FAIRY TAIL ◼◼◼なる者…リュウマ   作:キャラメル太郎

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とりあえず投稿しましょうかね。




第二二刀  1人の衝突

 

エドラスのリュウマ…エルマディアを下したリュウマはとりあえず、先に避難したルーシィ達を追うことにした。

エルマディアは立ったまま気絶していたが、そのまま放置という訳にもいかないため、変装用に服をはぎ取って近くの柱に寄りかからせるように置いてきた。

異世界とはいえ、リュウマであることに変わりは無いため、服のサイズはピッタリだった。

傷口は深く、放っておけば出血多量で危険なため、起きたら辛うじて動けるだろうというレベルまで回復させた。

 

急いでルーシィ達の所へ向かっている途中、先程からナツが暴れているのだろう、破壊音が響いている。

それとは別の破壊音が近くから聞こえたが、今はもう静かになっている。

小さいがルーシィの魔力を感じたので、ルーシィだろうと当たりを付けた。

 

と、思い歩きながら向かっていたリュウマだったのだが……

 

「なんだ此奴は…?」

 

顔が人に見えなくもない巨大なタコ型の怪物が、白目を剥きながら倒されていた。

実は先程の、ナツがやっているものとは違った破壊音は、ルーシィが魔法でタコ型の化け物になった老人を倒した時の音だったのだ

 

「もう少しよ~…!」

 

「おっぱいでかいよぅ……!」

 

少し周りを探索していると、巨大なタコ型の老人に押し潰されてしまい、少女に引っ張ってもらっているルーシィがいた

どうやらこのタコを倒したはいいが、その拍子に巻き込まれて挟まったようだ。

 

「ここに居たのか…」

 

「…!あ…エドラスの…リュウマ…」

 

「り、リュウマ様…う、うぅ…おしまいだよぅ…」

 

ルーシィは話しかけたリュウマの姿を見るや、顔がどんどん青くなっていき、ルーシィを引っ張り出そうとしている少女もどんどん顔を真っ青にしていく。

 

リュウマはエルマディアではないのだが…エルマディアの服を着ていたからか気づかなかったようだ。

 

「俺はアースランド、フェアリーテイルのリュウマだ。エルマディアを倒し終わってから変装用に服を奪っ…拝借した」

 

「…!!な、なんだリュウマだったんだ…ビックリした…あれ?今不穏な言葉が…」

 

「アースランドの…リュウマ様…」

 

「驚かせてすまん。ところで、このタコはルーシィがやったのか?」

 

「あ、うん。こいつ敵でね、魔法の液体を自分で飲んで変身したの。とりあえずバルゴから貰った鞭で倒したんだけど…挟まっちゃった…」

 

「なるほど…引き抜くのを手伝おう」

 

「ありがとうリュウマ!」

 

ルーシィの元に行き、引き抜こうとするのだが…なかなか抜けないため、大きく足を振りかぶり…ボールを蹴っ飛ばすようにタコを蹴り飛ばした。

タコは蹴り飛ばした勢いで壁を破壊して何処かへと跳んでいった。

 

「うわぁ…蹴っただけなのにあんなに跳んでった…」

 

「アースランドのリュウマ様も強い…」

 

タコを蹴り飛ばしたリュウマを呆然とした2人が見つめていたが、今急いでいることを思い出した2人は何があったのかを詳しく話し始めた。

 

──────ふむ、竜鎖砲というナツとウェンディから抽出した滅竜魔法の魔力を使った鎖…それを空中に浮いているラクリマがある島に接続してエクシードの住む島にぶつける…と。そして今その作動させる鍵が奪われたといったところか。マズい状況だ…恐らくもうそろそろ発射されるだろう。ラクリマの所に行き、止めるしかあるまい。

 

「直ぐにラクリマの元へ行くぞ!」

 

「けど、どうやってあそこまで行くの?」

 

「私に任せてください!」

 

そう言うと少女は窓の方に向かい、首元に下げていた笛を吹いた。

 

「来て!レギピョン!!」

 

 

「グオオオオオオオオオオ!!!!」

 

 

すると、空から見たことの無い生き物が現れた。

ルーシィがあまり驚いていないところを見ると、見ること自体は初めてではなさそうだ。

 

レギピョンと言われた生物、レギオンの背に乗り、城から突き出た砲台の元へ行っていると、竜鎖砲が発動してラクリマの浮遊島へと当たり接続された。

 

「竜鎖砲が…!」

 

「王様が発動したんだ!」

 

「間に合わなかったか…」

 

下を見てみるとナツとグレイにエルザがいた。

リュウマ達は急降下し、ナツたちの元へと降りていく。

 

「みんなー!乗って!!」

 

「コイツで止められるのか!?」

 

「分かんないけど、行かなきゃ!!」

 

リュウマ達は再びレギオンに乗ってラクリマを目指した。

 

そして着いたら直ぐに散らばり、皆の力でラクリマがぶつからないように反対側から押仕返そうと行動に移した。

 

「うおおおおおお!!!止まれえぇぇぇぇぇ!!!」

 

「止まってえぇぇぇぇぇ!!!」

 

「なんとしても食い止めろ!!!!」

 

皆で押しているが少し遅くなった程度で止まらない。

各々が持つ魔力を解放していき押す。

 

すると後ろからシャルルがやって来て、その後にエクスタリアに住むエクシードのスゴい数が飛んできてラクリマを押し返そうと奮起になる。

 

「止まれえぇぇぇぇぇ!!!!」

 

「みんながんばれーーーー!!!」

 

「押せーーーーーー!!!」

 

「オレ達なら出来るぞーーーーー!!!」

 

「お願い止まってぇぇぇぇ!!」

 

皆が全員歯を食いしばりながらも押すことにより、ラクリマは少しずつ後退していき…

 

─────カッ!!!!!

 

ラクリマが突如として消えた。

そのことに皆が皆驚き固まっている。

あれ程のラクリマが一瞬のうちに消えてなくなったので無理はない。

 

─────一体何が起きたんだ…?

 

「アースランドへ帰ったのだ」

 

「「「「───────ッ!?」」」」

 

「全てを元に戻すだけの巨大なアニマの残痕を探し遅くなったことを詫びよう。そして、皆の力がなければ間に合わなかった」

 

「ミストガン!」

 

「おお!!」

 

「元に戻ったってことは…」

 

「そうだ。ラクリマはもう一度アニマを通り、アースランドで元の姿に戻る。全てが終わったのだ」

 

ミストガンがそう言うと皆が喜び叫んだ。

 

──────そうか…街もフェアリーテイルも元の姿に戻ったか…。

 

ミストガンは黒い人型の猫と話していた。

 

「君の故郷を守れて良かった…」

 

「えぇ…ありがとうございます…()()

 

「王子が帰ってきたよぅ…」

 

この世界のジェラールは、王の実の息子であるため、実質的な王子であるのだ。

しかし、喜びに浸っているのも束の間…地上から一条の光が放たれ、リリーの腹部を貫いた。

 

───ドギュウゥゥゥゥゥン!!!!

 

「──ガッ!?」

 

「──ッ!リリーーーーーーー!!!!」

 

気を抜いていた瞬間だった。

黒い猫が何者かにレーザーで撃ち抜かれたのだ。

突然の事態に皆が驚き呆然としている、かくいうリュウマも驚き固まってしまった。

 

放たれたレーザーの先を見てみると、エドラスのエルザ、ナイトウォーカーがいた。

 

「まだだ…まだ終わらんぞ!!スカーレットォォォォォォォ!!!!!!!!」

 

「ナイトウォーカー…」

 

エルザにやられたのが悔しいのか腹いせなのか分からないが、顔が怒り一色になっている。

 

ナイトウォーカーが居るということは…

 

「フハハハハハハハハ!!ゴフッゴホッ…!ま…だ…まだ終わらせんぞォ!!アースランドの俺よ!!!」

 

エルマディアも居るということである。

 

──────エルマディアめ…少し回復させておいたとはいえ…血を流し吐き出したりしながらも追いかけてくるとは…。なんというしつこさだ。

 

「エドラス王国王子であるこの私に刃を向けるつもりか、エルザ・ナイトウォーカー、リュウマ・エルマディア」

 

「くっ…!」

 

ミストガン、いや…エドラスのジェラールがナイトウォーカーに向かってそう言うと、ナイトウォーカーは渋り止まった。

 

ナイトウォーカーは止まるかもしれんが…この世界のリュウマがその程度の事で止まるわけがなかった。

 

「だからなんだァ!!貴様が王子であろうが神であろうが関係ない!!邪魔立てするのであれば何者であろうと殺す!!!!!」

 

「「「「「────────ッ!!」」」」」

 

「…エルマディア…それがお前の本性か…」

 

皆がエルマディアの言動に驚いている。

アースランドのリュウマとて、そこまでして向かってくるとは思わなかった。

何人かがエルマディアを見てから自分達の知るリュウマに向かって視線を向けるが、エルマディアとリュウマが全く違うとは言えないため目を逸らせてから顔を背ける。

 

『ワシは貴様を息子と思ったことなど一度も無い』

 

「「「「……!!!」」」」

 

「王様の声!」

 

「どこ!?」

 

『よくおめおめと戻ってこれたものだ。貴様が地上でアニマを塞いで回っていたのは知っているぞ…この売国奴めが』

 

「この声何処から…」

 

「オイ!姿を現せ!!」

 

「あなたの計画は失敗に終わったんだ、もう戦う意味はないだろう」

 

ジェラールはそう反論した。

 

『意味?戦う意味だと?これは戦いなどではない。王に仇なす者への一方的な殲滅…』

 

「な、何あれ!!」

 

「!!!!」

 

声がしていたのは地上からそこに目を向けると…

 

『ワシの前に立ちはだかるつもりならば、例え貴様であろうと消してくれるわ…跡形も無くなァ!』

 

「父上…!」

 

『ワシは父などではない、エドラスの王だ。貴様をここで始末すれば地上でアニマを塞げる者はいなくなる』

 

『また巨大なラクリマを造り上げてエクシードを融合させることなど何度でも出来る』

 

『フハハハハハハ!!王の力に不可能はない!王の力は絶対なのだ!!!!』

 

機械で出来たドラゴンのような物があった。

この世界では魔力は有限の筈だというのにかなりの魔力を感じさせる。

 

「ドロマ・アニム…」

 

──────ドロマ・アニム…?それがあの兵器の名前か。

 

「ドロマ・アニム…こっちの世界の言葉で“竜騎士”の意味…ドラゴンの強化装甲か…!」

 

「強化装甲って何!?」

 

対魔専用魔水晶(ウィザードキャンセラー)が外部からの魔法を全部無効化させちゃう搭乗型の甲冑…王様があの中でドロマ・アニムを操縦してるんだよぅ…」

 

エクシードはドロマ・アニムに恐れて逃げるが、ナイトウォーカー達が謎の光を浴びせてラクリマへと変えていく。

リュウマ達はナイトウォーカーとエルマディアを追撃しようとするが…。

 

「人間はこの場から誰一人として逃がさん!この場で死んでもらう!消えろオォォォォォォォォォ!!!」

 

「ハアァ!!」

 

国王がリュウマ達に向かってレーザー状の魔法を放ってきた。

だがジェラールがその魔法を受けとめた。

 

「エルザ!リュウマ!今のうちに行け!!『鏡水(きょうすい)』!」

 

魔法をドロマ・アニムに跳ね返した。

だが強化装甲は本当に魔法が効かず、ジェラールはもう一度飛んできた魔法をまともに食らい吹き飛ばされて落ちていった。

 

「次は貴様等だ!!!」

 

「クソ!あれを躱しながら戦いのは無理だ!」

 

───────確かに難しいかもしれないが、忘れているぞ。

 

───ドゴオォン!!!!

 

「ぬう…!」

 

俺達の仲間には…

 

───ズドオォン!!!!

 

「ぐあ…!」

 

ドラゴンに対して…

 

天竜(てんりゅう)の…咆哮(ほうこう)!!」

 

───ズガガガガガガガガ!!!!

 

「ぐおおおおおおお!!!???」

 

 

「やるじゃねぇかウェンディ」

 

「いえ、二人の攻撃の方がダメージとしては有効です」

 

「ヤロウ…よくも俺の猫を…」

 

三人の有効打撃を与えられる滅竜魔導士がいることを。

 

「ナツ!」「ウェンディ!」「ガジル!」

 

ドロマ・アニムは三人に任せて、リュウマ達はリュウマ達でやらねばならないことをする。

逃げた残りのエクシードを追っている王国軍を追いかけてラクリマ化を止める。

 

──────しかし、エルマディアやナイトウォーカーは何処へ消えた…?

 

「待っていたぞスカーレット…」

 

「来ると思ったぞエドラスの俺よ…」

 

「「「…!!!!」」」

 

「罠か…!!」

 

気づいたときには遅く、リュウマ達が乗っていたレギオンが攻撃され、撃ち落とされた。

エルザはナイトウォーカーの近くにいるレギオンに乗り、リュウマはエルマディアの近くにいるレギオンに乗り移った。

 

「待ちくたびれたぞ…!」

 

「…そろそろ決着をつけようかエルマディア」

 

少し離れた所にいるエルザ達も直ぐに始めるようだ。

リュウマとエルマディアも互いに見合い睨み合う。

 

「全員地上へ降りろ!こいつは俺が相手をする!!」

 

「「「はっ!!!」」」

 

 

「貴様は闘いだけに目が眩み仲間を傷つけすぎた…」

 

「貴様もリュウマでありながら感情を殺しすぎた…」

 

 

 

 

 

 「「この世にリュウマは二人といらぬ」」

 

 

 

 

 

「「この闘い…どちらか一方が死ぬまでだ!」」

 

 

 

 

 

 

俺達はぶつかった。

 

 

 

 

 

 

 




いや~ちょっと短いかもしれません…。



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