木場きゅんに憑依した俺は皆に勘違いされながらも生きていく   作:暁紅

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死の天使降臨

 

進まねぇぇてか戦闘が早く終わりすぎ?

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木場と曹操と虞淵は気配を完全消しながらイタリアの某所にいる。

 

「ここだな」

「ごめんね、本当なら僕だけが行くべきなのに」

「気にするな俺達は家族だからな。それにイザイヤの話が本当なら、ぜひとも挨拶をしなくちゃな父さん(バルパー)にな」

 

 あの後すぐにバルパーの事を説明すると、最初は信じられないといった顔をしていたが、必死に木場が説得して納得させた。

 

 そこで虞淵が感謝の礼をしようと居場所を特定するために、神器『未来を見通す魔水晶(フューチャー・オブ・クリスタル)』を起動させると、ある寂れた教会を差し不思議に思い焔が調査に行くと、監禁されているのが発覚し救出に赴いている。

 

 明らかに神器所持者が多いのだが、これはバルパーがいけないそうバルパーが………

 

 

 すぐ目と鼻の先に来ると余りの静けさに疑問を抱く。

 

「警備がいない?」

「怪しいな……」

 

 怪しみながらもドアを開けようとすると、突然ドアが開き中から1人の女が出てくる。

 

 その女性の背中には5対5の天使の翼が生えている。そのことから女の正体が分かり急いでその場から後ずさる。

 

「天使だと!!!」

「そうよ。残念だけど今更気づいたところで遅いわよ」

 

 天使が指を鳴らすと100個にも及ぶ光の槍が3人を襲う。3人は余りにも突然の事により回避が間に合わず、身体中に突き刺さり血が溢れ心臓が停止する。

 

 それを見届けた女は一度ため息をはくと

 

「はぁ……いつまでこの茶番を見せるのかしら?」

 

 天使の翼を広げ魔力を放つと、光の屈折で姿を隠していた3人が現れる。

 

「まさか破られるとはな」

「それほど強力な敵なようだな、気をつけろよイザイヤ」

「イザイヤ……なるほど復讐ですか。私的には通したいのですが、クソエルの命令がありますので通せません」

 

 クソエル?………まさかミカエル?いやいやいやいや、さすがにそれは

 

「クソエルとは誰だ?」

「無論あのミカエルですよ」

 

 ミカエルだった!!!一体何したのさ。さすがにクソは……てかそれよりも

 

「僕たちは復讐で来たのではありませんよ、天使様」

「天使様はやめなさい。私は所詮最も堕天使に近い天使、サリエルが私に名付けられた名前です同胞さん」

 

 サリエルの目は不可思議な色を放ちながら、イザイヤに語り掛ける。

 

「分かりますか……」

「私と同種のようで違う、あなた何者?」

「さぁ、僕も分かりませんよ」

 

 木場は禁手を使い堕天使の翼を出すと、手元に干将・莫耶を造り構えると、2人を後ろに隠す。

 

 2人は自然に堕天使の翼を出したことに驚き、開いた口が塞がらない。

 

「そっそれは……」

「後でね。2人には露払いをして欲しいかな」

 

 木場の声と同時に教会の中から武装した神父達がぞろぞろ出てくる。神父達のその服装と相まって、失礼だと思うがゴキブリに見える。

 

 2人は後で絶対に聞くぞと、念押しすると神父達に突撃する。

 

 2人の活躍により2人っきりになり、互いに見合う。

 

「どうして分かったんですか?」

「この眼ですね」

 

 サリエルの眼は魔眼の元祖であり、見つめるだけで相手の命を奪ってしまうほど強力だ。

 

 それを聖書の神ヤハウェが封印を施して不幸のどん底にいたサリエルを救い、絶対の忠誠を神に誓った。

 

 だが過去に起きた三種族を巻き込んだ大戦により神は死んだ。神の死によりそのの封印が少し解け、相手の身動きを少しの間止めたり、相手の正体を看破するぐらいできる。

 

 今はその神の代理をミカエルがしているが、大戦時に湖から聖剣エクスカリバー強奪したり、人間を改造したりしたのでミカエルに心から忠誠していないが、神に仕えるのが仕事なので渋々従っている。

 

「それじゃあ始めましょう……戦争を」

「僕はしたくないけど………拳で語るなら付き合いますよ」

 

 夢の中で練習していた事を試し翼を使って空に浮かび上がる。

 

 ううぅ……高いとこ怖!!!死ぬうぅぅぅ!!!降りたいけど地面から、剣投げても当たらんし………おぇゲロ吐きそう。

 

 紅茶が出てきそうなのを必死に我慢しながら、夫婦剣を投擲する。

 

 夫婦剣の独特な動きに対処しづらく、かすり傷をおう。

 

「なるほど……ですが見切りました」

 

 その言葉通り回転している剣の柄の部分を掴み逆に2本投擲する。

 

 それを木場はサリエルと同じように柄の部分を掴む。

 

 この少しの攻防だけで互いに理解した、奥の手を隠してる暇はない。

 

投影開始(トレース・オン)

「この身は(ヤハウェ)のために」

 

 サリエルは眼の封印を限定的に解放する。赤い瞳が青に変化し木場の身体中に線が見える。

 

 その線は死の線と呼ばれる物で、その線通りになぞれば一部を除いて不死の生き物であっても、完璧に殺すことができる。

 

 死の線をなぞるために木場に接近する。

 

 どういこと?なぜ笑っている?

 

 木場は握っていた何かをまく。

 

 見えない?違う!!小さすぎるのよ!!!

 

 とっさに手で前を覆うが、それは悪手だ。

 

 木場が造りだしたのは、眼で認識できないサイズの干将・莫耶を大量に作った。

 

 だが普通ならそのサイズでは人間一人傷つけられない、そこをとある能力付与した。

 

 『次元切断(ディメンジョン・スラッシャー)』例え高位の存在であっても、その次元ごと切る正真正銘のチート能力だ。そんな代物を素手で防ごうとしたサリエルは

 

「なっ!!!」

「終わりです」

 

 翼を6個切り離され、右腕と左足も切られ地面にそのまま落下する。

 

 残っていた羽を使いひっくり返り、近づいてくる木場に声をかける。

 

「とどめを……さすので……すね………」

「違いますよ」

 

 サリエルの近くに剣を刺すと、サリエルを包み込むように結界が張られ、切られた腕と足がくっつく。

 

「何を……」

「あなたは死んではダメだ。偽善と言われれば否定はできない……けど死んではダメだと思ったそれだけです」

 

 サリエルはその姿に自分を助けた神と重なり、自然と涙があふれる。

 

 ヤハウェ私は罪な天使です……彼に新たに仕えたいとおもってしまいました。

 

 ───いいのですよ。サリエル。あなたはそれで

 

 ヤハウェ!!なんで……そうか……黄昏の聖槍…

 

 ───良く頑張りました……あなたを私の枷から解放します。

 

 ヤハウェによってかけられた封印がとけ、その瞳は瞳本来の緑に戻る。最後の力を使ったのか、だんだんと声が消えていく。

 

 ───す・・・て・・ん・・

 

 

 そうですね……私の好きにしていんですね。まったく……あなたという人は………

 

 サリエルは眠るように意識を失う。

 

 


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