バカ達の恋愛模様とそれを守る者(凍結中) 作:フルセイバー上手くなりたい
「そうだろうそうだろう。俺もこの状況におおいに不満だ。そこでだ。我らFクラスはAクラスに『試験召喚戦争』、略して試召戦争を起こそうと思う」
不満って…お前が望んだんだろ?
「なんだ一樹。言いたいことがあるなら聞くが?」
「…本当に聞く気あんのか?」
「無いな」
「……」ジャコ(ガスガンを取り出す一樹)
「待ってくれ。言いたいことは分かるから抑えてくれ(汗)」
渋々ガスガンをしまう一樹。
「一樹はともかく、皆の意見は?」
雄二の質問にクラスの人間はと言うとー
「勝てる訳無い」
「これ以上設備が下がったたら大変だ」
「姫路さんさえいれば何もいらない」
うーん、否定的だな。とりあえず最後のは無視するか。
「大丈夫だ。俺は勝ち目の無い戦いはしない。勝てる要素を紹介する」
学力以外にしてくれよ、マジで。
「おい康太、いつまで姫路のスカートの中見てんだ?」
「……ッ⁉︎(ブンブン‼︎)」
「は、はわっ!」
「(今更気付いても遅いと思うよ…)」
姫路の反応に呆れる明久。
「コイツの名前はあまり有名じゃ無いが、あだ名を知ってるのは多いはずだ。なぜならこいつは
「……(ブンブン‼︎)」
「マジか⁉︎アイツがムッツリーニなのか⁉︎」
「見ろ!明らかな証拠を今だ隠そうとしてるぞ‼︎」
「ああ、むっつりの名に恥じない行為だ」
『いや人として恥だろ』
「(ここの人間バカだからそれが分からないんだよ)」
「それに木下秀吉もいる」
「ワシもか?」
「ああ、声真似などを生かしてもらう。期待してるぞ」
「(正直、秀吉の演劇のレベルは下手な役者さんより凄いから反則だと思うんだ)」
「それに姫路もいる」
「「「「ウオオオオオオオオ‼︎」」」」
「(野太い声だから余計に…耳が痛い)」
「学年次席レベルを使わない手は無い。ウチの主戦力だ。期待してるぞ」
「そうだ!俺らには彼女がいるんだ‼︎」
「彼女ならAクラスにも引けを取らない」
「ああ、彼女さえいれば何もいらないよな‼︎」
「(最後のは今後のために潰しとこうかな?)」
「当然、俺も全力を(作戦を考えるのに)尽くす」
「坂本って確か『神童』って言われてたんだよな⁉︎」
「おいおい、振り分け試験は体調不良だったのか⁉︎」
「(いや、手を抜いてただけだよ)」
「ウチにはAクラスレベルが2人いるのか⁉︎」
「これは勝てるぞ‼︎」
「(相変わらず凄いなぁ…頭の回りかたが違うのかな?)」
「それに櫻井グループに吉井明久もいる」
シーン…
「なあ明久。一緒に目の前のバカ潰さないか?」
「よし、その案乗った!」
「「「待て待て待て‼︎」」」
宗介、和哉、一馬が慌てて止めに入る。
「「チッ!」」
それはまあ不本意そうに2人は座り直した。
「まあ、理由を聞こう。なぜ俺らを呼んだ?」
明久達がとりあえず座ったのを確認すると、代表して宗介が雄二に聞く。
「あ、ああ。明久は『観察処分者』だろ?召喚獣の扱いは恐らく学園一だ。そして一樹達は万能だからな。だから呼んだ」
それぞれ呼ぶのに理由があったらしい。しかし__________
「おいおい、観察処分者ってバカの代名詞じゃないのか?」
____観察処分者にはこういう誤解がある。
「《処分者》とは言ってるが、それ=バカって訳じゃない。この場合の《処分》には主に教師の雑用をこなす…まあ、片付けの様な意味がある」
雄二が説明するとクラスの人間も納得した様だ。
「これだけ勝てる要素があるのに挑まない訳があるか⁉︎いや無い‼︎いざ、ペンを取れ‼︎野郎ども!勝つぞ‼︎」
「「「「おぉー‼︎」」」」
「お、おー」
姫路も一応ノルが…やっぱりこのノリには合ってないようだ。
「まずは肩慣らしにDクラスを攻めるぞ!死者は島田!逝ってこい‼︎」
ニュアンスが違った。
「嫌よ!下位クラスの使者って酷い目に遭うって噂じゃない‼︎」
「あー、男子ならあるが女子は無いだろ。だから逝ってこい」
「うーん、それもそうね。開戦は何時から?」
あっさりと納得した島田。流石はFクラス。
「14時にしとこう。頼むぞ」
「ん。了解」
島田はそう言って教室を出て行く。
数分後…
「坂本!騙したわね‼︎」
「え?どした?」
演技ではなく、本当に何が起こってるのか分からないようだ。
「Dクラスには美春がいたじゃない!色々危なかったのよ‼︎」
「…あー、すまん。アレがいることは知らなかった。以後、気をつける」
「そ、そうなの?なら仕方ないわね」
知らなかったものは仕方ない。
「開戦時刻は?」
「希望通り、14時よ」
「よし、お前ら昼食っとけ!」
その後、いつメンは屋上へ向かおうとする。そこへー
「あ、あのー私も一緒に行って良いですか?」
姫路が話しかけたことをきっかけに
「ウチも良い?」
島田も来た。
「ん?俺は構わんが?」
「今日は止めとけ。色々と用事がある」
雄二が忘れつつあるので止める。それで雄二も察したらしく。
「すまん、今日は勘弁してくれ」
「「…分かった(分かりました)」」
Aクラス教室前に着いたいつメン。そしてドアを開けると
「雄二‼︎」
「明久‼︎」
それぞれの彼女が待ち構えていた。
「(舞、実は結構やばかった?)」
「(はい、彼女達は自分達からこんなに恋人が離れた時が無いから凄く寂しかったのでしょう)」
「(納得)」
一樹が義妹である高橋舞から事情を聞いてるうちに、昼食の準備が完了していた。
「義兄さんは何飲みます?」
「え?それ有りなの?」
ドリンクバーを示しながら聞いてくる舞。Aクラス生徒ならともかく、他クラスの者が使ったら問題だと思うが…
「大丈夫です。一旦水筒に入れて仕舞えば問題ありません」
屁理屈を言いながら水筒を取り出す舞。一樹はその量にツッコミをいれる。
「ちょっと待てコラ。なんでそんな数持ってこれた」
「倉野君に手伝ってもらいました」
「……本当?」
「いえ、嘘です」
「いくら俺でも怒るぞ?」
とまあ、平和に昼休みを過ごした。
では、また次回。