と言っても短めにして終わらせる予定です。
そして、ZEXAL好きに朗報です。
コナミから全てのナンバーズを収録したNo. COMPLETE FILE -PIECE OF MEOMRIES-が発売となります!
これはリアルナンバーズハンターとしてもかなり嬉しいので楽しみです!
夏の無人島生活から少し経過した頃、遊馬達は小さな特異点を解決したり修行をしたりと以外に大忙しだった。
すると、遊馬の手元に謎の招待状が届いた。
差出人は不明だが今度行われるハロウィンパーティーの招待状だった。
「ハロウィン……ああ、こっちだともうすぐだったな」
「ハロウィン。古代ケルトでは魔除け、キリスト教では先祖の霊を迎えて悪霊を祓う祭り。だが現代では仮装をしてお菓子をもらうイベントになっているな」
「クリスマス以上に変なイベントになっちまったよな。そうだ、せっかくだからカルデアでもハロウィンパーティーをやろうぜ!」
「そうだな。1日くらいならオルガマリーも許してくれるだろう。まだ大きな特異点が残されているからストレス発散には良いだろう」
「それと、みんなでコスプレもして楽しもうぜ!」
「コスプレか……それは良い考えだな」
遊馬とアストラルは早速ハロウィンパーティーの企画をオルガマリーに進言し、カルデア中のみんなにも伝えた。
サーヴァント達は結構イベント好きが多いのでみんな了承して早速準備に取り掛かった。
すると小鳥がコスプレ衣装を一緒に作ろうと提案してきて俺にとっても念願の『あのモンスター』の衣装を作ることにした。
裁縫は遊馬には難しかったが実は刺繍が趣味のヴラドや衣装作りが得意なメディアの力も借りて何とか衣装が完成した。
そして、ハロウィンパーティー当日……遊馬達はコスプレ衣装に着替えた。
「やっと、やっと、こいつのコスプレが出来たぜ……!」
遊馬が着替えたのはフェイバリットモンスターのガガガマジシャンが進化したガガガガマジシャンの衣装。
実はハートランド学園の学園祭でモンスターカフェという店員がモンスターのコスプレをする企画を行い、遊馬はガガガマジシャンのコスプレをしようと思ったのだが……ジャンケンで負けて等々力委員長に権利を取られてしまったのだ。
そして、遊馬は太鼓魔人テンテンテンポのコスプレをすることになったのだ。
ちなみにガガガガマジシャンのフードには見事な龍の刺繍があるのだが、それはヴラドの力作で作られていて見事なまでの再現度だった。
「似合っているぞ、遊馬。これは一馬さん達にも見せてあげたいな」
「うん!遊馬、とっても似合ってるわ!」
小鳥はガガガマジシャンの相方で後輩のガガガガールのコスプレをしており、ガガガガールのコスプレはモンスターカフェの時にもしていた。
「お兄ちゃーん!お姉ちゃーん!」
「お兄様、お姉様、お待たせしました!」
「お!桜ちゃんと凛ちゃん、二人ともすげぇ似合ってるぜ!」
「ええ、頑張って作った甲斐があったわ」
桜と凛もコスプレ衣装に着替えてやってきた。
桜は可愛らしい小さな魔法少女のガガガシスター、凛は真面目な秘書のガガガクラークのコスプレをしている。
妹キャラの桜にはガガガシスター、真面目な優等生の凛にはガガガクラーク。
二人のキャラにとても合っており、頑張って衣装を作った小鳥も満足そうに笑みを浮かべる。
今回のハロウィンでは自由にコスプレをすることになっている。
遊馬達のは手作りで、サーヴァントは自分の魔力で変化させることができるので自分の思いのままのコスプレをする。
次に魔法少女三人娘のイリヤと美遊とクロエがやってきた。
三人はハロウィンのコスプレの王道とも言える子供用の絵本に描かれるような箒を持った黒を基調とした魔女のコスプレをしてきた。
イリヤ達の普段の魔法少女の衣装も良いが魔女のコスプレもとても似合っていた。
ちなみにだがクロエは露出度の高い猫のコスプレをしてエミヤに迫ろうとしたがそこはイリヤと美遊が全力で阻止した。
更にはアイリが何を勘違いしたのか最早下着かビキニの水着にしか見えないほどの際どすぎる衣装を着て生まれて初めてのハロウィンに参加しようとしたが、それをアルトリアとシトナイとキリツグが全力で阻止して自室で説得をしているのだった。
最後にちびっこサーヴァントのジャックとナーサリーとバニヤンがうりぼうと共にやって来た。
うりぼうは体中に無理が無い程度に小さなジャック・オー・ランタンや蜘蛛や骸骨などのハロウィンを飾りが付いており、見ているだけでもハロウィン気分を味わえるほどだった。
ナーサリーは自身の存在のモデルとも言える「不思議の国のアリス」の主人公のアリスがきているような水色と白色を基調とした可愛らしいドレス。
バニヤンは斧を担ぎ、白いウサギの衣装に血糊で不気味に塗られていて何かのホラー映画の殺人鬼を思い起こさせるような感じだが、ハロウィンにはピッタリだ。
そして、ジャックは……。
「おかあさんは、いないかー!」
「ジャック、それ……なまはげか?」
「うん、かわいいでしょ?」
ジャックのコスプレは日本の秋田県の厄祓いをする神の使い、鬼の仮面を被って藁でできた衣装を着た「なまはげ」だった。
ジャックは頭に鬼の仮面を被り、右手にはナイフを持ち、いつもの露出度の高い衣装の上に藁の衣装を着ている。
ジャックは自分がハロウィンのコスプレで何をすれば良いか悩んでいる時に地下図書館で偶然日本のなまはげを見つけ、なまはげを気に入ったので採用したのだ。
「まあ、可愛いから良いか……」
ハロウィンになまはげは合うのか疑問だが、なまはげ姿のジャックは可愛いので問題ないと結論付けた。
これでコスプレをする子供達がほぼ揃い、あとは最後の一人、マシュだけとなる。
真面目で几帳面なマシュが遅れており、珍しいと思った矢先。
「皆さ〜ん、お待たせしましたぁ〜」
「おお、マシュ!待ってた──でぇっ!?」
「マ、マシュ……!?」
「マシュさん、その、格好は……!?」
遊馬達はマシュのコスプレに驚愕していた。
紫色のマイクロビキニに狼人間をモチーフにしたモフモフの付け耳や尻尾を付けたあまりにも大胆なコスチュームだった。
いつもの戦闘用のスーツ以上に露出度があまりにも高く、恥ずかしがり屋な一面があるマシュが着るのがあり得ない。
その答えは今のマシュの状態にあった。
マシュの顔は赤く染まって目が少し虚となっており、まるで酔っ払っているようで以前遊馬がラム酒を飲んで酔っ払ったに近い状態だった。
そして、マシュをこの状態にした元凶はすぐそばにいた。
「マシュ……こんなに成長しちゃって……今のうちに写真を撮りまくろう!」
「うんうん、この天才ダ・ヴィンチちゃん渾身のハロウィンスペシャルコスチューム……『デンジャラス・ビースト』は最高の出来だね!」
「ところで君の所感は、フォウ?」
「フォウ。フォウフォウフォウフォウフォウ(なにかってまずお腹がいいよね。お腹。普段のマシュよりちょっと余分に脂肪がついているだろう?お団子の食べ過ぎを止めなかったボクの采配にキミたちは心の底から敬意を払うべきだよ。胸部の破壊力に関しては何を今さら、という話さ。ボクは十分に承知していたからね。でもちょっと、毛変わりするぐらい驚いた。マシュは着痩せするタイプなんだ……危険だね。とても危険だ。全体的なカラーはボクの好みからはちょっと外れるけど、紫という色が持つ魅力はハロウィンの夜に相応しい。高貴かつ淫靡かつ無垢。もうこれは彼女専用のエクストラクラスを作るべきではないだろうか?) 」
「んー、なに言っているか分かるのにキミの内面がぜんぜん分からん!」
それは……ロマニ、ダ・ヴィンチちゃん、フォウだった。
ハロウィンのコスプレに悩んでいるマシュに気付いたフォウがダ・ヴィンチちゃんにこのコスチュームの依頼をし、ダ・ヴィンチちゃんはノリノリでこのデンジャラス・ビーストを作った。
マシュは当然このデンジャラス・ビーストのコスチュームには顔を真っ赤にして拒否をしたが、ロマニがマシュを落ち着かせるためにとジュースを飲ませたが……それは酒呑童子から分けてもらったアルコール度がかなり高い酒を混ぜたカクテルだった。
カクテルで完全に酔っ払ったマシュはデンジャラス・ビーストのコスチュームで遊馬を誘惑しようと考えて着用し、遊馬達の元へ向かった。
その後をカメラを用意したロマニと自分もノリノリで露出度の高い魔女のコスプレをしたダ・ヴィンチちゃんとドラキュラのコスプレをしたフォウが追いてきて現在にいたる。
「遊馬君、どうですか?今宵の私はあなたを食べちゃうオオカミですよ〜?」
「あ、あの、マシュ、さん?とりあえずその格好じゃ寒そうだから何か羽織らなねぇと、風邪ひいちまうぜ……」
「それじゃあ意味ないですよぉ〜。せっかく頑張って着たんですからぁ〜。さあ、大人しく私に食べられてくださいね〜♪」
どこからともなく盾を構えて戦闘態勢に入るマシュ。
今のマシュに誰の言葉に耳を傾けない……正に恐ろしい狼人間、デンジャラス・ビーストだった。
下手に抵抗してマシュを傷つけるわけにもいかず、近くにいる大人のロマニとダ・ヴィンチちゃんも悪ノリしていて役立たずでどうしようかと悩んでいるとイリヤが名乗りを上げた。
「遊馬さん、ここは私に任せてください」
「イリヤちゃん?」
「ルビー、お願い」
「えー?ルビーちゃんとしてはあのマシュさんのビーストモードをこのまま面白い記録として撮りたいんですけどぉ〜」
「ヘラクレスさんを呼ぶよ?」
「イエス、マイマスター」
イリヤは例え世界が異なっても自分を守護してくれるヘラクレスの名前を出すとルビーは渋々と大人しく従った。
仮にヘラクレスが呼び出されたらイリヤの指示でルビーに鉄槌が下されてしまう未来が目に見えている。
イリヤはステッキモードになったルビーを構えてマシュに静かに近づき、応戦しようとしたマシュの手足を物理保護で固定して動けなくなった。
「これは!?」
「マシュさん……ごめんなさい!」
イリヤが廊下を蹴って走り出すと同時にルビーを振り上げる。
そして、ステッキモードのルビーの上部に日本のコント・漫才の小道具であるハリセンが現れた。
「一撃卒倒!ハリセンモード!!」
「ハブッ!?」
ハリセンがマシュの頭部にクリーンヒットし、大した威力ではないがとある並行世界の魔術師二人を一瞬で卒倒させる力を持ち、それによりマシュは卒倒して倒れてしまった。
「ああっ!マシュ!?」
「くっ、ものすごく良いところだったのに……まさかあのステッキにあれほどの力も備わっていたとは……計算外だったよ!」
「フォーウ!?」
マシュが卒倒し、せっかくの愉悦的な面白い場面が無くなってしまい戸惑うロマニとダ・ヴィンチちゃんとフォウ。
しかし、そんな二人と一匹に背後から迫り来るものがいた。
「何をやっているのかしら、ア・ナ・タ・た・ちは……?」
「あ……?」
「これは……?」
「フォ……?」
二人と一匹が恐る恐る振り向くとそこにいたのは……。
「マシュにお酒を飲ませてあんな格好をさせて、貴方達は面白おかしく見ていて……子供達が楽しみにしていたハロウィンを台無しにするつもりかしら?」
怒りの形相を浮かべてデミ・サーヴァント化して銃を構えたオルガマリーだった。
あまり乗り気ではなかったがみんなが楽しみにしているハロウィンに自分もそれなりに楽しもうと思った矢先にマシュの様子がおかしいと他のサーヴァントから連絡を受けてやって来たのだ。
「おおお、落ち着いて、所長!これには深い訳が……」
「そ、そうさ!これもマシュの成長の為に……」
「フォフォフォウ!」
「この新しい銃の実弾練習の相手になるか、大人しく説教を受けるか今すぐに選びなさい」
「「誠にすいませんでした……」」
「フォーウ……」
つい先日改造したばかりの銃を突きつけるオルガマリーの恐ろしさに負けてロマニとダ・ヴィンチちゃんとフォウは日本人顔負けの土下座をして瞬時に謝罪をするのだった。
「はぁ……ミユ、クロエ。貴方達はすぐにマシュの部屋から普段着のパーカーと水分補給の水のペットボトルを持ってきなさい。このままじゃ風邪をひくかもしれないし、酒を飲んだ時は水を飲ませないといけないから」
「は、はい!分かりました!」
「すぐに取りに行ってくるわ!」
オルガマリーの指示を受けて美遊とクロエはすぐにマシュの部屋に向かってパーカーと水を取りに向かった。
「みんな……うちの馬鹿共が迷惑かけたわね……」
「あ、うん……所長もありがとうな」
「この馬鹿共の説教は後でとことんするわ。マシュが目を覚ましたらハロウィンを楽しみなさい」
「おう!めいいっぱい楽しんでやるぜ!」
色々とトラブルがあったがようやくカルデアの初めてのハロウィンが始まる。
しかし、その裏で一人のサーヴァントによる恐ろしいハロウィンの計画が進んでいるのであった。
「さあ、今宵は闇の眷属のお祭りよ。最高のハロウィンスペシャルコンサートを始めるわよ!」
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マシュちゃんがデンジャラス・ビーストになりましたが、イリヤちゃんのハリセンツッコミで撃沈しました(笑)
まあこうでもしないと収まらないと思ったので。