Fate/Zexal Order   作:鳳凰白蓮

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今回は次回の区切りとか少し短めになりました。
次回は出来るだけ早めに更新したいです。


ナンバーズ151 母は強し

美遊と段蔵が作ったおにぎりとそれに合う和食のお(かず)で食事が始まり、男性陣は子供のようにはしゃぎながら食べる。

 

「うんめぇ!美遊ちゃんは本当に料理が上手だな!」

 

「確か歳が十一になったばかりだろ?その歳でこんなに美味え飯が作れるなんてもはや天才だぜ!」

 

「ええ、それと……段蔵殿が作ったお菜も、とても美味しいです……」

 

遊馬とゴールデンと小太郎は美遊と段蔵を褒めまくった。

 

ちなみに、食べられないアストラルは羨ましそうに遊馬を見つめていたが、今は我慢だと皇の鍵の中に入ってしまった。

 

「料理も美味いし、家事も出来る!これはいつ嫁に行っても問題ないな!」

 

「あ、ありがとうございます……金時さん……」

 

金時に褒められて少し恥ずかしそうにする美遊。

 

そんな美遊に対し、イリヤとクロエは美遊が結婚した時のことを色々と妄想する。

 

「ミユがお嫁さんか……うーん、メイド服も良いけど、やっぱり新妻ならフリフリのエプロンだよね〜」

 

「何言ってんのよ。その前に結婚式で着るドレスでしょう?ミユのウェディングドレス姿は綺麗でしょうね。もしルヴィアが用意するなら最高級で素敵なウェディングドレスで決まりね!」

 

「甘いわ!コンビニのプリンよりも甘いわよ、クロ!ウェディングドレスは女の子の夢!確かにミユによく似合うと思うけど、純日本人で綺麗な黒髪のミユなら白無垢が一番よ!」

 

「し、白無垢ですって!?くっ、イリヤにしては良いアイデアじゃない。でも今時、白無垢……神社で結婚する人は少ないんじゃないの?」

 

「確かに少なくなっているけど、だったら両方やれば良いよ!ルヴィアさんに提案すれば、喜んで両方やるよ!」

 

「それもそうね。女の子の一生の思い出なら欲張らないとね。ちなみに私はもちろん、ウェディングドレス♪お相手もちろん、お兄ちゃんで♪」

 

「ちょっと、クロ!?何勝手なことを言ってるのよ!?お兄ちゃんの相手は私だよ!私だって、ウェディングドレスを着たいもん!」

 

「わ、私も……!それなら、みんなで一緒に士郎さんと……!奪い合うくらいなら、みんなで一緒に分かち合おう……!」

 

イリヤとクロエと美遊で並行世界の衛宮士郎との結婚を夢見て妄想を膨らませていた。

 

そんな光景を見たアイリは微笑ましく見守り、シトナイはため息をつく。

 

「あらあら、並行世界のシロウは大人気ね。こんなに可愛い女の子達に慕われているなんて」

 

「やっぱりシロウは並行世界でも女の子にモテモテのシロウなんだね。ああ、シロウ……大丈夫、あなたじゃないから。私の義理のお兄ちゃんの話だからね」

 

シトナイの隣で寝ていた白熊のシロウは「呼んだ?」と言わんばかりの表情を浮かべたが、それは自分の義兄の事だとシトナイは苦笑しながら説明した。

 

そんな話を聞いた遊馬はふとある事を思った。

 

「モグモグ……なあ、アストラル。そう言えば気になってたんだけど、義理の兄と妹で結婚って出来るのか?」

 

一応自分も妹分の桜と結婚の約束をしているので念のためにアストラルに聞いてみた。

 

「……一応可能だ。血の繋がってないなら、法律上の問題ない。もしも仮に君が実の姉と明里と結婚するとなれば話は別だがな」

 

「いやいやいや、姉ちゃんは家族としては大好きだけど、流石に結婚なんてあり得ねえって。はっはっは!」

 

遊馬は姉の明里は家族として大切だが、同時に最大の恐怖の対象でもあるので天地がひっくり返っても恋愛対象になることは絶対にない。

 

絶対にあり得ないと思いつつも一瞬だけ想像したら全身に寒気が走る遊馬だった。

 

「そう言えば婆ちゃんが姉ちゃんに婚活とか見合いを勧めてるって言ってたな。でも姉ちゃんみたいなキツイ性格の人を嫁にもらってくれる男はいるかなぁ?」

 

姉の明里に対してかなり酷いことを言ってる遊馬。

 

もしもこれが明里にバレれば遊馬の命の灯火が消えることは間違いないだろう……。

 

 

食事が終わり、遊馬達は次の大門に向けて出発した。

 

しばらくすると関所のような場所が見えてきて、そこには大量の鬼がいた。

 

強行突破も危険なので何か作戦を練ることになった。

 

「ねえ、あの鬼達をセイバーの約束された勝利の剣で一掃する?」

 

イリヤはセイバーのクラスカードを見せながら提案した。

 

「イリヤ、セイバーはクラスカードの中でも切り札になるカードだから最後に取っておいた方がいい」

 

「他のカードで使えそうなのを使ったら良いんじゃない?他に対多数戦闘に使えそうなのは……」

 

美遊とクロエはイリヤに待ったをかけて、セイバー以外で他のクラスカードで有効なものを考える。

 

「セイバー……アーサー・ペンドラゴンの約束された勝利の剣まで使えるなんて……クラスカード、とんでもない魔術礼装ね」

 

シトナイはセイバー……アルトリアのことをよく知っているのでその聖剣・約束された勝利の剣すらも使えるクラスカードに驚きを隠せなかった。

 

「イリヤ、美遊。すまないが、改めて6枚のクラスカードそれぞれの限定展開と夢幻召喚の能力を教えてくれるか?私も有効な作戦を考える」

 

「はい!」

 

「分かりました」

 

イリヤと美遊は6枚のクラスカードの限定展開と夢幻召喚の現段階で判明している能力の全てを説明した。

 

その能力を参考に関所の鬼達を倒す短期決戦の作戦が練られた。

 

その作戦の要はゴールデンとイリヤだった。

 

ゴールデンはゴールデンベアー号の準備を整え、イリヤはセイバーのクラスカードに匹敵するクラスカードを手に持つ。

 

「はぁ……ふぅー……行ってきます」

 

緊張で胸が張り裂けそうになるのを抑え、遊馬からD・ゲイザーの予備を借りて装着して走り出す。

 

すると、関所の鬼達がイリヤに気付いてぞろぞろと湧いて出て襲い掛かってきた。

 

「行くよ、ルビー!」

 

「イエス、マイマスター!行っちゃってくださーい!」

 

「夢幻召喚『ライダー』!!!」

 

イリヤが夢幻召喚したのはライダーのクラスカード。

 

クラスカードをその身に宿した瞬間……眩い白い光と共に勢い良くその場から駆け上り、襲ってきた鬼達を吹き飛ばす。

 

イリヤは鬼達の上空を飛んでおり、跨っていたのは翼を持つ美しい白馬・ペガサスだった。

 

イリヤが使用したクラスカード・ライダーにはギリシャ神話の反英雄・女神メドゥーサの力が宿っている。

 

イリヤは魔法少女からメドゥーサと同じ黒を基調としたボディコン服を纏い、その手には鎖付きの鉄杭が握られている。

 

唯一違うのは本来ならばメドゥーサのスキルである石化の魔眼を制御する為の両眼を覆うバイザーが右目を覆う眼帯となっていることだった。

 

これはクラスカードと使用者の相性による弊害の影響らしく、ライダーのクラスカードはイリヤとの相性が少し悪いらしく、石化の魔眼のランクが少し下がっている。

 

「石化の魔眼……キュベレイ!」

 

眼帯を外し、右眼のみで石化の魔眼を発動して鬼達、全ての動きを止める。

 

魔眼のランクは下がっているが、それでも鬼達には絶大な効果を発揮しており、まるで石になったように動けなくなっていた。

 

イリヤは短剣を光の手綱にしてペガサスに掛けると、D・ゲイザーで地上でゴールデンベアー号のエンジンをふかしているゴールデンを呼ぶ。

 

「金時さん!」

 

『ゴールデンと呼びな、イリヤの嬢ちゃん!』

 

「ゴ、ゴールデンさん!行きまーす!」

 

『応よ!!ライダー同士、派手にカッ飛ばそうか!!』

 

「はいっ!」

 

流星の如く天を翔けるペガサスと龍の如く地を駆けるゴールデンベアー号が鬼達を狙う。

 

「『騎英の手綱(ベルレフォーン)』!!!」

 

「『黄金疾走(ゴールデンドライブ)』!!!」

 

天と地の同時攻撃で動けなくなった鬼達に突撃する。

 

純白と黄金の輝きが花火のように派手に輝くと、鬼達は全て消滅し、後に残ったのはイリヤとゴールデンの二人だけだった。

 

「『夜狼死九(グッドナイト)』……!」

 

「え、えっと……おやすみなさい(グーテ ナハト)……」

 

ゴールデンはトドメの決め台詞を言うと、イリヤも慌てて何か言おうと思いついたのが、「おやすみなさい」をドイツ語で言ったのだ。

 

「やるじゃねえか、イリヤの嬢ちゃん!」

 

「は、はい!ありがとうございます、ゴールデンさん!」

 

ゴールデンはイリヤを褒めてワシャワシャと頭を撫でた。

 

二人の活躍でこの関所にいた鬼達をほぼ全滅させ、その後は残りの数少ない鬼達を退治し、遊馬達は次の大門に向けて再出発する。

 

 

一方、カルデアでモニタリングをしているサーヴァント……メドゥーサは自身の力が宿るライダーのクラスカードを使ったイリヤの戦いを見てコメントを出す。

 

「まさか私の宝具のペガサスまで使うとは。魔眼を含めてランクや威力は下がっていますが、それなりに使えてますね。まあ、及第点と言ったところですね」

 

相性は悪いが一応ライダーのクラスカードを使ったイリヤの評価を及第点として、ひとまずは認める事となった。

 

それとは別にイリヤの夢幻召喚した姿を評価する。

 

「しかし、若干コスプレ感はありますが、銀髪紅眼の美少女が私と同じ格好で片目眼帯……なかなか良いですね。ミユのも是非見てみたいですね」

 

妙なスイッチが入ってしまったメドゥーサは戦いよりも見た目を高評価を出した。

 

実はメドゥーサは自分の長身がコンプレックスになっていて、自分の姉のステンノとエウリュアレのような幼く可愛らしい少女の姿こそが、彼女の理想像である。

 

幼く美少女であり、素直で良い子の妹キャラであるイリヤが自身と同じ格好をしていることに少なからず嬉しく思うのだった。

 

 

第二の大門にようやく到着し、そこに待ち構えていた用心棒は……。

 

「はい、それはもうご期待通りに☆第二関門で待ち受ける美女は私──自主的に御神酒を拝借した頼れるアナタの巫女狐、ほろ酔い美人の玉藻の前ちゃんなのでしたー!」

 

「やっぱり玉藻か!」

 

「しかも酔っ払っているぞ!?」

 

最初の用心棒の小次郎で次は玉藻が来るかもしれないとある程度予想していたが、まさか酒を飲んで酔っ払っているとは予想外だった。

 

「何やってんだよ、フォックス!」

 

「おや。あちら、金時さん。今回は愉快なオモチャに乗っての顕現ですか。はぁー。いいですねぇ、殿方は。いくつになっても単純、純粋でいらっしゃる。心の機微より即物的な快楽さえあれば満足できるのですから。ハイハイ、カッコイイデスネ」

 

何故か玉藻はいつも以上にやさぐれて目が据わっており、明らかに何かに不満などを持っているようだった。

 

話を聞くと日本出身で三大妖怪でもある玉藻はこの鬼ヶ島の舞台で活躍するのを楽しみにしていたのだ。

 

鬼ヶ島なので桃太郎の三匹のお供の犬枠になれると確信してずっとオファーを待っていたのだ。

 

しかし、いつまで経っても遊馬達が来ないので、出番を貰うために近くの茶屋で貰った酒を飲んでハイテンションになりながらこうして用心棒となったのだ。

 

「だったらすぐに俺たちのところに来れば良かったのに。別に桃太郎の三匹のお供枠とか決めてなかったし」

 

「うるさいうるさーい!女は時に、迎えに来て欲しいものなのですよー!」

 

「そうよね、女心は複雑なものよね。自分で行く時はグイグイ行くけど、迎えに来たい時は迎えに来て欲しいからね」

 

玉藻の心情に同意したアイリはうんうんと頷く。

 

「おや、アイリさん。それに娘さん達もご機嫌よう……って、何かもう一人アイリさん似の子が増えている!?ちょっと!いつの間に増やしたんですか!?」

 

玉藻はいつの間にかもう一人増えているイリヤと同じ顔のシトナイにビックリした。

 

「増やすも何も、この子も私の大切なイリヤよ♪」

 

聖母のような優しい笑みを浮かべるアイリからキラキラと輝くような光が見えて玉藻は全身に寒気が来るほどの戦慄が走る。

 

「くうっ!?良妻を目指す私に見せびらかすようなその余裕の笑み……良妻どころか、それを越える良妻賢母……!?流石はアイリさん、カルデア屈指の子持ちの奥さん!」

 

「ありがとう。ところで、カルデアに帰らないの?あなたが戦う理由は無いんじゃないの?」

 

「いいえ!もう後には引き下がれません!ここは良妻を目指す為にアイリさん、あなたに挑戦します!共に戦う青鬼は技喰丸と申します!」

 

玉藻の背後に現れたのは大きな鈍器を担ぐ青鬼だった。

 

「技の化身たるこの大鬼と、愛する人を喜ばせる多数のワザに定評のあるこの私。小手先の技は通じませんよ!」

 

「あら?愛する夫のキリツグを喜ばせる技なら誰にも負けないわよ?」

 

「やめて!娘の前でそんな生々しい発言は!」

 

「今回のママはテンション高めね。まあ、シトナイと再会出来たってのもあるけど」

 

「どうしてお母様はキリツグみたいなダメ男を好きになったんだろう……」

 

アイリの夫婦仲のぶっちゃけた発言にイリヤとクロエは顔を赤く染め、キリツグを嫌っているシトナイは何故両親が結婚したのか……本気で考えて悩むのだった。

 

ちなみにシトナイの「ダメ男」発言でガラス並みに脆くなっているキリツグの心にクリティカルヒットし、管制室で撃沈しているのは言うまでもない。

 

「さーて、可愛い娘達もいることだし、ここは母親として少しはかっこいいところを見せましょう!」

 

「姫様、お供します。ワタシは隣の青鬼を退治します」

 

段蔵はアイリのお姫様オーラから「姫様」と呼び、貴族出身のアイリはそれに応える。

 

「ありがとう、ダンゾウ。気をつけてね」

 

「はい」

 

アイリは玉藻、段蔵は技喰丸の相手をする。

 

アイリを心配してイリヤ達はいつでも動けるように準備をし、段蔵の強さを誰よりも知っている小太郎は特に心配せずにそのまま見ている。

 

「加藤段蔵……参ります!!」

 

段蔵は素早い動きで走り、全身に武器が仕込まれた絡繰人形の体を生かした「絡繰忍法」で戦う。

 

肘の隠し刃で体を回転しながらの斬り付け、腕からのワイヤーアームの射出し、果ては両腕からガトリングガン、背中からミサイルを撃ち……とても戦国時代に作られたとは思えないハイスペックな絡繰人形だった。

 

技の化身の技喰丸ですら対処出来ない段蔵の多種多様の絡繰忍法で追い詰めていく。

 

そして、段蔵は技喰丸にトドメを刺すために宝具を発動する。

 

「風よ集え。果心礼装起動」

 

段蔵が両手を前に突き出すと、両手が風車のように回転して周囲の空気が収束される。

 

すると、技喰丸は対処できずに吸い寄せられていき、収束した空気が真空の刃と化し、段蔵は全てを解き放つ。

 

「『絡繰幻法・呑牛』!」

 

真空の刃によって技喰丸を圧縮粉砕すると同時に派手にぶっ飛ばし、大門の壁に激突させる。

 

壁が破壊されるぐらいの威力でぶっ飛ばされ、技喰丸は瞬く間に退治された。

 

「わ、技喰丸があっさり!?」

 

「まあ、ダンゾウったら凄いわね。流石はカラクリニンジャ!さてと、私もそろそろ……終わらせましょう!」

 

アイリはシュトルヒリッターで小鳥や短剣の形にして飛ばし、玉藻は呪術で応戦する。

 

アイリの宝具は自身に宿る聖杯の力で味方を癒すサポート系の宝具なので、直接的な攻撃ではない。

 

玉藻の宝具もサポート系なので攻め手に欠けるので戦いは互いにジリ貧になるかと思われたが……。

 

「ちょちょ、ちょっとぉ!?何ですかそれは!?」

 

玉藻はアイリが繰り出した魔術に驚愕した。

 

アイリはシュトルヒリッターで針金を芸術品のように綺麗に編んでいき、小鳥や短剣よりも更に巨大なものを作っていく。

 

出来上がったのはまるで巨人が振り下ろすかのような巨大な握り拳だった。

 

アイリはニコニコ顔で右手を挙げるとシュトルヒリッターの拳が玉藻の上に移動する。

 

逃げられないように玉藻の足を針金で縛り、まるで罪人に裁きの鉄槌を下すかのような状況に玉藻は涙目になった。

 

「いやいやいや!流石にこれはちょっとやり過ぎでは……お待ち下さい!謝りますから、すぐにカルデアに帰りますから、どうかご勘弁を……」

 

「ダーメ、少しは反省しなさい♪」

 

「フギャア!?」

 

シュトルヒリッターの拳が振り下ろされ、玉藻はその巨大な拳に押し潰されて撃沈した。

 

拳の針金を解くと、玉藻は気絶して頭に軽くタンコブが出来ており、イリヤとクロエは無意識に自分の頭を摩った。

 

「あれって、物凄く痛いんだよね……」

 

「イリヤさんとクロエさん、アイリさんから喧嘩両成敗って、容赦なく叩き落とされましたからね〜。いやー、あれは恐ろしいお母さんです」

 

「私なんてイリヤの感覚共有で二発分喰らったんだからね……」

 

実はイリヤとクロエも自分達の世界のアイリからシュトルヒリッターの拳を喰らったことがあるのだ。

 

その時のアイリによる理不尽なまでの容赦ない攻撃を思い出して頭を摩り続けた。

 

気絶した玉藻をアイリは首根っこを掴んでズルズルと引き摺り、遊馬の前に突き出した。

 

「マスター、タマモをカルデアに」

 

「お、おう……」

 

普段から想像出来ない容赦ない姿に遊馬は苦笑いを浮かべて頷き、玉藻をフェイトナンバーズに入れてカルデアに転送した。

 

玉藻をあっさりと倒したアイリにゴールデンはひそひそ声でイリヤ達と話す。

 

「なあ、嬢ちゃん達……お前ん家の母ちゃんはかなり怖えな……」

 

「ママはうちの家の序列のトップで、神と称しているので……」

 

事実、アイリはアインツベルン&衛宮家の家族の序列のトップで、夫のキリツグもアイリには逆らうことはできない。

 

しかも今のアイリには並行世界を含めた3人の愛娘のイリヤがいるのでサーヴァントとしても無意識のうちにいつも以上にかなり強化されている。

 

母は強しとはまさにこの事である。

 

倒した技喰丸から鍵を取り、大門の扉を開けると鼻に微かな酒気を感じる。

 

「この酒の匂いは……?」

 

「なるほど、この先に玉藻が酔うほどの酒があるということだな」

 

「お酒という事はやはり……」

 

玉藻を酔わせる酒とそれを提供している謎の茶屋。

 

シトナイと小太郎と段蔵を除き、遊馬達の脳裏には二人のサーヴァントを思い浮かべるのだった。

 

 

 




ラスベガス復刻でそしたらすぐに新しい夏イベが来そうですね。
今年のネタはどうなることやら……。

夏に合わせてこちらも夏イベの小説を頑張って書いていきたいと思います。

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