木場きゅんに憑依した俺は皆に勘違いされながらも生きていく   作:暁紅

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ハイスクールd×dHERO結構原作絵に近くなりましたね。正直前の方が良かったですけど、多分なれると思うのでおっけーです。

問題は男で一番好きなキャラの曹操の声優が誰かとかですかね。放送を楽しみに待ちます。


聖剣はビームこそ至高。他の能力などいらない

差し出されたエクスカリバー達を眺めるが、殆ど寝て生活していた祐斗には残念ながら大量の知識がない。

 

なのでその道のプロを呼ぶため今どき旧式のガラケーを起動させる。本当はスマホがいいのだが(曹操)が持たせてくれない。何故だ。

 

一週間だけ持たせてくれた事もあったのだが禍の団(カオス・ブリゲード)の資金の半分程度で課金したら怒られ、今はキッズケータイにまで落とされた。せっかく高レアを当てたに没収されるとは...

 

おっと話が脱線した。電話をかけ呼び出したのは二人の男だ。

 

「ホントですか!エクスカリバーがあると言うのは!!」

「アーサー少し黙れ。老体に大声が響く」

 

電話してから二秒。部屋の空間が突然裂けゲートのような物になり、そこから出てきたのは神父服に身を包んだバルパーと、聖剣大好き少年になってしまったアーサーだ。

 

アーサーは目の前に転がる六つの聖剣を見つけると、子供が玩具を見つけたように笑いだし飛びついて一人じゃれあい始める。

 

「これがエクスカリバー...やはり聖剣ビームの時代。余分な能力など邪道。ビーム...ビームこそが至高。だと言うのになぜこんな無駄な能力が...くっミカエルめ......」

「こいつはいつもこうなのか?」

「まぁはい」

 

コカビエルも名前だけは聞いた事があった。アーサーの名はそれだけ有名で、剣の実力もかなり高い。

 

今は戦闘狂では無くなってしまったが、名前を聞いた時は血が少しだけ滾った。なので出会えるのを楽しみにしていたのだが、まさかの残念な性格に驚きを隠せない。

 

ひとまずアーサーの持ってきた『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』によりこの場に七つ全ての聖剣が揃った。

 

「一応話は聞いた。となればこれらを統合させねばならない。だが、分かれても元は最強と名高いエクスカリバー。並大抵の魔力では結合できん」

「魔力ならオーフィスが」

「ダメだ。エクスカリバーを結合させるには星の魔力を使わねばならない」

 

エクスカリバーは言うなれば星の力。星の聖剣。それを結合出来るのは星のみだと言っていい。

 

オーフィスは確かに無限に近い有限な魔力を持ってはいるが、龍の魔力なども含めてであり純魔力とは言い難い。

 

なので星の魔力『地脈』を使う他に無いのだが、この地球上に流れる三つの巨大な『地脈』は三種族に分けられている。

 

天使と堕天使は警備がかなり高く、確実に突破は出来ない。そも堕天使は今回のこの件コカビエルの独断にしたいので大きな協力が出来ない。

 

「この事を踏まえれば可能性があるのはここだな」

「駒王学園ですか?」

「そうだ」

 

バルパーは取り出した駒王街の地図にある駒王学園を呼び指した。

 

駒王学園の下には巨大な『地脈』が通っていて、それを魔王の妹達が管理しているのだが天使と比べかなり警備が薄い。

 

魔王の妹達は正直言って曹操一人だけでも倒せる上に、魔王達もおいそれと来れる場所でもない。

 

実に今回の作戦にはもってこいの場所である。

 

「なるほど...術式は出来ているのか?」

「まだだ、五日間くれれば作れる」

「分かった。それではそれまでの間自由行動だな」

 

話はまとまり今日から五日間後に作戦を結構することになる。コカビエルは立ち上がると頭にバンダナを巻き、リュックサックを背負って眼鏡をかけスキップしながら秋葉原へと出かけていく。

 

部屋に残った五人はアーサーにエクスカリバーの管理を任せ、バルパーは空いてる部屋に籠り術式の開発を始める。

 

 

 

「ふむ...後もう数箇所回るぞ」

「流石に疲れてきたぜバルパーの旦那」

「同じく」

 

フリードとバルパーと祐斗はこの地にある教会を行き来していた。

 

理由としては教会が大なり小なり『地脈』を吸っているので、それを断ち切り完全な状態で術式を稼働させるためだ。

 

朝から始めたこの作業は日もくれかけ夕方に差し掛かっている。さっさと終わらせて帰りたいが後二件ほど残っているらしい。

 

今いる教会も断ち切った時、結界を強引に破った感覚が身体に走る。

 

断ち切るさいは念の為人払いの結界と認識阻害の結界を同時に張っているのだが、それが今破られた。

 

フリードは名も無い剣を抜き。バルパーは拳を構え。祐斗は仮面とシルクハットを付け姿を隠す。

 

着替えに手間取り突撃してくる数秒前に着替え終わり、教会の扉が吹き飛ばされ宙を舞う。

 

「フリードぉぉぉぉぉ!!」

「俺っちかよ!」

 

あらかじめ強化してスピードとパワーが上がった状態で、一瞬で距離を詰めた一誠の拳を構えていた剣で受け流すが、所詮は名も無き剣。受けたダメージに耐えられずに粉々に砕け散る。

 

だが伊達に死線を潜り抜けてはいない。砕け散り柄だけになった剣を、一誠の顔目がて投擲する。

 

一誠はいくら悪魔になったとは言え元は人間。顔に何か飛んでくれば手で防ぐと同時に目を瞑る。その瞬間を狙いフリードは距離を取り、今度は祐斗からちゃんとした剣を受け取る。

 

「お早い到着のようでリアス・グレモリーとその他の者達」

「ええ、まだ貴方がここにいるとは思いもしなかったわ。けど、あったが最後ここで倒させてもらうわね」

「フフフ...なら弓はやめた方がいい。当たりはしない」

 

リアスは作戦が見抜かれた事に驚き顔の筋肉が一瞬引き締まる。

 

見抜かれた。何故なぜ。いくら頭で考えても答えが出ない。何せ弓で狙撃しようとしている悠里の周りには、認識阻害の結界が張られているのだ。

 

自分が作った中でも最高傑作と堂々胸を張って言える代物だったのだが、まさかこんなすぐにバレるとは思っても見なかった。

 

だがいちいちこんな事で動揺していては周りに不安が広がってしまうので、すぐに切り替え悠理をこの場に転移させる。

 

「蛭子影胤ぇぇ!!お前はなんだァァ!!!」

 

悠理は神器を弐之型『龍』鎖鎌へと弓から形を変え投擲する。

 

鎖は影胤を一周するようによう囲み、そのまま圧迫するように小さくなっていく。影胤は最強のバリア斥力フィールドを発動させるが、鎖は飛び散らずにどんどん小さくなっていく。

 

これこそ悠理が考えた作戦だった。第一に発動させないため長距離からの認識外狙撃。これはバレ不発に終わり、接近戦をなった時の対処法鎖鎌により締めつけを行った。

 

未だどんな原理でバリアを張っているか分かってはいないが、分からないなら分からないなりに対策を立て、反発しないように締め付ければいいと至った。

 

案外この考えは有効で今の通りバリア事締め上げる事が出来ている。

 

しかし、この作戦もすぐに失敗に終わった。

 

「呀!」

 

バルパーは自身の最も得意とする八極拳を使い鎖鎌を強打する。たちまち鎖鎌は斥力フィールドから離れ悠理の元へ戻っていく。

 

鎖鎌をキャッチした悠理はすぐに形を壱之型『牙』薙刀へと変形させ、刃を影胤達に向け構える。

 

その構えは素人感は否めないが殺しす分には申し分ない構えである。

 

と、悠理に意識を向けていると隣のフリードが大声をあげる。

 

「おや?ゼノヴィアちゃん?おひさー」

「やはり貴様かフリード・セルゼン」

 

ゼノヴィアと呼ばれた少女は手に持つデュランダルの握る力を上げる。実はこの二人には少しばかり因縁があった。

 

出身した場所は違えど一時期。ほんの一時期だけ一緒に活動した事があった。あの時はフリードと考えが近く悪魔は何がなんでも殺す考えだったが、悪魔の返り血を浴び、真っ赤に染まっていくフリードを見てその考えをやめ、ある程度会話をするようにした。フリードを危険だと教会上層部に訴え捕えさせたのもゼノヴィアに他ならない。

 

因縁と言うには弱いかもしれないが二人にとっては因縁そのものだ。

 

「どうします旦那?」

「ここですべき事は終わった。ひとまず逃げるとしよう」

「あいさ!そなばいにゃら!」

 

フリードは地面に閃光弾を投げ視界を真っ白に染め上げる。三人はすぐに後ろを振り向いたので被害は殆どないが、リアス・グレモリー達は避けることすら儘ならない。二人を除いて。

 

ゼノヴィアは持ち前の戦闘経験から咄嗟に危険物だと察知し、前方にデュランダルを翳し視界を覆う。

 

悠理は0.6秒で全ての型に変形ができる才能を持っていたので、すぐに大鋏へと変形させ視界を隠す。

 

この事で二人は閃光弾により視界を奪われる事無く追いかける事ができた。

 

「「待て!!」」

 

閃光弾の炸裂音により耳が痛い中、リアス達が聞けたのはこの言葉だけだった。

 

 

 

二人は一応協力関係ではあるが内心は納得していない。悪魔と人間。教会の人間と教会の被害者。決して交わることの無い二人が今肩を並べ高速戦闘をしている。

 

前を高速で移動する三人のうち影胤のみを狙って斬りかかったり、投擲したりするが全ていなされる。

 

周りにいる一般人には旋風程度にしか認識出来ず、近くを通っていた一般人はズボンが微かに破けたり切り傷が出来たりしている。

 

段々森へ入り足場が悪くなっていくが、それでも転移させないように攻撃の手を緩める事はしない。

 

そして、森の開けた場所で三人の足が止まる。そうなれば追跡していた二人の足も止まる。

 

直径数十メートルの円状に木々が一切なく、隠れる場所や怪しい場所も一切ない。戦闘するにはおあつらえ向きの場所だった。

 

到着するとバルパーが腰に手を当て仰け反り身体を解してから地面に座り込む。

 

「老体には少し辛すぎるぞ」

「とバルパーの旦那が申してるぜ?」

「ならば休むといい。ククッ、フリードデュランダル使いを頼む」

「イエッサ!」

 

影胤は一歩一歩ゆっくり前へ進む。悠理は一番得意な薙刀に変形させ震える手で刃を向ける。

 

それを見た影胤からは笑い声が漏れる。

 

「お前は誰なんだ!!なんで、なんで私の事を」

「まだ分からないか...ならば......こうすれば分かるかな?琴音ちゃん」

 

声をバレないように変声させていた仮面を外し、少しだけ恥ずかしかったタキシードを脱ぎ捨てる。

 

琴音は持っていた神器『綱金暗器《金》』を地面に落とし自分の目を疑う。

 

なにせ目の前には、自分を生かすために命を落とした最愛の人がいたのだから。嘘だと叫びたい脳とは裏腹に、心で彼が本物のイザイヤなのだと感じる。

 

「うそ...なんで......生きて...」

「ごめんね。迎えが遅くなっちゃって、でももう安心していいよ」

 

涙を溢れさせる琴音をそっと胸に抱き寄せる。これでようやく家族全員が揃ったのだ。

 


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