この魔眼持ちに素晴らしい世界で祝福を!   作:サクサクフェイはや幻想入り

6 / 25
ベルディアは変態騎士
というわけで本編どうぞ!


第六話 このデュラハンとの戦いに決着を!

「何故城に来ないのだ...この人でなしどもがー!!」

 

「「「「「はい?」」」」」

 

なぜか大層ご立腹なデュラハンがそんなことを言う、俺たちは身に覚えがないので呆然とする

 

「なんで?前のは事故だったとしても、もう爆裂魔法を撃ちこんでもいないのに...」

 

一応和真が代表して聞いてくれるが

 

「撃ちこんでもいないだと?何をぬかすか白々しい!!」

 

怒りのあまり自分の頭を地面に叩きつけるが急いで取ろうとするあたりなんとなくシュールだ

 

「そこの頭のおかしい紅魔の娘が、毎日欠かさず通っておるわ!!」

 

「「・・・」」

 

「・・・」

 

俺と和真がめぐみん方を向くと目を合わせようとしないめぐみん

 

「・・・」

 

「いひゃいいひゃいのれす!」

 

俺は無言でめぐみんの頬をつねる、一応理由があるみたいなのでいったん止めてやる

 

「今までならば何もない荒野やモンスターに魔法を放つだけで我慢できていたのですが、試しに城に攻撃した時にその魅力を覚えていらいその...大きくて硬いものじゃないと我慢できない体に//」

 

もじもじしながらそんなことを言うめぐみんの肩にそっと手を置く

 

「志貴...」

 

わかってくれたとばかりに目を輝かせるめぐみんだが

 

「よしこのままお前をデュラハンに差し出す」

 

回れ右させて右手で首根っこを掴みそのまま腕を上げる

 

「ちょ!すみません!すみませんでしたからやめてくださいー!!」

 

そうして謝るめぐみんだが俺は何も言わない、まぁ差し出す気はないが少しお灸を据えなければならないだろう

 

「ん、まてよ?めぐみんは魔法使ったらぶっ倒れるから運ぶのに共犯者が...」

 

と大事なことに気が付いた和真は周囲を見回すと一人だけ吹けない口笛を吹いてるやつが

 

「おまえかー!!」

 

「いふぁい!いふぁい!ふぁって、あいつのふぇいでろくなクエスト受けられないからふぁらいへがしたかったんだもの」

 

そんな風に和真が問い詰めていると突然禍々しい風が吹く

 

「聞け愚か者ども我が名はベルディア、この俺が頭にきていることは他にある...貴様らには仲間の死に報いようという気概はなかったのか!!生前俺はこれでもまっとうな騎士のつもりだった、その俺から言わせればあの騎士の鏡のようなクルセイダーの死を無駄にするなど!え?」

 

(あぁようやく納得がいった)

 

つまりコイツはあのダクネスが死んだのに敵討ちにも来ない俺たちが許せなかったと、でも俺達も行く必要はないのだなぜなら

 

「や、やぁその...騎士の鏡などと」

 

少し気まずいのかそれとも恥ずかしいのか控えめに出てくるダクネス

 

「へ?あ、あれーーーーーーーーー!?」

 

ダクネスは生きているから行く必要もなかったわけだが、それは大層ベルディアは驚いていた

 

「あれ?生きてる??」

 

「なになに?このデュラハンずっと私たちを待ち続けていたの??帰った後あっさり呪いを解かれちゃったとも知らずに???プークスクス、うけるんですけど!チョーうけるんですけど!!」

 

アクアは爆笑しながらベルディアを煽っていた

 

「お、俺がその気になれば街の住人を皆殺しに皆殺しにすることだってできるのだぞ!」

 

流石にいつまでも驚いて立ち直ったベルディアはそんなことを言い出す、流石にアクアも笑ってはいられないのかベルディアに向き直る

 

「アンタアンデットのくせに生意気よ!!」

 

ただの妬みだったらしい

 

「駆け出しの冒険者のまほうがつ「ターンアンデット!」

 

「ぎやーーーーーーー!!あーあーあーあーあーあーあー!!」

 

言葉を途中で遮られたとはいえ、駆け出しの魔法が通用しないと思っていたのか真正面から受けたベルディアだが思った以上にきいたらしく、奇声と発しながら地面を転げまわっていた。ちなみに彼が乗っていた馬は消滅した

 

「ねえ和真変よ!私の魔法が効いてないわ!」

 

「いや結構効いてように見えたんだが、ぎゃーって言ってたし」

 

この二人は漫才でもやっているのだろうか、そんな話をしているとベルディアは起き上がる

 

「お前本当に駆け出しか?!駆け出しが集まるのところなのだろうこの町は!」

 

そんなことを言うがコイツは女神なのだから当たり前なのであろう、当の本人は珍しくおびえていた

 

「まぁいい、わざわざこの俺が相手をしてやるまでもない...アンデットナイト!この連中に地獄を見せてやるがいい!!」

 

そう言うとベルディアの真下に魔法陣が現れアンデットが召喚されていく、俺の頭痛はひどくなる一方で体が勝手に動きそうになるのを必死に抑える

 

「あー!あいつアクアの魔法が意外に効いてビビったんだぜきっと」

 

なんて今度は和真が煽っていた

 

「な!?ち、違うわ!いきなりボスがたたかってどうする、まずは「セイクリッドターンアンデット!!」

 

「ひやぁぁぁぁ!!目が、目がぁぁ!!」

 

またも途中で遮られさっきよりも強力な浄化魔法が直撃する、またベルディアは奇声を発しながら転げまわる

 

「ど、どうしよう和真!私の浄化魔法が効かないわ」

 

「いや、ひやーとか言ってたしすごく効いてる気がするが?」

 

だから思えらは漫才でもやってるのかと聞きたくなるようなやり取りをしている、ベルディアはというと煙を上げながら立ち上がっていた

 

「もういい!アンデットナイトよ!街の住人を...皆殺しにしろ!!」

 

そう言って突撃してくるアンデットナイトに周りの冒険者は騒いでいるが俺は町に行かないことを確信していた、なぜなら

 

「ん?え、ちょ!?うわー!!」

 

なぜかアクアに向かって突進していたからだ

 

「何故アクアに?」

 

「あぁ、そうか忘れてけどアイツ女神だからか...」

 

「そうかアンデットだから女神に救いを求めて...ってそうだめぐみんあのアンデットの集団に爆裂魔法を撃ちこめないか!」

 

「え?ああも、まとまりがないと」

 

妙案が思いついたと思ったのだが流石に無理なようだった

 

「おいちょっと待てあいつこっちに向かってきてるぞ!」

 

「はぁ!?」

 

アクアあの事だから何も考え無しにこっちに、というより和真の方に向かってきているのだろう

 

「和真さん!和真さーん!!助けて!たーすーけーてー!!」

 

「うわぁ!!」

 

和真も逃げていく

 

「ど、どうしましょうシキ」

 

「・・・めぐみん魔法唱えて待機だ」

 

「へ?」

 

「早く」

 

「わ、わかりました」

 

和真の方を見ると俺の考えを理解したのか思った通りに走ってくれる

 

「いまだ!」

 

「っ!感謝します、シキ、カズマ!深く感謝します!!」

 

そう言うとめぐみんは杖を構え詠唱を始める

 

「我が名はめぐみん!!紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操りしもの...わが力、見るがいい!!エクスプロージョン!!」

 

「ぷぎゃー!!」

 

一瞬の閃光の後大爆発する、正直頭痛が酷くなるのでやめてほしいのだが仕方ないだろう

 

「くっくっく...わが爆裂魔法を前にして誰一人として声も出せないようですね...はぁ...すごく、気持ちよかったです...」

 

そう言って倒れるめぐみんに近づく

 

「倒れてなければ満点なんだが、おんぶはいるか?」

 

「あ、お願いします」

 

そうして倒れためぐみんを背負い他の冒険者のところに戻ると歓声が上がる。歓声が上がるが頭のおかしいが付いてるのでめぐみんは喜んでいなかった、それどころか

 

「すみませんちょっとあの人たちの顔、覚えておいてください今度ぶっ飛ばします」

 

なんていう始末だ

 

「フフフフフフ....面白い、面白いぞ!本当に配下を全滅させられるとは思わなかったぞ、では約束通りこの俺自ら相手をしてやろう」

 

ちょっと最初はめぐみんの爆裂魔法をくらって頭のねじでも飛んだかと思ったがそうではなかったようだ

 

「カズマ、シキ!!」

 

そう言って俺たちを守るようにダクネスが前に出る

 

「ビビる必要はねぇ!」

 

「すぐにこの町の切り札がやってくる!」

 

他の冒険者たちはチャンスと思っているのだろうがそうではない、その証拠に俺の頭痛はひどくなる一方だった

 

(多分ここからが本気、そういうことだろう...)

 

「和真めぐみんを頼む」

 

「は?おい志貴!」

 

一応何かあったときのためにめぐみんを預る、その間に他の冒険者たちは突っ込んでいく

 

「余程先に死にたいらしいな...」

 

そう言って頭を放り投げる、囲まれているというのに余裕な態度を崩さなかった

 

そのことに嫌な予感がする、和真も同じなのか横で叫ぶ

 

「ヤメロー!!行くなー!!」

 

『このままじゃアイツら死ぬぞ』

 

そんな幻聴が聞こえる

 

(そんなことはわかってる!力を貸せ!)

 

『ふん、強情だな...後悔するぞ』

 

(何かを...いや仲間を守れず、大切なものを守れず後悔するよりずっといい!!)

 

『そうか...』

 

なぜか幻聴はそう悲しそうにつぶやいた

 

『なら力を貸してやろう」

 

もはやそれは幻聴なのか俺の声なのかわからなかったがひとつわかることは、俺がとんでもないスピードでベルディアに迫っていることだけだった。全員の攻撃を避け今まさに剣を振ろうとするベルディアに切りかかる、まるで自分の体を誰かに操られているようだが構わなかった

 

「ぬ!」

 

俺の殺気を感じ取ったのだろう急いで半歩分飛ぶベルディアだがそれすらも俺は予測済みだったので半歩踏み込んで短刀を振る

 

「ぐぬぅ!」

 

だがそこは魔王軍幹部傷は浅かった

 

「ちっ」

 

「・・・貴様何者だ、今の太刀筋完全に殺しに来ていたが」

 

落ちてきた首を回収しながらそんなことを言うベルディア

 

「これから殺す相手に名乗る必要があるか?あーでも元騎士だったかなら必要か俺は白夜志貴、冒険者だ」

 

「ただの冒険者がこの気迫だと?笑わせるなこのさ「っ!」

 

何を言うかわかったので踏み込んで短刀を横一閃するが、今度は剣に受け止められる

 

「ふははは!!いいだろう貴様は強者だ!俺はデュラハンのベルディア、いざ尋常に...勝負!」

 

また首を投げて突っ込んでくる、流石にこんな大剣を受けたら吹っ飛ばされるので紙一重でよける

 

「ほらほらどうした!よけてるばかりでは「あぁそうだな、よけてるばっかじゃだめだよな」

 

隙を見て蹴りを入れ下がらせたところを一閃、だが今回も剣で防がれる。距離を取ろうとバク転を二、三回転するが仕留めようと大振りで振ってくる。だが大振りということは隙ができるので後ろに回って横一閃したが、見えているのか浅くしか傷つけれれなかった

 

「ほー、後ろからの攻撃見えてるのか」

 

俺は感心したようにつぶやく

 

「余裕だな貴様!!」

 

「種はわかるからな。大方あの頭だろ」

 

そう言って浮かんでいる頭を指す

 

「見破るか!こんなに強いやつはいつぶりか!!ふふ、はははは!!」

 

そう言いながら鋭い一撃が来るが俺には当たらない、それどころか

 

「っ!」

 

「ぐ!」

 

隙を見て攻撃した短刀が甲冑を破り中身にまでダメージを与える

 

直ぐにそのまま縦に切りその場を離れる

 

「貴様、なぜこれほどの実力がありながら!」

 

「おしゃべりな騎士だなぁ、っと」

 

俺は頭を抑える

 

『まずいなこれ以上は」

 

そう言って体を操られてる感覚は消え、残ったのは今までの比じゃ無い頭痛と鉛のように重い体だった

 

「?さっきまでの感じが、だがこれは好機!!」

 

「く...そ...!!」

 

短刀で受けたため刀傷はないが大きく吹っ飛ばされる

 

「志貴ー!!」

 

和真の声が聞こえるが頭痛が酷くて前か後ろかもわからない

 

「ダクネス!」

 

「わかっている!」

 

「どけクルセイダー!私はそこの冒険者に用がある!!」

 

そう言って近くで激しい剣戟の音が聞こえる、それとは別に駆け寄ってくる音も

 

「志貴大丈夫か!?」

 

「あぁ...わるい」

 

肩を貸してもらい何とか歩く

 

「お前のおかげでかなり時間が稼げたよ」

 

「じかん?」

 

そう聞くが答えるのよりも先に和真は他の冒険者たちに声をかける

 

「みんなー!!」

 

「「クリエイトウォーター!!」」

 

なぜかベルディアに向けてクリエイトウォーターをするのに疑問をもったが

 

「デュラハンの弱点が水だからだよ」

 

その説明を受け納得がいく。安全なとこまで運ぶと和真も参加しに行くが当たらない、だが何を勘違いしたのか和真の方に行くアクア

 

「ねぇなんで和真は遊んでるの?馬鹿なの?」

 

「あいつは水が弱点なんだよ!!なんちゃって女神でも水の一つぐらい出せるだろぉ!!」

 

こんな時でもあいつらは口喧嘩をしていた

 

「アンタねぇ!いい加減にしないと罰の一つでもあてるわよ無礼者!洪水クラスの水だって出せますから!!」

 

「だせるのかよ!」

 

「謝って!水の女神のことをなんちゃって女神って言ったこと、謝って!!」

 

「後でいくらでも謝ってやるからはやくやれよこの駄女神が!!」

 

「きー!!今駄女神って言ったー!!見てなさいよ女神の本気を見せてやるから」

 

なんか今聞こえてはいけない言葉が聞こえた、本気と

 

「この世にあるすべてのわが眷属たちよ...水の女神アクアが命ず、その力を世界に示せ!セイクリッドクリエイトウォーター!!」

 

ベルディアは逃げようとするがダクネスに捕まり羽交い絞めにされていた

 

(てかあれじゃあもろ洪水クラスかかるよなぁ)

 

そんなことを思いながらフラフラながらも立ち上がる

 

「あのバカ絶対何も考えてないよなぁ...」

 

考えるまでもなく眼鏡をとる、大量の水が迫り今にも俺や後ろの冒険者たちを飲み込もうとしている

 

(頭の痛さが今までの比じゃねぇな)

 

生物は点が見えるが大地には点は見えないので集中する、それに比例して頭痛がよりひどくなるまるで警告をしているかのように

 

「ようやくうっすら見え始めたか...」

 

『いいのか?それをつけば本当に戻れなくなるぞ』

 

「さっきも言ったろもう覚悟はとうの昔にできてる、俺はもう」

 

そうして見えた点に短刀を突き立てる

 

「逃げない」

 

『そうか...ならお別れだな...いや一つに戻るだけか』

 

突き立てた瞬間何かが砕ける音が聞こえた

 

-------------------------------

 

俺はおぼつかない足取りでベルディアの方に歩いて行く

 

「私の負けだ」

 

俺が目の前まで行くとそう呟くベルディア

 

「・・・」

 

「殺したいなら殺せ」

 

「俺にお前は殺せない」

 

「くっくっく...さっきのを俺が見てないとでも?まぁいいさ今の俺ならアークプリーストでも浄化できるだろう」

 

「・・・お前が使ってたスキル教えてくれ」

 

「魔眼か?まぁいいさ教えてやろうとも俺は負けたのだからな」

 

教えてもらったので冒険者カードを見てみると、習得可能スキルのところに魔眼があった

 

「それと俺の剣も好きにしてくれて構わない、お前なら使えるだろう?」

 

「・・・」

 

黙ってうなずく

 

「ふ...さっきと大違いだな貴様、まぁいいさ貴様がした過去のことはどうにもならない後悔して生きるといい」

 

「言われなくてもそのつもりだ、話は終わりだ」

 

近くで人が起きる気配がするので話をやめる

 

「いつつ...志貴?」

 

「和真どうやら成功したみたいだ、コイツを浄化してやろう」

 

「あ、あぁ...アクア!」

 

「な、なによ、今起きたばっかりなのに...」

 

「浄化だ、やれ」

 

「わかったわよ...」

 

そうだるそうに言うと手を横に出すと杖が飛んでくる、ついでに羽衣も出していた

 

「セイクリッドターンアンデット!!」

 

ベルディアが横たわってる下に魔法陣が出てきて光に包まれる。ベルディアの体と頭が少しずつ薄くなり、宙に浮かび始める

 

「最後に貴様と戦えたことを誇りに思う、貴様の手が血に汚れていたとしても」

 

ベルディアは俺にしか聞こえない声で言う

 

「・・・」

 

「さらばだ孤独な殺人鬼」

 

そう言い残し消えるベルディア、和真は俺のそばに寄ってくる

 

「お、おい志貴、大丈夫か?」

 

心配そうに声をかけてくる和真、ありがたいが今は辛い

 

「ベルディアがあの剣をくれたからお前にやる、それとおれパーティー抜けるわ」

 

そう言って和真に背を向ける、和真は何か言ってるが俺は歩き続けた

 

-------------------------------

 

「・・・これでここで寝泊まりするのも最後か...」

 

寝泊まりしていた馬小屋を見て考えると感傷的な気持ちになるが

 

「・・・」

 

すぐに頭を振り考えを捨てる

 

少し歩き同じような馬小屋に入る、和真とアクアがいる馬小屋だ

 

「・・・」

 

俺は俺が使っていた短刀以外の装備品を置くと背を向ける、ちなみに今の俺は転生してきたときの制服だ

 

「今までありがとうな...じゃあな、会うことはあるだろうがもう他人だ」

 

そう呟き今度こそこの場を去った

 




この次の話からオリジナルになります、話の説明は次の方で

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。