バカ達の恋愛模様とそれを守る者(凍結中)   作:フルセイバー上手くなりたい

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Aクラス戦、始まります!


第15話

「さて…そろそろ始めるか?翔子」

「…うん。いつでも良い」

今はAクラスの教室にいる。そう…Aクラスとの選抜試合が始まるのだ…

「では、第1回戦の代表者は前に」

高橋先生の指示でFクラス陣からは秀吉が前に出る。

「佐藤、行ってくれる?」

「はい、代表」

Aクラスからは佐藤夏帆が出て来る。

「では、科目を選択してください」

「そっちが選んで良いぞい」

「そうですか?なら…物理でお願いします、先生」

高橋先生がパソコンで科目を入力した。

「物理に設定しました。召喚して下さい」

「「試獣召喚(サモン)‼︎」」

 

物理

2ーA 佐藤夏帆 421点

VS

2ーF 木下秀吉 398点

 

「「「「…は?」」」」

「むぅ…400点行かなかったのじゃ」

「苦手教科でそれだけ取れれば充分じゃないか?」

「とは言うがの…お主らは苦手教科でも400点超えるじゃろ?」

「「「「いや、流石に無理」」」」

「「「「いやちょっと待て‼︎」」」」

両クラスとも驚いている(いつメンは除く)のは恐らく秀吉の点数だろう…

「なんで秀吉の点数がAクラス並みなんだ⁉︎」

「なぜって…これがワシの本来の点数じゃからのう…」

「「「「なんでFクラスに⁉︎」」」」

「楽しそうだったからじゃ♪」

雄二が下剋上をやりたがっていたから秀吉はFクラスに行ったのだ。

「さて、始めるぞい!」

「あ、はい。負けません!」

2人は点数にあまり差は無い。だからコツコツ点数を削るべきだ。

秀吉の召喚獣が、薙刀を構えて走り出す。対する佐藤は、武器である鉄球を使って短期決着を望む。

「うぬっ!」

飛んでくる鉄球を、横に飛び込んで回避する秀吉。

「(やはり、細かい動作はまだ無理じゃの…)」

一樹達S.M.Sや明久なら、今の攻撃程度、最小の動きで避けたことだろう。とはいうものの、秀吉の操作も決して下手ではない。前述した者達が異常なのだ。

「今のが避けられましたか…結構自信あったんですけど…」

「これでも試召戦争を2度経験しておるのでな」

再度召喚獣を走らせ、佐藤の召喚獣に薙刀を振るう。佐藤は召喚獣を飛び上がらせ、それを回避。

「ここです!」

そして、空中から投擲+重力の威力を加えた鉄球を投げる。

「むっ!」

秀吉は薙刀の石突で地面を叩き、その反動で横に飛ぶことで鉄球を避ける。

「鉄球の威力で地に戻ってくるとは、考えたの…」

「これでもダメでしたか…なら」

佐藤は鎖を短く持ち、鉄球を回転させる。

「これであなたの攻撃に対応できます。細かい動作が出来るならともかく、避けるのに大きく動かなければいけない以上、私の負けはありません」

「…(確かに、アレを避けながら攻撃を加えるのは難しいのじゃ。どうすれば良い…)」

秀吉の脳が高速でシュミレーションしていく。しかし、自分の操作技術では、攻撃を当てる場面が想像できない…

 

「…秀吉、ひとついいことを教えてやる。召喚獣の操作は、()()()()()()()で上手くいく人もいるが、()()()()()()でやってる人も多いんだぜ?」

 

後ろから、一樹の声が聞こえる。決して大きくはない声なのに、その場の全員に聞こえた。

「(つまり、ワシにはマニュアル通りのやり方では合わないと言うことかの?ならば、どうやって動かせれば上手くいくのじゃ?これが演劇ならその者の気持ちになれば良いのじゃが…()()?)」

瞬間、秀吉にある考えが浮かんだ。

「…そういうことなのかの?一樹」

「さあ?どう思ったのか知らないが、お前がそう思ったのなら、そうなんじゃないのか?」

秀吉は、自分の考えを信じて、召喚獣を突っ込ませる。

「行くのじゃ!」

佐藤は回転させている鉄球を横薙ぎに振るってきた。それを秀吉は…

「なっ⁉︎」

()()()()()()()

「そこなのじゃ!」

佐藤が動揺してる隙に、薙刀を振り下ろす。佐藤は咄嗟に後ろに飛ぶが、切っ先が腕に掠った。

 

2ーA 佐藤夏帆 408点

 

本当に掠っただけなので、大したダメージにはならなかった。だがら秀吉の攻撃が当たったのは事実…

「やっぱりなのじゃ!」

秀吉はコツを掴んだのか、果敢に攻めて行く。攻守が、変わった瞬間だった。

 

「お?コツを掴んできたみたいだな」

助言が役に立ったようで、ホッとする一樹。

「秀吉は独特のやり方が合ってるタイプみたいだね。一樹達と同じで」

隣の明久も、秀吉が答えを見つけたようでホッとしていた。

「あー…納得してるところすまんが、俺たちにも分かるように説明してくれないか?」

Fクラスの面々が、説明を求めてくる。

「説明と言われてもな…さっき俺が言ったことまんまだよ」

「秀吉は、秀吉の操作方法を見つけたってこと」

「強引に説明するなら…ス○ブラでさ、w○iコントローラーが得意な人もいれば、ゲームキ○ーブのコントローラーがやりやすいって人がいるのと同じ…で、なんとなくは分かるか?」

「「「「なんとなくは」」」」

ゲームで例えを出したため、Fクラスの人間にも大雑把には伝わったようだ。

 

2ーA 佐藤夏帆 36点

VS

2ーF 木下秀吉 125点

 

一樹がFクラスに説明してる間に、戦闘は大きく動いていた。

「…流石Aクラスじゃ。ワシが理解してから数秒で操作方法を会得するとはのう」

「…しかし、たった数秒でここまで追い詰められるとは思ってませんでした。あなたは、強いですね」

「ワシが強かったら、あやつらはどうなってしまうんじゃ…」

後ろにいる人物達を思い浮かべ、秀吉は苦笑する。

「…まあそうですね。こちらにも2人S.M.Sはいますが、2人とも飛び抜けてますからね…」

佐藤も苦笑を返す。言われたS.M.Sメンバー達は心外そうな顔をしてたのは、見なかったことにした。

「さて、後もつかえておる。そろそろ終わりにするのじゃ!」

決着をつけるために、秀吉は召喚獣を走らせる。薙刀の切っ先が佐藤の召喚獣に当たる瞬間…

「腕輪発動です!」

佐藤の召喚獣の腕輪が光った。その瞬間…

 

2ーA 佐藤夏帆 0点

VS

2〜F 木下秀吉 0点

 

両者の点数が、無くなった。

「両者、戦闘不能!よってこの勝負、引き分け‼︎」

高橋教諭の声が、嫌に響いた。

「な、何故なのじゃ?」

100近い点差があったのだ。佐藤の点数を考えるに、一撃は耐えるはずだ。

「私の召喚獣の腕輪の能力は【同調】。対象の点数を、自分の点数と同じにする能力です。基本は後ろから点数の減った味方に使う能力なのですが…同じやられるなら、一か八か消えるまでのラグを利用して道連れに出来るかやってみました。結果がコレです」

「な、納得なのじゃ。またやろうぞい」

「ええ、またお願いしますね」

一回戦、引き分け。




主人公達にとって、幸先いいのか悪いのか、分からないスタートになってしまった…


また次回をお楽しみに!

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