ヴリトラとの邂逅の翌日。
俺様たちは再度、ギルドへと赴いていた。
「結局、彼女の協力は得られませんでしたね」
確かに、彼女を当てにしていたのは事実。
協力してくれれば御の字かと思っていたのだが――――そう甘くはない。
しかし無関係のあのリッチーを無理やり巻き込むことは、俺様としてはあまり好ましくない。
なんちゃって幹部だのなんだの言っていたが、彼女はかなり危うい立ち位置にいる―――――完全に敵に回った時、彼女は間違いなく危険だ。
なぜそう言えるのかというと。
俺様は上級魔法を覚える際に、彼女にそれを見せてもらったのだ。
上級魔法を覚えているようなアークウィザードを探すのは億劫なので、彼女に見せてもらうのが1番早いだろうという気持ちだった。
『クリスタルプリズン』という、氷属性の上級魔法がある。上級魔法と言っても、せいぜいが猫1匹を丸々凍らせられるかという魔法のはずだった。
「『クリスタルプリズン』――――!」
彼女がそう叫ぶと。
高々とそびえ立った木の1本が、丸々凍らされた。
その時、俺様は畏怖した――――死の恐怖というものを感じたのは、久方ぶりだった。
俺様は決意した――――絶対にウィズだけは、まともに敵に回すまいと。
まぁ、だから彼女には親身に接している――――彼女の性格上、友人になっておけば敵に回ることは少ないだろう。
長々と語ったものだが、大雑把に言えば、ガラにもなくビビっているというわけである。
元の世界では万能全能な俺様だが、この世界でもそうであるとは微塵も思っていない。
強いものに媚びへつらうのは当然とも言える。
ふはは、矮小な存在になったものだ。
まぁ、それもまた一興。元々死んだ身―――所詮は余生なのだし。
くだらぬ思案にふけっていると、いつの間にかギルドまで着いていた。
はてさて――――どうなるものかな。
「ようこそいらっしゃいました、キョウヤさん、めぐみんさん、ゆんゆんさん。どうぞおかけになって下さい」
ギルドに着くと、普段は乱雑に並べられている机が、円状に並び替えられていた。
円卓会議でも気取っているのだろうか。
俺様たち以外は、既に席についているようだった――――どいつもこいつも、死人のように俯いている。
まぁ、静かでいいが。
「それでは、全員いらっしゃったという事で。会議を始めたいと思います」
そう言ったのは、赤髪の青年だった。
この会議の司会役なのだろうか。
「申し遅れました、僕はドルア。クルセイダーをしています。今回の件について、冒険者組合から派遣されてきたものです」
なるほど………助っ人というわけか。
しかし1人というのはどういうわけなのだ?
……………あぁ。単純な話か。
見捨てられたと―――――それだけのこと。
「それでは、何か意見のある人は挙手を」
そうドルアは言ったが、やはり手を挙げるものはいなかった。やはり、と言ったように、この状況は想定していた――――どうにかするしかないだろう。
こんな所でこんな連中と心中していいような俺様ではない。このままでは浪費するだけ浪費して、これっぽっちも金を稼いでいないではないか。そんな俺様は俺様ではない。
俺様は挙手する。
ドルアは安心したように一息つくと、名簿らしきものを見た。
「あ、はい。どうぞ………ええっと、ミツルギ キョウヤさん。…………ミツルギ?」
「?どうかしたか」
「………いえ、なんでもございません。発言どうぞ、ミツルギさん」
ドルアの発言を聞いてから、俺様は立ち上がる――――こいつらの協力を取り付けなくてはならない。失敗は許されない。
「知らない者もいると思うが―――俺様はミツルギキョウヤと言う。こんなナリだが、アークウィザードだ」
最初に話すのは、自己紹介。
まぁ当然といえば当然である。
「まずは、昨日の件を詫びようと思う―――諸兄らを軽んじる発言の数々。身近な存在の死に対し、心痛も冷めやらぬ間にするようなものではなかったように思う―――――すまない」
まずは先日の詫び。
俺様はこれっぽっちも悪いと思っていないし、客観的に見て間違った発言はしていないつもりだが――――そこは嘘をつく。
嘘も方便。
俺様を少し睨めつけるように見ていた先日のルーンナイトのパーティメンバーも、少しバツの悪そうな顔をする――――割と効いていそうだ。
俺様みたいな存在は、人に『こいつ謝りそうにねぇな』という印象を抱かせる。
そんな人物が謝った際、人は自分にも非があるのでは?と考える――――絶対にだ。
自分の非を意識した時、自分も悪かったのなら、相手を許すべきだという倫理観が働く。
そうなれば、もう怒りは発生しない。
初めて冷静になるわけだ。
「次に、提案がある―――。ヴリトラには、強固な魔法障壁が施されている事を、賢明なる諸兄らならば知っていると思う。上級魔法でさえ、破ることは難しいとも」
他の連中は、力なく頷く。
絶望的な情報である。そもそも連中は、せいぜい中級魔法程度しか使えないのだから。
上級魔法で破れない存在を、どうすれば良いのか。
それは凡愚が考えて分かることではない。
分かったところで、だがな。
「しかし、だ。ここで俺は一つ、作戦を立案したい――――かの龍に物理攻撃が効かない以上、俺様たちがあの龍を倒すには魔法しかない」
「けど―――ミツルギさん。さっきも仰ったじゃないですか―――かの龍には、上級魔法さえ通さない障壁があるんですよ?」
と、ドルアが口を挟む。
ふむ、こんなふうに相槌を打ってくれると、話がスムーズで助かるな。
先程はこの男―――――俺様の名を見て、何故か挙動不審な態度をとっていたが。
元の世界なら兎も角、この世界での俺様は大して名がしれているとは思えないのだが。
謎は深まるばかりである。
「確かに上級魔法は通さないが―――もっと威力の高い魔法ならどうだ?」
「上級魔法以上?小規模な爆発を呼び起こす炸裂魔法ですか?それとももっと大きな爆発を呼ぶ爆発魔法ですか?確かにこれらの魔法ならば可能性はありますが、それだってゼロに等し――――」
「爆裂魔法」
「は?」
『爆裂魔法』と口にした瞬間、しんと静まり返っていたギルド内が騒然とした。
それはヴリトラの凶報を前に混乱した時のような混乱の騒乱ではなく――――おかしなことを言い出したという、好奇のものだった。
「爆裂魔法って……あの爆裂魔法?」
「消費魔力がケタ違いに多くて、1度使ったらぶっ倒れるという、あの?」
「スキルポイントも無駄に食う、覚えるものは頭がおかしいと噂の、あの爆裂魔法なのか?」
「………いやしかし、……ミツルギの隣に座っているあのアークウィザード………確か」
ふむさすがネタ魔法、凄まじい悪評である。
ドルアも流石に驚いたのか、暫く目をパチパチと開閉していた。
しかしハッとしたように頭を振ると、キリッとした顔に戻った。
「冗談はよして下さいよ……。爆裂魔法だって?あんな魔法覚えるような頭のおかしな人、この場には誰1人だっていな――――」
「おい、私の頭について言うことがあるなら聞こうじゃないか」
「―――――は?」
隣を見る。いつの間にか、メグが席を立っていた。
ぶすっとした不機嫌そうな顔で、周囲の人間を睨みつけている。
「黙って聞いていれば、人のことを頭のおかしな子呼ばわりしすぎです。全く、爆裂魔法の快感を知らない、風情の分からぬ人ばかりで困りますよ!」
「ま、まさか―――――」
「ふふん。知らぬのならば教えてあげましょう。よく聞くことですね!」
そう言ってメグはわざわざ眼帯を付け直し、テーブルに脱ぎ捨てていた帽子を被り、右目を押さえつける。
押さえつけられたその右目は、真紅に染まって輝いていた。
「我が名はめぐみん!紅魔族随一の天才にして、爆裂魔法を愛する者!」
メグの過激かつ喜劇的な自己紹介を聞いたあと、暫くギルド内は静寂に包まれた。
「え、ど、どうしたのです?ほらもっと、持ち上げてくれていいんですよ?」
「……………まぁ、そこの頭のおかしな紅魔族はひとまず置いておいてだな。これで、俺様の言いたいことは分かってもらえたのではないかと思う」
「今キョウヤ、自然に私を頭のおかしい子扱いしましたねっ!?私の頭について言いたいことがあるなら聞きますよ!」
「…………」
俺様は隣のメグと顔を合わせる。
首根っこをひん掴み、俺様の目線とメグの目線を合わせる。
「…………少し黙ろうな、メグ?」ニッコリ
「…………わ、分かりました!分かったから、分かったからそんな似つかわしくない満面の笑みをするのはやめてくださいキョウヤ!」
「よし」
メグの首根っこを外す。
「ひぅっ!?」
着地に失敗して足を捻っていた。
もう1度、前を向く―――――連中の顔が、少し明るくなっている。
ドルアは「コホン!」と仕切り直し、再度俺様に質問を投げかけてくる。
「あなたの仰りたいことは良くわかりました。しかし、いかに爆裂魔法とはいえ。低レベル冒険者のそれでは、厳しいものはあると思います」
「まぁ、1発ならばな。しかし、運のいいことに、この場には頭のおかしいヤツはもう1人いるのさ―――――まぁ俺様だが」
「あなたも!なるほど…………!確かにあの魔法を連発できるのなら、障壁の破壊は可能かも――――いや、可能だ……っ!」
ドルアは興奮したようにそう言う。
ヤツの中で、何らかの折り合いが着いたらしい。あのウィズが言った以上、爆裂魔法を2発放てば障壁は破壊できる――――彼にもそれが理解出来たのだろう。
俺様は話を続ける。
「しかしだ。爆裂魔法を撃った後は、俺様たちは動くことが出来ない―――――そこで諸兄らに頼りたいのだ」
作戦の概要はこうである。
爆裂魔法を2発撃ち、ヴリトラの魔法障壁を破壊する。
その内に他の冒険者たちの魔法で、ヴリトラを討伐する。
言葉にすると至極単純ではあるが――――後半に関しては、不確定要素の塊である。
しかしそれでも、連中に『なんとかできるかもしれない』という希望を与えることは出来るはずである。
連中はお互いに顔を見合わせ、頷く。
不安そうな顔は相変わらず。
しかし、確かにその目には希望とやる気の火が灯っているように見える。
「細かい作戦は、また後日話したいと思う。今日はひとまず聞かせてもらいたい――――この作戦。協力してくれるだろうか」
連中は再度、顔を見合わせる。
力強く頷くと、その腕を伸ばして天へと突き出した。
「「「「「「おぉーっ!!」」」」」」
そして、俺様とメグ、ユウは再びレベル上げに勤しむことになった。
備えあれば憂慮なし。
上げるに越したことはないだろうと言うことだ。狙い目は初心者殺しだ。経験値の良く詰まった高レベルなモンスターなので、レベリングには持ってこいということである。
その甲斐あり、4日間で4つ、レベルを上げることに成功した。24レベルだ。
メグはあまり素早い敵は得意ではないので、上がったレベルは2で、22レベル。
ユウは思った以上に強く、めきめきとレベルを上げていた。
元々俺様たちのパーティに入るまでは13レベルだった彼女だったが、今や21レベルにまで成長している。そろそろ彼女は、上級魔法の習得が可能になる頃合かもしれない。
そうして迎えた五日後――――――俺様たちは、森の前で集合していた。
集合時間よりも多少早いので、まだ集まっている人間はまばらと言った様相だ。
「突入前に。一つ聞いてもいいですか」
そう言って、俺様に耳打ちしたのはドルアだ。クルセイダーらしく、強固そうなフルプレートに身を包んでいる。
手に持つ剣も、純白に輝く両刃剣で――――かなりの切れ味であることが伺えた。
「なんだ。冗長な話なら聞かんぞ」
「いえ、そう長くは。あなた――――転生者ですね?」
「…………。転生者とは?」
「とぼける必要はありません。………僕も、そうなので」
「……………ふん。なるほどな。俺様の名前を聞いて驚いていたのはそれでか」
「えぇ。ミツルギ商社。世界中に子会社を作り上げ、どれも凄まじい業績を残している世界最大の商社―――――その若きCEO、ミツルギキョウヤ。まさかこんな所でお目にかかるとはね」
「ふむ――――これでも俺様は寛容なのだが。自分の事をペラペラと語られるのは、思うよりも不愉快だな」
「失敬――――ですが、興味があります。そんなあなたが、どのような特典を貰ったのか」
ふん。なるほど――――狙いはそこか。
今から協力しようという間柄を疑うのもどうかと思うが――――俺様がそうするメリットは全く感じないし、何か利用される可能性もある。
「わざわざ自分の手の内を見せびらかすような愚か者に、この俺様が見えるのか?だとしたらかなりの節穴だな」
「因みに、僕が貰った特典はコレです。聖剣デュランダル。単純な能力ですが、切れないものは無い剣です」
「……………お前、バカか?そんな事を言ってお前に何のメリットがある?」
「なんにもありませんよ。ですが、僕の力を知ってもらうことは、ヴリトラ討伐の上で大事かと思いまして。何せ、作戦の指揮を執るのはあなたなのですから。正直に話すべきでしょう」
「………正直者はバカを見るらしいがな。まぁいい―――――デュランダルか。ならば貴様には、アレは必要ないのだな」
「えぇ、まぁ。物理攻撃はお任せ下さい」
「期待している。―――お前には単独で動いてもらう。デコイは覚えているだろう?」
「もちろんです」
「ふむ。まぁ、作戦は後で、だな。貴様の聖剣を戦力に入れ、作戦を組み直す。大きく変化させる気はないが――――な」
俺様はくるりとドルアに背を向け、スタスタと去ろうとする。
「―――――金」
「はい?」
「気になるのだろう?俺様の特典。だから金だよ――――お前も聞いたことくらいあるのではないか?ミツルギキョウヤは一兆を稼ぎあげた才子だ。金を稼ぐことが第一目的な、金に目がない男だよ。そんな俺様に、何を持っていったかだと?愚問すぎるほどに愚問だ」
「―――くっ!そうですか―――お金ですか!あなたほどの才覚があれば、そんなものはいくらでも稼げるはずなのに。よりによって―――ふふ。あははははっ!」
何やらよほどおかしかったのか、ドルアは暫く笑っていた。
何がおかしいのか全く分からないが、まぁ少しのエンターテインメントになったのなら悪くは無い。極度に緊張されても作戦の妨げにしかならんしな。
………全く、俺様もヤキが回ったもんだ。
暫く経つと、次第に冒険者たちが揃い始めた。不安そうな顔ぶりだが、ハナから勝負を諦めた顔をしている者は少なかった。
少ないということは、いるという事なのだが―――まぁそれは詮無きことだ。
ほぼこれで全員だろう。
数十名―――――数としては十分なように思う。
そんな中、俺様は頭を回していた。
このままで、あの悪龍に勝てるのか。
出来る限りの事はした。絞れる限りの知恵は絞った。練れる限り作戦は練った。
しかし――――確信には至れない。
「(しかし、俺様が信じずにどうする―――上に立つものに、疑念ほど不必要なものはない)」
一兆を稼ぎあげたと言っても、もちろん俺様だけで稼ぎあげた訳では無い――――ドルアも言っていたように、俺様は大量の子会社を率いた存在だ。上に立つことには、慣れすぎているほど慣れている。
経験則―――――というヤツだ。
トップに必要なのは、圧倒的なカリスマ性。
カリスマとは即ち偶像――――偶像は完璧な存在であるべきなのである。少なくとも、部下の目の前では。だから俺様は、ここで弱みなど見せているスキなどない。
指揮は預かった―――――ならば。
全力で上に立つのみ。
「キョウヤさん」
「む?………ユウか」
「大丈夫、ですかね……?私達は、勝てるのでしょうか」
おっと、考えていた側からこれか。
何ともタイミングのいい事である。
「ふむ。まぁ、どうだろうな。それはお前達次第だと思うが」
「………で、ですよね。精一杯、頑張ります」
「しかし一つだけ言える。俺様は負ける気など毛頭ない」
「………!」
「だから、俺様は負けない。俺様が負けないのなら、お前らが負けるはずがないだろう?たとえお前らが負けたいとしても、俺様はお前らを勝たせる―――――これはもはや決定事項なのだよ」
「―――――あはは。そうですか。キョウヤさんはこんな時でも自信満々ですね」
「自信?何を言うか。これは自信ではない――――確信だ」
そう言って俺様は、大量の冒険者たちの並び立つ前に出る。
百を超える視線が、俺様の一身に集まった。
懐かしい感覚だ。しかし、元の世界のように楽観しては捉えられない――――これら全ての命を預かっているようなものなのだ。
重圧は、並大抵のものではない。
しかし―――――それでも俺様は、その視線を真っ向から受け止める。
「勇敢なる同士たちよ――――まずは、こうして大勢の者が集まってくれたことに感謝したい」
全ての視線に対して、俺様は視線を返す。
ここに集まった人間は、全て勇気ある人間たちだ。俺様はそんな彼らに敬意を払いたい。
「今諸兄らは、様々な不安に満ちていると思う。今すぐにでも逃げ出したい気持ちで、溢れているかもしれない」
「…………」
「しかしだ!俺様はそんな諸兄らに、一つ約束させてもらいたい!」
「…………?」
そこで一拍置く。背をピンと伸ばし、腕をバッ!と前に出す。
「俺様は勝つ。俺様が勝つのだ、お前らが負けると思うか?そんな事はありえない!」
「おぉ………!」
冒険者たちが沸き立つ。
暗いばかりだった表情に、笑顔が見られるようになった。
あと一押し。
あと一押しで、衆愚から軍隊へ。
こいつらは生まれ変わる!
「不安恐怖、大いに結構!有って当たり前だそんなもの!それも含め、俺様が全部背負ってやる―――――諸兄らの命、このミツルギキョウヤが請け負った!故に――――我々に、勝利以外の未来はありえん!」
「お―――――おぉぉぉっっっ!!!」
数十名の歓声が、森一体を震わせる。
これで全ての準備は終わりだ―――――後は宣言通り、勝つだけのこと。
至極シンプルな話―――――わかりやすくて結構ではないか!
―――――――ふむ。随分と大勢引き連れてきたものだな。カカカッ!これ程の人間の絶望ならば、さぞや我が傷ついた体も癒される事だろう!さぁ――――最初に喰われたいヤツは、誰だ?
そう言って、悪龍は咆哮する。
そんなヤツの前に立つのは、2人の大馬鹿ども――――――――――。
「さて、行きますか、キョウヤ」
「ふん―――――是非もなし。精々ぶっ倒れないように、ソレを握りしめておくことだな」
「ふふ――――さっきはカッコよかったですよ、キョウヤ」
「ふはははっ!当然だろう。なにせこの俺様なのだからな!」
「ふふふ!まぁ、そろそろ楽しくお喋りするのはヤメにして――――ひと
「あぁ―――――」
俺様とメグは、杖を構える。
悪龍は不敵そうに微笑んで、俺様とメグの動きを待っている――――余裕綽々と言ったところか。
は―――――――――スキだらけで大いに結構。
「「行くぞ(行きますよ)――――――『エクスプロージョン』――――!!!」」
さぁ、ヴリトラ戦です!