とある妖怪の運命操作   作:rockzero21

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どうも、rockzero21と申します。これが初投稿となります。不定期ですができるだけなら週一でだしたいです。
また、今回は三人称視点から進みますが、§1からは一人称と混ざった感じになります。間違った部分があれば、お伝え下さると助かります。また原作に於ける暗部編、一通側、浜面側、御坂側は省き、上条側のみとなります。


§0 少女…上条レミリア

まだ夏も此れからというある日、少女はあるファミレスの中で休憩していた。彼女は外人かと思うような紫みの銀髪を持ち、彼女の水兵服は生徒だということを示している。何故生徒が平日の昼間にこんな所に居るのかと言えば、彼女の高校は今日が終業式である為で、贅沢をしようと思った彼女が懐の寒さに気付き、ドリンクバーで時間を潰しているといった状態だ。

 

此処は学園都市。ある研究機関が街を覆うまでに巨大化し、学生の街となったと言われている。名の通り、中は学校と寮が立ち並び、生徒が此の都市の人口の大多数を占めている。また、中には外の三十年先と言われる科学力があり、街にはロボット、第二十三学区には音速旅客機があり、中では秘密の研究が行われていたりする。

 

「オイ、お前!ちょっと俺たちとイイコトしようぜ。」

ふと、そこに如何にも不良といった感じの声が聞こえてきた。少女が声の主を探してみると、少々離れた席において、ヤンキーの軍団が別の一人の少女をナンパしているのが見えた。普通の人であれば見て見ぬふりをするだろう。然し、此の貧乏少女は、何を思ったのかヤンキー軍団の方へ行き、メンバーの一人が「来んじゃねえ‼︎」と言うのも気にせず、逆に言い返した。

「貴方がナンパするのは自由だけれど、其れ以上やると言うならば、地獄を見ることになるわよ。」

其の凛とした透き通る声はヤンキー軍団を激怒させたようだった。

「テメェ死にてぇのかコラァ‼︎」

「私がしたのは警告であって、別に喧嘩を吹っ掛けた訳じゃあないのだけれど。」

「知るか‼︎表に出て来やがれ‼︎」

「えっ、ちょ」

そのまま彼等は外に出て行った。両者が対峙。

「オイ、そんな口叩くんなら俺たちを倒してみろよ。俺たちのボスはレベル3の発火能力(パイロキネシス)の能力者なんだぜ〜ェ。お前みたいなレベル0が勝てるものか‼︎」

などと彼等が煽ってくるのに対し、少女は足を思い切り踏ん張り、

 

 

その場から逃げた。

 

彼女が逃げた裏路地はヤンキーの独壇場である。然し彼女は其れを理解した上で裏路地に逃げていた。案の定入り口に一塊に集まっていた彼等は、一気に入った所為で少女を見逃してしまった。

 

「やれやれ、やっと巻けた。」

と少女が裏路地から出てきた。そこで初めて、ドリンクバーがまだ残っていたことを思い出し、「不幸ね」と呟いた。そして人の気配に気付き、振り返った少女の目に入ったのは、先程不良に絡まれていた少女だった。先程は気付かなかったが第七学区の名門校、常盤台中学の制服を着ているところから見るに、彼女は常盤台の生徒なのだろう。

「ヤンキーはもう何処かへ行ってしまったわ。」

すると常盤台の少女は不機嫌そうに言葉を返した。

「あんた、ひょっとして()()()()()のか分かってたんじゃないの?」

「其れってどういう…」

「惚けてないで。此の超能力者(レベル5)として無能力者(レベル0)のあんたに負けるなんてあたしのプライドが許さないのよ。」

「…人違いではなくて?少なくとも私と面識はなかった筈よ。私を斃しても雪辱にはならないわ。」

「もう関係ないわ。あたしは御坂美琴、常盤台のレベル5よ。そしてあんたと対戦する訳だけれども…ねぇ、レールガンって知ってる?」

レールガン、弾丸の両脇のレールに電流を流し、フレミングの両手の法則により加速させて打つ火器である。そのようなことを考えつ美琴を見ると、彼女はゲーセンのコインを指で弾いていた。そして人差し指指はU字型に曲げており…恐ろしい予想が少女の頭を駆け巡った。そして美琴の指が放電し始めたとき、彼女の()()()()()()()()()()という疑惑は確信へと変わった。

 

そう、此の街のもう一つの姿、其れは科学によって大成した超能力開発機関である。此処の生徒は、皆薬品による能力開発を受けており、又成績や格差も此れに関係してくる。能力者は強さによって無能力者(レベル0)から超能力者(レベル5)まで分けられており、御坂美琴の場合、超能力者(レベル5)電撃使い(エレクトロマスター)、固有名詞として超電磁砲(レールガン)の能力を持つ。その名の通り彼女は先の過程で打つレールガンを得意としていた。

 

果たしてレールガンが放たれた。然し此処で、少女は右手で咄嗟にガードした。たかが皮膚、全くの防御にならない筈だった。

 

だが然し、レールガンによる土煙が消えた後そこにいたのは、歪んだコインを右手で抑えている少女の姿だった。

「それよそれ。どうしてアンタみたいな無能力者(レベル0)が此のレールガンを止めれる訳⁉︎其れが気に食わないわ。」

(さっき)から質問の対象を間違えてないかしら。そういうことは先生にでも聞けばいいじゃない。其れと、若しかして最近よく絡まれるのって貴女の所為?そうなら止めて欲しいわ。」

「此の学園都市第三位が無能力者(レベル0)に遇われるなんて恥晒しにも程があるわ。効かないって言うんなら此れを食らいなさい‼︎」

そう言うが早いか、美琴は側にあった缶の塵箱をひっくり返し電流を流して爆発させた。其れ自体は小規模なものだが、問題は破片だ。大量の缶は右手では防げず、ぶつかるしかない。美琴はそう考えた。しかし少女はこれもまた矢張り無傷だった。いや、それは何かで防いだというよりそもそも()()()()()()()のだった。そのまま少女は手元の腕時計に目を合わせると

「あっ‼︎もう少しでタイムセールじゃない。こんなところで道草食っている場合じゃなかったわ。」

「待ちなさい‼︎名前だけでも教えなさい‼︎」

すると少女は面倒臭そうにこう答えた。

「レミリア…上条レミリアよ。」

「レミリア、だって?日本人らしかぬ名前ね。」

「この姿を見てそう言えるかしら。これでも純日本人の親から苗字も遺伝子も引き継いだ人よ。」

そういうと少女…上条レミリアは急いでその場をあとにしていった。

 

 

此れは『運命』の物語。運命とは、ある人によれば世界という概念が出来たときに決められた全ての事柄と言われている。又、特定の人物の心を物に宿る神が読み、其れを反映した結果と説明する人もいる。何れにせよ、運命には何人(なんびと)たりとも抗うことはできない。ただ、若し運命を操る者が居たならば、何を想い、何をするだろうか。其れは運命にも分からない

 

 

科学と魔術、そして運命が交差する時、物語は始まる。

 




運命操作(ディスティニーオンザレール)
 lv:5〜6相当
 過去現在未来の指定したことを必ず起こるようにする。本人の自由にでき且つ明確な意思がないと使えない。但しそれによるパラドックスが起こる可能性も。また上条の不幸は取り消せない。意識して発動せずとも周囲を奇妙な運命に導く効果もあり、上条が普通に生活できるのはこのため。ただ、不運な運命へも導く。

幻想殺し(イマジンブレイカー)
 lv:0
 原作と同じ。上条は運命操作の無意識下効果とも安全装置とも考えている。

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