フランスへのレイシフトは次回になります。
ナンバーズ7 第一特異点へ!グランドオーダー開始!
遊馬とアストラルがカルデアに来てから数日が経過した。
すぐにでも特異点に突入しようと思ったが、爆破と火災で機能が大幅にダウンしたカルデアの復旧が最優先に行われ、カルデアの職員達が寝る間も惜しんで復旧を急いでいる。
遊馬も復旧を率先して手伝い、ガガガマジシャンを始めとするモンスター達を召喚して一緒に瓦礫撤去や荷物運びを行っていた。
復旧がある程度完了するとダ・ヴィンチが遊馬達を集めて英霊を召喚するための部屋に向かった。
ダ・ヴィンチは遊馬から預かった5枚のカードを返した。
そのカードは特異点『F』で手に入れたサーヴァントのモンスターエクシーズのカード。
契約して真の能力が覚醒したマシュ、契約したが真名と能力が不明なキャスター、戦闘したサーヴァントを倒した後に現れたメドゥーサ、アーチャー、そして、アーサー王のカード。
このカード……『フェイトナンバーズ』を解析して、遊馬達の話を聞いて色々なことが分かった。
・遊馬が出会ったサーヴァントと握手を交わすことで契約が結ばれ、フェイトナンバーズのカードが誕生する。
・契約したカードの真名と能力が判明する条件は様々だが、一番有効なのはマスターである遊馬とサーヴァントの間に絆が結ばれた時に覚醒する。
・契約したサーヴァントの右手の甲に現れる刻印の数字はアストラルが持つオリジナルのナンバーズと相性が良いか、何らかの関係性を持つものである。
・敵サーヴァントはナンバーズ、もしくはフェイトナンバーズで傷を与え、倒すことで消滅後にその欠片から白紙のフェイトナンバーズカードが誕生する。
・フェイトナンバーズは英霊召喚の触媒の代用として活用でき、守護英霊召喚システム・フェイトを使えば触媒元となった英霊を高確率で召喚できる可能性が高い。
・フェイトナンバーズの効果は英霊の能力や宝具、そして番号に対応したオリジナルのナンバーズの効果を元に強力な効果が反映される。
・フェイトナンバーズはサーヴァント時の強力な能力や宝具を自由に使用できないが、その代わり遊馬の繰り出す他のモンスターの効果付与、魔法と罠の効果を受けることが出来る。
「という訳だから、遊馬君。早速マシュ以外のフェイトナンバーズの英霊をこの聖晶石を使って呼び出して!」
聖晶石とは英霊を召喚するのに必要な特別な星の形をした石でそれをダ・ヴィンチから受け取った遊馬はとりあえず召喚サークルに4枚のフェイトナンバーズのカードを置いた。
「えっと……この石を砕けば良いのか?」
「ええ。力を込めれば砕けますので」
「よし、それじゃあやるか!」
聖晶石を手の中で砕き、ばら撒くようにフェイトナンバーズの上に振りかける。
すると、召喚が始まり、爆発的な魔力が集束して、英霊召喚システムとカルデアの電力が唸りを上げてまばゆい光を放った。
遊馬達がまばゆい光に目を閉じてゆっくり開くと四つの声が静かに響いた。
「問おう、あなたが私のマスターか?」
「まさかこんなにも早く君に呼ばれるとはね」
「早速約束を果たせそうですね、ユウマ」
「よぅ、早速呼んでくれて嬉しいぜ、マスター」
それは闇から解き放たれたアーサー王、アーチャー、メドゥーサ、そして共に戦ったキャスターだった。
「アーサー王、アーチャー、メドゥーサ、キャスター……!」
「おう、マスター!今度はちゃんとランサー枠で呼び出してくれて嬉しいぜ!」
キャスター……否、ランサーの手には赤い槍があり、嬉しそうに遊馬の髪をくしゃくしゃにした。
「へへっ、キャスターは槍があればって嘆いてたからな」
「……キャスター、一ついいか?」
アストラルはランサーの隣に立ち、召喚サークルの近くを指差しながら尋ねた。
「あ?何だよ?」
「あれは君の杖じゃないか?」
「はぁ?何言ってんだ?ここにゲイ・ボルグがあるのに杖なんか……」
ランサーがチラッと自分が召喚された場所を見るとそこには特異点『F』で使っていた杖が転がっていた。
「……何でだぁあああああっ!!?何でゲイ・ボルグがあるのにここに杖があるんだよぉっ!!?」
愛槍と共に召喚されてテンションが上がったランサーだが、何故か杖も一緒に召喚されて頭を抱えて絶叫した。
「おーい、キャスター?」
「あの男は放っておけ、少年」
「アーチャー!」
嘆いているランサーを無視し、アーチャーとメドゥーサとアーサー王は遊馬の前に立つ。
「さて、私とセイバーとライダーは一度は君の敵として立ち塞がったが、こうして君の召喚に応えた」
「色々思うところはあると思いますが、私達はあなたの味方です」
「私達はあなたと共に戦います、未来を守るために」
三人は遊馬と共に戦うことを約束し、遊馬は嬉しそうに笑顔を見せた。
「おう!一緒に戦ってくれ!俺たちは仲間だぜ!」
「では早速、遊馬と握手をするんだ。それで契約が完了する」
「「「握手?」」」
三人はアストラルの言葉に疑問符を浮かべたが、ダ・ヴィンチが詳しく説明をするとすぐに納得し、遊馬と握手をする。
すると、三人はすぐに体が光となって白紙のカードに入り込み、キャスターも杖を担ぎながらついでに自分もカードに入り込んだ。
そして、四人がカードから出ると右手の甲に刻印が刻まれ、早くも四枚のカードが覚醒した。
アーサー王のフェイトナンバーズは特異点の時とは異なる金色に光り輝くエクスカリバーを天に掲げた姿が描かれていた。
真名は『FNo.39 円卓の騎士王 アルトリア』。
アルトリアとはアーサー王の幼名にして本当の名前で遊馬は綺麗な名前だなと言うとアルトリアはありがとうと返事した。
アーチャーのフェイトナンバーズは干将・莫耶を持ち、背景には巨大な歯車と夕焼けの荒野に突き刺さる無数の剣が描かれていた。
真名は『FNo.59 無限の剣 エミヤ』。
エミヤはアーチャーの真名で遊馬は日本人みたいな苗字だなと呟くとエミヤはビクッと体が震えた。
ランサーは特異点の時に契約した時とは絵と同じで、槍と杖を構え、青タイツのような衣装と魔法使いのフードを合わせたような姿が描かれていた。
真名は『FNo.7 光の魔槍術士 クー・フーリン』。
クー・フーリンとは遊馬にはあまり馴染みがないがアイルランドの有名な英雄で魔槍の使い手である。
メドゥーサのフェイトナンバーズは短剣と鎖を持ち、綺麗なペガサスに跨って天を駆ける姿が描かれていた。
真名は『FNo.44 天馬の女神 メドゥーサ』。
天馬……ペガサスはメドゥーサが死後に流れた血から産まれたのでメドゥーサにとっては天馬は自分の子供同然の存在である。
意外にも四枚のフェイトナンバーズはすぐに覚醒して真名と効果が判明した。
これは特異点『F』の戦いで遊馬の未来と仲間を守るために戦うと言う強い思いが四人のサーヴァントが共に戦いたいと強く願ったのだ。
有名な伝説や神話の登場人物であるアーサー王とクー・フーリンとメドゥーサが一気に来たことでカルデアにも活気が出て来た。
ちなみに自称、無銘の英雄であるエミヤだが彼はカルデアで人気者だった。
何故なら……。
「もぐもぐもぐ!うんめぇ!エミヤ、おかわり!!」
「シロウ!こちらもおかわりです!」
「はいはい、分かったから落ち着いて食べるんだぞ」
エミヤの作る料理がとても美味しいからである。
英霊の召喚後に空腹から遊馬の腹の虫が鳴り、食堂で食事をしようとして料理を作ると名乗り出たのがエミヤだった。
エミヤは見事な手際で次々と料理を作っていき、その料理は家庭的だがとても美味しかった。
直ぐに食堂の料理長に抜擢され、カルデアのオカンみたいな感じが早くも定着している。
ちなみに今一番食べているのは成長期である遊馬と意外にもアルトリアだった。
アルトリアは食いしん坊で、その当時の料理が美味しくないと言う事もあって美味しそうに食べている。
そして、エミヤを何故か『シロウ』と親しく呼ぶアルトリアはどうやら以前から繋がりがあるようだが遊馬とアストラルは個人的な事なのでまだ聞かないことにした。
遊馬とアストラルは自室で休みも兼ねて新たに手に入れた四枚のフェイトナンバーズを元に次の特異点に向けてデッキ構築を始める。
デュエリストは常に自分にとっての最強のデッキを作るためにデッキ構築を怠らない。
特にこれからの特異点は冬木の時より激しい戦いになることは必至、そこでアストラルは新たなカードを取り出した。
「遊馬、君にこれを」
しかも数枚ではなく大量のカードの山だった。
「これって……えっ!?このカード達は!?」
そのカードの山は遊馬のカードではなかった。
一枚一枚見ていくと種族や属性やカテゴリー、多種様々なモンスターと魔法と罠のカードだった。
そしてそのカード達を遊馬はよく知っていた。
「そう……シャークやカイト、君のたくさんの仲間達から預かったものだ。君の力になれるように」
それは元の世界にいる遊馬と絆を結んだたくさんの仲間達から預かったカードだった。
中にはその仲間達の持つ強力なエースモンスターも入っており、カードを触れるたびに遊馬はその想いが伝わってくる。
「みんな、ありがとう……よっしゃあ!アストラル、早速これで最強のデッキを作るぜ!」
「ああ!」
遊馬とアストラルは今後戦うであろう歴史に名を残す多くの英霊、そして人理焼却を企てたレフとその背後にいる黒幕と戦うために仲間達の力を結集させた最強デッキを構築する。
そして、数日後……遂に第一特異点に向かう日となった。
管制室には既にマシュ達が準備を終えており、支度が少し遅れた遊馬とアストラルは最後に到着となった。
するとダ・ヴィンチは遊馬にあるものを渡した。
「はい、遊馬君。ダ・ヴィンチちゃんの特別改造完了したよ♪」
「おっ!来た来た!サンキュー、ダ・ヴィンチちゃん!」
それは遊馬のD・パッドとD・ゲイザーで特異点に向かうための改造をダ・ヴィンチが行なっていた。
異世界の技術に興奮したダ・ヴィンチはD・パッドとD・ゲイザーのシステムをそのままに改造するのが色々楽しくなっていき、最終的にはダ・ヴィンチの持つ天才的な技術をふんだんにこれでもかと言わんばかりに詰め込んでしまい、以前よりも格段にグレードアップしてしまった。
D・パッドにはデュエルディスク状態で遊馬がアーチャーの剣を受け止めたことを知り、更に頑丈になるよう、マシュの盾に近い強度の特殊なコーティングを施した。
更に特異点で役に立つ世界中の歴史や文化、そして数多の英霊に関する神話や伝承などの膨大なデータベースがダウンロードされている。
D・ゲイザーには特異点先とカルデアを繋ぐ通信機能、敵サーヴァントとの戦いや今後の作戦のための超高画質な録画機能、遠くを拡大して見ることができる赤外線望遠鏡機能など……どうやって加えたのか不明だがかなりの機能が追加された。
「マシュにも遊馬君と同じ形のD・ゲイザーだよ!」
「はい!ありがとうございます、ダ・ヴィンチちゃん!」
ダ・ヴィンチはD・ゲイザーを複製して遊馬のと同じ機能を加えたものをマシュに与えた。
形は遊馬のと同じで色は女の子で可愛らしくピンク色に塗られていた。
マシュはD・ゲイザーを展開して左目にセットする。
「遊馬君、どうですか?」
「似合ってるぜ。じゃあ俺もセットだ!」
遊馬もD・ゲイザーを左目にセットし、すぐに戦闘が始まる事も考えてD・パッドをデュエルディスクに展開して左手首に装着する。
今回レイシフトで向かうのは遊馬とアストラルとマシュ、そして同行するサーヴァントはアルトリアとエミヤである。
アルトリアとエミヤは対英霊戦の強力な戦力とマスターである遊馬の護衛として同行する。
何故クー・フーリンとメドゥーサが同行しないのかと言うと、カルデアの守護の為に残したからだ。
カルデアは人類の未来を守る最後の砦であり、最後の希望でもある。
カルデア崩壊の危機を起こした犯人であるレフが再び現れて更なる大打撃を与え、オルガマリーを今度こそ抹殺しようとする可能性がある。
そこでクー・フーリンとメドゥーサの二人を残して侵入者撃退することをアストラルが提案し、オルガマリーはそれを了承して二人に頼んだ。
クー・フーリンはせっかくゲイ・ボルグで暴れようと思っていたので少々不機嫌になり、対するメドゥーサはすぐに頷いて了承してくれた。
「よっしゃあ!これで準備オッケーだぜ!」
「いよいよ過去の世界を巡るのか……その時代にいる英霊との嘗てない激しい戦いが始まるな……」
「何があろうともこの盾にかけて遊馬君を守ります」
「未来を守るためとはいえ、聖杯を探す旅に出るとは少し不思議な感じです」
「もっとも、私達の時のように闇に囚われたサーヴァントと戦うことになるだろう。楽な旅ではないがな」
遊馬達の準備が整い、いよいよ第一特異点へのレイシフトを開始する。
遊馬はマシュとアルトリアとエミヤの二人をナンバーズカードの中に入れてデッキケースに収め、アストラルを皇の鍵の中に入れて遊馬一人でコフィンの中に入る。
遊馬が目を閉じるとコフィンの中で体が分解されていく感覚が走る。
普通なら慣れなくて嫌な気分になるが、遊馬は似たような経験を何度もしたことがあるので特にそう言ったものはなかった。
遊馬の体が光に包まれるとコフィンの中から消えて第一特異点へとレイシフトした。
人類救済の戦い……遊馬とアストラルとマシュのグランドオーダーが始まるのだった。
そしてそこで、炎に焼かれ、再臨した聖女と復讐の炎を宿す魔女と出会うことになるのだった。
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遊馬のデッキがどんどん魔改造されていきます。
特にカイトとシャークのカードを入れたらもう……前に個人的に銀河眼とシャークカードを入れた三勇士デッキを作ったことがあるので思いつきました。
意外に動けるんですよね(笑)
一応設定としてはセイバーたちはSNの時の記憶ありです。
セイバーはアーチャー(士郎)が大好きでもはや嫁ですな(笑)
基本この二人はセットとなります。
そして次回は大人気キャラのジャンヌちゃんの登場です。