「今回の大会は旧ティア制度のティア6までしか使わないことにする。」
大会前の最後のミーティングでほむは爆弾発言をする。
「何でなのかー?」
「・・・来年もしかしたらティア制度が復活するかもしれない。まぁ和歌山で行われる世界大会はこのままらしい。」
「でも何でティア6なの?」
「皆が勝てると思ってるギリギリがそこ。・・・やり方次第ではマウスだろうと何だろうと勝てる。」
力強くほむは言う。
「となるとT-34-85、KV-85、T-150、SU-8、SU-100かしら。KV-2は運用上の制約が大きいから使わないとして。」
「紫、SU-100Yも入るわよ。」
「T-50-2も使えるよね。元ティア5だから。」
ワイワイガヤガヤ
「戦車だよりだなんだと言われてましたからねっ。」
「そう。・・・そのイメージは私達の代で終わらせる。」
「きっかけもほむだろ☆おぃ!こっち向けよ☆」
「さて・・・ほむさんには悪いけどあなたの負の遺産は精算してもらいますよ。」
オレンジペコの後ろには血走った眼をした少女が2人いた。
ニーナとアリーナである。
どちらもBC自由学園の制服を着ていた。
「M44・・・まぁ有効に使いなさい。私達には必要ないものだから。」
オレンジペコ以外は何も音を発しない。
これが彼女の起業家的、商人的なカリスマである。
「もう下がるといいわ。紅茶が不味くなるから。」
プラウダ、黒森峰、大洗、聖グロ、サンダースの5強状態のためこの5校は1回戦ほぼ無傷で勝利し、プラウダはサンダースとぶつかる。
サンダースは現在良くわからないチームである。
ケイの時代のようなフェアプレイ精神のチームでもなく、アリサの時代のようななんとしてでも勝つというような覇気もなく、ただただ残骸のような正義感と先輩方が残した遺産にぶら下がるような連中である。
アメリカンを目指した日本人が陥りやすいフワッとした感覚の上に存在しているのがサンダースである。
アリサやケイ達はこの光景を見て涙を流した逸話は関係者には有名な話である。
そんなサンダースにプラウダは容赦なく牙を剥く。
T29、T30、T32を筆頭にした重戦車部隊にパーシング、シャーマン後期のバランスの良い戦車を使用した。
普通は勝てないのだが建物を壊し、重戦車の砲身をへし折ったり、行動不能にさせてしまえばどうとでもなる。
最後は残ったT28の側面を戦車で挟み、身動きが取れない所を自走砲でキューポラを撃ち抜いて終了と練度の差を見せつける。