Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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お待たせしました、ぐだぐだ本能寺始まりです!
書きたいとずっと思っていたので書けて嬉しいです。
さあ、ギャグパートの始まりです!




ぐだぐだ本能寺
ナンバーズ32 カルデア異常事態発生!人斬りと魔王とナマモノ!?


「あー、死ぬかと思ったぜ……」

 

「久々に死を覚悟してしまったぞ……」

 

遊馬とエミヤはグッタリした様子で廊下を歩いていた。

 

嫉妬心に駆られた小鳥、レティシア、清姫、アルトリアの四人によって遊馬とエミヤはトレーニングルームで激闘……ではなく、ほとんど乙女達による一方的な攻撃を受けていた。

 

遊馬とエミヤは攻撃出来ないので必死に防御に徹したが……最後には小鳥が遊馬の、アルトリアがエミヤの頭にそれぞれフライパンと約束された勝利の剣を叩き込んで撃沈させた。

 

撃沈した遊馬とエミヤに落ち着いた小鳥達はこれで勘弁してあげるという事でひとまず制裁は終了となった。

 

「ちくしょう。小鳥の奴、いつの間にあんなに強くなったんだよ……」

 

「もしかしたら、カルデアで待機しているサーヴァントから何かを教わっていたかもしれないな……」

 

「マジかよ……」

 

小鳥は素直な性格で人当たりも良いのでカルデアにいるサーヴァントから何か武術を教わっている可能性が高い。

 

「エミヤ、女の子を怒らせると恐いな……」

 

「そうだな……女の子は怖いぞ。それは生前でも英霊になっても変わらぬ答えだな」

 

遊馬とエミヤは苦い表情を浮かべながら大きなため息を吐いた。

 

遊馬はローマの戦いなどでかなり疲れたのでサーヴァント召喚は後日に行うことになり、ひとまず疲れを癒すために食堂で食事を取ろうとした。

 

その時だった。

 

ブォオオオン!ブォオオオン!!

 

突如、カルデア内全域に警報が鳴り響いた。

 

「け、警報!?」

 

「何が起きたんだ!?マスター、警戒して私から離れるな!」

 

「あ、ああ!すぐに所長たちと連絡を取る!」

 

遊馬はD・ゲイザーを取り出してオルガマリーたちと連絡を取る。

 

「所長!何が起きたんだ!?」

 

『遊馬、カルデアに侵入者よ!ダ・ヴィンチによると別位相から直接侵入してきたみたい。レフみたいな悪魔の反応はないらしいけど、第一級警戒体制を敷いてるわ。急いでカルデア内のサーヴァントたちと合流して侵入者を排除して。やり方は任せるわ!』

 

「了解!」

 

遊馬は通信を切るとすぐにD・ゲイザーとD・パッドを展開して左目と左腕に装着する。

 

すると……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「ノブノブー!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如現れたのは体長数十センチの人型?と思われる軍服を着た妙に可愛い謎の生き物……否、ナマモノだった。

 

「な、なんだあれ!!?」

 

「あんな意味不明な生物……見たことも聞いたこともないぞ。デュエルモンスターズでもあそこまでふざけた存在は……ああ、結構いるな」

 

「いるんじゃん!?」

 

「サーヴァント……ではないな、マスター構えろ!あの見た目に反してかなり力はあるようだ!」

 

エミヤは干将・莫耶を出して構え、遊馬はデッキからカードをドローする。

 

「「「ノッブー!!」」」

 

謎のナマモノは一斉に攻撃を仕掛けてきた。

 

「そこまでです!」

 

「「「ノブッ!?」」」

 

凛とした声が響くと、ナマモノは顔を真っ青にした。

 

そこに現れたのはアルトリアやジャンヌと面影が似ているピンクの着物を着た和服美人の少女だった。

 

少女は見事な波紋を描いた刀を構えており、その刀を見たエミヤは目を疑った。

 

「むっ!?あの刀……まさか……!?」

 

「初めまして、私は新選……じゃない、えーと……そうですね、桜セイバーとでも呼んでください」

 

真名を伏せるためか、自ら桜セイバーと名乗る少女はサーヴァントだった。

 

「桜セイバー?」

 

「はい、実は私はあの謎の生き物を追ってこちらの世界に現界したのですが……」

 

「まてまて人斬り!わしを置いていくではないわ!」

 

そこにもう一人のサーヴァントが現れた。

 

妙に謎のナマモノとよく似た軍服に赤いマントを羽織った少女だった。

 

「誰だお前?」

 

「ん?わしか、わしは第六天魔王ことノブ……じゃない、魔人、そう魔人アーチャーじゃ!!」

 

「「第六天魔王……?」」

 

魔人アーチャーの第六天魔王と言う名前に日本人である遊馬とエミヤはとてつもなく心当たりがあった。

 

「「「ノ、ノブー!?」」」

 

ナマモノは桜セイバーと魔人アーチャーの登場に恐れをなしたのかその場から撤退した。

 

深追いは禁物でひとまずは放っておき、遊馬とアストラルとエミヤは二人を警戒しながら話し合う。

 

「アストラル、エミヤ。俺、魔人アーチャーの真名分かったぜ」

 

「私もだ。桜セイバーは恐らく日本人だが、真名は分からないな……」

 

「心配無用だ、マスター、アストラル。桜セイバーの真名は分かったぞ」

 

「ええっ!?」

 

「何ぃっ!?」

 

桜セイバーと魔人アーチャーの真名があっさり判明してしまい、驚愕する。

 

まずはじめにエミヤが桜セイバーの真名を判明させる。

 

「桜セイバー。君が持っている刀は名刀、加州清光……その刀を使う者は歴史上二人いる。そして、君のその格好からして考えられる存在はただ一人……」

 

探偵ばりにビシッと桜セイバーを指差してその真名を看破する。

 

「幕末最強の剣客集団……新選組一番隊組長、沖田総司!」

 

沖田総司。

 

日本の江戸時代後期の幕末、京都の治安を守るために結成された最強の剣客集団と恐れられ、天才剣士と謳われた武士である。

 

「ゴハァッ!?バ、バレてしまいました!??」

 

桜セイバーは真名を看破されたショックを受けると同時に口から大量の血が出てきて吐血してしまい、その場に崩れ落ちてしまう。

 

「うわぁあああっ!?く、口から血が!?そ、そう言えば沖田総司さんは肺に病を抱えてていたんだ、大丈夫か沖田さん!!?」

 

遊馬は慌てて桜セイバー……沖田に駆け寄り、背中をさすってあげた。

 

「は、はい……ありがとうございます。吐血は私のスキルのようなものなので。

 

「スキル!?吐血がスキルなのか!??」

 

「と、ところで、何で私の刀の銘が分かったんですか!?」

 

「私には刀や剣を解析する力がある。それでその刀の銘、そして使い手を知ることができる」

 

「な、なんと……そのような力があなたにあるとは……」

 

沖田は加州清光を見つめながら呟き、次に遊馬がエミヤに習って魔人アーチャーの真名を看破する。

 

「そして、魔人アーチャー!お前の正体もわかったぜ!」

 

「何と!?わしの真名もか!?」

 

「おうよ!日本の戦国時代の風雲児、戦国天下統一の三英傑の一人……織田信長!」

 

織田信長。

 

戦国大名で天下統一の志半ばで倒れてしまったが、その破天荒な生き様は日本で一番人気で有名な存在と言っても過言ではない。

 

「ぬぉおおおおおっ!?何故じゃ、何故バレたのだ!?」

 

「自分のことを第六天魔王と言う英霊なんて……日本の歴史上、織田信長しかいないんだよ!」

 

「確かにな……むしろ日本人である私達に対して第六天魔王と名乗った時点で真名をバラしているようなものだが」

 

「しっかし、沖田総司と織田信長が女の子だったとはなぁ……」

 

「ふっ……その気持ち、私にも理解できるぞ。アルトリアと出会って、彼女の正体を知った時は特にな……」

 

遊馬とエミヤが知る史実では沖田総司と織田信長は男のはずだが、何故か女である。

 

だが、アルトリアとネロの件で既に男だろうが女だろうがそんなことは既に些細なことである。

 

すると遊馬はナマモノと信長が似ていることに気づいた。

 

「ところで、このノブノブ言う奴ら……織田信長に似てね?」

 

「確かに……デフォルメ、と言うのか?そんな感じだが……」

 

「織田信長……君の力が隣にいる沖田総司よりも力がかなり低い。何か隠しているな……?」

 

「ギクッ!?」

 

信長はビクッと体が震え、体中から冷や汗をかいて目線を必死に逸らしていた。

 

見るからに絶対に何かを隠している様子で遊馬達は信長を問いただそうとしたその時。

 

「ユウマ!エミヤ!」

 

そこにエプロンを着用したマルタが焦った様子で走ってきた。

 

「マルタ?」

 

「どうしたのだ?」

 

「そ、それが……アルトリアが大変なの!」

 

「アルトリアに何かあったのか!?」

 

なんだかんだでアルトリアのことが大切なエミヤは血相を変え、マルタは静かに何があったか話した。

 

「アルトリアが……頭のアホ毛を抜いて……」

 

「……はぁ?アホ毛……?」

 

「アルトリアの頭にある、あのピョンとした毛のことか……と言うか、あれは抜けるのか?」

 

アホ毛を抜いて何になるんだと首を傾げる遊馬とアストラルだが、それに反してエミヤは顔が真っ青となり、ガタガタと体が震えて冷や汗をかいていた。

 

「ア、アルトリアが、アホ毛を抜いた、だと……!!?」

 

「エミヤ、どうしたんだよ?」

 

震えるエミヤの口から衝撃の事実が判明する。

 

「アルトリアは……頭のアホ毛を抜くと黒化……オルタナティブになってしてしまうのだ!!」

 

「く、黒化?」

 

「オルタナティブ……?別の存在という事か?」

 

「最初の特異点の時に君達が出会ったアルトリアの黒い姿になってしまうのだ!マルタ、何故アルトリアがアホ毛を抜いたんだ!?一体何があった!?」

 

「奇妙な生き物が食堂に押し寄せて、私が作った料理を全て食べてしまって……」

 

「まさか……怒りのあまりアホ毛を……」

 

「ええ……」

 

マルタは家庭料理を作るのが得意で、アルトリアはエミヤに制裁を下した後にお腹が減って食堂に向かい、そこでマルタの料理をたらふく食べようとした。

 

しかし、そこにナマモノ軍団が現れて料理とを全て食べられてしまい……。

 

「あっ、あぁ……せっかくマルタが作ってくれた料理が……うわぁあああああっ!!ふんっ!!」

 

怒りが大爆発して自らアホ毛を抜き、漆黒の闇を纏うと一瞬で黒化してしまった。

 

「それで、アルトリアは……?」

 

「今、他のサーヴァントに命令を下してあの生き物をトレーニングルームに追い込む作戦を決行しています……」

 

「くっ!どうしたらいいんだ、一度黒化したアルトリアはなかなか元に戻らないと言うのに……」

 

黒化したアルトリアをどう戻そうと考えるエミヤだが、そこに悍ましい声が響いた。

 

「シロウ……ここにいたのか」

 

ビクッ!?

 

エミヤが恐る恐る振り向くとそこには清楚な雰囲気から一変し、漆黒の闇を纏ったかのような姿をしたオルタナティブと成り果てたアルトリア。

 

通称……『アルトリア・オルタ』が静かに現れた。

 

「ア、アルトリア……」

 

「何を呆けておる。早くあのナマモノを全てトレーニングルームに追い込んで捕らえるぞ。マスターも力を貸せ」

 

「しょ、承知した……」

 

「お、おう……分かったぜ」

 

今のアルトリア・オルタには逆らわない方がいい……そう察した遊馬とエミヤは大人しく従った。

 

アルトリア・オルタは沖田と信長を見ると問答無用で来させる。

 

「誰だか知らんが、貴様らも来い」

 

「「は、はいっ!」」

 

二人もアルトリア・オルタに大人しく従い、トレーニングルームに向かった。

 

トレーニングルームにはカルデアの全サーヴァントやオルガマリーたちが集まっており、その中心には……。

 

「「「ノ、ノブゥ……」」」

 

捕縛されて涙目で震えているナマモノたちがいた。

 

まだ数は少ないが歴史や物語で名を残す一騎当千のサーヴァントや化け物じみた宝具の前では戦闘力が意外に高いナマモノたちでも勝てるわけがなく、カルデア内から根こそぎ集められた。

 

「さて……このナマモノをどう裁いてくれようか……」

 

漆黒に染まった約束された勝利の剣を構えるアルトリアにマスターである遊馬が待ったをかけた。

 

「まあ、待て待て。とりあえずこいつらが何なのか判明してからでも処遇は遅くはないだろ?な、所長」

 

「そうね。それで……沖田総司と織田信長、だっけ?あなた達、知っていることを全て話しなさい。下手に隠していると黒化した騎士王様に消されるわよ……」

 

オルガマリーのそれはただの脅しではなく、本当に今のアルトリア・オルタがやりかねないので二人を助ける意味でも自白を促す。

 

「じ、実は……」

 

「待て人斬り!あっさり話すのか!?」

 

「うるさいですよ!元はと言えば、あなたの所為なんですから!」

 

「沖田さん、信長の所為ってどういう事なんだ?」

 

「実は……」

 

沖田は静かにこれまでの経緯を説明した。

 

沖田と信長がいる世界はカルデアのあるこの世界や、遊馬たちの住む人間界とは異なる別の世界であり、そこで聖杯戦争が行われていた。

 

しかし、本来願望機である聖杯だが、願望機としての力がない事を信長が見抜いた。

 

そこで信長が超兵器として帝都聖杯に火薬を詰めて爆弾にしようとした結果、聖杯が暴走してしまった。

 

挙げ句の果てに再構成中の聖杯に信長が落ちてしまい、殆どの力が失われて同時に大量のナマモノが発生してしまった。

 

そして、それにより二人がいた世界とカルデアが繋がってしまい、ナマモノが流れ込んでしまったのだ。

 

つまり、此度の事件の元凶は織田信長によるものだった。

 

「聖杯に火薬を詰めて爆弾だと……!?」

 

聖杯を爆弾にすると言う誰も考えないような暴挙に出た信長にエミヤは体から怒気が溢れていた。

 

「な、何じゃ……エミヤ、と言ったか?何故怒って……」

 

「聖杯を爆弾にするとは何やらかしているんだこの大馬鹿者がっ!!!」

 

ゴチィン!!!

 

エミヤは信長を拳骨で頭を思いっきり殴り、信長の頭に大きなたんこぶができた。

 

「プギャア!?な、何をするのじゃ!??」

 

「織田信長!貴様、聖杯が危険なものだと知りながら何故そんな事をした!?下手したら大勢の人間が犠牲になると言うことがわからんのか!!?」

 

「いや、これは日本を救うために……」

 

「そんなものが起爆したら救うどころか、日本が吹き飛ぶだろ!?どんだけうつけなのだ貴様は!!?馬鹿はやはり馬鹿なのか!?」

 

「いくらなんでも酷くないか!??」

 

なんだかんだで優しいエミヤが珍しく怒っていることに周りはとても驚いていたが、アルトリア・オルタは納得したように頷いた。

 

「当然だな……」

 

エミヤの過去を知っているからこそ、オルタになってもアルトリアのエミヤを想う気持ちは変わらないのである。

 

「さて……この愚者をどう裁くか本人に選ばせよう。おい、ノッブ。この趣味の悪い串刺しの拷問器具か、歴史のある首を切断する処刑道具か、私の聖剣……好きな死に方を選ばせてやる」

 

カーミラのアイアンメイデン、シャルルのギロチン、そしてアルトリア・オルタの約束された勝利の剣を見せて信長……ノッブに死に方を選ばせる。

 

「待てぇい!?何じゃその悍ましく禍々しい道具は!?そんなものを使われたら儂が死ぬじゃろ!?」

 

「ノッブ……さようなら、あなたとのバカバカしい思い出は忘れません……多分」

 

「多分って何じゃ多分って!?人斬り、儂を助ける気ゼロか!?」

 

「だって、今回の騒動の元凶はあなたじゃないですか。私は尻拭いを手伝ってあげただけなんですから。あの、騎士王様、私は……助かりますか?もしダメなら……せめて武士らしく切腹させてください」

 

「ふん、良いだろう。貴様は特別に許してやろう」

 

潔い沖田は特に馬鹿な事をしてないのでアルトリア・オルタは何のお咎めも無く許してあげた。

 

「やったー!騎士王様ありがとう!邪魔なノッブも消えるから、沖田さん大勝利!」

 

「おのれ人斬りぃいいいいいっ!!呪ってやる、地獄から……いや、英霊の座から貴様を呪ってやるぅうううううっ!!!」

 

ノッブの呪いをこめた叫びがトレーニングルームに木霊する。

 

ノッブの絶体絶命の危機に苦笑いを浮かべながら遊馬が手を差し伸べる。

 

「まあまあ、落ち着けってアルトリア。料理ならまたマルタやエミヤが作ってくれるって」

 

「確かにそうだが……分かった。シロウ、私はハンバーガーとプリンが食べたい。そうしたら勘弁してやる」

 

「分かった……君のために作ってやるか」

 

ひとまずアルトリア・オルタは好物の料理をエミヤが作ってくれるので引き下がってくれた。

 

遊馬はアストラルやオルガマリーたちと話し合い、ノッブとナマモノの処遇を決めた。

 

「じゃあ、信長が……ノッブで良いか。あんたは今回の責任を取ってこの異変を解決するために全力を尽くすこと。もちろん俺たちも手伝うからさ」

 

「わ、わかった……こうなったのも儂が原因じゃしな」

 

「それで……こいつらは何て呼べば良いんだ?」

 

「「「ノ、ノブ?」」」

 

帝都聖杯とノッブによって生まれた謎のナマモノ……特に固有の名前がないので何と呼べば良いか悩む。

 

そこにすっかり嫉妬の怒りが収まった小鳥が名前の提案した。

 

「ねえ、遊馬。この子たち、小さい信長さんでノブノブ言うから……『ちびノブ』で良いんじゃない?」

 

「ちびノブか……うん、良いな。じゃあこいつらの名前は今からちびノブだ!」

 

「「「ノブ!?」」」

 

謎のナマモノこと、命名『ちびノブ』。

 

そして、このちびノブ達の処遇をカルデア所長のオルガマリーが言い渡す。

 

「さて、ちびノブ達。あなた達の行為はカルデアに対する侵略行為と捉えました。本来なら厳しい処罰を下すところですが、あなた達は完全なる悪ではない……そこで!」

 

ビシッとちびノブ達を指差しながらオルガマリーは堂々と宣言した。

 

「あなた達をカルデアの雑用係に任命します!」

 

「「「ノ、ノノブー?」」」

 

「簡単に言えばカルデアの仕事の手伝い、掃除洗濯、大勢のサーヴァントのお世話、その他諸々……後は、レイシフトをして貰って食材の確保ね。あなた達、力があるし、戦闘力が高いから楽勝でしょう?あー、でも別に断っても良いわよ?その代わり……あなた達に食べ物を食べられた怨みがある騎士王様に消されるけどね」

 

「「「ノブゥー!!?」」」

 

オルガマリーのエゲツない宣告にちびノブ達は衝撃を受けた。

 

つまり、奴隷……とまではいかないが、こき使われるかアルトリア・オルタに消されるか……生か死か、まさにデッドオアアライブの選択だった。

 

「まあ、働きに応じて休みなどの待遇も考えますし、食料が十分集まればあなた達にも料理を提供しますから」

 

オルガマリーも鬼ではないのでちびノブ達の待遇もしっかり考えていた。

 

ちびノブ達は考えた。

 

このまま消されてしまうよりここで働いた方が良いのではないかと?

 

サーヴァント達のマスターである遊馬は優しそうだし、それに何だか楽しそうな職場なので退屈せずに済みそうだ。

 

「「「ノブノブゥ〜!!」」」

 

ちびノブ達は遊馬達の前でひれ伏し、カルデアで働く意思を見せた。

 

「あはは。よろしくな、ちびノブ」

 

「「「ノッブノブ!」」」

 

手を差し伸べた遊馬にちびノブ達は手を握ると目の前に一枚のカードが現れた。

 

「何だこれ?フェイトナンバーズ……じゃないな。ノーマルモンスター?」

 

「ちびノブのモンスターカードか。まさかちびノブ達のカードが出るとは。さて、ステータスは……」

 

「えっと、地属性、レベル4、戦士族。攻撃力2000、守備力1800……って何だこのステータスは!??レベル4なのに高すぎだろ!??」

 

デュエルモンスターズのレベル4の最高攻撃力は2400で最高守備力は2700。

 

しかし、効果モンスターならデメリット効果が内蔵しているのがほとんど。

 

逆にノーマルモンスターなら攻撃力と守備力に大きな偏りが出る。

 

攻撃力が高ければ守備力は極端に低くなり、逆に守備力が高ければ攻撃力が0になる事もある。

 

そんな中、ちびノブのステータスはまさに破格といっても過言ではない。

 

「ちびノブ、お前らすげえな!」

 

「「「ノッブノブー!」」」

 

褒められたちびノブ達は喜び、少しずつカルデアに馴染み始めた。

 

遊馬はちびノブのカードをデッキに入れ、立ち上がった。

 

「さて!この異変を解決しに行くか!所長、レイシフト先は定まったのか?」

 

「ええ。今回の異変の特異点のレイシフト先の座標は既に見つけたからいつでも行けるわ」

 

「おっしゃあ!それじゃあ、沖田さん!ノッブ!この異変を解決しに行こうぜ!!」

 

「はい!私たちも同行します!もちろんノッブも来ますよね?」

 

「も、もちろんじゃ!儂等の問題じゃからの!それに……断ったら儂の命が風前のともし火じゃ……」

 

アルトリア・オルタの目がギラリと輝いており、ノッブはガクガクと震えながら頷いた。

 

こうして遊馬達は異変を解決するために沖田とノッブと共に新たな世界へレイシフトする。

 

しかし……その世界は今までのレイシフトした特異点とは異なり、とてつもなく残念な世界となっていた。

 

遊馬達はまだローマでの激しい戦いの疲れが癒えていないので一刻も早い解決に挑むのだった。

 

 

 

.




ギャグ全開で書きました。
ギャグは書いてて楽しいです。
アルトリア・オルタはアルトリアがアホ毛を抜いて覚醒しました。
これはホロウやカニファンなどで思いつきました(笑)

あまり話は長めにしないので3話ぐらいで終わらせようと思います。
戦闘シーンはラストバトルぐらいだと思います。

そして、ちびノブのカードのステータスはこれです。
ちびノブ
通常モンスター
レベル4/地属性/戦士族/攻2000/守1800
帝都聖杯を爆弾にしようとした織田信長が落ちてしまい、その際に誕生した正体不明のナマモノ。
可愛い見た目に反して戦闘力が非常に高い。

ノーマルカード最強モンスターです(笑)
ネタとしてどうかなと思って出しました。
これがどう使えるか今後に期待してください!

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