バカ達の恋愛模様とそれを守る者(凍結中)   作:フルセイバー上手くなりたい

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あれ?

主人公が出てない…だと?


第13話

「がぁぁぁぁぁぁ!!?」

必殺技同士の戦いに敗れたのはなんとナイトだった。

「ガハッ…」

『相棒!』

「これでライダーが1人減りましたね」

シザースピンチを構え、ゆっくり近づいてくるシザース。ナイトはもう早くは動けそうに無い。

「それでは、さよならです‼︎」

「ただでやられるかァァァァ‼︎」

突っ込んでくるシザースにタイミングを合わせて、ダークバイザーを突き出すナイト。シザースは咄嗟のことなので回避出来ずに、カードデッキに直撃した。

 

バキンッ‼︎

 

「し、しまった!カードデッキが‼︎」

ナイトの攻撃でシザースのカードデッキが割れた。すると…

ギシャァァァ!

「け、契約が解けただと⁉︎」

ボルキャンサーは契約破棄とみなした様で、変身が解けた須藤へ襲いかかる。

「ば、馬鹿な!私はこんな所でェェェ‼︎」

須藤の断末魔の叫び。あまりに残酷な光景にナイトは思わず目をそらしてしまう。ボルキャンサーは須藤を喰い終わると、今度はナイトに狙いを定めた様だ。ナイトは逃げようにも体に力が入らない。ボルキャンサーの攻撃を次々と受けてしまう。

「(すまん、翔子…俺もここまでみたいだ)」

ボルキャンサーのハサミが振り下ろされるのを、ナイトは他人事の様に見ていた。だが…

 

「諦めてんなよこの馬鹿野郎‼︎」

『Guard vent』

 

ガギンッ‼︎

 

赤い影がナイトとボルキャンサーの間に入り、ボルキャンサーの攻撃を受け止めた。

「あ、明久⁉︎」

「確かにちょいと遅れたけどさ!その程度で諦めるなんて雄二らしくないよ‼︎」

ナイトをかばったのは龍騎だった。

「お前…木下姉はどうした⁉︎」

「すぐ(そこ)にいるよ!ってか話は後だ。早くミラーワールドから出て‼︎ツバサ!ここは引き受けるから雄二を頼んだ‼︎」

『おう!』

ダークウイングはナイトの背中で翼になり、雄二を近くの鏡に運んで行った。

「さて、お前とお前の元契約者には親友(ダチ)が世話になったね…たっぷり礼は返してやるから覚悟しやがれ!」

『Sword vent』

ドラグセイバーを呼び、ボルキャンサーに向けて構える。

 

 

少し時は遡る…

「霧島さん!大丈夫⁉︎」

明久は優子の手を取りながら翔子のいる所に着いた。

「吉井!雄二が…雄二が‼︎」

普段大声を出さない翔子が声を張るなんて尋常ではない。明久はすぐに鏡を見る。するとあと少しでシザースに負けそうなナイトが写っていた。

「(雄二!男ならその程度で諦めんな‼︎)」

明久の心の声が聞こえた訳ではないだろうが、ナイトはレイピア状の召喚機をシザースの腹部に刺していた。

「変身が解けた⁉︎やばい‼︎」

「…なんで?」

「今雄二が壊したのはモンスターとの契約の証なんだ!それが壊されたってことは…雄二が危ない‼︎」

明久が説明してる間に須藤はボルキャンサーに喰われていた。翔子と優子は明久の方を向いていたので、その残酷な場面を見ないで済んだ。

「(須藤を喰い終わった…その後は…やっぱり雄二が狙いか⁉︎)」

しかもシザース戦でかなり消耗してるらしく、回避も出来ない程弱っているらしい。今、ナイトを救うためには…

「…優子、話は後でゆっくりしようね」

「…え?」

明久は優しい顔で優子の頭を撫でると気を引き締めて鏡の前に立つ。

「吉井!今鏡の前に立ったら危ない‼︎」

翔子が止めるが、明久は言葉では無く、行動で応える。

「…え?」

龍の紋様が描かれたカードデッキを鏡に掲げ、Vバックルを装備する。その後、右手を左斜め上に伸ばし…

「変身ッ‼︎」

カードデッキをVバックルに装填する。すると複数の影が彼にくっ付き、彼を【仮面ライダー龍騎】に変身させた。

「明久が…変身した?」

優子は今ひとつ状況が理解出来ない様だが、今は構ってられない。

「っしゃぁ‼︎」

右手を顔の前で軽く振り、気合を入れてミラーワールドに入り、急ぎカードをドラグバイザーに装填する。

「諦めてんなよこの馬鹿野郎‼︎」

『Guard vent』

龍騎はドラグシールドでナイトをかばい、選手交代となったのだった…

 

 

龍騎はドラグセイバーを構えたまま、ボルキャンサーと睨み合っていた。

「(AP(アタックポイント)は大したこと無さそうだけど…装甲は硬いな。完全な防御型か…)」

龍騎も実はかなり年季がいってるライダーだ。モンスターから出るオーラでおおよその強さを察することが出来る。

「(やるしかないか…)行くよ‼︎」

ドラグセイバーを構えて走り出すとボルキャンサーも龍騎に向かって走り出す。ドラグセイバーとボルキャンサーの巨大なハサミがぶつかると…

 

バギャアンッ!

 

「ぐっ…」

火花が散り、ドラグセイバーが弾かれた。

「やっぱり硬いな…なら!」

『Strike vent』

ドラグクローを呼び、同時に現れたドラグレッダーと共に火球を出す。しかし…

 

《ギシャァァ‼︎》

 

「へ?効いてない?リュウの炎が?マジで?」

ドラグレッダーはモンスターの中でもかなりの攻撃力があるモンスターだ。その火球を受けてもダメージを負ってる様に見えないボルキャンサー。

「リュウ…あのモンスターの装甲剥がせると思う?」

『分からん。しかし、やるしか無いだろ?』

「うん、そうだね!」

再び走り出し、ドラグセイバーでボルキャンサーを何度も攻撃する。そして、ボルキャンサーが一瞬怯んだ瞬間、

「うおりゃぁぁぁぁ!」

持てる力を全て使ってボルキャンサーを遠くへ投げ飛ばす。結果、ボルキャンサーは10m以上飛んでいき、固いコンクリートに叩きつけられた。

 

ドォン!

 

《ギシャァァ…》

「よし!上手く行った!」

『ゲームのノリが通用するとわ…』

落下+コンクリートへの衝撃でボルキャンサーの装甲にヒビが入った。しかも衝撃はボルキャンサーの内部にもいってるのか、先ほどより動きが鈍い。

「さて、それなら長居する理由も無いし、そろそろ終わらせますかね」

カードデッキから龍の紋様が描かれた赤いカードを取り出し、ドラグバイザーに装填した。

『Final vent』

腰を低く落とし、力を貯めてジャンプ、ドラグレッダーと共に空中に舞い上がり、ドラグレッダーが放つドラグブレスを受けながら跳び蹴り“ドラゴンライダーキック”を叩き込むと…

《ギシャァァ‼︎》

ボルキャンサーは奇声をあげ、爆散した。

「ふぅ…なんとか倒せた」




龍騎は本当に戦闘描写が難しい!


…龍騎に限った話じゃないや

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