Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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もうタイトルからしてテンションマックスになりますね!
この小説を見てくれる全てのデュエリストの皆さん、お待たせしました!
伝説にして最強のデュエリストが登場します!

ソロモン編の映画見て来ました!
立香とマシュとロマニの三人の物語としては最高の映画だと思います。
色々なサーヴァントが登場して個人的に大満足でした。


ナンバーズ178 伝説の決闘王

廃村に三蔵の後に突然やって来たのはブラック・マジシャン・ガールとクリボーだった。

 

イリヤはブラック・マジシャン・ガールとクリボーと再会出来て大喜びで抱きついた。

 

「ブラック・マジシャン・ガールさん!クリボー!また会えて嬉しいです!」

 

「はい!イリヤさん、元気そうで良かったです!」

 

「クリクリー!」

 

「ところで、どうしてこの世界に?」

 

「そうでした……遊馬さん!大切なお話があります!アストラルさんとマシュさん、それに……難民の皆さんの代表者と話の場を設けてくれますか?」

 

「分かった。少し待っててくれ」

 

ブラック・マジシャン・ガールの要望に遊馬は了承し、ブラック・マジシャン・ガールとクリボーを廃村に入れた。

 

難民達の代表者が来るまで何故サーヴァント達と争っていたのかその経緯を聞いた。

 

ブラック・マジシャン・ガールとクリボーはカース・オブ・ドラゴンに乗ってこの世界に来た遊馬達を探しに来た。

 

廃村を見つけて早速コンタクトを取ろうとしたが、大きな骨の竜の姿のカース・オブ・ドラゴンに敵だと判断してサーヴァント達が攻撃してきた。

 

カース・オブ・ドラゴンが破壊されてしまい、ブラック・マジシャン・ガールとクリボーは戦うつもりはなかったがやられる訳にはいかなかったので仕方なく戦闘になってしまった。

 

それを聞いて遊馬達は驚愕した。

 

ブラック・マジシャン・ガールとクリボーだけで廃村を守る為に周囲に配置していたサーヴァント達全員を相手にしていたのかと……。

 

流石はデュエルモンスターズの初期から戦い続けて来た伝説のモンスターだと感心する遊馬とアストラルだった。

 

「あ、そうだ。話すならこの格好じゃない方がいいよね」

 

ブラック・マジシャン・ガールは杖を軽く振って自分に光の粒子を掛けると、その姿が一瞬で変わった。

 

肌の色が褐色、髪の色が焦茶色となり、水色と桃色を基調とした魔法少女の衣装が白色の軽装な服装に変わった。

 

「ええっ!?ブラック・マジシャン・ガール、その格好は……!?」

 

「これが私の元々の姿、生前の姿ですよ」

 

「エジプト人と言っていたが、まさにその通りだな……」

 

ブラック・マジシャン・ガールは生前に古代エジプトの王家に仕える魔術師兼神官と言っていたのでその言葉が真実だと実感した瞬間だった。

 

「この姿の時はマナって呼んでくださいね!」

 

マナ。

 

それがブラック・マジシャン・ガールの真名である。

 

ブラック・マジシャン・ガール改め、マナの要望で廃村の一軒を借りて遊馬とアストラルとマシュ、それと難民達の中から代表者として村長や長老達が集まり、早速マナが話を進めていく。

 

「私はマナ。この砂漠において最も栄えた理想の国。『光輝の大複合神殿(ラムセウム・テンティリス)』から使者として来ました」

 

マナはここから西に存在する大国から来た。

 

そこには何と、古代エジプトのファラオのサーヴァント達が召喚されて、そこに巨大なエジプトの領地を作り出した。

 

そして今では獅子王の聖都と対抗出来るほどの巨大な王国となっていた。

 

「難民の皆さんからしたら宗教的な問題で拒否したくなる気持ちはありますが、私達の『マスター』は宗教や人種に関係なく助けを求める人たちを守る為に他のファラオと対立しながらも皆さんを受け入れる準備を整えています。皆さんが安心して暮らせるように充分な居住地や食糧、働き口を用意しています。そして……聖都のように選ばれた人間ではなく、全ての難民を受け入れます」

 

難民全てを受け入れるための準備ができていると言うが、聖都で裏切られたこともあり、村長や長老達は信じられない気持ちでいっぱいだった。

 

そんな気持ちを感じ取ったマナは深く頭を下げる。

 

「皆さんの気持ちは分かっています。ですが、今は皆さんの身の安全が最優先です。マスターは皆さんを守る為に必死に動いています。どうか、私達のマスターを信じてください」

 

みんなを守りたい。

 

マナの必死な気持ちに村長や長老達は心を動かされ、エジプト領に向かうことに決めた。

 

村長や長老達は領民達をなんとか説得し、全員がエジプト領に移住することになった。

 

翌朝、護衛や炊き出しなどを行ったサーヴァント達をカルデアに帰還させた。

 

現場に残ったサーヴァントはマシュとダ・ヴィンチちゃんとアルトリアとエミヤ。

 

イリヤと美遊とクロエ。

 

アルトリア・オルタとナイチンゲール。

 

そして、ベディヴィエールと三蔵。

 

イリヤと美遊とクロエはブラック・マジシャン・ガールが是非ともエジプト領を案内したいとのことで残ってもらった。

 

ナイチンゲールは引き続きモードレッドとガレスの治療、オルタは付き添い。

 

ベディヴィエールと三蔵は遊馬達と共に獅子王達を止める為に行動を共にする事となった。

 

そして、せっかくレイシフトをしたので小鳥も一緒に行くことになった。

 

難民達を再びS・H・Ark Knightに乗せてエジプト領に向かわせ、遊馬達はかっとび遊馬号に乗り、共に廃村を後にした。

 

西の方角に向かって飛び、マナの案内でエジプト領に向かう。

 

しばらく西に進むと行く手を遮るかのような巨大な砂嵐が発生していた。

 

砂嵐を迂回しようとしたが、マナは砂嵐の先にエジプト領があると言うので多少船内が揺れるが強引にその砂嵐を突破する。

 

砂嵐を突破した瞬間……遊馬達が目にしたのは驚くべき光景だった。

 

そこには聖都に負けず劣らずの見事な都市だった。

 

エジプトを象徴する巨大建造物のピラミッドに加えて数々の立派で大きな彫刻品……まるで古代エジプトに迷い込んだような神殿が聳え立っていた。

 

神殿の周囲には数え切れないほどの建物や農地などが広がっており、規模だけで言えば聖都以上の巨大都市となっていた。

 

その光景に唖然とする中、ひとまずはかっとび遊馬号とS・H・Ark Knightを下ろして外に出る。

 

ナイチンゲールはかっとび遊馬号の船内でモードレッドとガレスの治療を行っている。

 

すると、突然大量のエジプト兵士達が現れて遊馬達は思わず身構えるがマナが前に出て落ち着かせる。

 

そして……兵士達が整列をすると、奥から一人の青年が現れた。

 

白の衣装に見事な金の装飾品を身につけ、手には魔術の杖を携えた褐色の青年の登場にマナは元気そうに手を挙げる。

 

「お師匠様!ただいま戻りましたー!」

 

「クリクリー!」

 

「マナ、クリボー。よく戻った」

 

青年は優しい笑みを浮かべてマナとクリボーを迎えると、遊馬達と対峙して頭を軽く下げながら挨拶をする。

 

「お初にお目にかかる。私は王家に仕える神官、マハードと申します。弟子のマナとクリボーがご迷惑をおかけしました」

 

「い、いえ、こちらこそ!」

 

「難民の者達よ。今から居住区へ案内します。ここでの暮らしについては兵士達が丁寧に説明します。慣れない環境かと思いますが、一日でも早く慣れるように我々が精一杯補助します。そして、皆さんの身の安全は必ずお守りします」

 

青年……マハードはまずは難民達にここで暮らす為の案内や説明を兵士達に任せて居住区へと連れて行く。

 

「異世界の来訪者よ、貴方達を歓迎します。我らがファラオが集う神殿へとご案内します」

 

マハードは遊馬達を神殿へと案内する。

 

マハードの姿を見て遊馬とアストラルはある確信を得ていく。

 

「なあ、アストラル……マハードさんってやっぱり……」

 

「ああ……マナ、ブラック・マジシャン・ガールの師匠と言う存在から間違いない」

 

マハードの正体が遊馬とアストラルの中で判明する中、ピラミッドの前に威風堂々と誰かが立っていた。

 

それは紫色の長い髪と露出度の高い衣服を着た褐色の女性で右手にはマハードのとは形の異なる杖を持っていた。

 

「神官マハード!神官マナ!貴方達は何勝手に難民達と不審者を連れて来たのですか!?」

 

女性はマハードとマナに向かって大声で怒鳴りを上げた。

 

「申し訳ありません、ファラオ・ニトクリス。しかしこれは我々のマスターの意志です」

 

「彼らを連れてくるようにマスターから命令を受けました」

 

「ま、またあの子ですか……!?全くあの子はいつもいつも私たちを困らせることばかり……!?」

 

褐色の女性……ニトクリスはマハードとマナの言葉に頭を悩ませていた。

 

「遊馬、サーヴァントだ。ニトクリス……古代エジプトの女性ファラオだ」

 

ニトクリス。

 

古代エジプト第六王朝にて、僅かな時期に玉座に在った女性ファラオ。

 

「女性ファラオか……珍しいサーヴァントだな」

 

「む!?そこのあなた、今何か言いましたか……え!?それは令呪!?と言うことはあなたがマスターなのですか!?」

 

「俺は九十九遊馬。人類最後のマスターだ」

 

「っ……なるほど、分かりました。でしたら、付いてきなさい!ファラオの謁見を許可します!」

 

ニトクリスは渋々遊馬達がこのエジプト領最大のファラオとの謁見を許可し、ピラミッド内部へと案内する。

 

豪華絢爛な神殿に目を奪われながら案内された玉座の間。

 

その中央にある豪華な玉座に座っていたのは褐色の肌と太陽の色をした眼を持つ男性だった。

 

「──ふぅむ。眠いな。余は、とても眠い──」

 

ところがその男性は玉座に座り、欠伸をしながら瞼を擦っていた。

 

遊馬はニトクリスに玉座に座っているのは誰なのか尋ねた。

 

「ニトクリス、それであの人は誰なんだ?」

 

「なっ!?あ、あなた!不敬ですよ!今すぐに平伏しなさい!不遜すぎます、地上に在る神たるファラオに対して!この方こそ最も偉大なファラオ。最も勇壮、最も威光に満ちた神たらんとする──ファラオ・オジマンディアス!この終末の地を平定し、救済する理想の王です!」

 

オジマンディアス。

 

太陽王の異名を持つ古代エジプト世界における最大最強のファラオ。

 

「オジマンディアス……まさかエジプト系サーヴァントで最強のファラオが召喚されるとは……」

 

オジマンディアスはエジプト系のサーヴァントの中でも知名度や能力は最強と言っても過言では無い。

 

アストラルはオジマンディアスが召喚されていることに驚愕する。

 

「……お前たちが異邦からの旅人か。我が名はオジマンディアス。神であり太陽であり、地上を支配するファラオである」

 

オジマンディアスは眠気に襲われながらも真名を名乗る。

 

「マハードとマナよ、貴様らは何故この者たちを連れて来た?」

 

「オジマンディアス王、これは我らがマスターのご指示です。彼らの力が必要になる時が来たと申しておりました」

 

「彼らと協力し、力を合わせれば獅子王と円卓の騎士、そして……大いなる闇を倒すことが出来ます!」

 

「「大いなる闇……?」」

 

マナが口にした大いなる闇と呼ばれる存在。

 

この特異点の敵は獅子王とその配下の円卓の騎士だけでは無いのかと遊馬とアストラルは新たな疑問に頭を悩ませる。

 

「……良いだろう、そこまで言うのであれば貴様らの力を見定めさせてもらおう!」

 

オジマンディアスは眠気覚ましも兼ねて遊馬たちの力を見定める為に戦闘を行おうとしていた。

 

遊馬達は突然のオジマンディアスの宣戦布告に緊張感が一気に高まり、マシュ達が戦闘態勢を取ろうとした……その時。

 

「待て!!!」

 

玉座の間に天を突くような凛とした声が響き渡る。

 

カッ、カッ、カッ……!

 

声の後に王の間に新たな足音が響く。

 

少しずつ近づいたその時。

 

ブルッ……ゾクッ!!!

 

遊馬とアストラルに今まで感じたことのないほどの全身に大きな電撃が走るような感覚が襲われる。

 

「──っ!?ア、アストラル!!」

 

「ああ……感じるぞ、遊馬……この感覚は初めてだ……!!」

 

それは恐怖から来るものではない。

 

まだその姿を目にしてないが、遊馬とアストラルの本能がそれを『歓喜』として感じているのだ。

 

マシュ達は遊馬とアストラルが何を感じ取ったのか分からず疑問符を浮かべているとその足音を鳴らす人物の姿が見えてきた。

 

「そんな……嘘だろ……!?」

 

「馬鹿な……ありえない……!?」

 

現れた人物を見た瞬間、遊馬達はあり得ないと思うほど驚愕していた。

 

しかし、マシュ達は別の意味で驚愕していた。

 

その人物の髪型は誰もが見た事ないほど特徴的だった。

 

まるでヒトデのような派手な髪型で遊馬の特徴的な髪型と負けず劣らずの髪型だった。

 

肌の色は褐色で瞳の色は紫、その身には金の装飾品と白を基調とした衣を見に纏っていて、首から大きな紫色のマントを羽織っている。

 

そして、首にはピラミッドを逆さにしたような正四角錐の金の大きな首飾りがかけられており、その首飾りと額飾りには古代エジプトのシンボル……神の眼を意味する『ウジャト眼』の刻印が刻まれていた。

 

「肌の色は違うけど、あの顔とあの髪型は……!」

 

「そして、首からかけているあの逆さにしたピラミッドを模した黄金の正四角錐は紛れもない……『千年パズル』!!」

 

遊馬とアストラルは信じられない気持ちを持ちながらも高鳴る胸の鼓動を抑えきれずにその名を叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「遊戯さん!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遊戯……その名を一度聞いたことがあるマシュは耳を疑った。

 

「えっ!?遊戯さんって前に話していた伝説の……!?」

 

「ドフォーウ!?」

 

「遅いぞ、アテム!貴様は何をしていた!?」

 

オジマンディアスはその少年を遊戯ではなく、アテムと呼んだ。

 

「少し野暮用で遅くなっただけだ。オジマンディアス、彼らを見定めると聞こえた。悪いがその役目はオレにやらせてもらう」

 

「何?」

 

「ここから先はオレ達にとっては神聖な戦いだからな。邪魔だけはしないでもらいたい」

 

アテムはゆっくりと歩みを進めながら遊馬達に近づく。

 

「遊戯さん……」

 

近づくアテムに対し、遊馬は無意識に遊戯と呼んでしまった。

 

「ふっ……懐かしいな、その名で呼ばれるのは。オレの名はアテム。この地に召喚されたサーヴァントだ。またの名を……」

 

千年パズルのウジャドの眼から黄金の光が放たれ、紫色のマントを翻しながらアテムはもう一つの名を堂々と名乗る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遊戯……武藤遊戯だ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは遊馬の住む人間界でかつて存在したデュエルモンスターズ界の絶対王者、キングオブデュエリストの称号を持つ最強のデュエリスト……『武藤遊戯』。

 

本来ならば遊馬とアストラルが会うことが不可能な何世代も前の昔の人物である。

 

そして、遊馬とアストラルが興奮しながらもありえないと思ったその理由はこのデュエルモンスターズが存在しない異世界では『武藤遊戯』が存在していないはずだからだ。

 

この世界とは関係のない異世界の人間が英霊の座に登録されるはずもなく、ましてやサーヴァントとして召喚されるはずがない。

 

困惑している遊馬とアストラルに遊戯は不敵の笑みを浮かべる。

 

「マナとクリボーから話を聞いた。二人が世話になった、ありがとう」

 

「い、いえ!とんでもないです!俺たちの方こそ力を貸してもらったし!」

 

「二人の名前を聞かせてもらえるか?」

 

遊戯に名前を聞かれて一瞬心臓が跳ね上がる遊馬だが、遊馬とアストラルは堂々と名乗る。

 

「俺は遊馬!九十九遊馬です!」

 

「私はアストラル!アストラル世界の精霊で、遊馬の相棒だ!」

 

「遊馬とアストラル……お前たちはオレが待ち望んでいた選ばれしデュエリストだ。早速で悪いが、お前たちを試させてもらう」

 

遊戯が試すという言葉を聞き、遊馬とアストラルはデュエリストとして瞬時に察した。

 

「試すって……」

 

「まさか……!?」

 

「フッ……デュエリスト同士が出会ったなら、やることは一つだ!」

 

千年パズルから再び金色の眩い光が放たれる。

 

「『伝説の決闘王(レジェンド・オブ・デュエルキング)』!!」

 

遊戯が宝具を発動させ、千年パズルから放たれた光が遊戯の体全身包み込んだ。

 

金色の光が徐々に消えると遊戯の全身の肌の色が褐色から白色に変わり、身に付けていた白の衣装とマントと金の装飾品の代わりに武藤遊戯がかつて通っていた童実野高校の制服姿となった。

 

制服に加えて黒のノースリーブTシャツを着用し、腰にはデッキケース付きのベルト、更にはチョーカーとブレスレットを付けていた。

 

そして、千年パズルに通されていた紐が頑丈な鎖に変わると遊戯は着用していた童実野高校の制服の上着を脱ぎ、マントの代わりに上着を肩にかけた。

 

それこそが遊馬とアストラルがよく知る『武藤遊戯』そのものの姿だった。

 

更に遊戯の左手首には遊馬やアストラルが使うのとは別のタイプの白を基調とした角張った形のデュエルディスクが現れる。

 

「あれは海馬社長が開発した初期型のデュエルディスク!」

 

「全てのデュエルディスクの原型でソリッドビジョンを内蔵し、デュエルの世界を更に大きく広げた海馬瀬人の発明!」

 

遊馬の世界では『ARデュエル』によってD・ゲイザーとD・パッドでより臨場感のあるデュエルを楽しむことができ、初期型のデュエルディスクはもはや使われなくなったがその完成度はとても素晴らしく歴史に名を残すほどの大発明である。

 

遊戯はデュエルディスクを起動させて変形すると、ベルトのデッキケースからデッキを取り出してデュエルディスクにセットし、ライフポイントカウンターにライフポイントが表示される。

 

「マハード!マナ!クリボー!」

 

「「はっ!」」

 

「クリ!」

 

遊戯が呼ぶとマハードとマナとクリボーはそれぞれ紫色と桃色と茶色の光の玉となってデッキの中に入り込む。

 

デッキが一瞬光り輝き、遊戯のデュエルの準備が整った。

 

遊戯がデュエルの準備をしたと言う事は……遊馬とアストラルにデュエルを申し込んでいると言う事だ。

 

遊馬とアストラルは心が昂った。

 

あのデュエルキングが……伝説の決闘王とデュエルが出来るという夢のような状況に興奮を抑える事はできないでいた。

 

「ごめん。マシュ、小鳥、みんな……今だけは、今だけは……カルデアのマスターじゃなくて、一人のデュエリストとして戦わせてくれ!」

 

遊馬は今だけは、この時だけはカルデアのマスターと言うことを忘れて一人のデュエリストとして遊戯に挑もうとしていた。

 

マシュ達は怒涛の展開の連続に何が起きているのか全く理解出来ずに唖然としていて言葉が出なかった。

 

「遊馬。私達の全身全霊、全力全開で挑むぞ!」

 

デュエルをするのは遊馬だが、一心一体の関係でもあるアストラルは共に最強のデュエリストに挑む。

 

アストラルは遊馬のデッキに手を向けて輝かせると、対サーヴァント用のデッキからデュエル用のデッキに再構築をする。

 

「ああ!行くぜ!!」

 

遊馬は意気揚々とD・パッドを上に投げ飛ばす。

 

「デュエルディスク、セット!!」

 

D・パッドがデュエルディスクに変形してデッキをセットする。

 

「D・ゲイザー、セット!!」

 

次にD・ゲイザーを変形させて左眼に装着する。

 

「デュエルターゲット、ロックオン!!」

 

D・ゲイザーがデュエルディスクと連動し、デュエルの相手である遊戯をロックオンし、これで互いに全ての準備が整った。

 

遊馬と遊戯は互いにデッキの上から5枚のカードを引き、手札にする。

 

そして、二人は互いに見つめ合いながらデュエリスト達がデュエルの開始の宣言をする、あの言葉を口にする。

 

「「デュエル!!!」」

 

WDCの初代デュエルチャンピオンである遊馬とアストラル世界が作り出した天才デュエリストのアストラル。

 

その二人が今、デュエルモンスターズ史上最強にして絶対王者である遊戯とのデュエルが始まる。

 

 

 




遂に登場しました、我らがデュエルキングの遊戯さんことアテム!
次回は遊馬&アストラルVS遊戯のデュエルです!
と言っても話の展開などもあるので互いに1ターンだけのデュエルにします。
これは遊馬とアストラルの力を試すデュエルなので。

それと、遊戯さんの設定などは明日投稿しますのでお楽しみに!

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