリット。

 

流星「っ!?」

 

俺はハーフスイングをしてしまい、ストライクを取られた。

 

流星(…悠誠…テメェやってくれるんじゃねぇの…)

 

俺は少し火がつき、打席で構えようとしたその時だ。

 

悠誠「…流星先輩って…意外と大したことないですね」

 

悠誠君からそんな声が聞こえた。多分、煽ることで打ってもゴロにさせようという心理的な揺さぶりをかけようとしての発言だ。

それでも俺は冷静さを保っていた。

3球目はシュートを投げ、俺はそれを左方向に引っ張ってレフト前ヒットにした。

 

流星(なめんなよ…)

 

しかし、その後は三者凡退で終わってしまい、1回が終わった。

その後も、俺らは匠君の気迫あるピッチングと、悠誠君の巧みなリードで封じ込まれ、0点に終わった。

1年生チームはバッターを変えてなんとかヒットで稼ぐも、チャンスをものにできず、こちらも0点。

結果、0-0の引き分けに終わった。

なお、雄介の抑えは今回は起用しなかった。

 

流星「…みんな、ご苦労だった。今回の結果を踏まえて、今後の練習やスタメン考える。今日は各自解散!」

『はい!』

 

この日の野球部はこれにて終わったが、俺には少し考えさせる部分を抱える練習試合になったのだった…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…練習後、俺はいつもの蔵に入ると…

 

流星「…あれ?六花ちゃん?」

六花「あ、りゅ、流星さん!」

香澄「あ、りゅうくーん!」

 

いつものポピパメンバーに、六花ちゃんが遊びに来ていた。

どうやら、たまたま香澄が『Galaxy』の前に来ていたのを六花ちゃんが発見し、六花ちゃんがその後を尾行しようとしたところを香澄にバレ、公園で色々話し、さらには六花ちゃんが住まわせてもらっている銭湯にも行って、今に至っている…

 

流星「…てか、六花ちゃん銭湯でも働いてんの!?」

六花「はい!朝と夜の掃除2回で家賃タダにしてもらってるんです!」

りみ「あと、六花ちゃん、岐阜から来たんだって〜」

流星「そうなの!?それは遠いところからわざわざ…」

六花「い、いえ!私こそ、田舎者ですが…」

有咲「流星と六花、なにしてんだ…?」

 

と、有咲に突っ込まれたところで、話題は六花ちゃんの事へ…

 

流星「てか…今、親戚除いて1人だろ?大丈夫か?」

六花「はい。寂しい時もありますけど、電話しているので大丈夫です」

有咲「しかし、すげぇよなぁ…学校で勉強しながら、銭湯とライブハウスのバイト、おまけにバンドメンバーも探してるんだろ?」

流星「バンドメンバー探してんの?六花ちゃん」

六花「はい。まだ集まりませんけど…」

流星「そりゃすげぇや…」

りみ「本当にすごいよ〜」

沙綾「ロックだね〜」

六花「中学の頃はロックって呼ばれてました」

流星「でもさ…なんでここに来たんだ?」

六花「それは…去年夏、『SPACE』のラストライブがあるのを知って…」

流星「…ん!?」

 

俺は六花ちゃんの言葉を聞いて、思わず驚いた。

 

六花「中学の時、地元の友達とバンドを組んでいまして…他の子は受験があったので、私1人で、親に内緒で『SPACE』に来たんです…行かなきゃ絶対に損すると思って…そこで、ポピパさん達と会ったんです!」

ポピパ全員『え!?』

 

衝撃の事実に、ポピパはもちろん、俺も驚きを隠せなかった。

 

六花「その時見た、ポピパさん達のライブがキラキラしてて、ドキドキしてて…だから、たとえ聖地がなくても…キラキラドキドキできると思って…ここに来たんです」

流星「なるほどなぁ…」

沙綾「でも、旭湯屋さんだったら、花女の方が近いんじゃ…」

六花「親に迷惑かけまいと、特待生制度のある羽丘にしたんです」

流星「ん!?と、特待生!?」

香澄「特待生なの!?」

六花「人生で一番勉強しました」

流星「そりゃ疲れただろ…」

たえ「そういえば、なんでロックは『Galaxy』で働いているの?」

有咲「確かに、あんなきつそうなところでなんで…」

六花「あはは…どんなところかなぁって入ってみたら、店長さんが忙しそうにしていたので、手伝いますって言って…」

流星「…六花ちゃんはいつ来たんだっけ?」

六花「今年の3月です」

流星「でなれば…ライブハウスで働き始めてたった1ヶ月足らずでメンバー集めか…きつくね?」

六花「はい。周りにバンドやってる友達もいないので、どうしようかなと迷っていたところに…たまたま先輩達がいて…また、ポピパさん達に助けられました」

流星「…」

 

俺は、六花ちゃんの、ファンとして、目指すべき目標としてのその1つ1つの言葉の強い力に、思わず耳を傾けてしまった。

 

六花「ポピパさん達のライブを聴いて、やっぱりキラキラドキドキして…やっぱり夢じゃなかったって…そして、ライブをやるって聞いて、ワクワクして…辛いことあるけれど…ポピパさんのおかげでまだまだ頑張れるって思えるんです。本当にありがとうございます」

流星「…六花ちゃん…」

 

と、その時だ。

おたえがギターをポロロンと鳴らした。

そして…

 

たえ「…いい曲、あった」

 

その時、俺はおたえにしてはいい事してくれんじゃねぇかと、素直に嬉しくなった。

その後、香澄達は六花ちゃんを観客とした、たった一曲のミニライブを行った。

六花ちゃんは過去のことを思い出して思わず泣きだしていた。

そして、ポピパは主催ライブをやる事を再び決意し、六花ちゃんもバンドを組んでポピパと共にステージに立つ事を心に決めた。

 

六花「…そういえば、1つ気になったんですけど…流星さん」

流星「ん?俺か?」

 

ライブが終わり、それぞれの決意が固まったところで、六花ちゃんが俺に声をかけた。

 

六花「流星さんって…『LINE DRIVE』っていうバンドやってたんですよね?私、聞いたことなくて…その『LINE DRIVE』は有名だったのですか?」

流星「んまぁ…一時期な…俺らが小学生の頃に組んでたバンドだ」

六花「しょ、小学生!?」

流星「あぁ。俺の幼馴染で結成したバンドだ。Afterglowと同じ感じかな?ただ、小学生の頃だったから、ライブハウスでそこまで上がることはなかった。でも、合間の時間にやってくれる事を許してくれたところもあってな。そこで『ゲリラライブ』って名目で突然割り込んでライブをやったんだ」

六花「す、すごい…」

流星「元々は俺がやりたいと言い出したやつなんだけどな…結果的には、各音楽会社もこぞって俺らを引き抜こうと必死になってたくらいまでのし上がったんだ」

香澄「そうなの!?」

流星「あぁ。でも俺らはやっぱり、野球が本業でバンドは副業というスタンスを崩すことはなかった。んで、俺らは6年生の頃に解散して、しばらくやらなかったんだ」

有咲「でもさ…その残した功績があまりにもデカすぎるんだよ…」

六花「ど、どういう事ですか?」

沙綾「今存在しているガールズバンドのほとんどが、流星くん達『LINE DRIVE』の大ファンで、『LINE DRIVE』が楽しそうに演奏している様子を見て、自分達も楽しくバンドをやりたいと言う子が、今のガールズバンドとして動いているのもおかしくないんだ」

六花「そ、そうなんですか!?」

たえ「実際、私達も『LINE DRIVE』の影響で本格的にやり始めたようなものだからね」

 

六花ちゃんは、俺の昔話に驚きを隠せなかった。

 

流星「…今は、別れてはいるけど、その気になれば5人集まって『LINE DRIVE』復活なんてのできるからな。実際、『SPACE』のラストでも5人集結してのライブだったし」

六花「そ、そうだったのですか!?私、わからなかったです…」

流星「それだけ、香澄達の印象が強かったって事だ。香澄達からしたら、これとない褒め言葉だよ」

香澄「えぇ〜、でもりゅうくん達の方がすごいよぉ〜」

有咲「今はこんな感じで話してるけど、ライブの時はかっけぇぞ?観客と楽しんで歌ってる時なんか、いい笑顔だし」

りみ「それに、私達を助けてくれるし」

沙綾「感謝してもしきれないほど」

たえ「だから、私たちは流星が好きなんだ」

六花「そうなんですね!」

 

こうして、六花ちゃんと交流を深めた俺らは、改めて主催ライブの話を進めることにしたのだった。




いかがでしたでしょうか?
今回も最後は無理やりくっつけた形になってしまいましたが…()
とりあえず、疲れましたw
これからも更新ペースは上げていきたいと思いますので、是非ともよろしくお願いいたします。
では次回、お会いしましょう!

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