バカ達の恋愛模様とそれを守る者(凍結中) 作:フルセイバー上手くなりたい
戦闘描写難しい…
Aクラスへの宣戦布告を終えた帰り道。雄二は翔子と帰っていた。
「…雄二」
「ん?どした?」
この2人、いつもならここまで静かではなく、世間話をしながら帰る方が多い。しかし、今日は翔子の雰囲気が違った為、雄二は翔子から話すのを待っていた。
「…一樹のベルト。似たようなものが私の家にある」
「何⁉︎」
「…だから、今度の日曜にみんなで私の家に来て」
「…分かった。他のFクラスの奴らには俺から言っとく」
雄二と翔子がここまで会話すると…
「見つけましたよ!Fクラス代表‼︎」
須藤が目の前に現れた。
「…須藤か…何の用だ?」
「言うまでもない…貴様のせいで!貴様のせいで私は‼︎貴様と吉井だけは…殺さなくては気がすまない‼︎」
須藤から漏れ出る殺気…あまり素人って訳でも無いらしい。
「ケンカって訳か…上等だ。来いやコラ」
鞄を翔子に預け、戦闘体制に入る雄二。しかし、須藤は…
「フン、生身でなんて野蛮な。私達でしか出来ない戦いがあるでしょ?」
須藤はそう言ってある物を雄二に見せた。
「そ、それは…カードデッキ⁉︎」
中に蟹の紋様が彫られた黒いカードデッキだった。
「さあ、始めましょうか。ライダーバトルを…負けたら死の恐怖を味わい、生還出来たとしてもライダー関連の記憶はなくなりますがね…」
これは、ライダー達全員が認識しているミラーワールドの掟だ。ライダーバトルで負けた者は、1度死ぬ。そしてミラーワールド関連の記憶が無くなり、いつの間にか戻ってきているのだ。
「…受けて立つぜ」
須藤は近くの鏡を指す。雄二もポッケからカードデッキを取り出し…
「翔子…俺が言ったら直ぐに明久を呼べ。良いな?」
「…え?吉井?」
翔子の疑問には答えず、須藤と雄二は鏡にカードデッキを掲げ、Vバックルを呼び寄せた。
須藤は右手を独特の構えで前に出し、雄二は拳を握って曲げた右腕を内側に向けて振りかぶった。
「「変身ッ‼︎」」
同時にVバックルにカードデッキを装填し、2人は変身した。須藤が変身したライダーはシザース。蟹型モンスターと契約してるからか、とても装甲が硬そうだ。
「さて、行きますか?」
「ここまで来たら逃げねえよ。相手してやるぜ‼︎」
そう言って2人は同時にミラーワールドに入って行った。
「…そうだ、吉井に連絡とらないといけないんだった」
翔子は雄二に言われた通り、明久に電話する。
プルルルル…ガチャッ
『もしもし?どうしたの代表』
しかし出たのは優子だった。
「…なんで吉井の携帯に優子が出るの?」
至極もっともな疑問である。
『明久の携帯に女の人が出た場合、まず私に渡してくれるの』
よっぽど優子に惚れてるんだな、明久…
「…ごめん、今回はおふざけ無しの話だから吉井に代わって」
翔子の声音から、真剣度が普段と違うことを察したのだろう。優子はすぐに明久に代わった。
『もしもし?どうしたの霧島さん』
「…吉井、【ミラーワールド】って知ってる?」
『ッ⁉︎何故霧島さんがそれを⁉︎』
「…雄二が話してくれた」
『そう、雄二が…で、それが?』
「須藤も…ライダーだったから」
『どこ⁉︎すぐに優子と行く‼︎』
須藤がライダーだと聞いて緊急事態だと理解した明久は場所を聞いて、すぐに向かうと約束した。
ナイト、シザースはミラーワールドに入った瞬間、それぞれの召喚機にカードを装填した。
『Sword vent』
『Strike vent』
ナイトは槍状の武器、ウイングランサーを構え、シザースは蟹のはさみ状の武器、シザースピンチを構える。
「オラァッ‼︎」
「フンッ‼︎」
同時に前に出て、お互いの武器がぶつかる。だが…
「く、硬えな‼︎」
ウイングランサーが弾かれた。ナイトの腕が衝撃によって痺れる。
「私の武器はもちろん、私自身もかなりの硬度を持っています。そこんじょそこらの武器にやられる訳がありませんよ」
シザースが小馬鹿にした態度で接近してくる。確かに、ナイトの武器は素早さを重視した武器ばかりだ。ナイトにとって、シザースは相性が悪すぎる相手だ。
「(チクショウが…)」
「まあ、ライダー歴10年の私に勝てと言う方が酷ですね」
ただでさえ相性が悪いと言うのに、須藤はかなりの長期間、ライダーだったらしい。経験の差もあると言う事だ。
「…それがどうした!」
ウイングランサーを構え、シザースに飛びこむナイト。シザースはシザースピンチでウイングランサーを受け止める…
「オラッ!」
「グッ⁉︎」
ウイングランサーでシザースの視界を奪ったナイトの前蹴りが決まる。装甲の隙間に入ったために、シザースは蹲る。
「(装甲は全身を覆ってる訳じゃないようだな!)」
攻撃が通用する部分を見つけたナイトは、ひたすらそこを狙う。
「ハッ!」
「おのれ…!」
経験で勝っている筈のシザースが、ナイトに追い詰められている。それが、シザースの冷静さを奪っていた。
「この、程度で⁉︎」
力任せにシザースピンチを振るうがナイトはギリギリで避ける。こうなったらケンカ慣れしているナイトが有利…しかし、シザースにウイングランサーを掴まれ、シザースピンチで殴り飛ばされた。
「フンッ!」
「ガッ⁉︎」
ナイトの体から火花が散る。僅か一撃で、シザースの優勢へと変わってしまった…
「さっきまでの勢いは、どうしました!?」
「オゴッ⁉︎」
ダメージの大きさに、ナイトの動きが鈍る。そこに、シザースの容赦ない攻撃が続く。
「悪鬼羅刹も、大したことないですね‼︎」
シザースピンチを振り上げて、ナイトを吹っ飛ばした。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
吹き飛ばされながらも、ナイトはなんとかウイングランサーを奪い返す。そして、ダークバイザーにカードを装填する。
『Final vent』
起死回生を狙って必殺技、“飛翔斬”を出すナイト。それを見てシザースもまた紋様が描かれたカードをバイザーに装填する。
『Final vent』
すると、シザースの背後に鏡が現れ、彼の契約モンスター、ボルキャンサーが中から出てきた。
シザースはボルキャンサーのアシストでジャンプ。高速で空中回転しながら体当たりして来た。
「喰らえェェェェ‼︎」
「行っきますよォォォォ‼︎」
2人の必殺技が激突。果たして、勝つのは…
では、また次回お会いしましょう