木場きゅんに憑依した俺は皆に勘違いされながらも生きていく   作:暁紅

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何か、前回の話が四ヶ月前と知り自分で驚きました。

遅れてしまった事を謝罪いたします、すいません許してください!!何でもしますから!


愛とは何ものよりも強い

 

「クソ!」

「随分と苛立っている様子ですね」

「最悪だよ。こちらは既に切り札を切っていると言うのに、君は随分と余裕のようだからねッ─」

 

ヤマタノオロチを容易く倒した曹操ですら、彼女─ジブリールに有効な打撃を与えられていない。

 

先程から繰り返されているのは魔力で作られた鎌と槍のぶつかり合いだ。

 

極光なる白銀神槍(ポースロンヒ・ロンギヌス・アルギュロス)は、その使用上神をその身に降ろし続けなければ行けなく、長く使用し続ければそれだけ肉体への不可は増していく。

 

使用時間は三十分を超えている。もし、ゲオルグ達が居れば是が非でも止めなければいけないほどの危険領域。

 

例えこの戦いに勝ったとしても、もう曹操は普通に生活すら出来なくなる可能性がある。

 

だとしても、なのだとしても。

 

「俺達を救ってくれた真の英雄を助けられなくてどうする!なんの為に力をつけた!他人を守るため?違うだろ、護りたいもの守るためだァァァァ!!」

「その考え方嫌いじゃありませんよ」

 

槍に全神経・全魔力を集中させて穿つ。

 

絶対的絶命のさなかジブリールは依然としてその表情を崩すことは無い。

 

手に持っていた鎌を消失させ、指先を向かってくる曹操にのみ向ける。

 

「天撃」

 

その一撃は惑星一つを破壊するのに十分すぎる威力を誇る。

 

海は蒸発し、山は消し飛び、生命は消失する。現代最強の平気核兵器すら足元に及ばない最強の攻撃。

 

無論人間に向ければどうなるかなど考えるまでもない。

 

指先から放たれる雷が近づく度に肌が焦げていく。少しでも触れようものなら一瞬で溶けることだろう。

 

「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁあ゛!」

「無駄です。人間の身である貴方ではそれを止めることは」

「できないか。だろうな...だがな、それではい諦めますとはいかないんだよ。英雄とはどんな困難にですら、勇敢に立ち向かわなければいけない。そう教えられたんだ!!」

「全くその通りだ」

「だな」

 

天から声が聞こえ上を見上げるとそこには二天龍がいた。

 

背中に身体より大きい翼を羽ばたかせ『Divide』『Boost』の両方の音声が高らかに響く。

 

そして、緑の輝は最果てへと至りその全てがヴァーリへと受け渡される。

 

「二天龍は結託し新たな力を得たそれこそが」

「「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

二人の声の重なりに答えるように籠手の輝きは増しその空間全てを照らす。

 

雷に触れると初めからそれが無かったように掻き消える。アルビオンの力半減が反応し続け、背中から緑色の粒子が大量に分泌されている。

 

それが意味をするのはジブリールの最強の一撃を防いだのだった。

 

「なるほど。貴方達に手加減をしているわけにいかないと言うことですか......いいでしょう。全身全霊をかけて貴方─劣等種を淘汰しましょう」

 

ジブリールは押さえ込んでいた力を全て解放する。

 

天使ミカエルは最強の人口天使を作り上げようとし、天翼種(フリューゲル)を作ったがその際に一体だけ例外を作った。

 

他の者達のモデルは自分や他の熾天使だが、それは違う。

 

モデルにしようとしたのは地上最強の人外【無限の龍神オーフィス】と【夢幻を司るグレートレッド】だ。

 

当たり前だかその力を目にした事はない。彼らが力を振るう時こそ、世界の終焉の時だからだ。

 

それでも一切情報が無いわけでなく、信徒やコネを使い数々の情報を手に入れとある情報を手に入れた。

 

二人に最も近い存在、永遠を生きる蛇だ。

 

ギルガメッシュ叙事詩に登場した、不死の薬を最後の最後にかすめ取った蛇がその力を蓄え続け、凶悪な力を手にしていると。

 

ミカエルはその話をすぐに信じ蛇を求め旅立つ。結果として五日五晩戦闘を繰り返しなんとか捕縛し、それを例外としたそいつに埋め込んだ。

 

そいつはコード00と名づけられ将来的にジブリールと呼ばれる事になる。

 

「まだ上があるのか」

「そうみたいだな、早く祐斗の所にいきたいんだけどな」

「仕方あるまい。どうせあいつは倒さなければいけない相手だ、今やるか後でやるかの違いだけだ」

 

意気込みはよし。圧倒的な力を見せつけられても脳裏に諦めの言葉は浮かばない。

 

逆にやってやると気合いがましたに過ぎない。

 

人間にしては中々と敵を認めたジブリールは背後にいくつもの門を開く。

 

門は水滴を垂らした水のような波紋状で、それがいくつもの展開されていく。総数百、その全てから先程の天撃と同等の魔力を肌で感じる。

 

「では始めましょうか、最終決戦とやらを」

 

チャージが完了しいつでも放てる場面でジブリールは右手を上げ、下に下ろす──寸前に地を揺るがす大きな爆発が背後で発生する。

 

空を飛ぶジブリールですら、その異様な波動を感じ振り向く。

 

「そんな...結界が破壊された?ありえない、まさかっ!」

 

一誠が誰にも邪魔されず存分に戦えるようにと張った結界は、現状の一誠では破壊できないであろう耐久性にしていた。

 

だからこそ一誠では結界を破壊する事は不可能であり、必然的に相対者たる木場祐斗が破壊した線が濃厚になる。

 

となると、一誠は負けた...そう考えるといてもたっても居られず、すぐに翼を開いて空へ舞い上がり現場へと向かう。

 

「ちょっ」

 

曹操の引き止める声も虚しく一瞬で加速しその姿を神速へと至らせ移動する。

 

敵が突然いなくなった三人は互いに顔を見合わせ、とりあえず着いていこうとアイコンタクトを取って背中を追う。

 


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