ULTRAMISSION ORB   作:彩花乃茶

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アイムア仮面ライダー

~~ガイ~

 

「よっしゃ到着!」

 

 俺とシューティーは風のエレメントがある次元宇宙の地球へとやってくると、シューティーはさっそく周囲を見渡す。

「へぇ!随分と色とりどりな星じゃんか!オイラの採掘惑星とはまるで違うな!」

 

 シューティーが見たことある惑星は採掘惑星と火山惑星だけだったからな。こういった星を見るのは新鮮なのだろう。

「いてっ・・・なんか棘みたいなのが刺さったような・・」

 

 何かが刺さったような感覚を感じたらしいシューティーは首筋をさすった瞬間・・・

「うっ・・・!」

 

 いきなりシューティーが倒れた。

「シューティー?どうしたシューティー!!」

 

「うぅ・・・」

 

 何者かに毒を盛られたのか?いや、俺達はこの宇宙に来て間もない。この地球で俺達を狙うようなのはいないだろ。そう考えると無差別に行った行為で・・・偶然シューティーがその被害者になったと考えるのが妥当か。

「永夢あそこ!人が倒れてるよ!」

 

 1組の男女がシューティーが倒れている事に気づいてこちらへと走ってくる。

「貴方達は?」

 

「僕は宝条永夢。ドクターです!」

 

 ドクター・・医者か。

「私はポッピーピポパポ。って永夢!これ見たことないウイルスだよ」

 

「確かに見た事ないバグスターウイルスだ」

 

 髪がピンク色のカラフルな衣装を着た女性・・・ポッピーは道具でシューティーをスキャンするも、それは彼らにとっても未知なウイルスだったようだ。

「だけどまずは患者からバグスターを切り離さないと。緊急オペを始めます」

 

 そう言った永夢は黄緑色の道具を腰に装着して桃色のカセットのようなものを取り出した。

「えっ?ここで?」

 

「大丈夫。少し下がってて」

 

『マイティアクションX!』

「患者の運命は・・・俺が変える!変身!」

『レッツゲーム!メッチャゲーム!ワッチャゲーム?ワッチャネーム?アイムアカメンライダー!』

 

 永夢の性格が変わったかと思うと、永夢はカセットを黄緑色の道具にセットしてその姿をずんぐりむっくりな白い姿になった。

「えと・・その姿は?」

 

「これか?この姿は仮面ライダーエグゼイド。レベル1だ!」

 

 よく分からないがその姿がシューティーからウイルスを取り除くための手術をするための姿だってことは分かった。

『ステージ!セレクト!』

 

 周囲の風景がいきなり変化して海岸になる。ワープ?いや、ネクサスさんのメタフィールドのように特殊な空間を展開したのか。

「っ?!」

 

 シューティーの身体は湧き上がって来た肉団子のようなモンスターへと変貌してしまう。これが2人の言っていたバグスターっていうウイルスか。

「タァッ!」

 

 エグゼイドはハンマーでバグスターの頭部を叩きつつバグスターの背後に回り込むとそこにあったブロックを殴って壊して、その中にあった大きいメダルを取り込んだ。

『分身!』

 

「「「「「いっくぜぇ!!」」」」」

 

 5人に分身したエグゼイドはそれぞれ違う動きでバグスターを翻弄しつつも確実にダメージを与える。そして分身が解除されて1人に戻るとまた次のアイテムを取り込んだ。

『マッスル化!』

 

「オラァァァッ!!」

 

 一瞬だけ膨張したエグゼイドは力強く振り下ろしたハンマーをバグスターに叩き込む。するとバグスターが爆発して、爆炎からシューティーが出てきた。

「シューティー!」

 

「待って!まだ手術は終わってないよ!」

 

 俺はシューティーに駆け寄ろうとするとカラフルな女にそれを止められた。

「切除は終わったけど、バグスターがあの子の身体から分離しただけでまだ倒せてないの」

 

 彼女がそう言った途端、シューティーの身体からは髑髏怪獣レッドキングのようなものが出てきた。

「まるで怪獣みたいなバグスターだね」

 

「あぁ。未知のバグスター相手でも負けるつもりはない。大変身!」

『マイティジャンプ!マイティキック!マイティアクションX!』

 

 エグゼイドの装甲が吹き飛んだかと思うと・・・そこからはピンク色のボディに8等身の姿へと変化した。

「レベル2で勝負だ!」

『ジャッキーン!』

 

 ハンマーを剣に変形させたエグゼイドはそれでレッドキング似のバグスターに斬りかかるも、その重たい拳を喰らって激しく吹き飛ばされた。

「永夢!」

 

「いってぇ~。レベル2じゃ無理か」

 

「当然だ。レッドKINGのレベルはXに設定しているからな」

 

「誰だ!」

 

 俺は背後から聞こえてきた声に反応して振り返る。そこには亡霊のような異星人であるゴース星人が立っていた。

「何だあの植物みたいなの?バグスター・・・じゃないよな?」

 

 宇宙人の存在を認知していないこの星の人間にはそりゃよく分からない存在だよな。

「私はゴース星人ガウラス。そのバグスターをそいつに感染させたのは私だ」

 

「お前が犯人か!」

 

 オーブカリバーを取り出した俺はそれでゴース星人へと斬りかかろうとすると、俺より先に白い継ぎ接ぎのボディをした仮面ライダーがエグゼイドと同じ武器で斬りかかった。

「ようやく見つけたぞぉ!!貴様が私の製作中だったガシャットを盗んだ犯人か!!」

 

「黎斗!」

 

「黎斗さん!」

 

「檀黎斗神だ!」

 

 クロトと呼ばれていたその仮面ライダーは檀黎斗神だと訂正しながらも刃を避けるゴース星人に何度も剣を振るっている。

「いったいどうしてここに?」

 

「昨晩何者かにハッキングを受けてな、製作中だった大怪獣バトルのゲームデータが盗まれてしまったのだ。私はそのハッキングした相手を探っていたのだが・・・まさか宇宙人が私のゲームデータを盗んでいたとはな」

 

 クロトという人物はゴース星人に剣を振るいながらもデータが盗まれたことを少し嬉しそうに語る。

「黎斗嬉しそうだね」

 

「私のゲームは地球を飛び出して宇宙に認められたのだからな!嬉しいに決まっているだろう!・・・だが私の開発したゲームを盗み出すというのは気に入らん!そのゲームは私のだぁ!!」

 

「うっとおしい。レッドKING!一旦この場は引くぞ!」

 

 ゴース星人の命令でレッドKINGは地面を強く叩き土煙を周囲に広げると・・・その場からワイアール星人とレッドKINGの姿は無くなっていた。

「逃げられたか」

 

 変身を解いた永夢とクロトは俺達の元へとやってくる。

「あの宇宙人への反応を見る限り君らもこの星の人間ではないのだろう。事情は・・・おそらく知らないだろうが話を聞かせてもらおうか」

 

 

 

~~永夢~

 

「なるほど。風のエレメントというものを探しに地球に」

 

 僕はガイさんからそれぞれの属性のエレメントを巡る宇宙の旅をしていることを聞かされた。何だかRPGみたいな話だ。

「ウルトラマン・・・宇宙にはそういった存在もいるのか」

 

 黎斗さんはガイさんの語る『ウルトラマン』という存在に興味を抱いていた。この人の事だ。きっとウルトラマンを主題としたゲームを作ろうとするに違いない。

「そちらの話も大方理解しました。この地球にはゲーム医療というものが存在して永夢達CRのドクターはそのゲーマドライバーとガシャットと呼ばれる道具でゲーム病と呼ばれる病気を治療しているんですね」

 

 ガイさんの言葉に僕は頷く。するとガイさんは黎斗さんの方に視線を向けた。

「それでその大怪獣バトルというのはどのようなゲームなんですか?」

 

「うむ。大怪獣バトルというのは私がバグスターとなる前に人気テレビ番組とコラボが決まり制作することが決まったゲームだ。しかし私が社長ではなくなったことでその企画がお蔵入りしていて、不覚にも私もつい先日までそのことをすっかり忘れていた。そのことをふと思い出した私は再び大怪獣バトルの製作を開始して後はガシャットにデータを送り込めば完成というところで・・・」

 

「ゴース星人にデータが盗まれたってわけだね」

 

 ポッピーの言葉に黎斗さんは頷いた。

「私の企画段階ではレベルはその番組のシリーズが51周年ということで51にしていたはずだが・・・あの宇宙人は私の許可なくゲームデータに手を加えたようだ」

 

「たとえ相手がレベルXでも宇宙人だとしてもやることは変わりません。患者は僕が救います」

 

 僕はレッドKINGのウイルスに感染しているシューティー君へと視線を向ける。たとえ地球人じゃなくても患者なら救うだけだ。

「永夢!緊急通報だよ!目撃情報からしてレッドKINGだと思う!」

 

「分かりました!すぐ向かいます!」

 

「俺も・・・!!」

 

 ポッピーから緊急通報があったことを聞いた僕はガイさんとともに緊急通報があった場所へと向かうと・・・そこではゴース星人の指示でレッドKINGが町を破壊して歩く姿があった。

「仮面ライダーエグゼイド、やはり来たか。・・・まだ目的は達成されていないというのに・・。レッドKING、ここは任せた」

 

「待て!」

 

 僕らはゴース星人を追いかけようとするとレッドKINGにそれを阻まれてしまう。

「・・・まずはレッドKINGを倒さないとダメか」

 

「ならばあれの切除は俺達に任せろ」

 

 後ろから聞こえた声と足音に反応して振り返ると、そこにはブレイブ・ファンタジーゲーマーレベル50とスナイプ・シミレーションゲーマーレベル50にレーザーターボ・シャカリキバイクゲーマーレベル0の3人がやってくるのが見えた。

「ポッピーと神から話は聞いたぜ。俺らも乗ってやろうじゃないの」

 

「エグゼイド、お前ははやく大元をぶっ倒してこい」

 

「すみません。お願いします!」

 

 飛彩さん達にレッドKINGを任せた俺達はワイアール星人を追いかけた。

 

 

 

~~ガイ~

 

「えぇい!うっとおしい!」

 

するとゴース星人は逃げるのを観念したようにいきなり俺達に振り返った。

「お前を倒してこれ以上感染が広がるのを食い止める!患者の運命は・・・」

『マイティブラザーズXX!』

 

「「俺達が変える!!」」

『ダブルガッシャット!』

 

 永夢から声が二重に聞こえたかと思うと目がそれぞれ橙色と青に輝いた。

「だ~~~い・・・変身ッ!」

『ダブルアップ!』

『俺がお前で!お前が俺で!ウィァー!マイティ・マイティブラザーズXX!』

 

 変身時の発光から出てきた永夢は・・・橙色のエグゼイドと蒼いエグゼイドの2人になっていた。分身?・・・いや違う。完全に2人になっている。どうなっているんだ?

「待ってたぜ永夢。ようやく出番だな」

 

「それじゃ行こうかパラド!」

 

「「超協力プレーでクリアしてやるぜ!」」

『ステージセレクト!』

『ガシャコンブレイカー!』

『ガシャコンキースラッシャー!』

 

 どうやら橙色側はパラドという人格らしく、蒼い方が永夢の人格のようだ。2人のエグゼイドは戦いの場を宇宙へと変えるとそれぞれ剣を手にしてゴース星人へと斬りかかる。

「くっ・・・かくなる上は・・」

 

 即座に2人がかりでは不利と判断したゴース星人は手に持っていた大怪獣バトルのガシャットを自分へと突き刺して取り込んだ。

「私自身が大怪獣となり・・・お前達を葬り去ってくれるわ!」

 

 ゴース星人は一瞬でデータ化するとともにその姿を暴君怪獣タイラントのような姿に変化させた。

「ガァァァァァ!!」

 

「何だかあれ、理性無くなってないか?」

 

「そうっぽい。パラド!レベルを上げていこう!」

 

「そうこなくっちゃな!」

 

 2人のエグゼイドはタイラントと一旦距離を取るとそれぞれ違うガシャットを取り出す。

「「Max大変身!」」

『最大級のパワフルボディ!ダリラガーン!ダゴズバーン!マキシマムパワーX』

『赤い拳強さ!青いパズル連鎖!赤と青の交差!パーフェクトノックアウト!』

 

 蒼いエグゼイドはロボットのようなものに乗り込んでパワフルなボディなエグゼイドになると橙色のエグゼイドは赤と青の交差した戦士の姿になった。

「マキシマムマイティゲーマーレベル99と・・」

 

「仮面ライダーパラドクス。パーフェクトノックアウトゲーマーレベル99だ」

 

 最大レベルとなった2人は同時に拳を叩きこむ。その一撃に怯んだタイラントは口から炎を吹き出してきた。

「そう来たか!」

『反射!』

 

「オラァァァッ!」

 

 前へと出たパラドクスはアイテムを使用してタイラントの炎を跳ね返すとエグゼイドが右腕を伸ばして殴りつける。

「凄いコンビネーションだな」

 

「当然だ。俺達は2人で1人だからな」

 

 2人で1人・・か。そう言えばさっきガシャットからも『俺がお前でお前が俺で』とか聞こえていたな。

「パラド。フィニッシュは必殺技で決まりだ」

『MAXIMUMMIGTTY!CRITICALBREAK!』

 

「あぁ!心が躍るな!」

『PERFECTKNOCKOUT!CRITICALBOMBAR!』

 

 エグゼイドとパラドクスは同時にキックを叩き込むと、タイラントは爆発してワイアール星人は本来の姿に戻る。

「あれ?ゲームクリアが出ないぞ?」

 

「こ・・・これで勝ったと思うなよ。大怪獣バトルのゲーム病を拡散させて地球を支配する計画は捻挫したが・・・貴様らだけでも葬り去ってくれる!」

 

 しつこく立ち上がったゴース星人はガシャットを空へと掲げると人間サイズのタイラントのようなゲームキャラではなく、本物の巨大なタイラントへと変身した。

「うわデッカ・・!」

 

「まさかあのゲームから本物の怪獣を呼び出すとはな。後は俺に任せろ!」

 

 オーブカリバーを空へと掲げた俺はオーブへと変身してタイラントの前に降り立った。

 

 

 

~~飛彩~

 

「フンッ!」

 

 俺のメスに胸部を切られたバグスターはその場に背中から倒れ込む。

「いくらレベルXとはいえこちとらウイルスを抑制できる俺と魔王サマがいるんだ。負けるわけねぇだろ」

 

「おい、俺をハブるな」

 

 元無免許医は監察医にのけ者にされたことに対して口を出すとバグスターはまだ立ち上がってきた。

「やっぱ見た目通りタフだな」

 

 監察医は存外生命力の高いバグスターに呆れてため息をついた途端、バグスターの姿が黒く変色した。

「何だこいつ。黒くなり・・・うおっ!?」

 

 黒くなったことに反応した元無免許医はバグスターに殴り飛ばされて強く壁へと叩きつけられてしまった。ただ色が変化したのではなく、強化されたということか。

「正真正銘の未知・・・レベルXってことかよ」

 

 タイヤを投げつけた監察医だったが、そのタイヤはバグスターに殴り返されてしまう。

「っと・・・。ありゃパワーだけじゃなくて外殻の硬度も変わってるぞ」

 

 殴り返されたタイヤをキャッチした監察医は硬度も変わっていると診断する。

「・・・たかが力と硬さが上がっただけだろ」

 

「そうだ。それなら騒ぎ立てるようなことではない」

 

 このような相手、俺達は何度も乗り越えてきたのだからな。

「術式レベル100!」

『辿る歴史、巡る歴史、タドルレガシー!』

 

「とっておきを使ってやる。変身!」

『ライダークロニカル』

『アガッチャ』

『天を掴めライダー!刻めクロニカル!今こそ時は極まれり!』

 

「そういう流れ?いいぜ。ノッてやるよ」

『爆走独走激走暴走爆走バイク!』

『アガッチャ!』

『シャカットリキットシャカリキスポーツ』

 

「オペを終わらせるぞ」

『TADOL!CRITICALSTRIKE!』

 

「これでミッションコンプリートだ」

『BANBAN!CRITICALFIRE!』

 

「ノリノリで行こうじゃないの」

『BAKUSOU!CRITICALSTRIKE!』

 

 元無免許医がバグスターへと向けて銃撃を撃ち込むと、監察医は出現させたバイクに跨って体当たりを決める。

「ハァァァァァっ!」

 

 そしてトドメに俺がキックを叩き込むとバグスターは爆発してオペは完了した。

『GAMECLEAR!』

 

 爆炎の中からはゲームクリアの文字が浮かび上がってくる。これで患者のゲーム病は治っただろう。

「残るはゲーム病を振りまいた元凶だけか」

 

 残る処置は任せるぞ。小児科医。

 

 

 

~~永夢~

 

「シュゥァ!」

 

 巨大な銀色の巨人・・ウルトラマンオーブに変身したガイさんは巨大な怪獣を相手に苦戦を強いられていた。さっきのバグスターが巨大化して強くなったというよりは、あの巨大な方が本来の戦闘力なんだろうな。

「オーブ1人に任せるわけにはいかないよな。永夢!お前も行って来い!」

『巨大化!』

 

「えっ?・・・」

 

 パラドクスは俺に巨大化のエナジーアイテムを発動してくる。そういうことか。やってやろうじゃないか!

「ハイパー・・・大変身!」

『輝け流星の如く!黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキエグゼ~イド!!』

 

 俺はレベルを超えた最強の姿、ムテキゲーマーに変身しながら右腕を空へと突き上げ、オーブと同じサイズまで巨大化する。

「オーブ!超協力プレーでクリアしようぜ!」

 

「ッ!」

 

 オーブは俺の言葉に頷くと怪獣に駆け出してその喉元にチョップを叩き込む。俺も瞬間的に距離を詰めて肘内を怪獣に叩き込んだ。

 

 

 

~~ガイ~

 

「シュァ!」

 

「オラぁっ!!」

 

 怯んでいるタイラントの隙を突き、同時に蹴り込んでタイラントの鎌を砕く。俺だけじゃタイラントの鎌を砕くなんて無理だっただろうに・・・この巨大化した金色のエグゼイドはとんでもない力っぽいな。

 

「オーブ!フィニッシュは必殺技で決めるぜ!」

『HYPER!CRITICALSPARKING!』

 

「あぁ!」

 

 エグゼイドが必殺技を発動する体勢を取ったので俺もオーブカリバーのリングを回転させて火のエレメントの力を解放する。

「ハァァァァァっ!!」

 

「シュァ!」

 

 タイラントに黄金に輝く飛び蹴りを叩き込んだエグゼイドに続き、俺は炎の円を描いてその炎の輪をタイラントへと飛ばす。するとその炎の輪は回転してタイラントを火の玉で包み込んだ。

「オーブフレイム・・・カリバァァァ!!」

 

 炎の結界に包まれるタイラントにカリバーで一太刀を決めた瞬間、炎の中には大量の『HIT』という文字が浮かび上がってきた。そして炎の結界の内側でタイラントが爆発すると、解放された炎の結界からは『GAMECLEAR』の文字が浮かんできた。

「やったなオーブ!」

 

 俺とエグゼイドはハイタッチをするとともに変身を解くと、大草原となっていた戦いの場が公園の噴水近くへと戻る。すると変身を解かずに待機していたパラドクスがベルトからガシャットを引き抜いて変身を解いた。ややモジャモジャした髪にそれなりに高い身長、永夢と1つの存在なはずなのに容姿は違うんだな。

「やったな永夢!」

 

「あぁ!」

 

「あの植物人間は燃えてなくなっちまったけど、これは拾っといたぞ」

 

 パラドはゴース星人が使っていたガシャットを永夢へと渡してくると・・・ガシャットからはいきなり黄緑色の輝きを放った。ガシャットから分離した光は球体となって俺の手元へと飛んでくる。

「これは・・・風のエレメント?」

 

 その球体は黄緑色の宝玉・・・風のエレメントだったのだ。

「探してたものがゲームクリア報酬で出てきたのか?よかったじゃんか」

 

 たぶんゴース星人がガシャットの材料として風のエレメントを使用してたんだと思うが、何でゲームクリアで出てきたんだ?

「それは私のおかげだ」

 

 声に反応して振り返るとクロトさんが後ろに立っていた。

「私の作品であるガシャットに本来ないものが入っていたのでな、摘出するためにガシャットロフィー扱いの設定にさせてもらった」

 

 なるほど。本来の開発者であるクロトさんの細工のおかげか。

「神の恵みだ。有難く受け取れ」

 

「それでは・・・」

 

 素直に風のエレメントを受け取ることにした俺はオーブカリバーに風のエレメントを刻みつける。これで残るエレメントは水のエレメントのみになったな。

「ガ~イ!」

 

 無事ゲーム病が治ったシューティーが俺のもとへと駆け足でやってくる。

「ま~たオイラがいない間にエレメントをゲットしてたんだな」

 

 前回に引き続きシューティーがいない間にエレメントをゲットしていた俺にシューティーが突っかかってくる。俺はそれをスルーしつつ永夢とパラドの方に視線を向ける。

「ありがとう仮面ライダー。君達のおかげでシューティーのゲーム病が治った」

 

「患者を治すのは当然さ。僕らはドクターだからね」

 

「またいつか機会があれば・・」

 

「あぁ、今度は患者じゃとしてじゃない形で会えることに期待するよ」

 

 俺は永夢達を別れを終えるとシューティーとともにまた次の宇宙へと向かった。

 




次回「水の神殿」

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