ぶっちゃけ、リアルに相手にしたくないほど強いです(笑)
遊戯がかつて対峙した敵のモンスター『アンドロ・スフィンクス』と『スフィンクス・テーレイア』。
遊戯の邪魔をさせない為にマシュ達が先に動いて闇のカードから生まれた無数のモンスター達の相手をする。
過去からの敵との決着をつける為に遊戯は全力でデュエルをする。
「オレのターン、ドロー!まずは永続魔法『切り裂かれし闇』を発動!更に手札の『マジシャンズ・ソウルズ』の効果!デッキからレベル6以上の魔法使い族を墓地に送り、効果を発動する。デッキから『ブラック・マジシャン』を墓地に送る」
遊戯のフィールドに青白く輝くブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガールの魂と呼ぶべきモンスターが現れる。
「そして、マジシャンズ・ソウルズの二つの効果の一つ、このカードを墓地へ送り、自分の墓地から『ブラック・マジシャン』か『ブラック・マジシャン・ガール』を特殊召喚出来る!現れよ!『ブラック・マジシャン』!!」
二人の魂が消え、代わりに魔法陣が展開されて『ブラック・マジシャン』がフィールドに現れる。
「この瞬間『切り裂かれし闇』の効果発動!1ターンに1度、自分がトークン以外の通常モンスターの召喚・特殊召喚に成功した場合にデッキから1枚ドローする!」
ブラック・マジシャンは通常モンスターなので最初に発動させた永続魔法の効果により遊戯はデッキからカードをドローする。
ドローしたカードを見て遊戯は不敵の笑みを浮かべると、カードから翡翠色の閃光が放たれる。
「力を借りるぜ、デュエルモンスターズ界を守護する伝説の竜!その一つの力よ!魔法カード『ティマイオスの眼』を発動!」
発動した魔法カードから勢い良く飛び出して現れたのは翡翠のように美しい眼と鱗を持つ西洋竜だった。
「何だあのカードは!?魔法カードからドラゴンが出てきた!?」
「ティマイオス……聞いたことがある。遥か昔に人間界とデュエルモンスターズ界を守護する為に戦った三体の伝説の竜がいたと……!」
ティマイオス。
それは太古の昔から語られるデュエルモンスターズ界を守護した伝説の竜の内の一体である。
「自分フィールドの『ブラック・マジシャン』モンスターを対象として発動!そのモンスターを融合素材として墓地へ送り、そのカード名が融合素材として記されている融合モンスターを呼び出す!」
ブラック・マジシャンは高くジャンプし、ティマイオスも高く飛んで一つに重なり、聖なる光を放つ。
「黒き魔術師と伝説の竜よ、その力を一つに合わせ、闇の世界に光を導く!融合召喚!現れろ!『竜騎士ブラック・マジシャン』!」
ブラック・マジシャンは魔術師から剣と盾を持つ騎士となり、ティマイオスの背中に乗って遊戯の前に降り立つ。
ティマイオスから放たれる力の波動はアストラルの持つ上位クラスのナンバーズに匹敵する力を感じられた。
「カードを3枚伏せてターンエンドだ!」
初手から遊戯は強力な『ブラック・マジシャン』の融合モンスターを展開し、『アンドロ・スフィンクス』と『スフィンクス・テーレイア』が一斉に襲いかかって来る。
「『竜騎士ブラック・マジシャン』を対象に永続罠オープン!『ディメンション・ガーディアン』!このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、そのモンスターは戦闘・効果では破壊されない!そして『竜騎士ブラック・マジシャン』がフィールドにいる限り、オレのフィールドの魔法・罠カードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない!」
『竜騎士ブラック・マジシャン』は『ディメンション・ガーディアン』の力を受けて自身を守るバリアを展開してモンスター達の攻撃を防いで弾き返した。
魔法・罠を守る『竜騎士ブラック・マジシャン』とモンスターを守る『ディメンション・ガーディアン』の互いを守る相互効果によって鉄壁の布陣を作り上げた。
「更に永続罠オープン!『永遠の魂』!!」
遊戯の背後に砂地の中から巨大な長方形の石板が現れた。
そこには魔術師……ブラック・マジシャンの姿が描かれており、それは古代エジプトに存在していたデュエルモンスターズの古の石板である。
「これはマハード……ブラック・マジシャンの石版だ!その効果で1ターンに1度、手札・墓地からブラック・マジシャンを特殊召喚する!墓地から蘇れ、ブラック・マジシャン!この瞬間、再び『切り裂かれし闇』の効果で1枚ドロー!」
墓地から再びブラック・マジシャンが現れて『竜騎士ブラック・マジシャン』の隣に立ち、遊戯はデッキからカードを引き、そこから遊戯のターンに回る。
「オレのターン、ドロー!魔法カード『融合』を発動!フィールドの『ブラック・マジシャン』と手札の『魔道騎士ガイア』を融合!」
遊戯が発動したのは複数のモンスターを合体させて新たなモンスターを召喚させる魔法カード『融合』。
「黒き魔術師と天地を駆ける騎士よ!天地を穿つ漆黒の槍となれ!融合召喚!」
フィールドにいる『ブラック・マジシャン』と遊戯が今引いた二つの馬上槍を携えて勇ましい馬に跨る暗黒騎士……『魔道騎士ガイア』と融合して一つに交わる。
「現れろ!『超魔導騎士 - ブラック・キャバルリー』!!」
現れたのは『ブラック・マジシャン』が暗黒騎士の力の証である漆黒の鎧を身に纏い、馬上槍を携え、暗黒騎士の馬に跨った『超魔導騎士』。
「『ブラック・キャバルリー』の効果で攻撃力がフィールド・墓地の魔法・罠の数×100アップする!」
遊戯は魔法と罠のカードを多用するので、魔法と罠を使えば使うほど『ブラック・キャバルリー』の力が高まっていく。
強力な2体の騎士が並び立つが、遊戯の展開はまだ終わらない。
「罠カード『
遊戯は更なる融合モンスターを展開する為のカードを既に用意していた。
「オレが選ぶのは『超魔導剣士 - ブラック・パラディン』!そして、ブラック・パラディンの融合素材モンスターの『バスター・ブレイダー』をデッキから手札に加え、墓地の『融合』を回収する!」
遊戯はデッキから対ドラゴン族最強クラスのモンスターである『竜破壊の剣士』の異名を持つ『バスター・ブレイダー』と墓地の『融合』を手札に加える。
「『永遠の魂』の効果!墓地から『ブラック・マジシャン』を再び特殊召喚する!『切り裂かれし闇』の効果で1枚ドロー!そして、フィールドの『ブラック・マジシャン』と手札の『バスター・ブレイダー』を『融合』!」
墓地から『ブラック・マジシャン』を復活させ、融合召喚の準備を整えてこのターン二回目の融合を行う。
「黒き魔術師と竜破壊の剣士よ、竜を切り裂く剣を以て数多の闇を切り裂け!融合召喚!」
『ブラック・マジシャン』と『バスター・ブレイダー』が一つに交わり、数多のドラゴンを切り裂く遊戯が操る最初の『超魔導』が現れる。
「現れろ!『超魔導剣士 - ブラック・パラディン』!!」
現れたのは『ブラック・マジシャン』が『バスター・ブレイダー』の『竜破壊』の力を受け継ぎ、魔術師の杖と竜を切り裂く剣が融合した長柄武器のグレイブを持つ『超魔導剣士』。
「ブラック・パラディン!バトルシティ決勝トーナメントで遊戯さんが海馬社長とのデュエルで出した切り札!」
遊馬は昔見たデュエルの動画で出ていた遊戯の切り札でもあるブラック・パラディンの登場にテンションが上がりまくっていた。
「まだまだ行くぜ!魔法カード『
これだけでは終わらず、遊戯は『融合』と『ブラック・マジシャン』を墓地から回収していき、更なる『超魔導』を呼び出す為のカードは先程『切り裂かれし闇』の効果でドローしたカードを使う。
「魔法カード『儀式の下準備』!デッキから儀式魔法カード1枚を選び、更にその儀式魔法カードにカード名が記された儀式モンスター1体を自分のデッキ・墓地から選び、そのカード2枚を手札に加える。オレは儀式魔法『カオスの儀式』と『カオス・ソルジャー』をデッキから手札に加える!!」
「カ、カオス・ソルジャー!?」
「デュエルモンスターズ界に名高い伝説の最強戦士……!?」
「そして……『融合』!手札の『ブラック・マジシャン』と『カオス・ソルジャー』を手札融合!!」
『カオス・ソルジャー』は儀式モンスター最高クラスの攻撃力を持ち、伝説の最強戦士と謳われるモンスターである。
「黒き魔術師と混沌の最強戦士よ!混沌を制す者となり、我に勝利を齎せ!融合召喚!!」
怒涛の三回目の融合で『ブラック・マジシャン』と光と闇の混沌の力を操る最強戦士『カオス・ソルジャー』が現れて一つに交わる。
「現れろ!『超魔導戦士 - マスター・オブ・カオス』!!」
現れたのは『ブラック・マジシャン』が『カオス・ソルジャー』の光と闇の混沌の力を宿した剣と盾、そして鎧を装着した『超魔導戦士』。
「すげぇ……!ブラック・マジシャンを素材とした融合モンスターを一気に3体も召喚するなんて……!」
「融合召喚……エクシーズ召喚とは異なる性質を持つからこそ出来る技術。そして、何よりも遊戯さんの持つタクティクスは素晴らしい……!」
遊馬とアストラルは三連続融合召喚を行なった遊戯の手腕に驚愕と興奮を抱いていた。
強力な融合モンスター達が召喚され、それを見計らってマシュ達は下がった。
そして……遊戯は召喚した4体の融合モンスターで一斉攻撃を行う。
「行け!『竜騎士ブラック・マジシャン』!ブラック・ドラゴン・ストライク!!」
『竜騎士ブラック・マジシャン』は剣からビームを放ち、ティマイオスが口からドラゴンブレスを放つ。
「『ブラック・キャバルリー』!超魔導螺旋撃!!」
『超魔導騎士 - ブラック・キャバルリー』は馬を疾走させてスピードを乗せながら馬上槍を突くと螺旋状のエネルギーが放たれる。
「『ブラック・パラディン』!超魔導無影斬!!」
『超魔導剣士 - ブラック・パラディン』はグレイブを振り下ろして魔力が込められた竜破壊の斬撃を放つ。
「『マスター・オブ・カオス』!超魔導混沌波!!」
『超魔導戦士 - マスター・オブ・カオス』は剣を振り下ろし、混沌の力を込めた斬撃を放つ。
融合モンスター4体の連続攻撃により大量の闇のモンスターが破壊され、『アンドロ・スフィンクス』と『スフィンクス・テーレイア』に大ダメージを与えていく。
そして……『アンドロ・スフィンクス』と『スフィンクス・テーレイア』は四連続攻撃に耐えられず、破壊された。
遊馬とアストラル達はこれで勝利したと思ったが遊戯は表情を変えずに警戒していた。
「まだだ……あの2体が破壊されたことで呼び出されるモンスターがいる……」
破壊された『アンドロ・スフィンクス』と『スフィンクス・テーレイア』の残骸がドロドロに溶けて混ざり合い、一つに合体して新たなモンスターが現れた。
それは『アンドロ・スフィンクス』と『スフィンクス・テーレイア』……2体のモンスターのパーツが合体したモンスター。
『スフィンクス・アンドロジュネス』。
『アンドロ・スフィンクス』と『スフィンクス・テーレイア』の真の姿で神に仕えし獣の長である。
すると、『スフィンクス・アンドロジュネス』の獅子の顔の額が歪むと中から屈強な男の上半身が現れた。
『ファラオ……闇のファラオォオオオオオ……!!!』
「アヌビス……冥界から蘇ったのか……!」
それは冥界の王であり、遊戯が倒した敵……アヌビス。
アヌビスは復讐心から遊戯に『スフィンクス・アンドロジュネス』を操って攻撃をしようとした……その時だった。
「──出ませい!」
上空に円形のゲートが現れると中から眉毛と目が書かれた大きな頭巾に足が生えた謎の生物が大量に現れて『スフィンクス・アンドロジュネス』を踏みつけてその場から消えた。
「あれはメジェド?と言うことは……」
メジェドとは、エジプト神話「死者の書」に描かれる神である。
そして、メジェドを呼び出したのは……。
「全く、騒ぎを聞きつけて駆けつけたら……何ですか?あのスフィンクスに似た化け物は……」
「ニトクリス!」
それはエジプト領から駆けつけてきたニトクリスだった。
ニトクリスがメジェドを召喚して攻撃をしたのだ。
「アテム、あのスフィンクスもどきの額にいる男は?」
「あいつはアヌビス。かつてオレが戦った世界を滅ぼそうとした破壊の王だ」
「アヌビス……?」
アヌビスの名前を聞いた瞬間、ニトクリスの雰囲気が一気に変わった。
「この私の前でアヌビスの名を語る不敬者がいるとは……愚かな」
遊戯とアヌビスの因縁については知らないが、ニトクリスにとってはアヌビスと名乗る不敬者に怒りが込み上げて魔力が迸る。
「アテム、皆の者、後ろに下がりなさい。私の宝具を使います。ファラオの敵対者を死へと導きます」
「ニトクリス……わかった」
アテムはニトクリスの意思を尊重して一旦下がり、遊馬達も従って後ろに急いで下がる。
ニトクリスは杖を構えて魔力を解放し、宝具を発動させる。
「屍の鏡。暗黒の鏡。扉となりて、恐怖を此処へ…… 」
ニトクリスの背後に青いゲートが現れ、そこからジャッカルの頭を持つ黒いアヌビス像が出現する。
「『
アヌビス像の頭上に現れた円形の大鏡からワニや蛇、人の髑髏に似た顔の青い霊体が大量に現れる。
無数の霊体が敵全体に襲い掛かり、霊体が敵をすり抜けると同時に死へと導き、次々と息絶えて倒れていく。
「キャアアアアア!?お、お化けがたくさんいるぅ……」
お化けが苦手なイリヤはニトクリスの宝具に完全にビビって美遊とクロエの後ろに隠れる。
ニトクリスの宝具で大量にいたモンスターが一気に倒されて全体の約半分にまで減らすことができた。
残りの半分も宝具で大ダメージを受けており、もはや虫の息である。
そして、アヌビスと『スフィンクス・アンドロジュネス』もニトクリスの宝具で大ダメージを受けて肉体が崩壊していく。
『グァアアアアアアッ!?ば、馬鹿な!?何故名もなきファラオ以外に冥界の力を操る者が!?』
ニトクリスは杖を掲げて堂々と真名を名乗り上げた。
「我が真名はニトクリス!天空の神ホルスの化身である!!」
『ニトクリスだと!?馬鹿な!?古の女王が何故、名もなきファラオと共に!?』
アヌビスは大昔の古代エジプトの女王が遊戯と共にいることに驚愕していた。
「アテム、後は任せます。決めなさい」
「ああ!アヌビスとの因縁を切り裂く!『永遠の魂』の効果!来い!『ブラック・マジシャン』!『切り裂かれし闇』の効果で1枚ドロー!!」
『ブラック・マジシャン』を復活させたことでモンスターフィールドが全て埋まり、遊戯は1枚ドローする。
「オレのターン、ドロー!来たぜ……最高のカードが!」
そして、遊戯のターン……これがラストターンになり、遊戯は最高のカードをドローした。
「魔法カード『真紅眼融合』!!!」
発動したのはただの『融合』ではなく、特殊な発動効果を持つ新たな『融合』カードである。
「自分の手札・デッキ・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、『レッドアイズ』モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を融合召喚する!」
本来ならば『融合』は自分のフィールド・手札のモンスターを融合素材にするが、『真紅眼融合』はデッキのモンスターも利用することが出来る。
「オレはフィールドの『ブラック・マジシャン』とデッキの『真紅眼の黒竜』を融合!」
遊馬とアストラルは『真紅眼の黒竜』と聞いて耳を疑うほど驚いた。
「今度はあの幻のレアカードの『真紅眼の黒竜』!?」
「真紅眼の黒竜……まさか、あれは遊戯さんの親友で伝説のデュエリストの一人である彼の……!?」
『ブラック・マジシャン』の隣に現れたのは漆黒のボディにルビーのように真っ赤な美しい双眸を持つ竜……デュエルモンスターズ界に名高い伝説のドラゴンである『真紅眼の黒竜』。
「力を貸してくれ、城之内君!」
遊戯の隣に童実野高校の制服を着用し、初期型デュエルディスクを左手首にセットした金髪の少年の幻影が一瞬だけ現れた。
城之内克也。
遊戯の親友で『真紅眼の黒竜』を操る伝説のデュエリスト。
「黒き魔術師と黒き竜よ!時空を越えた友との絆が究極の竜騎士を目覚めさせる!融合召喚!」
『ブラック・マジシャン』と『真紅眼の黒竜』が一つに交わり、最強の『超魔導』が降臨する。
「現れろ!『超魔導竜騎士 - ドラグーン・オブ・レッドアイズ』!!」
現れたのは『竜騎士ブラック・マジシャン』とは異なり、『ブラック・マジシャン』が巨大な鎧ととなった『真紅眼の黒竜』を装着し、手には『超魔導剣士 - ブラック・パラディン』とは異なる形の『真紅眼の黒竜』の素材で出来たグレイブが握られていた。
これこそ遊戯の『ブラック・マジシャン』と城之内の『真紅眼の黒竜』が融合した奇跡と夢の最強モンスターである。
「アヌビス、このカードで貴様の闇を全て切り裂いてやる!」
遊戯はアヌビスとの因縁と闇を切り裂くとっておきのカードを発動する。
「手札から魔法カード発動!『拡散する波動』!!」
『拡散する波動』は上級魔法使い族に使用できる魔法カード。
「オレのライフポイントを1000を払い、自分フィールドのレベル7以上の魔法使い族モンスター1体を対象として発動!このターン、そのモンスター以外のモンスターは攻撃できず、対象のモンスターは可能な限り相手モンスター全てに1回ずつ攻撃を行う!オレが選択するのは『超魔導竜騎士 - ドラグーン・オブ・レッドアイズ』!!」
遊戯は最強の『超魔導』である『超魔導竜騎士 - ドラグーン・オブ・レッドアイズ』を選択し、全てのモンスターを切り裂く力が与えられる。
「そして……『切り裂かれし闇』のもう一つの効果!通常モンスターを素材とした融合モンスターが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時にその自分のモンスターの攻撃力はターン終了時まで、その相手モンスターの攻撃力分アップする!」
『拡散する波動』に加えて『切り裂かれし闇』の効果で『超魔導竜騎士 - ドラグーン・オブ・レッドアイズ』は全てのモンスターを確実に戦闘破壊する力を得た。
「ドラグーン・オブ・レッドアイズの攻撃!!!」
遊戯は1000ポイントのライフポイントを支払い『超魔導竜騎士 - ドラグーン・オブ・レッドアイズ』が身に纏う『真紅眼の黒竜』の鎧の真紅の眼が光り輝き、グレイブに全魔力を込める。
「超魔導黒竜烈波斬!!!」
グレイブから膨大な漆黒の魔力が解き放たれ、無数の巨大な魔力の刃となり、全てのモンスターに狙いを定める。
数え切れないほどの魔力刃が瞬く間にモンスター達を切り裂いていく。
そして、『スフィンクス・アンドロジュネス』の巨体も切り裂かれていくが、額にいたアヌビスが魂の存在となって遊戯に襲いかかって来た。
『名もなきファラオォオオオオオ!!!』
「アヌビス……オレはもう名もなきファラオではない」
アヌビスの魔の手から遊戯を守る為に『超魔導竜騎士 - ドラグーン・オブ・レッドアイズ』が立ち塞がり、遊戯は堂々と名乗る。
「オレの名は……アテムだ!!!」
そして、『超魔導竜騎士 - ドラグーン・オブ・レッドアイズ』グレイブに再び魔力を込め、向かって来たアヌビスを真っ二つに叩っ斬った。
叩き斬られたアヌビスは断末魔の叫びを上げることなく消滅していく。
現れたモンスターを全て破壊し、その元凶である闇のカードは静かに消滅した。
「闇のカード……まさか、ゾークが動き始めたのか……?」
遊戯は突然現れた闇のカードに既にゾークが動き始めたのかと嫌な予感がした。
「遊戯さん!闇のカードもまだ他の場所にあるかもしれない!急がないと!」
「遊馬……そうだな。ニトクリス、さっき助かった。それと、後の事は頼む」
ニトクリスに礼と後の事を頼むと、ニトクリスは真剣な眼差しで遊戯に話しかけた。
「アテム。私はあなたから聞かされたゾークの話に半信半疑でした。しかし、あの化け物を見て、ようやく信じることが出来ました。今の私はこのエジプトを守ることしか出来ませんし、オジマンディアス王も動きません」
「ニトクリス……」
「行きなさい、アテム。ファラオとして、あなたの信じる道を進み、あなたの信念を貫きなさい!」
ニトクリスは手を貸すことは出来ないが、先輩ファラオとして遊戯の背中を押して見送る。
「ああ、行ってくる!」
遊戯はニトクリスの想いを受け取り、笑みを浮かべて戦いの旅へと歩み始めた。
「遊馬!」
「ああ!来い、かっとび遊馬号!」
遊馬は上空に待機しているかっとび遊馬号を呼び出し、全員を船内に入れて山の民のいる村へと出発する。
.
書いて見て思いました。
遊戯に現在あるOCGカードを使ったら酷いことになりましたね(笑)
永遠の魂と切り裂かれし魂のコンボは強すぎますね。
ドラグーンオブレッドアイズは禁止カードですがこの小説内では利用可能にしています。