バカ達の恋愛模様とそれを守る者(凍結中) 作:フルセイバー上手くなりたい
「ごめん…勝てなかった」
申し訳なさそうに戻ってきた島田を、Fクラスの人間が暖かく迎える。
「負けはしたけど、熱い試合だったぜ?おかげで普通に観戦者として楽しんでたよ」
一樹が朗らかな笑顔で島田に言う。
「そうそう!あの点差からあそこまで削れたんだから、島田さんは誇って良いよ!コレでFクラスが多少点差が広くても戦える証明になったし!」
明久も少年の様な笑みを浮かべて島田を褒める。
「吉井に櫻井…ありがと」
少し照れくさいのか、そっぽを向きながら礼を言う島田。
…Aクラス側で、優子と舞が羨ましげに見ていたのに一樹が気付き、明久に耳打ちする。
ナ イ ス フ ァ イ ト
声に出さず、口をゆっくりと動かして優子を褒める明久。
それだけで優子の気分は晴れ、太陽な笑みを見せる。
…ちなみに舞には一樹が
【今日は帰るから、帰りに買い物行こうな】
とのメールを送っており、それで舞も笑顔になっていた。
「それでは第3試合です。代表者を出して下さい」
Fクラスからは康太が前に出た。それを見たAクラス陣からは
「あはは、康太が出たならボクが行かないとね♪」
康太の彼女、工藤愛子が出てきた。
「…そろそろ決着をつけるぞ。愛子」
「望むところだよ。今まで議論だけだったからね…」
「…ああ。高橋先生、保健体育でお願いします」
「保健体育に設定しました。召喚をお願いします」
「「試獣召喚‼︎」」
保健体育
2ーA 工藤愛子 412点
両者同時に召喚する。愛子の方はセーラー服を着て、巨大な斧を持っているうえに、腕輪も装備していた。対する康太はFクラスにとっては見慣れた忍び装束で小刀2本、同じく腕輪を装備という状況だ。
「へえ…腕輪は持ってるんだ。でも、実践派と理論派、どっちが強いか教えてあげるよ‼︎」
愛子は斧を持ち上げジャンプ。康太の召喚獣に向かって振り下ろそうとする。
「「「「ムッツリィィィィ二ィィィィィィィィ‼︎」」」」
Fクラスの男達が叫ぶ。
が、康太は冷静に…
「…加速」
腕輪を発動、一瞬で愛子の召喚獣を切り裂いた。
「…加速終了」
2ーF 土屋康太 685点
「「「「ハァァァァ⁉︎」」」」
遅れて表示される康太の点数に、全員が驚愕する。
「さ、流石保健体育の帝王。 …すげえ点数だな…最早教師のレベルじゃねえかこれ?」
一樹すら康太の点数を見て、驚きの声をあげる。それに対し康太は…
「…何を言っている。お前達の戦術の点数の方がバケモノだ」
…そりゃそうだ。
思わず当人達も納得してしまった。
「…さて、愛子。俺の勝ちだ」
「負けちゃったか…で、何にするの?」
「…今週の食事当番は全部愛子」
「げ。まあ負けちゃったし、それで良いよ」
「「「「…は?」」」」
今の2人の会話が納得出来ない生徒達。代表して雄二が聞く。
「ああ…お取込み中悪いが、2人は一緒に暮らしてるのか?」
「…ああ。住居も一樹達が紹介してくれた上に、生活費も稼がせて貰ってる」
「「何(なんじゃと)⁉︎」」
康太の驚き発言に、一樹の方を向く雄二たち。
「本当か?」
「まぁ、な。康太にはウチの情報収集部隊にいて貰ってる。まあ…色々な都合上、あまりこちらの情報は渡してないがな」
「…流石の俺もS.M.Sの情報を取るのは無理だ。1回やろうとしたが一樹に見つかってな…この世の地獄を見た」
実際ガタガタ震えているので、よっぽど怖かったのが伺える。そこでフリーズしていたFクラスの男子達が復活し…
「異端審問会!開廷!」
「「「「ヒャッハー!!」」」」
黒装束を纏ってFFF団となり、康太に遅いかかろうとする…
が、一馬と智樹がどこからともなく取り出したサブマシンガンでゴム弾を連射、気絶させた。
「「そんなんだから、いつまでも恋人が出来ねえんだよ」」
では、また次回お会いしましょう!