木場きゅんに憑依した俺は皆に勘違いされながらも生きていく 作:暁紅
新たな出会いそして復活のK
かの有名な聖剣計画はバルパー・ガリレイが主犯とし、異端の烙印とその危険性からとある山奥に牢獄されている。
そんな事件から7年も経つ中ようやく長い眠りから1人の少年が目覚めようとしていた。
何か久しぶりに目を開くような...
そんな感覚で目を開き最初に視界に入ったのは
知らない天井だ......あれ?口動かないんだけど...何故だい?
知らない天井だと言おうとしたが何故か口が動かない。疑問に思いながらも立ち上がろうとすると、今度は身体も動かない。
どうして?何故?そんな言葉が頭をグルグル回ってる時、扉らしきものが開く音がして金髪の女性が顔を覗いてくる。
その女性と目が合うと『目と目が逢う瞬間好きだと』的な音が流れるが今は無視。女性は起きた事に驚き慌てて外にでて、大声を出すとさらに大きな物音を出しながら部屋へと突入してくる。
「やっと起きたか」
お前は誰だ?
と心の中で聞く。無論口が動きません。
次に顔を覗いて声をかけてきたのは、軍服を着ている青年......青年?...何か違う気がするがまぁいいか。
返事が無いことを疑問に思い青年は声をかけ直す。
「?どうし」
「筋肉が落ちているのが原因でしょう」
「......筋肉か...まぁ7年も寝ていればそうなるか」
今度は金髪の男が乱入して青年の言葉に重ねるが、今はそんな事はどうでもいい。問題なのは7年そのキーワードだ。
7年その言葉で頭の中がクリアーになっていき、何が起こったのか全て思い出した。
人間をやめ堕天使化をして、その代償として意識を失う...まさか7年長すぎる。
皆どうしてるかな?と考えていても青年達の話はどんどん進んでいく。
「そうなるとやはり当初の予定通りか...」
「ええそれしか無いでしょう」
「あまり気は乗らんが...頼むぞオーフィス」
「我了解」
オーフィス!!何でここに?てか待ってオーフィスがいて軍服?......曹操やん。オワタ...よく良く見ると金髪の男アーサーやし。てことはここ...禍の団じゃん!!
まさかテロリストに拾われるとは......皆に拾われておきたかったけど、まぁ合流地点とはかなり遠いし無理だとは思ってたけど、テロリストか......キツイな。
そう今いるのは原作でも大暴れしていた渦の団。トップはお飾りのオーフィス。指揮をとっているのがかの有名な曹操の子孫で、最強の神器を『
他にも『聖王剣コールブランド』と呼ばれる最強の聖剣を持っているアーサー・ペンドラゴン。
世界最強のオーフィス...やめて!乱暴するきでしょ?エロ同人誌みたいに!
視線で訴える物もことごとくスルーされ、オーフィスが頭の近くまで近寄ってくる。
「始める」
その言葉と共に額に触れ辺りが一変する。
ベッド以外は全て真っ白に変化する。風も何かが動く音もない。まさに『無』。
「ここは次元の狭間。筋肉戻せって言われてる」
次元の狭間ですかさいですか...えっまって筋肉戻すの貴方が担当するの?。貴方最強の龍でしょそんな人に教えられたら
「死ぬ?大丈夫手加減する」
おい!今心読んだろ。そらならさ!ほら...色々あるでしょ。
「?性処理?」
確かに確かに7年ぶり溜まって...違う、そうじゃない。
今でこそこんな感じにふざけていたが、筋肉を戻すのは三途の川を何回も見ることになる。
そもそもオーフィスは人間の限界を知らなさすぎる。
ありえないでしょ。リハビリでケロべロス連れてこらても困るし、最終試験とか言ってティアマト連れてこないでよ。
まじ死ぬ冗談抜きでぇぇ!!!
「巫山戯るなよ人間!!」
「死ぬぅぅ!!!」
ティアマトから放たれる魔力弾を必死に躱しながら、遠くへと逃げる。オーフィスはこれで筋肉が戻るか分からないが、それでも続ける。
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「そろそろか」
曹操は壁に掛けられている時計を見てそう呟く。
そろそろとは木場が帰ってくる時間である。時間にして6時間と4分待っていた。あと1分過ぎれば帰ってくる。
木場は筋肉を戻すためにこことの時間とは隔絶されている、次元の狭間に行っている。
そこでは1日過ぎることに我々の住む世界では1分経過する、まさに精神と時の部屋状態だ。
前に修行の一環で使わせてもらっ時はすごかった。なにせ飯も水も要らずにずっと戦えた。
「そうね...一応大量のご飯はあるけど」
「必要だろう。何せ多少の飯しか渡してないからな」
「そうね」
そんな無駄話をしている間に針は五分をこえ、6分を指す。その瞬間目の前に大きなヒビが現れ、そこから金髪の長髪になりしっかりと立っている木場が出てくる。
「なっ」
「おい!」
「く」
「ふ」
木場の帰りを待っていた禍の団幹部の、ヘラクレス・ジャンヌ・曹操は武器を構え警戒する。
それはベッドに横になっていた時のような優しい雰囲気ではなく、まるで全てを拒絶するかのような雰囲気。
その雰囲気のせいで手が震える。
今までもたくさんの人外と戦う中似たような経験があった、それは格上の相手だ。だがその時も仲間がいると安心し自然と戦えてた。
しかしこれは違う。
心は戦いたいと言うが、脳が拒絶し逃げろと言う。
他の仲間も全員同じ状態らしく手が震えている。
そんな曹操に木場は近づいていく。
「止まれ!それ以上くるなら」
木場は刃を触りながらその場へと倒れる。
「へ?」
「ご...飯......」
その言葉と同時に部屋全体に木霊する音で鳴らす。
腹かと皆が安心して地面に座り込む。
どこ?と催促する木場のために用意していた数キロにも及ぶ食料を目の間に置く。
目の前に食料が置かれた瞬間、目から赤い閃光を放ち食料の上を通り抜けると、一瞬で大量の食料は消え失せる。
「ふう...ご馳走様でした」
「お、おう」
異常の速度に軽く引く。
「えっと曹操さんこんばんは。会話するのは初めてですよね」
「そうだな。よろしく頼むよ」
2人が握手をするのを皮切りにその場にいる全員と握手していく。
先程の雰囲気がまるで嘘のように消え、既に馴染もうともしている。一体どちらが本性なのか分からない。
木場が何故そんな雰囲気を纏っていたのかはオーフィスが原因だ。まさかグレートレッドと戦わされたのだ、軽く怒っていてそのせいで破壊の雰囲気を纏っていた。
それと食事は全く何も食べておらず、そのせいで一瞬で食料の山を消した。
まぁそのお陰でどうにか馴染めたのだが......