バカ達の恋愛模様とそれを守る者(凍結中) 作:フルセイバー上手くなりたい
14時を過ぎて、今は試召戦争中だ。一樹、宗介、一馬、は補充試験を受けていた。振り分け試験で無記入提出で0点のためだ。後、ここでも本気を出すなと雄二の指示だ。
「…こんなもんで良いな。先生、採点お願いします」
「何⁉︎もう良いのか⁉︎」
教師が驚くのも無理は無い。なにせ1時間かけて受ける試験を一樹達は10分で終わらせたからだ。
「…これ以上やっても分からないので、時間の無駄かと…」
「…うむ、分かった。少し待ってくれ」
全科目の採点が終わった後、姫路を残してそれぞれの仕事場へ向かう。
ー明久sideー
僕は元々試験を最初の5分だけやってのFクラスなので、最初から戦場へ向かっていた。ちなみに切り込み隊の隊長だったりする。
「怯むな!相手は所詮最下位クラスだ‼︎個別で挑めば勝てる‼︎」
あちらの隊長の言うことももっともだ。ただ、“総合科目”なら…の話だが
「…みんな!なるべく高橋先生のフィールドに入らずに、自分の得意な科目の先生のとこへ行くんだ‼︎」
『了解!』
Fクラスにはただ、自分の得意な科目とそれ以外の差が激しいだけだ。だから…
古典
Fクラス 須川 亮 250点
VS
Dクラス 高橋 守 108点
化学
Fクラス 近藤 勇 388点
VS
Dクラス 大野 淳 125点
こんな感じで戦えたりする。まあ、他は60点とかだったりするが。
「な、お前ら本当にFクラスか⁉︎」
「なんて点数なんだ⁉︎」
Fクラスってだけで油断するからだ。
「驚いてる暇は無いぞ‼︎」
「あ、しまっ…」
Fクラス 須川 亮 140点
VS
Dクラス 高橋 守 0点
「戦死者は補習だ‼︎」
試召戦争において点数を失うことは戦死と同じだ。戦死者は戦争が終わるまで、鉄z…西村先生の恐怖の補習を戦争が終わるまで続くのだ。
「い、嫌だ!あんな地獄へは行きたくない‼︎」
「あれは立派な教育だ…この戦争が終わる頃には趣味は勉強、尊敬する偉人は二宮金次郎という生徒にしてやる!」
「「「「それは洗脳ではないか⁉︎」」」」
FクラスとDクラスの心が1つになった瞬間だった。しかし、絶叫も虚しく、戦死者は補習室へと連れて行かれてしまった。
「くっ…こうなったら一旦科目を全部変えるんだ!あいつらは1点集中型。なら弱点は山程ある‼︎」
チッ!もう気付いたか…もう少し兵の数を減らしときたかったんだが…
「吉井!Dクラスが船越先生を呼んだらしい!」
船越先生か…どうやらDクラスは短期決戦を狙ってるらしいな。こうなったら…
「須川君、頼みがあるんだ」
「ん?なんだ?」
「偽の情報を流してほしい」
「偽の情報?確かに効果的だろうが、あっちの前線隊長は声が大きい。すぐにバレるぞ?」
須川君の言うことは正しい…でも、問題無い。
「それは大丈夫。流すのは教師陣だから」
「…なるほど。そういうことか。偽情報の内容は任せてくれ」
「うん。お願いね。さて、残りの皆は出来れば多対1、最低でも2対1にして持ち堪えて‼︎」
『了解!』
兵士達に指示を出して、なんとか持ち堪えようとした瞬間。
ピンポンパンポーン
『船越先生、船越先生』
お、無事に放送室に行けたみたいだね。
『2ーFの吉井明久君が体育館裏で待っています。なんでも、生徒と教師の垣根を越えた話があるそうです』
ピシッ
「………ハァァァァァァ⁉︎」
何言ってんの⁉︎“あの”船越先生”だよ⁉︎婚期を逃して単位を盾に生徒に交際を求めてるあの船越先生だよ⁉︎確かに僕が行くまで何時間でも待っててくれるだろうけど、このままじゃ僕の貞操が、いや優子に殺される‼︎
『繰り返します。船越先生、ふな…って櫻井!待て!落ち着け!これはクラスのためのささやかな犠せ…ゴハァッ‼︎』
ドゴンッ!!!!!!!!
文月学園に地震が起こったあと…
『ただいまの放送を訂正します。ここに船越先生を求める男子生徒を拘束しておきますので、回収をお願いします』
ありがとう!一樹‼︎今度ご飯奢るから‼︎
ピンポンパンポーン
「お、須川は無事に放送室に着いた様だな」
「なあ雄二。途轍もなく嫌な予感するんだが?」
一樹の言葉に雄二は
「まさか、いくらあいつらでも仲間を捨てる様なことはしないだろうよ」
「だと良いがな」
『船越先生、船越先生』
よし、無事に着いたな。後は適当なことを言ってと…
『2ーFの吉井明久君が体育館裏で待っています。なんでも、生徒と教師の垣根を越えた話があるそうです』
ダッ!
あ、一樹が物凄い速さで教室を出たような?
『繰り返します。船越先生、ふな…って櫻井!待て!これはクラスのためのささやかな犠せ…ゴハァッ‼︎』
ドゴンッ!!!!!!!!
なんか…放送室が壊れてないか心配になるほどの物音がするが…気にしないでおこう…
『ただいまの放送を訂正します。船越先生、ここに船越先生を求める男子生徒を拘束しておきますので、回収をお願いします』
物音が止んだと思ったら一樹が放送の訂正をしてくれた。助かったぜ。“心友”をあの行き遅れの餌食にしたくないからな。今度アイツにはメシでも奢ろう。
アタシは教室で自習をしていた。そこにいきなり…
ピンポンパンポーン
『船越先生、船越先生』
放送が鳴り始めた。
「何だろう?」
「…多分、雄二の作戦」
へえ。坂本君の作戦か…教師を動かすのに放送とは…考えたわね。
『2ーFの吉井明久君が体育館裏で待っています。なんでも、生徒と教師の垣根を越えた話があるそうです』
…え?
嘘…あの明久が?何で…
「…優子落ち着いて。雄二が出した指示ならこんなことはしない。多分、この生徒の独断」
そんな、でも船越先生だよ?明久が大変‼︎
「優子さん、気にしなくて大丈夫ですよ。だって…」
『繰り返します。船越先生、ふな…って櫻井!待て!これはクラスのためのささやかな犠せ…ゴハァッ‼︎』
ドゴンッ!!!!!!!!
「義兄さんが片付けてくれますから♪」
良い笑顔で告げる舞ちゃん。いや、今は攻撃された生徒の方が心配だよ?振動ここまで来たよ?
『ただいまの放送を訂正します。船越先生、ここに船越先生を求める男子生徒を拘束しておきますので、回収をお願いします』
ま、まあ…明久があの行き遅れに捕まらなかったことを喜びましょう。
「…心臓に悪かったわ」
二重の意味で。
「…優子、お疲れ」
代表も同じ気持ちの様で、少し顔色が悪い。
「…雄二に、櫻井君を怒らせないよう伝えとかなきゃ」
それは急いでやった方が良いわね!うん!
また次回お会いしましょう!