この魔眼持ちに素晴らしい世界で祝福を!   作:サクサクフェイはや幻想入り

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温泉とかいいですよねぇ...時間があったら行きたいなぁ
まぁそんな時間があるんだったら寝ていたい
本編どうぞ!


第十七話 この湯治に平穏を!

ズドンと何かが倒れる音がした、まぁ俺が倒した一撃熊なのだが

 

目隠しを外し一息つく、そんな俺に寄ってくる気配がする

 

「うわ...本当に目隠しして倒しちゃった...」

 

俺の姿にひいてるクリス、まぁ目隠しして一撃熊倒してればそれもそうだろう

 

「酷くない?傷つくわー」

 

「そんな棒読みされて言われても...それに自分でもわかってるくせに」

 

「まあな」

 

こんなことをするのは俺ぐらいだろう、そもそもパーティーで狩るならまだしもソロで狩るのはあまりいない。しかも目隠しつけてなんてよっぽどの自殺志願者でもなければいないだろう、俺か

 

「それにしても本当に見えてないんだよね?スキルの発動なんかは感じなかったけど」

 

「心眼」

 

ドヤ顔で言うと呆れた顔をするクリス、冗談はさて置き

 

「まぁ音を聞けば大体わかるし」

 

「それはシキだけだよ」

 

疲れた表情をしていた、なんか失礼だよな

 

「とりあえず帰ろうぜ、勘も十分取り戻せたし。この逢瀬も今日で終わりかな」

 

「なんでそういう言い方するかな!!///」

 

「真っ赤になって可愛い!」

 

真っ赤になったクリスをおちょくると叩いてきた、てかなんか神聖なものが漏れ出してる状態で殴られると結構いたい

 

俺とクリスは殴られながら街に戻るのだった

 

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「「「・・・」」」

 

俺、めぐみん、ゆんゆんは目の前の状況に言葉を失っていた

 

いや正確には呆れていたというのが正しいが

 

「最高級のお茶が入りましたわよ、和真さん」

 

「ズズ...お湯なんだけど」

 

和真が笑顔で告げる、和真にしては珍しく怒っていなかった

 

「私としたことがうっかりしていたわ」

 

「もしかして紅茶を浄化してしまったのかな?」

 

「ごめんなさいね和真さん」

 

「また入れ直せばいいだけさ、ありがとうアクア。これはこれでいただくよ」

 

そう言ってお湯を飲む和真、いやなんで飲み干すんだよ

 

「うん、お湯!」

 

「気持ち悪い」

 

いい加減この漫才を見てられなくなって声を出す

 

「やだなぁ、気持ち悪いなんてひどいなぁ志貴くん」

 

「よし殺そう」

 

目にもとまらぬ早業で短刀を抜刀、一瞬で和真の首元に短刀を添える

 

笑顔で

 

「ごめんなさい、すみませんでした。許してください、殺さないでください」

 

「よろしい」

 

短刀を引っ込める、何故かダクネスがこちらを赤い顔で見ていたが無視

 

「アクアもこんなつまらない茶番続けるなら、どうなるかわかるな?」

 

「サー、イエス、サー!」

 

敬礼までしだすアクア、はて?何が何やら

 

「「・・・」」

 

そんな中視線を感じそちらを見ると、めぐみんとゆんゆんが俺のことを険しい目で見ていた

 

「どした?」

 

「いえ...」

 

「私たちの気のせいだったみたいです...」

 

なぜか納得いかないようにこっちを見ていた、今のでバレたらしい勘の鋭いこって。なぜこんなことになっているかというと俺も詳しくは知らないが、バニルが和真の開発したものの利権関係を買い取るということで話にきたらしい。その時俺は夜な夜な狩りに行ってたので知らないわけだが、かなり愉快な状況だったらしい。主にバニルとアクアが、ぜひ見たかった。それでこんな状態になっているわけだが、いまだ返事はしていないので金はないがちかじかはいる予定だ

 

「まぁお金はあるのは素晴らしいことだが、そろそろ討伐に行かないか?」

 

見かねたダクネスがそう提案するのだが、和真は

 

「え?嫌だよ。なんで働かなきゃいけないんだよ?装備を整えて作戦だって立てたのに志貴が死んだんだぞ?決めた!俺はこれから商売で食っていく、冒険者稼業なんてやめてぬるく生きてくよー」

 

そんなことをのたまった、人生舐めてる元ニート。流石に俺は呆れてものも言えなかった、めぐみんやゆんゆんを見ると微妙な表情をしていた

 

「ねぇ和真さん、私それじゃあ困るんですけど。魔王を倒してくれないと色々困るんですけど」

 

また漫才が始まった、もういいやこいつらに話を振るのは間違いだろう

 

「てかいつまで俺たちはクエスト自粛してるわけ?」

 

「それは...」

 

「し、シキサンの傷が治るまでです!」

 

「いや治ってるけど」

 

その日に、どうやら俺は頭から落ちたので首がぽっきり逝ったらしく。直すのがそうとう大変だったとアクアが言っていた、それでも自粛に付き合っていたのは俺も責任があったからで。流石にそろそろいいのではないだろうかと思い聞いてみたのだが、まだだめらしい

 

「そんなにクエストに行きたいんですか?」

 

「別にそんなに行きたいわけじゃないが、そろそろいいんじゃないかと思ってな?」

 

別にクエスト自体は行ってるし、夜な夜な内緒だが

 

「わかりました...ですが!まだ安静にしてほしいので湯治に参りましょう!水と温泉の都、アルカンレティアに!」

 

「えっ!?」

 

「今温泉と聞こえたが!」

 

「ねえ今アルカンレティアって言った!!水と温泉の都、アルカンレティアに行くって言った?」

 

漫才やってる和真たちが反応した、それはいいのだがゆんゆんのあの反応は何なのだろうか

 

ダクネスを見るが...うん、ほっとこう

 

「湯治ねぇ...まぁこっちに来て温泉なんて入る機会そうそうないだろうし、俺はいいけど?」

 

「よし行こう!」

 

俺よりも乗り気な和真、だらしない顔から見るにラッキースケベを期待しているのだろう

 

-------------------------------

 

アルカンレティア行きが決まった夜俺はギルドに来ていた、もちろんクリスとの逢瀬だ

 

「アルカンレティア!?」

 

「声が大きいって」

 

周りに頭を下げながら小声で注意する、だがそれくらい衝撃だったのだろう

 

なんか不安になってきた、どういう都市なのか聞いてみることにした

 

「なぁアルカンレティアってどういうとこなんだ?」

 

「水と温泉の都、アルカンレティア...アクシズ教の聖地だよ」

 

「・・・」

 

アクシズ教、アクアから度々言葉に出ている宗教団体だ。水を司る女神アクアをご神体とする、超迷惑集団。それの聖地、もう考えただけで頭痛を通り越して吐き気ものだ

 

「どうしてそこ行こうって話になったのさ」

 

シュワシュワを煽りながらクリスが聞いてくる、俺は昼間のことをかいつまんで話す

 

「なるほどね」

 

「うわーそう思ったら行きたくなくなってきた」

 

「頑張って行ってきなよ」

 

他人事なのか笑顔で言ってくるクリス、流石にムカつきはしないが苦虫をかみつぶしたような顔をする

 

「他人事だと思いやがって...」

 

「実際他人事だし」

 

「このやろう...」

 

俺もシュワシュワを煽る、そこでいい考えが浮かぶ

 

「そうだクリスこの頃付き合ってもらってたよな」

 

「うん?いきなりどうしたの?」

 

「それのお詫びってか恩返しをしようと思ってな?」

 

「おーそれって何さ?」

 

さっきの話から連想できそうな気もしないでもないが、クリスは乗ってくる

 

「一緒に温泉行かないか?」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

無言で見つめあう俺とクリス、やがてクリスは引きつった笑みをしながら俺に言ってきた

 

「あははーヤダなーシキ、私たちそんな関係じゃないでしょう?」

 

「いやいやいや、親しき中にも礼儀ありっていうだろ?」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

再度見つめあうがさっきみたいな沈黙はなかった、速攻でクリスは行動を起こしたが

 

「はなせー!!」

 

「はっはっは、俺が逃がすわけないだろう?」

 

逃げる前にクリスの腕を掴む、有無を言わさずクリスの分も代金を支払いギルドを出る。もちろんクリスはわめいていたが、俺はそれ以上の声を出していたので周りにはばれてない

 

「やれやれ、甘いなクリス」

 

「ぐぬぬ!」

 

悔しがっているクリスを見るのはいい気分だった、まぁ最初の段階で逃げていたとしても難なく捕まえたが。これも荒療治の成果だろう、よきかな良きかな

 

「さてクリスに拒否権はないからな?」

 

「酷くないかな!?」

 

「もし逃げたりしたらどんな目に合うかわからないからよろしく!」

 

そう言って手を離す、クリスに逃げる様子はない諦めたらしい

 

「それで?明日は何時集合?」

 

「昼前には出発になってるから」

 

「了解...はぁエリス教徒の私が行ったら何をされるか...」

 

「まぁ心配すんなって、誘ったのは俺だからなもし何かあったら俺が守ってやるよ。またな」

 

そうして俺は帰路に就いた

 

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「あー、ねみ...」

 

早朝ともいえる時間にたたき起こされた、いや湯治に行くのは決まっていたが。こんな早朝に起こされるとは思っていなかった、そもそも馬車の寄り合い所自体開くのが相当先だ。実際ダクネスは知らんがめぐみんのゆんゆんなんか、俺に引っ張られている状態だ

 

「マジねみぃ...」

 

あくびをかみ殺しながら歩く、アクアはアクアで元気すぎてちょこちょこしていた。正直言ってうざい、眠いながらも意識は覚醒しているのが最悪だ。ちなみに保護者こと和真はいない、なんでもアクアの話だと先に一番いい馬車を取っておく手筈のようだ

 

「って、和真いないじゃないの!!」

 

寄り合い所についたアクアが最初に言った、まぁそんな気はしていたが。とりあえず俺の裾を引っ張っているゆんゆんとめぐみんを外し、俺も探し人を探す

 

「お、クリス。ようやく見つけた」

 

丁度いい散歩になるかなと思い探し始めたのはいいが、ようやく見つかったのが明るくなってからだった

 

「ずいぶん早いね」

 

「まぁアクアにたたき起こされやからな、朝っぱら早くに」

 

「あはは...」

 

「とりあえずアイツらに合流しないと、というわけで行こうぜ」

 

「うん!」

 

クリスもこういうのは初めてなのか少しいつもよりそわそわしていた、ようやく合流地点に戻るとダクネスが和真の首を絞めていた

 

「どういう状況だよ...」

 

アクアはアクアで馬車がどうのこうの言ってるし、めぐみんとゆんゆんは起きていた

 

「君のパーティーはいつも騒がしいね」

 

苦笑しているがその瞳はまぶしいものを見ている眼だった、俺はそれを聞こえなかったふりをしてめぐみんとゆんゆんに近づく

 

「なにこれ?なんでウィズがいんの?」

 

「それより私はクリスがいる方が気になるのですが」

 

「昨日誘った、それだけ」

 

「・・・それはそれで気になりますけど、ウィズさん消えかかってたのでカズマさんがダクネスさんの許可なくドレインタッチをして」

 

「それであの状況なわけね」

 

なんかゆんゆんもめぐみんも呆れた顔で俺を見ていたがスルー、とりあえずダクネスが手招きしていたので俺たちは行くことに

 

「どした?」

 

「座席決めるから来てほしかったのだが、クリス?」

 

「無理やり誘われてね...」

 

疲れたような顔をしていた、三人の視線が刺さるがその通りなので何も言えない

 

「んで、どうして呼んだんだ?」

 

「座席決めるからじゃんけんだ、一人が...ってクリス居るから二人荷台だな」

 

「なら俺荷台でいいや、寝る」

 

俺はじゃんけんから外れさっさと荷台に移動する、そのあとアクアがぐずっていたがクリスが変わると言って事なきを得た

 

「アルカンレティア行きー、発射しまーす!」

 

馬車なんて初めて乗ったが意外と乗り心地は悪くなかった

 

「それにしてもゆっくりなんだな」

 

「馬車なんてこんなものだよ?」

 

「何回か乗ったことあるのか?」

 

「まぁ回収の方でね」

 

そう言って笑っていた、流石に日差しも暖かいので眠くなってきた

 

「眠いの?」

 

「あぁ...」

 

意識がまどろんでいく

 

「おやすみ」

 

そう聞いたような気がするが、俺はもう意識が落ちていた

 

-------------------------------

 

何やら周りが騒がしい、仕方がないので起きることにする。というよりもこんなにうるさかったら寝れないし

 

「おいクリス起きろ」

 

「うん...?」

 

俺の太ももでいつの間にか寝ていたクリスをおこし、和真に話しかける

 

「何の騒ぎだ?」

 

「おお志貴起きたか!この馬鹿のせいでハシリタカトビが!」

 

「はぁ?」

 

この状況で冗談でも言ってるのだろうか、寝ぼけているのかいまいち感覚がはっきりしない

 

「そういうモンスターがいるんですよ!」

 

「ともかく危険なんです!」

 

めぐみんやゆんゆんがそういう、少し遠くで騒がしいと思いそちらに目を向けると何かが走ってきていた

 

「へぇ...あれが俺の睡眠を邪魔したのか...」

 

ゆらりと立ち上がる、数にして十五匹程度だろうか

 

「殺す...」

 

短刀を抜いて誰よりも先に走りだす、後ろから制止の声が聞こえるが俺は早く終わらして寝たいのだ

 

「というわけで死ね」

 

眼鏡を外し跳躍、一気に後ろに着地する。そこからまた駆け出し一番後ろにいたやつの足を切り、三匹くらい一気に頭を飛ばす。そしてひかれないように器用に走り抜ける、もちろん走り抜けたときに近くの奴らの首を切り落とすのは忘れない。残り五匹ここまで行けばあとは簡単だ、各個撃破して馬車に戻る

 

「ふぅ...」

 

「相変わらず見事な手際だね」

 

クリスは普通にねぎらってくれるが他のみんなはポカンとしていた、当たり前だよなぁ。そしてこの状況に普通になれているクリス、お前もこっち側だ

 

「おっちゃん馬車出してくれ」

 

「あ、は、はい!!」

 

おっちゃんは他の人たちに声をかけて急いで馬車を出す、俺はまた荷台で目を閉じた。そんな俺の様子を見てか、めぐみんやゆんゆんは何か言いたそうにしていたが何も言ってこなかった

 

後からの追求怖いなぁ

 

 




デートと言いつつ数行で終わる...まぁ何日も同じような作業書いてもね、というわけで水の都アルカンレティア編です、もう残り少なくなってきてる...
OVAは後は和真視点を残すのみなので和真視点入れても四話くらいですかね、後はリクエストくらいでしょうか、気が向いたら書くくらいになるでしょうけど。
それでは皆様終わりまでお付き合いください!
あ、あとお気に入りや感想などありがとうございます。書き終わってはいるものの励みになってますので

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