第8話 我らは法の体現者
先の吉良ディーンの戦いから数時間経った真夜中、ペティグリューはホグワーツに戻っていた。
「くそぅ……結局「こいつ」を使うことになるのか」
震えながら手に持つ矢を見る
ペティグリューは「矢」に拒否されグズグズになっていった人間を今まで何人も見てきた。それ故これまで矢を刺すのを拒んできたが、実質死刑宣告をされてはハリーを始末するか矢を刺すかを選ばなければいけなかった。
「やってやる、やってやる〜〜!!相手はガキだ!いくら強くたってガキはガキに違いない!」
1人で叫ぶといつものネズミの姿、スキャバーズに戻り廊下を駆け抜けた
???
「我が君、ペティグリューがホグワーツに侵入いたしました」
遠隔魔法ペティグリューを監視していた若者が主に告げる。
「いや〜お優しいですなー、あなた様は。 私がいた軍ならあんな腰抜けすぐさま粛清でしたよー」
伊達男はタバコの煙を吐きながらカラカラ笑う
男はかつてある大隊に所属していたそしてある人物を始末する命令を受け、思
ように埒を開けよとの指令を実行したが標的との絶対的な力量差によって豚のような悲鳴をあげながら敗北したのであった。
だが今の彼には自分が「ミレニアム」という組織に属していたこと、そして自分が蒼い炎に包まれながら死んだという記憶しか残っていなかった。
「……おい、我が君の前でそんな煙たいものを吸うな……」
若者が若干キレ気味で伊達男を睨む。
「まあ良い、我が忠実な僕クラウチ・jrよ。私達とは違う「世界」の人間だ。礼儀作法が我々と違うのは仕方のないことだ……」
男がクラウチ・jrと呼んだ若者を諌めながら「彼の男」が無理やりこの世界に来た際に出来た穴を思い浮かべた。
「(貴様がいなければ私の完全な復活はもう少し遅くなってことであろう…… 自称「神」……)」
ホグワーツ男子
ハリー達はハグリッドの小屋を出て寮に帰るところだった
説明しよう!ハリー達はフォイを傷付けた罪で死刑になりそうになったハグリッドのグリフォンを助けようとしたけどなんやかんやで失敗してしまったのだ!そして今はその帰り道なのであるっ!
「ハァー……」ハリーは友だちのペットを助けられなかったことに落胆していた。
「なーんかもう疲れた……」ハーマイオニーは今まで緊張していた糸が切れ3人の中でも1番疲れていた顔をしていた。
それも当たり前であろう。ハーマイオニーは3人の中でも1番ハグリッドを気にかけており、裁判が始まる前に一晩中グリフォンに関する裁判記録を調べていたのだっ!
それにしてもこの女、色々と頑張りすぎである
「いやーもう疲れたからとっとと帰ってとっとと寝よう!」
ロンがそう締めくくって歩みを早めた瞬間
黒い大きな犬がロン・ウィーズリーを咥え、連れ去った
「なっ!あれはブラックドッグ、バスカルビス!?」 違います
ハーマイオニーがどこぞのワンちゃんの名前を口にするが決してあれは獣の類ではない。
「早く追わなきゃ!」
友の危機に考えるよりも先に足が動く。
2人とも持てる限りの体力を使って走ったが流石に大犬に少年の足で敵うはずがなく差はどんどん引き離されて行った。
そしてその様子を見ているものが一名。
「はぁ……また私が行かなくちゃあ行けないのか……」
吉良吉影はため息をついた。
「これが杉本鈴美が言っていた地獄なのか?」
そんなことを考えながら犬が駆けて行った方へと歩みを早めるのであった。
暴れ柳の根元の所
「ハァハァ……疲れた……ロンはどこ?」
ハリー達は目的地に着くやいなやロンを探し始めたが思ったより近くにいた。
「ロンっ!!」
2人ともロンが無事なことに喜び、近づこうとするが
「きっ来ちゃいけねー!こいつぁ罠だっ!」
野郎みたいな声でそれを阻止する。
すると奥からドガバギッ!といういかにも誰かが揉み合っていSEがした後髭だらけでガリガリの男と胸ぐらを掴まれた男が柳の奥から現れた。
ハリーはその男を見て怒りを露わにする
「て、てめぇ……!」
ハリーは頭ではなく直感で理解した!こいつが自分の父親をヴォルデモートに売ったシリウス・ブラックであると!
「ちょっと待て!私じゃ無いからね!?ジェームズ裏切ったの!」
ナレーションに気づいたのか慌てて手を振り否定するシリウス
「貴様が裏切ってないという証拠はどこにある?あるんなら30秒待ってやるぞ……」
そんなシリウスを見て更に目を鋭くするハリー、シリウスを信用する気は鼻からないようだった。
その時暴れ柳の上の方の枝から一冊の本が落ちて来た。そして本を落とした人物を見てそこにいる全員が驚く。
「「「「「きっ、貴様はっルーピン」」」先生!!」」 デデーン!
「ル、ルーピン……来てくれたのは嬉しいが随分不安定な場所にいるな……」
流石は年長者、1番早く衝撃から立ち直り旧友に話しかける
「あ、あのールーピン先生、シリウスブラックとは知り合い何ですか?」
おずおずとハーマイオニーが質問する
「2人とも、そんな事はどうでもいい!それより私が投げた本を見るんだ!」
ルーピンがイケメンポーズ(?)でビシッと指をさす
本の近くにいたロンが題名を読み上げる。
「ん、何々?J.Kローリング作のハリーポッターとアズカバンの囚人……?」
とんでもない本を持って来たものである、いや本当に
「一体この本が何の関係があるというのですか」
ハリーがルーピン先生に聞く。
「いいからその本の最後の方を見るんだ!」
ハリーの質問を無視して叫ぶ。
「えーっと……!この本の内容って本当なの!?」
本をペラペラ読んでいたロンが目を見開く!
なぜなら自分たちが聞いていた事実とはかなり、いや真逆の事が書いてあったからだ
「先生!シリウスは実は善人でこのペティグリューが裏切り者&僕のペットだって本当何ですか!?」
色々な感情が混ざり合って結構混乱しているロンが叫ぶ。
「そうだ!この本に書いてある事は事実だ!本当なら私とシリウスが説明する所だけどなんか色々正史とは変わっているからその本でいいんじゃ無いかって事だ!」
ルーピンが説明してる間に他の2人も本を読み終えたようだ。
「シリウス……あなたは本当にハリーのお父さんを裏切ってなかったの?」
ハーマイオニーが聞く。
その言葉に
「ああ!本当だ!この私を信じてくれ!もし友を裏切るなら今すぐ死んだ方がマシだ!」
必死に訴えかけるシリウス
「……分かった!信じる!」
ハリーはじっとシリウスの目を見ながら言葉を紡いだ。
そして2人は固い握手を交わした
わけがわからず成り行きを見ていたペティグリューだったがこの一連の流れを見て自分が窮地に陥っていることを理解した
「あ、あわわわ……」
「さてと、あとはこいつの始末をするだけだな」
ペティグリューに2人の殺意が向けられる
「ど、どひーー! ちょっと待ってくれ!私は無実だ!いや、そもそも何も悪いことしてないだろ!ほら、証拠をだせ証拠を!しょグベ!」
必死に弁解しようとするが上から落ちて来たもの者に言葉の続きを言う事が出来なくなった
「くどい!もうお前はおしまいだ!今のお前はゴキブリホイホイに囲まれたゴキブリだっ!観念するんだな!」
上から落ちて来たルーピンはペティグリューを掴み杖を向ける。
「よし、殺ろう、我が友ルーピンよ」
シリウスもそう言いながら杖を構える
「(くっくそーーー!しくじったーー!こうなったらやってやるぜダボがー
!)」
例の作戦を決行するペティグリュー……
「おいっ!変な真似をするんじゃないぞ!」
杖をペティグリューに近づけるルーピンだったが遅かった
ペティグリューは自分に矢を突き刺しそのあとピクリとも動かなくなった
「な、なんだぁこいつ!自分に矢を刺しやがった!」
予想外の事態に驚くハリー。しかしざわめきを掻き消すかのように何も無い空間から人が話しかけてくる
「まったー!我輩でるタイミング完全に失っちゃったよチクショー!」
腹立たしそうに来ていた透明マントを投げ捨てるスネイプ
ルーピンやハリーの様子が変なことに気付き、尾行していたスネイプだったが一連の流れで出るタイミングをすっかり失ってしまっていたのだ
「おー、お前の顔を見るのもセブルス・スネイプ」
「そういう貴様こそ元気そうだな。犯罪者」
シリウスとスネイプが睨み合う
2人は学生時代に敵対しており、殺し合いに発展したこともあるくらい仲が悪いのだ
「さあ犯罪者、アズカバンに戻るぞ。そうだ吸魂鬼を呼ぶか。確かファッジがホグワーツの警備に放っていたはずだからな」
そういった後手を上げて吸魂鬼を呼ぼうとしたが
そぉの必要はないなぁ
一筋の死の風が駆け抜ける
数時間前の魔法省
魔法省の通路で2人の男が歩きながら話していた。
「本当ならば然るべき場所で話す事なんだが用が急だ。歩きながら話させてもらうぞ」
縞柄のスーツ着ている髪が薄いこの男はコーネリア・ファッジ。魔法省のトップに位置する魔法大臣の職に就いてる人物だ
「まぁた事件ですか、今度は何処の愚民の仕業ですか」
バリバリの若本ボイスで喋るこの男はルーファス・スクリムジョール。かつて数々の死喰い人を葬った歴戦の戦士だ。狂信的な程に魔法省にないしは魔法律に従っており魔法省の切る札でもある存在だ。
「実はシリウス・ブラックがホグワーツに浸入したとのタレコミがある。吸魂鬼供では取り損なう可能性がからお前にいって欲しいのだ」
事務的な口調で資料を渡すファッジ
「なぁるほど、では早速出発します」
そう言うとスクリムジョールは懐から法全書を取り出す。
この所々に金属があしらわれている全書は姿くらましの術が掛けられており、これお使えば本来姿くらましをできない場所でも使用できると言う優れものだ
「魔法省に栄光あれ!!」
そう言うとスクリムジョールは全書から吐き出されるページに包まれ消えた。
現在 暴れ付近
「キシエャァァァァ!!」
突如上空から聞こえる奇声に皆一斉に上を向く。
「ブベラ!!」
声の主がスネイプを吹っ飛ばし、スネイプは哀れな声をあげながら暴れ柳にぶつかり気を失った
「フシュウゥゥ……我らは法の体現者、刑罰の肉体執行人、我らが使命は我が法に逆らう愚者をその肉の最後の一片たりとも絶滅する事……Agmom(魔法省に栄光あれ)!!」
両手に持った刀ほど長い杖を手前にクロスさえながら叫ぶ。
スクリムジョールが法を犯す愚か者を殺す際に被告人に告げる言葉だ
「何っ!!なぜここに貴様がいる!?」
シリウスが狼狽する
シリウスも一度会ったことがある。その為こいつがどれだけ「イかれている」かをよく知っていた。
「くっ!!」
ルーピンが杖を懐から取り出すが
「無駄ぁ!!」
両手にに持っていた杖をルーピンに投げつけた
「あぐっ……!」
スクリムジョールの投げた杖が両腕を貫き暴れ柳に打ち付けられた
「貴様はそこで黙って見ていろぉ、人狼」
彼は人狼などの半獣人を嫌っており、半獣人の数が激減したのも彼が原因だと言われている
「さて、シリウス・ブラック、貴様に我々の判決を下ぁす。貴様はこの世に存在する事を許さぬぅ、よってこの場で貴様を殺す。Agmom!!」
そう言うとまた杖を袖口から取りだそうとするがハリーがそれを遮る
「まって!そのー、スクリムジョールさん!」
「おおー、貴様があの生き残ったおーとこのこかぁ」
スクリムジョールはハリーの方を見ると興味深そうに吐息を吐いた
「そ、そうです!だから一回落ち着きましょうっねっ!」
相手が好印象だということに気付いてそれを利用しようとするが
「だぁめだ……」 ハリーは こうしょうに しっぱいした!!
スクリムジョールは身を震わせ唸り声をあげるとさっき出した4倍の杖を懐から出した。その目は確実に獲物を仕留める狩人の目だった
そして場が緊張に包まれる。その時
「Wait————!!」
ジジイ2人の声が場に響いた。
「ま、まてスクリムジョール!殺せとは言ったが何も子供の前で!」
「だぁが場所を変えていたら逃げられていた……ここで殺るのが1番だぁ」
言い合うファッジとスクリムジョールを見てダンブルドアは指摘する。
「あー、そのじゃな……ファッジ君、君はホンレンソウをしっかり理解しているのかのぉ?」
「……あっ」
このファッジ、まだ魔法大臣になったばっかでまだホンレンソウをあまり理解出来ていないのだ!でもやれば出来る子なんです!(あの小僧、やれば出来る子だったのじゃあないか……)
「ファッジさん!見てください!この本には真実が書かれています!」
今が説得出来るチャンスと考えたハリーはハリーポッターとアズカバン囚人を投げる。
「ん?なんだこれは……」
ファッジはハリーから本を受け取るとペラペラめくる、そして目を見開いて驚いた。
「これは……この内容が本当だとしたら……我々は大きな間違いをおかしていることになる……」
震える手で本をハリーに返す。そしてスクリムジョールに命令を下す
「スクリムジョール!!お前は即刻魔法省に戻り、魔法方執行部極刑課を集めペティグリューを追うのだ……」
「了解した……」
スクリムジョールは法全書を開くと現れた時のようにページに包まれ消えた。
スクリムジョールが消えるのを見送った後ため息をつく
「はぁ、やはりスクリムジョールは使いにくい……」
本をじっと睨んでいたダンブルドアだったがその言葉に顔を綻ばせる。
「まぁしょうがないであろう、あやつは昔からそうだからのぉ」
そういうとハリー達の方に向き直り一校の校長先生の顔になる。
「ハリーよ、そなたの友を助けようとしたその勇気、賞賛に値するぞ!グリフィンドールに50点!そしてロン、ウィーズリー!犬に噛まれたから10点やろう!もし飲み込まれてたら点高かったんじゃがのー」
恐ろしいことを言う校長である。
「あ、あのだな……これはどう言う状況なんだ……」吉良がログインしました
吉良は目の前に広がる光景に口を広げていた。
ルーピンが磔にされてるはシリウスが倒れてるはなんかダンブルドアがハリー達を褒めてるわ
誰だってそーなる 吉良だってそーなる
「とりあえず……私が来た意味はあったのか……?」
責任者であるダンブルドアに聞いてみる
「ああ吉良君いたのか、後で話したいことがあるんじゃ、あとルーピン君も話があるぞー」
答えになってねーじゃねーか!!
吉良は内心キレながらも表には出さずに
「じゃあ私は帰るぞ……」
1人夕焼け道を戻る吉良であった……
「わ、我輩惨めだぁ……」
シリウス→無実にはなったが世間にはその事実が浸透しそうないため秘密裏にハリーの里親となる
ルーピン→原作とは違って人狼になることなく事なきを得た。今はスネイプ特性青汁で無害な人狼になっています
スクリムジョール→一時撤退、またそのうち……
ハリー達→グリフィンドールに60プラスされて浮かれた勢いで夕食をかっこんだらリバースしちゃった(男子)、ハリーはシリウスという里親が出来た事で幸せな気分であった
ペティグリュー↓
???
「うっぐあぁぁぁ!!」
ペティグリューは声にならない悲鳴をあげていた。
矢を刺したあとペティグリューには記憶がなかったが、ペティグリューにスタンドが発現していたのだ。そして無意識のうちに発動してスタンドの「能力」で逃げ切ることが出来たのだ。
「随分と早い帰りだな、ワームテール……お前なら一晩中ネズミの姿のまま震えていていると思っていたんだがな……」
頭上から主人の嘲笑うような声が聞こえる。
「わっ、我が君!!申し訳ございません!ハリーポッターを始末できませんでした!」
ペティグリューは声が聞こえるやいなや起き上がり土下座をする。
「いや、そっちには正直期待していないのでな……お前の能力を見せてくれ……」
男は手を差し出す。
その姿はかつての悪のカリスマの姿に重なるものがあった。
「ははぁ!!」
ペティグリューは自分の傍に鏡のように形状をした「それ」を出した。
「ふふふ……」
男は含み笑いをしながら「それ」に手を入れる。
男の手は簡単にそれの中に吸い込まれていった。
「ふふふ、これはこれは……」
To be continued……→
無事にこれにてアズカバンの囚人編終わりました!
原作で離れ離れになっちゃったシリウスを繋げてみました。
そして次から炎のゴブレット編です!次回から様々なキャラクターが登場!そして吉良が女性とフォークダンス……?