バンドリ!〜輝く星と白い球〜   作:VOSE

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どうも、VVVFです
はい、久々でございます
そろそろ2期がやるということなので、こちらもかなりの転換点を必要ということで、自分でもなかなかの作品が出来ました( ̄▽ ̄;)
お気に入り登録者減少覚悟で出させていただきます。
では、本編どうぞ!


第22話〜ポピパとクリスマス〜

…この日は野球部はお休み。

というわけで今日はポピパのみんなと一緒に蔵で練習しようかと思っていたら…

 

流星「…ライブ?」

万実「えぇ、クリスマスライブで今日はライブハウスに行くそうですよ」

 

クリスマスというワードを聞いて、俺もあー、と納得した。

ここ最近、世界大会や練習試合などでてんやわんやしていて、時間というものをすっかり忘れていた。

だから商店街がイルミネーションで一杯だったのか…

俺はどうしようもなく暇だったので、おそらくいるだろうと、『CiRCLE』へと足を運んだ。

 

流星「…しかし、クリスマスかぁ…そんな時期かぁ…」

 

俺は思わず今年起きたことを振り返っていた。

あと5日くらいしたら正月…時間は早いものだと感じていた。

 

流星「…そういや、香澄と会ったのは都電の中でだっけ…あの時はなんだこいつっておもってたけど、そういう明るさに惹かれちまってたんだよなぁ」

 

俺はフッと笑いながら、商店街のイルミネーションをぼんやりと見つめていた。

 

流星「…そこから早かったもんなぁ…有咲やりみりん、おたえに沙綾…ポピパが出来て、RoseliaやAfterglow、Pastel*Palletにハローハッピーワールド…色んなバンドと触れ合って、俺ら『LINEDRIVE』も復活して…充実した1年だったなぁ…」

 

そんなこんなで思いにふけていると、『CiRCLE』に着いた。

 

流星「…失礼しまーす」

まりな「あ、いらっしゃい!流星くんだけって珍しいね!」

流星「え?香澄達来てないんですか?」

まりな「香澄ちゃん達は来てないよ?多分、商店街のイベントなんじゃないかな?」

流星「そうなんですか…」

まりな「あ、そうそう!今年の『CiRCLE』の来場者数を見てみたんだけどね…やっぱり、流星くん達が出た日が1番多かったんだよ!」

流星「え?マジですか?」

まりな「うん!ライブ後のアンケートでも、『LINEDRIVE熱かった!』とか、『LINEDRIVEとRoseliaのセッションが楽しかった!』みたいに、流星くん達のバンドを見たさに来て、満足する人達が多かったんだ」

流星「ただ俺らで楽しんで歌ってただけなのに…こうなるとまた復活ライブしなけりゃいけなくなるやないすか…」

まりな「あはは…でも、こうやって見に来てくれる人がいるから、流星くん達も一緒に楽しめるでしょ?それが一番いいと思うんだ」

流星「ですね」

 

俺はまりなさんと話をした後、商店街の方へと戻った。

行く時は無視していたが、ちゃんと商店街の入り口に仮設のステージがあった。

俺は近くにいたスタッフに出演メンバーの中にポピパがいないか質問しようとした時だった…

 

香澄「…あ!流星くん!」

 

たまたま外に出ていた香澄が俺を見つけ、俺にすぐさま抱きついたのだ。

 

流星「グハァッ!香澄!急に抱きつくな!」

香澄「えへへ、嬉しいだもん」

 

俺は懸命に香澄を剥がした。

 

流星「ったく…今日はクリスマスだからサンタの衣装か…」

 

香澄は赤い三角帽に、赤の服に白い綿のようなボタンをあしらった衣装を着ていた。

 

香澄「そうだよー!この後クリスマスのライブするからね!」

流星「そりゃそうか…んで、有咲とかは?」

香澄「今控え室にいるよ!呼んでくるね!」

流星「いや、呼ばなくていい…集中してるだろうし、寒いから」

香澄「えー…せっかく流星くん来てくれてるのに…」

流星「別に大丈夫だよ…とりあえず、ライブ楽しんで」

香澄「うん!」

 

香澄達のライブが始まるまでまだ時間があるので、俺は近くの羽沢珈琲店に足を運んだ。

 

つぐみ「いらっしゃいませー!…あ!流星くん!」

流星「よぉ」

亮一「よっ!流星じゃねぇか!」

流星「亮一?なんでここに?」

つぐみ「今日はうちでパーティーやるんだ!」

流星「なるほど…てか、なんで亮一も?」

亮一「俺は招待されたんだ。いつもお世話になってるお返しだってさ」

流星「なるほどね…」

 

俺はしばらくライブが始まるまで亮一と話していた。

すると…

 

蘭「…おまたせ…」

 

蘭が普段着ないような、かなり気合の入った服で入ってきたのだ。

後ろにはくすくすと笑ってるモカがいた。

 

流星「あー…これは俺はちょいと抜けた方がいいよな…」

亮一「は?どうしてよ?」

流星「まぁ…今に分かると思うぞ?」

 

俺はそう言ってコーヒーを飲み干し、時間を見て外へ出た。

 

流星「…ちょうどいいや、そろそろ香澄達のライブが始まる」

 

俺は曇り空の下、暗くなりそうな道を戻って、香澄達のライブがあるステージの前に立った。

 

しばらく待っていると、香澄達がステージに上がってきた。

 

香澄「みなさんこんにちは!」

5人『Poppin' Partyです!』

香澄「では、早速ですが聞いてください!」

 

香澄達の演奏が始まった。

楽しくて、キラキラしていて、ドキドキするようなステージだった。

香澄が思い描いていた、キラキラドキドキするようなステージは、今まさに、そこで行われていた。

それと同時に、俺は思わずこんなことを思い浮かんだ。

…もう、俺は必要ないと…

これだけ観客を楽しませるバンドになり、俺も嬉しいかぎりではあるが、こんなライブをしているのだったら、俺が出る幕はもうないではないか…

そんなことを思わせるような、完璧なライブだった。

 

流星「…もう、そろそろいいかな…」

 

俺はそう呟いて、そのステージをぼんやりと見つめていた。

ライブは5曲で終わり、アンコールで1曲歌った、計6曲でライブを締めた。

その後、俺は商店街のクリスマスツリーをぼんやりと見ていると…

 

香澄「…流星くん!」

 

香澄達が走ってやってきた。

 

流星「よぉ、お疲れさん」

有咲「ったく…さっき来たんだったら呼んでくれてもよかったぜ?」

流星「悪りぃ悪りぃ。集中してるかもしれないし、外は寒いから迂闊に出てきて次の日風邪でも引いたら…ね?」

沙綾「確かに、今日は寒いからね…雲がかかってるし」

たえ「日も出てないからね」

りみ「ありがとう、流星くん」

流星「いえいえ」

 

俺はそう言って、楽しく話している香澄達を遠い目で見ていた。

それに気がついたのは、香澄だった。

 

香澄「…あれ?流星くん、どうしたの?」

流星「…ん?いや、なんでもないよ…」

 

俺はなんでもないと否定したが、いつものように有咲が追及してきた。

 

有咲「なんでもないじゃねえだろ?ほら、話してみろよ」

流星「いや、本当になんでもないから!」

りみ「流星くん、何か辛いことでもあったの?」

たえ「話なら聞くよ?」

沙綾「ほら、話して?」

 

有咲の追及で、ポピパ全員が俺に食いついてきたので、俺は諦めて本音を漏らした。

 

流星「…いや、最初の頃はさ…みんなバラバラでさ?…香澄がまとめてこうやってポピパ出来て、俺も手伝うということでみんなについていったけど…今日のライブ見ててな…ポピパはキラキラドキドキするライブをやってるのを見てて…俺はそろそろお役御免かなって」

有咲「はぁ!?」

りみ「そ、そんなことないよ!」

たえ「流星くんはもうポピパの一部だよ」

沙綾「私たちがいらないわけないじゃん!」

流星「…そう思ってくれてるのはありがたいんだけどね…来年になれば俺は野球部の先輩として、これから入ってくるやつらに指導とかしなきゃいけない。最初のお前らだったら、特に香澄とかは危なっかしいことして迷惑かけないかって思うから、どうにか時間を割いてみんなの面倒とかを見てたけど…」

 

俺はそうやってブツブツといっていると、香澄が僕の前に出てきた。

 

流星「…香澄?」

香澄「…バカ!流星くんのバカ!」

流星「っ!?」

香澄「私達は…1人じゃ何も出来なかった…有咲と出会わなければポピパも出来なかった…りみりんやおたえや沙綾だって…!でも…一番そばにいてくれたのは…流星くんでしょ!」

流星「…香澄…」

香澄「もっといっしょにいてほしい!私たちと一緒に、キラキラドキドキさせてほしい!だから…いない方がいいなんて言わないで!」

流星「…」

 

香澄らしくない香澄の言葉に圧倒された俺は、思わずクスッと笑ってしまった。

 

有咲「…流星?」

流星「あ、いや…香澄らしくねぇなぁって…俺といっしょにいてほしいか…お前らもそうなのか?」

 

俺がそう言って他の4人を見ると、全員同じ目をしていた。

 

流星「…さっきはすまなかった…俺は、お前らと一緒にいる!一緒に最高のライブを作り上げよう!」

香澄「…流星くん!」

流星「俺も…来年は甲子園に連れていってやる…そこでお前らに…野球のキラキラドキドキ見させてやるからさ!」

香澄「うん!」

有咲「約束だからな?」

りみ「楽しみにしてるよ」

沙綾「その時は私たちも応援するからね」

たえ「ウイニングボールは私に…」

流星「いや、おたえは期待してんのか!?」

 

そんなこんなで、モヤモヤしていた気分がすっきりした後、香澄が突然、再び神妙そうな顔で俺に話してきた。

 

香澄「…私はね…もっと流星くんの近くで、キラキラドキドキしたいと思ってるんだ…だから…私と付き合ってください!」

 

…突然の告白だった。

それに動揺している俺に、さらに追い討ちをかけるように…

 

有咲「はぁ!?香澄!抜け駆けなしって言っただろ!?」

香澄「えへへ…ごめんごめん…」

有咲「はぁ…香澄が告白したんだったら、私もするか…流星、私と付き合ってくれるか?」

りみ「ふ、2人して!?え、ええっと…私と付き合ってください!」

沙綾「あはは…だったら、私とも付き合ってほしいかな?」

たえ「みんな告白してるから、私も告白する〜。流星、私と付き合って?」

流星「いや、おたえだけなんかちがーう!」

 

…とまぁ、5人から一斉に告白されたということで…

俺はどうしようもなく頭を抱えている…

しかし、話はかなり単純で一方的に決められてしまった。

 

有咲「…結局、みんな告白するんだな…」

りみ「どうしよう…流星くん、困ってるよ…」

香澄「だったら、みんなで流星くんの彼女にならない?」

有咲「はぁ!?香澄、お前バカか!?」

香澄「だって、それ以外いい考えなかったんだもーん…」

沙綾「でも、それは流石に…」

たえ「私は香澄の意見に賛成かな?」

流星「…おたえは黙ってろよ…」

 

俺は思わず頭を抱えてしまい、諦めがついた感じの声で…

 

流星「俺は別に大丈夫だよ…」

 

と、ため息混じりに言った。

 

香澄「ほんと!?やったー!」

有咲「てか、流星何言ってんだよ!」

流星「すまない…もう頭が追いつかん…」

有咲「あ…すまない…」

りみ「な、なんか決まっちゃったけど…いいのかな?」

沙綾「決まっちゃったね…」

たえ「うん、これでみんな幸せだよ」

 

と、諦め半分の状態で香澄達とそういう会話をしたその時だった。

商店街が一気に明るくなった。

クリスマスツリーのイルミネーションが点灯したのだ。

 

香澄「うわぁ…」

りみ「綺麗…」

流星「もうこんな時間か…」

 

俺らは思わずイルミネーションを見入っていた。

そこへさらに…

 

有咲「…ん?雪?」

たえ「あ、本当だ」

沙綾「雪が降ってくるなんて、予報してなかったのに…」

 

なんと予報士泣かせの雪が降ってきたのだ。

でも、クリスマスツリーのイルミネーションの光と、空から降る雪が絶妙にマッチしていて、とても綺麗な雰囲気になっていた。

 

香澄「…りゅうくんっ!」

流星「…ん?俺?」

香澄「うん!これから私たちの彼氏だから…なんかそれっぽい名前で呼びたいなって」

流星「いや、普通でいいっつうの…」

香澄「えへへ…これから一緒にキラキラドキドキしようね!りゅうくん!」

流星「だから流星でいいって言ってんだろーが!」

 

今年のクリスマスはとても満足できるクリスマスになった。

それこそ、5人のサンタからのプレゼントかのようにね。




いかがでしたでしょうか。
…はい、自己満足です。
俺が書きたい奴を書いただけです。
ファンである読者の方には、大変申し訳ございません…
ただ、これは本当に書きたかった感じのやつなので、勘弁してください…
これより先は、この関係がずっと続くと思っていただくとありがたいです。
よろしくお願いします。
では、次回お会いしましょう!

追記1/1:この話を番外編から1期22話目とします

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