ダンジョンに勇者がいるのは間違っているだろうか   作:とぅいか

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自分の書いてる文は面白いんですかね?楽しんでもらえてるといいんですが…。今回はようやくヘスティアファミリアとナツが会いました!こっからどうなっていくやら


第4話【オラリオ、到達】

「いや〜。着いたついた」

 

あれからおよそ3時間とろとろ歩いてようやくたどり着くことが出来た。自分でも何故途中で倒れずにたどり着けたのか不思議でしょうがない。

今は街の通りをゆっくり歩きながら街の散策をしつつ、情報収集をしている所だ。可能ならば身体を休める場所を早急に見つけたいところだが。

 

「にしても、なんかうまそうな匂いがすんな〜」

 

いまの時刻は丁度夕飯時だからだろうか食事をする店からいい匂いがしてくる。

食べ物の匂いを辿るように歩いていると一つの出店の前にたどり着いた。

あれ?俺は何故ここに。自分では気づいていなかったが相当にお腹が減っていたらしい。食べ物の匂いに誘われてお店を探し出すなんて犬じゃないんだから。って俺でした。

 

「なんの店だこれ?…えーっと、ジャガ丸くん?」

「いらっしゃいませー!」

 

店の前に立ってなんの店だろうか考えていると店員がやって来た。

 

「ここの、ジャガ丸くんはとっても美味しいんだぜ?買っていかないかい?」

 

不思議な作りをしている白い服を来ている黒髪ツインテールの美少女が話しかけてきた。俺の言葉では表せない程の美少女が店員とはここの店は何とも幸せそうな店だな。

話しかけられたら返すのが会話の基本。

 

「いや、生憎腹は減ってな」ぐきゅるるる

 

い、いやあああああ!馬鹿!俺のお腹のバカ!なんで空気を読まないの!そんな子に育てた覚えはありません!このタイミングでなるなんて恥ずかしすぎて穴があったら入りたい。いや、だめだ!今やるべきは穴に入るのではなくこの場からの緊急離脱だ!

 

「いことは無いが金が無いからな。それじゃあ、失礼する」

 

何事も無かったかのように回れ右をして元来た道を引き返そうとする。クールな俺は華麗に去るぜ。

 

「待って!流石にそんなに、お腹がすいてる人間を見捨てることは出来ないよ!もうすぐバイトが終わるから少し待っててくれないかい?」

 

逃げようとしたのにその逃げ道さえも塞いでくるとはなんというやつだ。これで待っていなかったら俺は人の善意を無下にするまあまあ最低な人間になってしまう。なんという策士。これで俺はこの場を離れることが出来なくなった。くそっ!この後俺をいじくり倒す気か!この悪魔め!

 

後になって考えるとこの時は空腹でまともな思考が出来ていなかったのかもしれない。

 

それからその場で座って少しの間待機していると先程の美少女がこちらにやって来た。

流石に座ったままというのもおかしいのでやって来た美少女に向かい合うように立ち上がる。

 

「待っててくれて良かったよ!君、お金が無くて食べ物が変えないんだろ?もしそうならうちに来るといいさ!今日はとっても豪華な食事になるんだ!」

 

なんと、びっくり。初対面の名前すら知らない奴を自分の家に招待してご飯までくれようと言うのか。

 

「宗教の勧誘か?珍しい手を使うな」

「そんなんじゃないよ!人の善意は受け取っておけばいいのさ!さあ行くよ!」

「お、おい!?」

 

抵抗する力もなくただなされるがままに引き摺られていく。自分より小さい女の子に引き摺られる男とはなんとも情けない。傍から見ると一体どう見えているのだろうか

 

 

 

 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 

 

 

 

「よし、着いたよ!ここが僕の家さ!」

 

暫く引き摺られ続けてようやく開放されたかと思うとかなり大きめの教会が目の前に立っている。廃墟と言っても差し支えない感じではあるが。

 

「やっぱり宗教の勧誘だったか。悪いが帰らせてもらう」

「待って待って!違うから、宗教の勧誘じゃないよ!それに、お腹すいてるんだろ?ご飯をちゃんと食べてないと倒れちゃうよ?」

 

確かに一理ある。これが宗教の勧誘だろうと何だろうと食べ物を恵んでくれるというのならばリスクとリターンを図りにかけてもここは行くべきだろう。このまま何も食べないと行き倒れになってしまう。

 

「そうだな。豪華な食事にありつけるというのなら有難く頂こうかな」

「うん!それじゃあ、入ろっか」

 

最初に美少女が入りその後に付いていく。そのままこの美少女の後ろについて歩くと教会の奥にある隠し扉のようなものから地下に降りていく。

なんというか、秘密基地のような場所だな。

 

「神様!」

 

部屋に入ると美少女の元にひとりの少年が駆け寄ってきた。雪のように真っ白な髪に真っ赤な瞳。白兎を幻視させる様な少年だ。

しかし、神様ねぇ。俺は神ではない、と言うことはまさかこの美少女は…!?

 

「幾ら何でも自分の事を神様って呼ばせるのはどうかと思うぞ」

「君はさっきから失礼すぎじゃないかい!?僕は正真正銘神だよ」

 

かなり、頭の痛い子らしい。自分のことを神とのたまうだけでなく周りにも神と呼ばせるとは。

しかし、こうも断言されてはこれ以上言っても水掛け論になるだけだ。それに、神ではないと断言もできないのはこちら側も同様だし、別に意地になることでもない。とりあえずは飲み込んでおく。

美少女は納得していなさそうだが隣の少年が質問をしてきた。

 

「えっと、神様この人は?」

「おお、そうだったよ!彼は…えっと君の名前はなんて言うんだい?」

「ええ!?神様知らない人を連れてきたんですか!?」

「えへへ…つい」

 

おかしいよな、俺もそう思う。名前ぐらい最初に聞いておくべきだと思うぞ。

 

「俺の名前はナツだ。東城 ナツ」

「僕の名前はヘスティアだよ。ヘスティアファミリアの主神だ!」

「初めましてベル・クラネルです」

 

ヘスティアに、ベル・クラネルっと覚えておこう。しかし、神…ね。このちんちくりんが神とはこの世界の神は前の所とはかなり違うのだろうか。まあ、十中八九嘘だろうが。でもまあ、信じておいても損は殆ど無いし信じておくべきだろう。

 

「宜しくな、ベル。いきなりだが今日は行き倒れするかもしれん俺をそこの神様が助けてくれるって言うんだよ。簡単に言えば飯を恵んでくれるって言うから飯を食いに来た」

「なるほど。それは、大変でしたね」

 

なんとこれで納得するとは嘘はついていないが少しお人好し過ぎないだろうか?直ぐに騙されてしまいそうな少年だな。まあ、俺には関係ないか。どうせ飯をご馳走になるだけだしそんなことを一々忠告してやる義理もないし。


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